沖縄弁で喋る元気な女性。この世界には無いゲーマドライバーを持っており、それで仮面ライダーキッカーに変身する。
イメージする演者は黒島結奈さん。
仮面ライダーAPに変身する大学二年生の青年。
このガイアメモリ騒動に対処すべく、世界各地で奮闘している。
西方と呼ばれる同人作品を隠れ蓑にしてヘイト動画を投稿していた無職の中年男。
それを扱うサークルと数々の方面より訴えられ、家を追い出された。
神崎から与えられたガイアメモリを使い、逆恨みする自分を訴えた一人である女性政治家に復讐すべく、街頭演説会に乗り込む。
ライダーマンGこと番場春香が、学園に現れたロブスター・ドーパントを撃退した頃、同じくガイアメモリを持つ中年男が、選挙カーの上から街頭演説を行っている女性政治家に襲い掛かろうとしていた。
「あいつだァ…! あいつの所為で、俺は…! 俺は…!!」
街頭演説を行う女性政治家を見た中年男、
彼があの女性政治家を恨む理由は、自分の生活を破壊したことであるが、それは完全なる逆恨みであった。
美川は西方と呼ばれる美少女系同人作品を好んでいたが、サークルが発売するソフトやグッズは一切購入していない。
そればかりか今日を含める二週間前を除き、中学生の頃からいじめなどが原因で自宅に引きこもっていた。その間にネットでこの作品のファンとなるが、先に述べた通り、一切購入していない。
熱中するうちに黙認されている動画制作を行うが、政治にも興味を示しており、それに関連する動画を製作し、ネットの動画サイトに投稿していた。
某国や一部の民族、思想などに対するヘイトに感化されたようで、西方を隠れ蓑にしたヘイト動画を投稿。圧倒的な再生数を見て快楽を覚え、ネットで探し、拾い集めた偏った情報を集め、それを動画にして投稿を続ける。
四十代に突入し、長年に渡ってヘイト動画を投稿して来た彼はいつしかヘイト界隈の大物となったが、西方を管理・運営するサークルは、身に覚えの無い団体からの訴えに、自分らの作品が望まない差別や排斥に使われていることを知り、美川も含めるヘイト動画の投降者やサイトなどに訴えを起こす。
それに逆ギレを起こし、挙句にサークルを逆に起訴する美川らヘイト動画側であったが、裁判で勝てる要素など何処にも無かった。
裁判を下結果、サークル側が一方的に勝利し、西方を隠れ蓑にしたヘイト動画は駆逐されつつあった。
西方と言う隠れ蓑を失ったことで、美川を初めとする銅が投降者等は、ヘイト動画の話題にした様々な団体より訴えを起こされ、敗訴していった。養っていた裕福な両親も、訴えられても反省どころか逆ギレを起こす美川に我慢できず、家から追い出した。
追い出された美川は働く術も知らず、ホームレス生活を送ることになるが、ガイアメモリを不特定多数に流通させていた神崎に目を付けられ、手術銃で生体コネクタを打ち込まれ、アルターエゴのガイアメモリを渡されて今に至る。
「俺の全てを奪ったあのババア…! 絶対に許さん…!!」
『アルターエゴ…!』
逆恨みにも程がある憎しみの炎を滾らせ、美川はアルターエゴのガイアメモリを起動させ、首元の生体コネクタに差し込んだ。美川の身体は黒い怪物「アルターエゴ・ドーパント」に変貌し、周囲に居た人々は悲鳴を上げ、逃げ惑い始める。そんなアルターエゴとなった美川は逃げ惑う人々を気にも留めず、自分が逆恨みする女性政治家の方へと進む。
「と、止まれ! 止まらんと撃つぞ!」
そんなアルターエゴに、周囲を警備していた警官らは拳銃を抜き、銃口を向けながら止まるように警告する。拳銃を向けられても、アルターエゴとなっている美川は内から湧き上がる力に溺れており、全く恐れもしない。そればかりか、警官らに女性政治家を撃つように言う始末だ。
