Megaponさん、誤字報告サンクスです。
平地で仮面ライダーディケイド率いるライダー軍団が人類守護戦線の本隊を圧倒し、制圧戦に移行する中、仮面ライダーGと改造人間のアルファⅡとの戦いに、終止符が打たれようとしていた。
「死ね!
アルファⅡは一気にとどめを刺そうと、頭部の触手をライダーGに向けて放った。ライダーGに迫り触手の速度は弾丸並みであり、普通の人間では身体を貫かれる事だろう。
だが、吾郎は改造人間であり、仮面ライダーだ。自分に向けて放たれた触手を、右手に持つ剣で斬り落とした。
「うがぁ!? 俺の触手を! 俺の触手を奪いやがってぇ!!」
触手を斬り落とされたアルファⅡは更に激昂し、怒りのままにライダーGに突っ込んだ。迫り来るアルファⅡに、ライダーGは剣の間合いに入るまで待ち受ける。これにアルファⅡは自身の力を感心しているのか、それとも怒りで我を忘れているのか、ただ殺そうと突っ込むだけだ。
「はぁっ!!」
エッジ部がソムリエナイフで柄がコルクスクリューな剣の間合いに入ったところで、ライダーGは剣を振るい、アルファⅡを切り裂いた。
「ぐ、グァァァ…! 奪われる…! 俺の、俺の力が…!!」
胴体を切り裂かれたアルファⅡは自分の力が抜けていくのを覚え、火花を散らしながら膝から崩れ落ちる。数秒後、アルファⅡは人間態、正確には斎田喜治の姿に戻る。全身血塗れであり、今にも死に体であるが、自分よりこの力を奪ったライダーGに対する怒りでまだ生きていた。
「畜生が…! 俺の、俺の力を…! 俺の力を奪いやがって…!!」
人の状態に戻った喜治は自分を哀れな目で見るライダーGを睨みつつ、必死に立ち上がろうと手足を動かすが、怒りでは死に体の身体を動かすので精一杯だ。それでも、喜治はライダーGの元へ這いずりながら向かう。
「殺してやる…! 殺してやるぞ…! 仮面ライダー…!!」
自分から力を奪ったライダーGに対し、喜治は殺意を抱きながらその足を強く掴む。もう喜治にはそれくらいしか残っておらず、今は強く掴むことしかできない。そんな喜治を、仮面ライダーGこと吾郎は哀れんだ目で見るだけだ。これが余計に喜治を惨めにさせたのか、彼は見上げながら睨み付けながら恨み筋を吐く。
「そんな、そんな目で、俺を見るな…! 俺は奪われるだけに生きる弱々しい斎田喜治じゃない…! 改造人間アルファⅡ怪人だ…! 全てを、総てを奪う存在なんだ…! 俺を、俺を人間を見るような目で見るな…! 見るな…」
最期に自分を人として見るなと言った後、喜治はそのまま力尽きた。動かなくなった喜治の遺体に、ライダーGは抱き上げ、仰向けになるように降ろしから自信を睨み付けたままの目の瞼を閉じ、その顔に近くにあった布を被せた。
こうして、仮面ライダーG対アルファⅡ怪人との戦いは、前者である仮面ライダーGが勝利を収めた。
同時刻、仮面ライダーリベンジこと信楽慎藤対仮面ライダーディエンドとアンガロス、ティーゲル二体による戦いも、決着がつこうとしていた。
「呆気ないね。まぁ、こちらの数が多い所為でもあるが」
アンガロスとティーゲル三体に押されるリベンジの姿を見て、ディエンドである海東大樹は勝利を確信する。それが、自身の敗北に繋がることも知らずに。
『マキシマムドライブ!』
三体のライダーからの銃撃に耐えるリベンジは、その痛みに耐えながらマキシマムドライブを起動し、メモリのエネルギーを解放する。リベンジの全身が真赤に光り、沸騰する水のように湯気が出始める。それを見たディエンドは、直ぐに何かの反撃が来ると予感して、それを退くことが出来るカードをディエンドライバーに差し込む。
「っ!? 慢心が過ぎたか!」
『インビジブル!』
そのインビジブルのカードを差し込んで能力を発動すれば、ディエンドのみが姿が消える。アンガロスとティーゲル二体は、リベンジに銃撃を続けるだけだ。
