仮面ライダーAP アナザーメモリ   作:ダス・ライヒ

23 / 25
前回のあらすじ

ウォズ「祝え! 新しいファントムの誕生である!」

白い魔女
仮面ライダーディエンドこと海東大樹がグール対策の為に召喚した魔法使いの仮面ライダー。
見た目は仮面ライダーウィザードに登場する白い魔法使いを女性化。大きな魔法の杖を持ち、魔女感を現している。


新たなファントム

 正体を隠していたアメミットが本性を現し、ゲートであった神崎が絶望させ、ファントムを生み出させた。

 その新たな神崎が絶望して生み出したファントム、大魔王の名を持つサタンを誕生させたアメミットであったが、同胞であり仲間と思われていたそのファントムは、あろうことか同胞の腹を貫いた。

 

「な、何がどうなっている…!?」

 

「仲間を、仲間をやっちまったぞ…!?」

 

 かつて神崎だったサタンが同じファントムであるアメミットの腹を貫いたことで、仮面ライダーたちは動揺を覚えていた。

 

「これがファントムの力か…! 良い物だな」

 

 アメミットの腹を貫き、その右腕を引き抜いたサタンは、自身の力に感動を覚える。

 

「な、なんでうちを…? 同じファントムでしょ…?」

 

 腹を貫かれてもまだ息のあるアメミットは、何ゆえに自分を攻撃するのかと痛みに耐えながら問う。それにサタンは、自分の力を試すためにやったと嘘偽りも無く答えた。

 

「絶望して生まれ変わった俺の力を試すためだよ。分からねぇのか?」

 

「生まれ変わった…? まさかやー…! ファントムになったゲートの人格は無くなるんじゃ…?」

 

 サタンが生まれ変わったと言ったことで、アメミットは驚きの声を上げた。ゲートがファントムとなった後、宿主の肉体と記憶は継承しているが、あくまでもゲートとファントムは別人であり、宿主の人格は全くな別物と化すが、例外はある。

 それは、元からファントムと同等の残虐な性格と言う事だ。神崎戦太郎はファントムか、それを上回る性格の持ち主であったらしく、絶望してファントムのサタンとなっても、人格や心を持ったままファントムとなったようだ。

 

「俺は俺のままだよ。それにしてもファントムってのは良いな! ゴールドメモリなんかと比べ物にならねぇほど力が漲って来る! 俺を絶望させてくれてありがとよ、化け物」

 

 当然、この世界の者たちがファントムのことなど知らない。神崎ことサタンもある程度は知っていたようだが、ファントムとなったゲートが全く別の性格になる事など知らなかったらしく、ファントムとなってゴールドメモリとは比べ物にならない力を手に入れたことで、有頂天になっていた。

 絶望させてファントムにしてくれたアメミットに、サタンは礼を言う。礼を言うサタンの口振りから、全く感謝の意思が無かった。

 

「やっぱ、あんたはファントムよりファントムや…」

 

 それを聞いたアメミットはファントムでありながら絶望し、元の宿主である羽原暢子の姿と戻ってから事切れて消滅した。

 

「お前は、お前のままか…?」

 

 アメミットこと暢子が消滅した後、APはサタンに本当に神崎なのかと問う。これに神崎ことサタンは苛立ちながら答えた。

 

「あぁ? あの化け物と同じ質問をしてんじゃねぇよ。俺は俺だ。まぁ、サタンって名前も良いかもな」

 

 苛立ちながらも神崎はファントム名であるサタンであることを気に入ったようで、これからはサタンと名乗ることにする。

 

「それじゃあ敵って事だよな?」

 

「決まってんだろ。お前らは俺の力を試すための実験体なんだよ」

 

「そうかい! ならぶっ倒すまでだ!」

 

 神崎がサタンと名乗ったことで、モモタロスが憑依している電王は敵と思っていいのかと問えば、目前のファントムはライダーたちを自分の力を試すための実験体だと返した。そうだと分かれば、ライダーたちはサタンに対して攻撃を開始する。

 マス・ライダー軽装型を身に纏うヘレンは起き上がり、スコーピオンをサタンに向けて発砲する。それに続くようにライダーマンGは右腕のガジェットをガンモードに付け変え、同じくサタンに向けて銃撃を行っていた。

 

「行くぜ、行くぜ行くぜ!!」

 

