原神 アチーブメント『軌道は放り出ず、逆巻く』獲得RTA 作:底無ノどろ沼
許してヒヤシンス♡
迫りくるヴィシャップの群れに剣を抜き突貫する。
剣を突き刺しそこから雷を流し込む。空いている片手で一体の頭を掴み地面に叩きつける。
あの日魔物に襲われていた少年は、魔物を冷酷に狩る青年になっていた。
青年は辺り一帯の魔物を全て狩り、移動を開始した。
魔物を狩ったあとは秘境に潜り修練に明け暮れる。
そんな生活を続けて数ヶ月、青年は格段に強くなった。
青年は無心で魔物を狩っていく。
何かが身体を蝕んできていることに気づきながら。
少年は一つの墓の前に佇んでいた。
雨が降ろうが風が吹こうが少年は墓の前から動かなかった。いや、動けなかった。
感情の制御が効かないのだ。
帰離原の仙人達は少年を心配して声を掛けるも少年は応えない。
その中でも甘雨はほぼ毎日、少年に話しかけご飯を持って行った。
ある日少年の隣に長身の男性が現れた。
「お前が帆藻か」
少年は何も応えない。ただ墓を見つめている。
長身の男性は息をついて書状を取り出す。
それを墓に置いて男性は帰っていく。
「これはヘウリアの書状だ。読んでみるといい」
少年はやっと反応を示した。
震える手で書状を手に取る。
呼吸が荒くなるのを感じながら広げて読んでいく。
『この書状を持たせた子は夜叉です。自分が人と違うことで悩んでいる優しい子です。貴方方は人と仙人の共存ができていると聞いています。どうか彼がそちらで暮らすことを許して欲しいのです』
それは母が子を頼むような内容だった。
少年は声もなく泣く。
顔を上げ書状をしまう。
まだ悲しく辛く泣いていたいが、それを振り払った。
最後に墓に一礼して帰離原に向かう。
──行ってきます、ヘウリア様
懐かしい夢を見た。
あのあと道中で甘雨さんと会って叱られる前に夢が終わって良かったと一人笑う。
しばらく帰離原に帰っていないからか、少し寂しく思った。
北の見回りが終わったら報告に帰ろう。
帰ったら久しぶりに魈と手合わせでもしようと考えながら北に向かう。
帰離原に帰ると仲のいい人達に軽く挨拶をして帰終様の元へ行く。
「帆藻!お前どこ行ってたんだ!?」
帰終様に報告をしようと歩いていると浮舎の兄者率いる夜叉達に止められた。
南西から北西をざっと見回って来た
「半年もか?」
兄者が何を言いたいのか分からず首をひねる。
兄者達が円をかいて何かを相談しているのを横目に少し遠くに居た魈を手合わせに誘う。
「久しぶりに帰って来たのだから少しは休め」
明日の昼には見回りを再開したいから時間が…
そう言った瞬間兄者に羽交い締めにされた。
「休め!見回りは我らがやるから」
目で魈に助けを乞う。
「我も先程休めと言ったぞ」
いつもより細められた目で言われた。
自分は大丈夫だから、とりあえず離せ…!
腕を振ってなんとか抜け出すが、囲まれた。
「いくら夜叉といっても限度はあるぞ!しばらく休養しろ!」
「これはなんの騒ぎでしょうか」
甘雨さんが来た。何故か背筋が凍る。
甘雨さんが事情を聞いてこちらを向く。
いつかのような笑顔だった。
「帆藻、無茶はしないようにと言いましたよね」
いや自分は無茶なんて
「言いましたよね」
笑顔の迫力が増していく。
兄者も甘雨さんから少し距離を取った。
…じゃあ自分、報告行ってきます。
走ってその場を抜け出そうとしたが伐難さんに水元素をかけられ、甘雨さんの狙撃で凍らせられた。
そのまま帰終様の所に運ばれ、いつかのような説教が始まる。
夢で受けなかった分をここで受けることになるとは
「自分を大切にしなさい」
帰終様にも言われ
「そうだな。しばらく休め」
いつの間にか居た帝君にも言われてしまった。
帰って来て早々に叱られ、休養を言い渡された。
休養か…何をすればいいのか分からないな
とりあえず明日は魈を誘って鍛錬しようと思いながら目を閉じる。
「お前のせいだ」
父が目の前に立っている。自分を見下ろすその目は忌むべきモノを見ているようだった。
「お前さえいなければ」
父が段々と傷ついていき、口から恨みが溢れる。
目の前の父の背から胸に剣が突き抜ける。
そして自分がその剣を握っていることに気づいた。
父の姿が変わっていく。
剣は離そうにも離せず、動かそうにも動かない。
父が完全に崩れヘウリア様が現れる
ヘウリア様が胸を自分の持つ剣で貫かれている。
「貴方のせいよ」
こんなこと言わないことなんて分かっている。
だからこそこれは冒涜だ。
そして後悔だ。
何もできなかった弱い自分への後悔。
身体が沈んでいく。
最後に見たのは、自分が誰かを剣で刺す姿だった。
本当に感想ありがとうございます。励みになります。
結構ゴール見えてきたんでエタらないよう頑張ってイクゾー!