「ハァァァッ! アァァァッ!!」
自分だけ姿を消したディエンドに構わず、リベンジはその名の通りに受けたダメージを自身の手に握る剣に集中させ、それを三体の仮面ライダーに向けて放った。振るわれた剣から赤いエネルギー体の斬撃波が放たれ、その斬撃波を受けたアンガロスとティーゲル二体は吹き飛んで消滅した。
「まさか、その名の通りにリベンジだとは…!」
三体の召喚された仮面ライダーが倒された後、ディエンドは姿を現し、リベンジがその名の通りの仮面ライダーであったことに驚く。だが、自分が抑えている間にライダーGがアルファⅡを倒している頃合いなので、ディエンドはそれをリベンジに伝えた。
「でも、約束は果たした。もう君が倒そうとしていた怪人は、Gによって倒されてるんじゃないのかな?」
「何っ!? それは一体どういう意味ですか!」
「結果は自分の目で確かめるが良いさ。僕はここで失礼するよ」
これにリベンジが問えば、ディエンドは負け惜しみの如く自分の目で確かめろと返答した後、ディエンドライバーを回しながら仕舞い、この場を立ち去った。
「まさか…!」
その言葉に酷く動揺したリベンジは、自分の行動を見透かしたように立ち去るディエンドを追わず、戦いのダメージを気にすることなく、対象であるアルファⅡこと斎田喜治の元へ急いだ。
ディエンドが言った通り、リベンジが召喚された三体のライダーを倒したと同時に、アルファⅡは仮面ライダーGに倒されていた。
「っ!? 貴様ァァァッ!!」
ディエンドの言葉に動揺し、アルファⅡの元へ急いだ仮面ライダーリベンジであったが、仮面ライダーGによって倒された後であった。
自分がこの手で殺すはずであったアルファⅡこと斎田喜治を倒したライダーGに、リベンジは激しく激昂して斬りかかる。
「信楽慎藤か!」
「№5! 何故だ! なぜアルファⅡを!? 彼は、いや、奴は私がこの手で倒すべき怪物だった!!」
リベンジの怒りの斬撃を剣で防いだライダーGは気付き、眼前に迫る仮面ライダーの変身者の名を口にする。先にアルファⅡを倒したライダーGに対し、リベンジは自分が倒すべき相手をなぜ倒したと問いながら、空いた左手を峰の部分に押し当て、力尽くで剣ごとライダーGを切り裂こうとする。
「斎田喜治を貴方が手を掛けてしまえば、戻れなくなってしまう! その為に僕が彼を倒した!」
「アルファⅡを倒す役目は私が果たすべきだった物だ! あれを倒すこと私の使命であり、人類の為であった! それを貴様は、貴様がァァァッ!!」
「それは貴方の復讐だ! 人類の為でも宿命でもない! ただの期待を裏切られた事に対する復讐だ!!」
仮面ライダーGこと吾郎が先にアルファⅡを倒したのは、慎藤が更なる狂気に進ませないためだ。人類の為と方便して復讐を正当化する慎藤がアルファⅡを倒せば、後戻りが出来なくなるだろう。
人類守護戦線が掲げる改造人間の殲滅を果たしても、慎藤の思想上、復讐を果たした後、自暴自棄となった彼は、今度は世界平和のためだと戦う者全てに敵意を向け、シェードやノバシェードに次ぐ新たなテロ組織にまで拡大し、新たな人類の脅威となる危険性がある。
それを阻止するために、ライダーGは慎藤ことリベンジの復讐対象であるアルファⅡを先に倒したのだ。
いつもの紳士的な態度と丁寧な口調は何処へ行ったか。今は先に倒されたことに対する怒りに燃え、完全に冷静さを失っていた。
そんなアルファⅡを倒すのが自分の使命であり人類の為と語るリベンジに対し、ライダーGは機体を裏切られたことに対する復讐を、正当化するための方便であると看破する。
「黙れェ! 怪物風情の貴様に何が分かる!? 心の底から信じていた者に裏切られた気持ちが!」
「うわっ!?」