「お前ら、国家の敵はあのババアだろ? この日本の味方で日本自身である俺に銃口を向けるとは、何様だ? 国家公務員なら、国賊であるあのババアを撃て。これは日本の意思だぞ」
「な、何を言ってるんだ貴様!?」
ドーパントとなったことで高揚感を得ているアルターエゴが守るべき者を撃てと言う事に、警官は激しく動揺し、威嚇の為に空へ向けて拳銃を発砲する。
「今度は本当に撃つぞ! 撃たれたくなければ、大人しく投降するんだ!」
「フッ、馬鹿だな。所詮は無能警察か。ならば、国賊を庇うお前たちも国賊だ。裁いてやる!」
今度は本気で撃つと警告するが、アルターエゴの美川は自分の言うことを効かなければ敵と判断し、警官らに襲い掛かった。襲ってくるアルターエゴに警官らは本気で発砲するが、拳銃弾ではドーパントは止められず、打ち倒されるばかりだ。
「ほ、本部! 改造人間です! マス・ライダーを! マス・ライダーを大至急現場に! 我々の装備では歯が立ちません!!」
次々と警官たちが倒されていく中、女性政治家を乗せた選挙カーは、警官たちが時間を稼いでいる間に退避する。パトカーの近くに居る警官は無線機の受話器を取り、本部に量産型仮面ライダーであるマス・ライダーを要請していた。
「国賊の盾となるとは、お前たち日本人じゃないな? 真の日本人なら、あのババアを殺すのが筋だ。それをしない者は、日本人ではない」
自分がやっている行為が国賊その物になっているなど気にも留めず、身勝手な正義を宣い、現場から逃走しようとする選挙カーを追おうとする。
「うっ! 何処の賊だ!? この日本の正義を遂行する俺を攻撃するとは! 万死に値するぞ!!」
だが、己を正義と宣う者に挑む者がいた。その者はアルターエゴに向け、マンホールの蓋を投げ込んで足を止める。自分の行いを邪魔をする者に対し、アルターエゴは何者かと問う。
「何が正義を遂行する者だ。お前のやってることは、立派な犯罪行為なんだよ!」
「この日本そのものである俺を犯罪者だと? 貴様、何処の国賊だ!?」
「国賊? 違うな。俺は仮面ライダー、仮面ライダーAP! お前たち好き放題に暴れ回る怪人を倒す者だ!!」
改造二輪車である「マシンアペリティファー」の近くに居るその正体は、
「仮面ライダーだと? 日本の為に戦わず、怪物共とじゃれ合っているあの国賊共か! お前たちが戦うべき相手は怪物ではなく、日本の敵だぞ!? なぜ日本の為に戦わない!? お前たち仮面ライダーに愛国心は無いのか!?」
「その台詞、お前は危険な奴だな! 何処で改造手術を受けたか知らないが、お前が話し合いの通じない相手だと言う事は分かった。その危険な思想を持つお前を、倒す!」
サダトが仮面ライダーAPと名乗れば、アルターエゴは日本の敵と戦わない国賊と罵る。それにサダトは危険な思想を持ち、話し合いの通じない相手と判断し、倒すと宣言した。
羽織っているレザージャケットを翻せば、仮面ライダーGに似た変身ベルトが露わとなり、懐に忍ばせてある赤いミニワインボトルを取り出し、素早くベルトに装着する。
『SHERRY!? COCKTAIL! LIQUEUR! A! P! SHERRY!? COCKTAIL! LIQUEUR! A! P!』
甲高い声色の電子音声がベルトより発せられ、サダトの身体を異形に変貌させる。仮面ライダーのスーツだ。全身をスーツが覆えば、サダトは左手の人差し指と中指で小文字のaを描き、その指先を顔の正面へと立てる。
「変身ッ!」
変身と叫んだ瞬間に右手でベルトのレバーを倒すと、ベルトに装着されたワインボトルが発光し、輝きがサダトの全身を覆い尽くす。
「うわっ!?」
変身を妨害しようとしたアルターエゴは、その光と同時に放たれた衝撃波で吹き飛ばされる。