 APと電王は彼女らの援護を受けつつ、サタンへ斬りかかる。まだ慣れていないサタンはこの連携攻撃を受けるが、アナザー・ドーパントよりも更に強化された肉体には蚊ほどではなく、あの電王の斬撃でも大したダメージは与えられなかった。

 

「なっ! どうなってんだ!?」

 

「俺たちの攻撃が通じない!?」

 

「あれだけの攻撃、通じている筈じゃ!?」

 

「なんだよぉ…仮面ライダーたちの力はこの程度かよ!!」

 

 総攻撃を受けても、サタンには大したダメージが無かった。あのアナザー・ドーパントをAPと共に倒した電王の攻撃でさえ、全く通じている様子が無いのだ。それに驚くライダーたちに対し、サタンは自身の強大な力でライダーたちを吹き飛ばした。

 

 

 

「うわぁぁぁっ!!」

 

 サタンの攻撃により、仮面ライダーAPとライダーマンG、ヘレンのマス・ライダー軽装型、モモタロス憑依の仮面ライダー電王ソードフォーム等は、ディケイド率いるライダー軍団が居る採掘場跡地まで吹き飛ばされた。

 

「あれは、仮面ライダーAP!」

 

「電王まで居るのか。どうやら、新手が来たようだ」

 

 信楽慎藤を連れ、自分たちが居る方へと吹き飛ばされたAP等を見た仮面ライダーGこと吾郎が叫ぶ中、電王が吹き飛ばされたのを見ていたディケイドは、複数のグールが追撃して来たのを見て、新手が現れたと認識する。

 

「やれやれ、遅かったみたいだ」

 

「海東。お前、あの沖縄ちゃんことキッカーが、ファントムだってことを伝えなかったのか?」

 

「全く、君は人使いが荒いな。それに神崎ってゲートはそのファントムに絶望させられ、ファントムを生み出してしまったよ。あの場に居た電王は何をやっていたのだろうね」

 

 その後から変身を解いた海東大樹が現れ、遅かったと口にする。これにディケイドこと士は羽原祥子の正体がファントムのアメミットと知っていたらしく、その正体をAPたちに告げなかったことを問う。これに海東は人使いが荒すぎると愚痴をこぼし、電王が居ながらみすみすゲートの神崎を絶望させたことを責めつつ、ディエンドライバーに魔法が使える仮面ライダーを差し込み、直ぐに召喚を行う。

 

『カメンライド、ウィッチ(魔女)!』

 

 海東に召喚されたのは、仮面ライダーワイズマン(白い魔法使い)に似た仮面ライダーウィッチであった。魔女感を表すためか、右手に大きな杖を持っている。召喚されたウィッチは動きがゆっくりながらも、AP等を追ってきたグールらに立ち向かう。他の仮面ライダーたちも向かおうとしていたが、海東に止められる。

 

「行かなくて良いんですか?」

 

「この人数だと過剰過ぎるよ。本命は直ぐに来る。それまでに備えておきたまえ」

 

「納得だな。まぁ、俺だと同名倒しになっちまう」

 

 仮面ライダーアサルトからの問いに海東はウィッチ一人で十分だと答え、本命であるサタンの到来に備えるように告げた。

 事実、ウィッチ一人でAP等が倒せなかったグールらを魔法の杖を槍のように突くだけで、容易く倒していた。仮面ライダーグールも、ウィッチが無駄な動きをすることなくグールらを倒していく姿を見て、自分らの助太刀は不必要だと納得する。

 

「あれだけ攻撃も倒せなかったのに、いとも容易く…!」

 

「ちっ、後から来てカッコ付けやがって! この泥棒野郎が!」

 

 ライダーマンGは自分らがどれだけ攻撃しても倒せなかったグールらを、杖で突くだけで倒していくウィッチを見て茫然としていた。これにはAPとヘレンも驚いている。電王に次ぎ、自分らと次元が違い過ぎる異世界の仮面ライダーの力を見せ付けられているのだ。

 ウィッチが全てのグールを倒し終えた後、モモタロスが憑依している電王は、自分をこのような状況に陥った原因だと言う海東に文句を言う。海東が常に上から目線で話すので、それがモモタロスをイラつかせているのだ。

 

「まさかファントムを知らないとは、驚いたよ」

 

「てめぇ! 人をおちょくるのも大概に…」

 

「御出でなすったぞ。あれがアナザー・ドーパントか?」

 