これがリベンジの怒りの炎に油を注いだらしく、更にはライダーGに対する怒りがメモリにパワーを与え、眼前の仮面ライダーを吹き飛ばした。
「ぐわぁぁぁっ!!」
吹き飛ばされたライダーGは壁を突き破り、地面に転がる。それをリベンジは怒りの炎を燃やしながら壁を叩き破り、倒れたライダーGを殺そうと迫る。空いている左手で腰の銃を抜き、それを立ち上がろうとするライダーGに向けて発砲した。発射された弾丸に何発か被弾したライダーGであるが、それでも身体を回転させ、その勢いで立ち上がって遮蔽物となる壁に駆け寄る。
「アルファⅡは私の罪だ! 私があの怪物を信じたばかりに、大勢の犠牲を出してしまった! 失敗作ならまだしも、完成体である奴が人に戻ろうと考えるはずが無い! あんなことになるなら、先に処分すべきだったと今更後悔しています!」
ライダーGを見失ったリベンジは、アルファⅡが自分の罪であると告白し、力を取り上げられることを嫌がって施設を破壊してしまうなら、先に殺すべきだったと後悔の念まで明かした。これは自分を攻撃させる挑発かどうか分からないが、リベンジがやけに冷静なので、ライダーGは様子を見て飛び出さないようにしていた。相手が自分が怒っていないことを警戒し、出て来ないと分かったのか、リベンジは続ける。
「貴方もそうだ! その力を捨て去らないことを考えるに、アルファⅡと同様、やはり力を捨て去るのが惜しいと思っている!」
今度はライダーGに対する罵倒を始めた。その力を捨て去らないのは、アルファⅡの斎田喜治と同様に力を失うことが惜しいと思っているからだと言う。更にリベンジは続ける。
「全ての改造人間が居なくなったとしても、貴方は力を捨て去らない! 必ずや自分を必要としなくなった人類に反旗を翻すでしょう! あのAPソルジャーもそうだ! あの男の経歴は見ましたよ。実に平凡な大学生ですが、APソルジャーに改造されてからは、まるで主人公のような体験をしている! そんな日常では味わえない経験をしている青年が、改造人間の力を捨てようなどと思わないでしょうね!」
一向に出て来ないライダーGに業を煮やしたのか、改造人間が居なくなったとしても、力を捨てることなく自分を必要としない人類に必ず反旗を翻すと侮蔑し、更には仮面ライダーAPすら侮辱した。これに怒りを覚えたライダーGであるが、少し冷静になって、リベンジが側面に来たところで奇襲を仕掛ける。奇襲は成功し、リベンジは銃を破壊された。
「ぐっ! ようやく出て来ました、かァ!!」
銃を破壊されたリベンジであるが、狙い通りにライダーGが出て来たので、二撃目を避けてから反撃に出る。振るわれた剣を剣で防ぎ、鍔迫り合いとなる中、ライダーGは仮面ライダーAPである南雲サダトが心の弱い人間でないと告げる。
「僕だけならまだしも、APも侮辱するとは!」
「当然でしょ! あの青年も改造人間なんですから! アルファⅡと同じ運命を辿るかもしれない!」
「彼の心は決して弱くない! そうであるなら、今この時も、仮面ライダーAPとして戦ってない!」
「庇うのですか! 改造人間同士、馴れ馴れしく、してぇ!」
「はぁっ!!」
鍔迫り合いの最中に互いの怒りをぶつけ合い、一度離れてお互いに剣をぶつけ合えば、力が拮抗したのか、お互いの剣はその手から弾け飛んだ。その剣をリベンジが拾い上げようとするが、ライダーGがそれを許すはずもなく、体当たりを行って相手を転倒させ、踏み付けようとする。これにリベンジは身体を横に動かし、素早く足蹴りしてライダーGを転倒させた。
「フン!」
転倒したライダーGに対し、リベンジは立ち上がって踏み付けようとする。それにライダーGは向かってくるリベンジに両足を叩き込み、その勢いを利用して立ち上がる。