『AP! DIGESTIF IN THE DREAM!!』
その高い電子音声が変身シークエンスの完了を告げた後に現れたのは、南雲サダトではなく、仮面ライダーであった。
黒を基調とするボディに走る真紅のエネルギーライン。煌めく金色の複眼を{a}の文字が囲い、赤い胸には「p」のイニシャルが刻まれ、燦燦と太陽の輝きを照り返している。
この仮面ライダーこそ、南雲サダトが変身する仮面ライダーAPだ。
「それが、どうしたぁ!?」
仮面ライダーAPに変身した南雲サダトに恐れることなく、アルターエゴは突進を仕掛けるが、あっさりと躱され、カウンターの正拳突きを横っ腹に叩き込まれる。
「はっ!」
「どべばっ!?」
強い正拳突きであった為、アルターエゴは吹き飛ばされた。転倒したアルターエゴに、仮面ライダーAPは走って倒れた相手に追撃の蹴りを入れ込む。
「ぐべっ!?」
間抜けな声を上げ、アルターエゴは再び吹き飛ばされる。元の美川のように、少し怯えた様子を見せるアルターエゴであるが、それに惑わされる仮面ライダーAPではない。直ぐに起き上がった相手に拳を叩き込み、容赦なく胴体に蹴りを入れ込んだ。
ライダーマンGの番場春香よりも戦闘経験がある仮面ライダーAPのサダトに、ガイアメモリを使ってドーパントとなっただけの美川が叶う相手ではない。一方的にやられるアルターエゴは、呆気なくやられたロブスター・ドーパントとは違い、自身の能力を発動して応戦する。
「く、クソぉ! お前ら行けぇ!」
「増えた!?」
それは影分身であった。一度に四体も増えたアルターエゴに、一瞬だけ動揺する仮面ライダーAPであるが、長年の経験で即座に襲い掛かる分身に対処し、一体を肘打ちで撃破される。
残り三体の分身に仮面ライダーAPの対処を任せ、アルターエゴ本体は自分が逆恨みする女性政治家を追おうとする。
「あっ!? 待て! クソっ、こいつ等…!」
逃げるのが即座に本体だと気付き、それを追おうとする仮面ライダーAPであるが、三体の分身に妨害され、まんまと逃げられてしまう。
「一気に片付ける!」
残り三体の分身アルターエゴを仕留める為、「p」の意匠から出現させた一振りの剣を右手に握り、それを手近な距離に居る分身を切り裂いて消滅させる。三体目の攻撃を避けた後にカウンターの斬撃を入れ込んで撃破し、残り一体も続けざまに剣を振るって撃破する。
「あそこか!」
三体の分身を仕留めた仮面ライダーAPは、遠方に逃げるアルターエゴを逃さず、直ぐに追いつくためにマシンアベリティファーに跨り、エンジンを始動させ、バイクでの追跡を始める。アクセル全開でのバイクでの追跡したおかげか、直ぐに逃走するアルターエゴに追い付いた。
「へっ!? ギャァァァ!!」
バイクで追い付いかれた事で、アルターエゴは更に足を速めるが、バイクの速度に逃れられるはずが無い。そのバイクに跨る仮面ライダーAPことサダトは、容赦なく速度を上げ、アルターエゴを跳ね飛ばす。
「ワァァァッ!!」
跳ね飛ばされたアルターエゴは、公園の公衆トイレ近くに吹き飛ばされた。常人なら死んでいるバイクでの体当たりであるが、ドーパントのおかげか凄まじい痛覚で済んでいる。
「こ、これじゃあ逃げられない…! っ!」
仮面ライダーAPに勝てない上に逃げられないと分かったアルターエゴは、公衆トイレを見てあることを思い出す。そう、人質だ。トイレに居るであろう子供を人質に取り、仮面ライダーAPに解放する条件で自分が憎む女性政治家を殺させるのだ。
「人質だ! あいつにあのババアを殺させよう!」
自らを日本の心と表する者とは思えぬ卑劣な策に、アルターエゴは追い詰められて気が動転しているのか、プライドも感じることなく実行する。男子トイレでも良かったはずだが、アルターエゴはあろうことか女子トイレに侵入し、怯えて悲鳴を上げる女性たちの中から母親に連れられていた幼い少女に目を付け、その少女をさらって女子トイレから出た。