 海東は電王がファントムの存在を知らなかったことに驚いていると言えば、憑依しているモモタロスはからかっているのかと激怒した瞬間に、ディケイドが神崎ことファントムのサタンの到来を知らせた。

 サタンはその名の由来の通りに背中に両翼を備えており、それを使ってこの採掘場跡地に来たようだ。まだアナザー・ドーパントを知らないディケイドは、あれがそうなのかとAPに問う。

 

「いや、違う! あれがあんた等が言うファントム、サタンだ!」

 

「おいおい、仮面ライダーってどんだけ居るんだよ! まぁ、関係ないがな!」

 

 APが指差しながら言えば、サタンは眼下に見える仮面ライダーたちを見て驚くが、自分の力の前には有象無象の存在だと豪語する。絶望してファントムとなった神崎ことサタンを見たライダーたちは、その禍々しい外見に少し戦くが、覚悟を決めて臨戦態勢を取る。

 

「あの雰囲気はドーパント、いや、もっと禍々しいな。ファントムの上位クラスって所か」

 

「まさに大魔王だ。名前はサタンだな、きっと!」

 

「けっ、そこの泥棒野郎よりムカつくぜ!」

 

「貴様がこの騒動の根源だな! 秋津の名において、御用改めである! 神妙にお縄につけぃ!!」

 

 サタンを見たディケイドが即座にドーパントではなく、ファントム、それも上位クラスであると見抜けば、仮面ライダールーツは名前を一目見ただけで当て、モモタロス憑依の電王は海東よりもムカつくと言う。最後に仮面ライダーレッサーは、大人しく自分らに捕まれと勧告する。

 

「名前を当てたり、ムカつくと言われ、挙句に時代劇の岡っ引きか! 幾らほざこうが、テメェら仮面ライダー共はサタンに進化した俺に勝てないってことを、思い知らせてやるよ!!」

 

 自分に対して散々なことを言うライダーたちに対し、滞空しているサタンは、溢れ出る力に酔いしれて興奮しながら強力な魔法攻撃を開始した。その攻魔法撃は爆撃以上に凄まじく、ライダーたちは吹き飛ばされていく。

 

「うわぁぁぁっ!!」

 

「凄い力だな! 全く、とんでもない奴を絶望させた物だよ!」

 

『カメンライド、ディエンド!』

 

 上空に滞空するサタンが放つ多数の魔弾による爆撃で、ウィッチが倒されて消滅する中、海東は逃れながら仮面ライダーディエンドに変身する。

 

「なんて攻撃!? これじゃあ真面に反撃も出来ない!」

 

「動き回らなければ、やられる!」

 

 サタンの魔弾による爆撃は、射撃系の武器を持つライダーたちの反撃すら封じていた。防御系統の技を持つライダーたちはそれを駆使するが、防御するので手一杯で碌に反撃も出来やしない。

 

「ハハハッ! なんだよ、お前らこんな雑魚だったか? がっかりさせやがってよ!」

 

 自分の魔弾による爆撃で防御するか、逃げ回るばかりの仮面ライダーたちを見たサタンは、圧倒的な光景を見て高笑いする。

 

「畜生、調子に乗りやがって! このファントマだかファントム野郎が!! 俺の必殺技、剣先飛ばし!!」

 

 味方のライダーたちが爆撃を受ける中、一人爆撃の範囲から脱出したモモタロス憑依の電王は、デンガッシャーの分離機能を使って上空に居るサタンを攻撃した。

 

「どうだ! 俺の必殺技剣先飛ばしは!?」

 

「電車野郎が抜けて来たか。お前から始末してやるよ!」

 

 一人抜けて自分に攻撃して来た電王に対し、サタンは最初に倒す対象をそちらに定めた。

 

「奴の攻撃が止んだぞ! 一斉射撃だ!!」

 

 サタンの注意が電王に向いたところで、射撃系統の武器を持つライダーたちは上空に向けて一斉射撃を開始した。ディエンドに続き、ライダーマンG、アサルト、ルーツ、ヘレンのスコーピオンGM-01、再び召喚されたアンガロス、デバイスの射撃アプリによる弾幕が、上空を滞空しているサタンに浴びせられた。

 

「ちっ、囮か!」

 

「敵は俺だけじゃねぇぞ!」

 

 流石に数十体のライダーによる対空射撃は強靭なファントムであるサタンでも耐え切れないらしく、電王が居る地上へと降り立つ。降り立ったサタンに対し、電王を含めるライダーたちは一斉に襲い掛かる。集団で向かってくるライダーたちに、サタンは動じることなく対処する。

