原神 アチーブメント『軌道は放り出ず、逆巻く』獲得RTA   作:底無ノどろ沼

9 / 20
難産でしたねぇ~

気づいたら主人公が淫夢語録使ったりしてて読み返した時、目を疑いましたw


幸せな時間

休養を言い渡された翌日。

魈に手合わせを頼むと目を見開いて絶句していた。

 

 何か都合が悪いなら日を改めるが…

 

「…手合わせに誘われると思わなかったからな」

 

魈の言葉の意味が分からず首を傾げた。

 

様子を不思議がった兄者達が近づいてくる。

 

「何をしているんだ?」

 

「…帆藻に手合わせを頼まれた」

 

その場の全員にジト目で睨まれる。

その空気感に耐えられず、走り出す。

 

近くの洞窟で鍛錬でもしようと思い帰離原から出ようとすると

 

「どこに行くんですか、帆藻?」

 

甘雨さんに呼び止められた。

その声に怒気が含まれていることは容易に分かった。

 

 少し…外に…

 

「で、鍛錬ですか?帝君にも休むよう言われたはずですが」

 

手を掴まれ引きずられるように連れて行かれる。

その細腕とは思えない力を恐れながら、これからの説教に身を震わせた。

 

 

 

「休みかたが分からないのね。じゃあ私の護衛をしてみない?」

 

帰終様の提案によって長く続いた説教に終止符が打たれた。

 

 申し訳ありません、帰終様。気を使って頂いて…

 

「いいのよ、護衛は明日からだから今日は好きになさい」

 

頭を下げて帰終様のもとから失礼する。

 

帰離原の自宅へと向かおうと歩いていると甘雨さんがついてきていることに気づく。

 

 何故ついてきているんですか?

 

「貴方は私との約束を破ったので、また破らないか見張ろうと思いまして」

 

そっぽを向いてどこか拗ねたように言われてしまった。

 

返す言葉も見つからず、歩みを進める。

足を緩めて甘雨さんと隣り合うように歩く。

 

途中、元集落の人を見かけ道を変える。

現在自分と元集落の人々の関係は悪い。

 

彼らにとってヘウリア様は既に自らを恨み呪うかもしれない存在と化してしまった。

そして自分はヘウリア様を一番に慕っていたために復讐に奔ると思われているのだろう。

 

もちろん全員がそんなふうに思っていないことも分かっている。

だが居心地は良くはない。

 

そんな居心地の悪さが帰離原に帰ってくるのを拒んでいたのかもしれない。

 

正直に言えば不快だった。

ヘウリア様がそんなことするわけ無いというのに。

 

黒い感情が湧き上がってくる。

 

お前らのせいでヘウリア様は死んだんだぞ。

 

「大丈夫ですか?」

 

手を握られ足を止める。

甘雨さんが自分を心配そうに見つめてくる。

 

 ──大丈夫です

 

顔を向けずに返事をする。

手を握ったまま足早にその場を去る。

今の顔を見られたくはなかったが、一人にもしないで欲しかった。

 

 

 

自宅は外れにあり久々に帰って来ても意外と綺麗だった。

ベッドとテーブルと椅子二つの寂しい家だったはずだが、いくつか身に覚えがないモノが増えている。

 

そんな自宅で今自分は甘雨さんにお茶を出されている。

茶葉なんて置いていなかったと思うが…

 

「貴方がいない間ここは私が管理していたんですよ」

 

微笑みながらお茶を飲む甘雨さん。

家が綺麗だったのも甘雨さんが掃除していたかららしい。

 

 すいません、掃除もしてもらい…

 

「ふふっ、そこはありがとうでいいんですよ」

 

休みというのも良いものだと思いながらお茶をすする。

甘雨さんの話に相槌を打ち、お茶を飲み進める。

 

日が暮れ甘雨さんが夕食を作って一緒に食べる。

そこまでさせるのは悪いと思ったので自分がやると言ったのだが

 

「どこに何があるか分からないでしょ?それに料理、できるんですか?」

 

何も言えず椅子に座って料理をしている甘雨さんの後ろ姿を見て、何か良いなと思う。

 

甘雨さんとの食事を終え、甘雨さんを送って行こうとすると首を傾げられた。

 

「今から絶雲の間まで行くのですか?」

 

 いや、あの…帰終様か応達さんか伐難さんの所に送って行きましょうか…?

 

男女が同じ家で夜を過ごすことは色々とまずいだろうと思っての提案だったが

 

「実は貴方がいない間ここに住んでいまして、だから掃除もしていたんです」

 

指を合わせて申し訳なさそうに言われてしまい

 

 使っていないので別に良いですが…

 

家に住むことを受諾してしまった。

しかしそれは自分がいない時の話であり、今の状況がマズイことに変わりはなかった。

 

「ありがとうございます。では甘えさせてもらいますね」

 

そうして甘雨さんとの同棲が始まった。

 

昼間は帰終様の側で護衛、夜は家で甘雨さんと過ごす生活。

 

護衛とは言いつつもただの話相手だ。

そこでお茶の淹れ方を甘雨さんに教えてもらい、帰終様にお茶を淹れ色々と話す。

 

自分は口下手なため相槌を打つだけだが、帰終様は楽しそうに話してくれる。

 

しかし甘雨さんとの生活をからかってくるのはやめてほしい。

いくら自分達がそのような関係でないと言っても、ニヤニヤして分かってくれないのだ。

 

甘雨さんも甘雨さんで困ったことがある。

何というか距離が近いのだ。

一緒にベッドで寝ようと言われた時は本当に頭を抱えた。

 

なんとか甘雨さんにベッドを使ってもらい、自分は椅子で眠ることになり胸を撫で下ろした。

 

「ねぇ帆藻、貴方は無茶をし過ぎる子よ。自分を大事になさい。貴方が無茶をすると悲しむ人がいることを忘れないようにね」

 

甘雨を悲しませては駄目よ、と続けて言われ

 

 からかわないでください。ですが…悲しませないよう努力します

 

そう言って今日の護衛は終わり帰路につく。

家では既に甘雨さんが夕食を作って待っていた。

 

「おかえりなさい、もうご飯ができますよ」

 

おそらくこれを幸せと言うんだろう。

ただありがたかった。

 

その日の夜

 

「帆藻、家を借りてる身で言うことではないですが、ここは貴方の家ですからね。帰ってきてくださいね」

 

そう言って甘雨さんは寝てしまった。

 

目を閉じる。

 

 ──ただいま、そしておやすみなさい、甘雨さん 愛しています




なんだろ、こういう経験ないから分かんないっすね

今回ちょっと特殊タグ使ってみましたが楽しいっすねコレ

幸せ回の次は不幸せ回だと相場は決まってます。じゃあまた
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。