「小っちゃい子を誘拐するなんて! 女として、許せんね!!」
このアルターエゴの卑劣過ぎる行動を、一人の沖縄出身の若い女性、
ベルトが出現すれば、暢子はベルト左のメインガシャットスロットの内ドライバー中央よりのスロットにライダーガシェットを挿入した。
『キックオフ!』
「変身!」
『ガシャット! レッツゲーム! メッチャゲーム! ムッチャゲーム! ワッチャネーム!? アイアカメンライダー!!』
ガシャットを装着すれば、ベルトから音声が流れる。これで仮面ライダーへと変身が可能になるのだ。暢子が変身と叫べば、喧しいように電子音声がベルトから鳴り響き、彼女を仮面ライダー、ではなくサッカーボールをモチーフにしたゆるキャラに変身させた。
「まさかやー!? これ、レベル1やん!? レベル1も戦えるけど、レベル2の方が良い」
どうやら、レベル2にならなければ、仮面ライダーになれないようだ。
「でも、速く助けんと…! うーん、助けてからレベルアップするね!」
だが、レベル2になる暇は無いらしく、直ぐに少女を救うためにゆるキャラ状態であるレベル1で、少女を人質に取って仮面ライダーAPに卑劣な要求を行うアルターエゴの元へ急いだ。
「動くなァ! 俺の言う通りにしねぇと、小娘を殺すぞぉ!!」
「お母さーん!」
一方、女子トイレに侵入して幼い少女をさらったアルターエゴは、泣きじゃくるその少女を人質にし、仮面ライダーAPに自分の身勝手過ぎる要求を突き付けようとしていた。
「ババアだァ! 街頭演説していたあのババアを殺せ! 殺しに行かねぇと、このガキを殺すぞォ!!」
自分の思い通りに行かず、それに気が動転して正常な判断が出来ておらずか、ガイアメモリの毒素が身体中に回っているのか、アルターエゴは声を裏返しながら標的の女性政治家を殺すように仮面ライダーAPへ脅す。街頭演説を襲撃していたあの余裕ぶりは何処へやら、今では完全に追い詰められた恐慌状態の逃走犯であった。
当然、そんな要求を仮面ライダーとして呑める訳がない。だが、目前のドーパントは要求通りにせねば、本気で人質の少女を殺すだろう。サダトはアルターエゴの日本人としてのプライドを刺激し、相手が人質を自発的に解放させるように叱責する。
「馬鹿、そんな要求呑めるか! それよりお前は自分が真の日本人やら日本の心だとか言ってたな? そんな幼い少女を人質に取って人を殺せと要求するなんて、日本人として恥ずかしくないのか!?」
自らを日本そのものと言うアルターエゴの行動を正論で叱責した仮面ライダーAPであるが、結果は相手を逆に怒らせるだけであった。
アルターエゴこと美川大和は仮面ライダーAPの「恥ずかしくないのか?」と言う言葉に、思い出したくも無い記憶が次々とフラッシュバックのように視線に映る。
自分が隠れ蓑にしていたサークルや数々の団体からの名誉棄損で訴えられて敗訴した際、両親や兄弟たちから掛けられた家の恥と言う叱責や罵声。信じていたネットでは自分の存在自体が悪やら日本の恥と罵られ、顔写真や個人情報を晒される始末。勘当されて家から無一文で追い出され、路上を彷徨えば、行く先々で出会う人々にスマホで撮影される屈辱の日々…。
そんな屈辱な日々は、自分に目を付けた神崎戦太郎が手渡したアルターエゴのガイアメモリと生体コネクタ設置手術銃によってドーパントとなることで、抜け出すことが出来た。
だが、それは仮面ライダーAPの登場により、元の日本の恥である美川大和に戻ってしまう。