 

「ライダーリンチって奴か。幾ら束になって掛かろうが、俺には勝てないんだよ!!」

 

 ライダーが何人束になっても勝てないと豪語しつつ、先攻を行うGとAPの剣を受け止め、強く引っ張って顔面に裏拳を叩き込んで吹き飛ばす。

 それから次々と迫るアサルト、ルーツ、レッサーを殴り飛ばすか蹴飛ばし、ゾンヌのロケットパンチの如く放たれたゾンヌナックルとクローを弾き、背後から迫るクノイチの右脇腹に強烈な蹴りを叩き込んだ。

 

「何っ!?」

 

「俺たちの同時攻撃を!?」

 

「その程度かよぉ…お前らの力はよォ!!」

 

 アースの大地で両足を封じてから、ソリッドワンのブーストパンチ、デザートのパンチによる連続攻撃すら通じず、サタンは圧倒的な力で地面への拘束を解いてしまう。両ライダーを吹き飛ばし、自分を大地の力で拘束したアースを魔弾で攻撃した。

 

()ってーなァ。まぁ、ちょっとだがな!」

 

 そんなサタンの背後よりズワルドが聖剣で背中を斬り付けるも、大したダメージにはならず、腹を蹴飛ばされた。

 更にライダーたちは迫るが、サタンは格闘を面倒くさがってか、魔弾による掃射を開始し、接近しようとしたライダーマンGやマス・ライダー軽装型のヘレン、メビウス、ジンガ、デバイス、アトラス、ブロッサム、グールを吹き飛ばした。

 

「並のファントムの力じゃないな!」

 

「あのグレムリンっていうファントムを上回ってるんじゃないのか!?」

 

 圧倒的な力でライダーたちを圧倒するサタンに対し、ディケイドとディエンドは並のファントムじゃないと推測する。そんな両名もサタンの魔弾攻撃を食らって吹き飛ばされた。

 

「畜生、なんて無茶苦茶な奴だ!」

 

 一人残った電王は周辺の味方が全て吹き飛ばされたことに動揺を覚えるも、それでも果敢にサタンに突っ込み、そのデンガッシャーの一太刀を浴びせようとしたが、刀身を掴まれた。

 

「なっ!? 離しやがれ!!」

 

「お前は特別だ。特別痛いのをくれてやるよ!」

 

「グワァァァッ!!」

 

 サタンの手を振り払おうとするが、相手はびくともせず、腹にライダーたちを吹き飛ばした物とは比べ物にならない強力な魔弾を至近距離から撃ち込まれ、電王はすさまじい勢いで吹き飛ばされた。その威力は電王の変身を強制的に解除するほどで、憑依していたモモタロスは強制的に変身を解除された影響下、良太の身体から弾き出された。

 

「あぁぁ…! ぐっ…!」

 

「上野、俺のことが気に入らなかったようだな? 俺も最初からお前のことが気に入らなかったよ」

 

 攻撃と変身を強制的に解除された影響で倒れた良太に、サタンは近付き、最初から気に入らなかったと踏み付けながら告げる。

 

「それに我慢してせっかく上玉をくれてやったのに、感謝の一言も無かったな。だから死ね」

 

「ま、待て! 待つんだ!!」

 

 四つのガイアメモリを使用できるベルトまで渡したのに、それについて感謝の言葉も述べなかったことに上げ、サタンは悶え苦しむ良太を殺そうとする。それを安全な場所から見ていた慎藤は、戦闘の影響で痛む身体に鞭を打ちつつ、良太を助けるために立ち上がり、サタンに向かって全力疾走する。これを立ち上がったGは、止めようとするが、慎藤は止まらずにサタンに向かう。

 

「あぁ? なんだよ、お前まだ生きてたのか?」

 

「上野君、逃げてください!」

 

「邪魔すんなよ。死にぞこない」

 

 サタンは慎藤が生きていたことに多少は驚くが、全く意に返さないようだった。ライダーに変身せず、生身のままにサタンに掴み掛り、慎藤は良太を逃がそうとする。Gも駆け付けようとするも、既にサタンは手に掛けた後であった。

 

「信楽さん!!」

 

 既にサタンの腕が慎藤の身体を貫いており、それを見た良太は叫んだ。




次回で最終回です。

まぁ、いつものようにエピローグもあるけど。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。