蹴られた勢いで怯むリベンジに追撃せず、ライダーGは互いの剣が落ちている方へ視線を向けたが、相手はそれを許しはしないだろう。そう確信するライダーGは、徒手による戦闘を行うために構える。リベンジも取りに行くことは不可能と判断し、同じく徒手での戦闘を行うために拳を構えた。
「ハァァァッ!」
「ヤァァァッ!」
両者はお互いに雄叫びを上げ、互いの顔面を利き手の拳で殴った。同時に怯む中、そこから一歩も譲らない徒手による戦闘。即ち蹴りもありな異種格闘技のような激しい肉弾戦へと発展する。
成人男性なら数発のパンチで死亡するような力を持つ仮面ライダー同士による格闘戦だ。この互角の格闘戦が成立するのは、両者が人を超える力を持つ仮面ライダーであるからだろう。
『マキシマムドライブ!』
互いに譲らない徒手や蹴りによる格闘戦を繰り広げること数分、殴り合っては埒が明かないと判断してか、一気にケリをつける為、リベンジは強い蹴りを入れてライダーGを引き離して距離を取り、マキシマムドライブを発動して解放されたエネルギーを右足に溜め込み、ライダーキックの準備を行う。
相手がケリをつける為にライダーキックの準備を行っているの見たライダーGもスワリング・ライダーキックを行うべく、ワインボトル内のワインを体中に浸透させる。
「はぁっ!」
「やぁっ!」
エネルギーが溜まったところで、お互いに高く飛翔し、相手に向けて蹴りを入れ込む。この時、ライダーGは利き足の右ではなく、左でライダーキックを行っていた。
互いの足がぶつかり合い、凄まじい衝撃が周辺に散らばり、周辺を破壊する。辺り一面が互角のぶつかり合いで瓦礫の山と化すが、仮面ライダーGと仮面ライダーリベンジの力が拮抗しているのか、両者ライダーキックをしたまま滞空している。
「うぉぉぉっ!!」
「ハァァァッ!!」
両者が雄叫びを上げ、相手の力を捻じ伏せ、必殺技のライダーキックを叩き込んで勝利を掴み取ろうと力をぶつけ合う中、リベンジの執念がライダーGを上回った。
「これで貴方も終わりです!!」
勝利を確信したリベンジは、ライダーGの胴体にライダーキックを叩き込もうとしていた。だが、その勝利はライダーGと物となる。ライダーGはこれを予想してか、本命である右足でせず、左足でライダーキックを行ったのだ。相手が勝利を確信して油断したところで、ライダーGは物理法則を無視した回転を行い、本命である右足によるスワリング・ライダーキックを行う。
「何っ!?」
「スワリング・ライダーキック!!」
「グァァァァッ!?」
勝ったと思ったら、ライダーGが物理法則を無視した回転を行ったことに驚くリベンジは反応が遅れ、本命である右足によるスワリング・ライダーキックを躱し切れず、回転しながらの蹴りを胴体に叩き込まれ、地面に向けて蹴飛ばされた。
「あぁぁぁっ! あぁぁ…!!」
火花を散らしながら地面に落下した直後、リベンジは過負荷なダメージを受けた所為か、ベルトが外れて元の信楽慎藤の姿へと戻る。人に戻った慎藤の身体を凄まじい激痛が襲い、彼は悶え苦しみ、硬い床の上でのた打ち回る。そんな慎藤の近くに着地したライダーGはゆっくりと歩み寄り、苦しむ彼を哀れむような目で見つめていた。
「何をしている…? この私に、とどめを刺さないのか…!?」
死を望むほどの激痛に耐える慎藤は、自分を見つめるライダーGにとどめを刺さないのかと睨み付ける。これにライダーGはベルトからワインボトルを外し、元の吾郎の姿に戻ってから答える。
「僕は愛の仮面ライダー。戦ったのは倒すためではなく、貴方を止めるためだ」
止めるために貴方と戦った。
そう答えた吾郎は自分を睨み付ける慎藤に向け、右手を差し出した。その差し出された手を見た慎藤は、自分の敗北を理解し、激痛に耐えながら腕を上げ、差し出された手を取った。
かくして、仮面ライダーG対仮面ライダーリベンジの戦いは、前者の勝利で終わった。
次回はAPとアナザー戦かな。