匿名性が無ければ何も出来ない元の自分に戻りたくないアルターエゴこと美川大和は、正論を述べて叱責する仮面ライダーAPが言い放った恥ずかしくないのかと言う言葉に強く反応した。それに自分を認めぬ者は敵と断定する悪癖もあり、その正論が自分を否定する物と判断し、逆に怒りを覚えて激昂する。
「ウルセェ! 俺のやることは全部正しいんだよォ!! 真の日本人なら俺の行動を褒めるはずだァ!! 俺を否定する者は間違いだァ! 在日だァ! 日本人じゃねぇ!! 確かテメェは改造人間だったなァ? 改造人間風情が人間様に説教こいてんじゃねぇぞ! この化け物がァ!!」
アルターエゴの言い分は余りにも無茶苦茶であり、理解しがたい物であった。真の日本人どころか、世界中の誰もが人質を取る者を批判するだろう。それを人質を取るこのドーパントは、自分を否定する者は敵だと喚いている。同じ日本人として、許すわけには行かない。
「それがお前の言い分か? 改造人間で仮面ライダーだが、同じ日本人としてお前の行動を許すわけには行かない! ましてや子供を人質に取って殺人の要求を正当化する奴など!」
「何だよォクソが! なんで誰も俺の言う事を聞かねぇんだよぉ! おかしいだろぉ!? 俺が言ってるのは正論なんだぞォ!? どいつもこいつも馬鹿かァ!?」
「(まずい! 逆ギレを起こしているぞ! これ以上怒らせれば、人質のあの子が危ない! 何か手を打たなければ!)」
仮面ライダーAPの真っ当な言い分が、アルターエゴにとっては耳の痛い言葉に聞こえるらしく、更に激昂する。これ以上怒らせれば、アルターエゴが錯乱して人質の少女を殺しかねい。
「怖いよぉ! お母さん助けてぇー!」
「煩いぞォ! 殺されたいのかァ!?」
自分を人質に取る激昂するアルターエゴが更に怖くなり、少女は泣きじゃくるばかりだ。その金切り声は激昂するアルターエゴを怒らせ、いつ少女を殺してもおかしくない。
どうにかして人質の少女を助けようとあらゆる手段を考える仮面ライダーAPであったが、焦っていて考えが纏まらず、策の一つ一つに成否の迷いが生じる。だが、迷っている間に少女を助ける者が現れた。それは、ゆるキャラに変身した暢子である。
「なんだぁ!?」
「ゆるキャラ!?」
「やァァァッ!」
「はっ!? ぶわっ!!」
サッカーボールをぶつけ、アルターエゴの注意を自分に向けさせれば、暢子は叫びながら体当たりを仕掛けた。仮面ライダーAPも驚く中、体当たりしてくるゆるキャラに驚くアルターエゴは対応できず、体当たりで吹き飛ばされる。その衝撃で人質の少女を離してしまう。相手が人質を離したのを見逃さず、暢子は少女を抱えて自分がクッション代わりになる。二頭身のサッカーボールがモチーフのゆるキャラは柔らかく、少女に落下の衝撃を伝えなかった。
「大丈夫!? 怪我とか無い!?」
「うん! ありがと、サッカーボールさん!」
「ここ危ないから、
幼い少女に怪我一つ無い事を確認すれば、礼を言う少女を連れて暢子はアルターエゴから離れる。
「サッカーボールのゆるキャラのおかげで、チャンスだ!」
人質が解放されたことで、仮面ライダーAPは思う存分にアルターエゴを攻撃できるようになった。相手が反撃を行う前に、APは剣で斬りかかる。
「う、うわぁぁぁ!? い、行け!」
「同じ手は、通じないぜ!」
向かってくる仮面ライダーAPに怯えるアルターエゴは、再び最大四体の分身体をぶつけるが、同じ手が通じるはずもなく、次々と倒されていく。APに一体、二体と斬り捨てられる中、アルターエゴは戦意を喪失し、また逃げ始める。それに人質になりそうな子供に目を付け、そちらの方へ向かっている。
「人質取ろうとするとは、許さんね!」
人質を取ろうとするアルターエゴに、ゆるキャラ状態の暢子は怒り、仮面ライダーとなるべく、ドライバーのレバーを右に開いた。
『ガッチャーン! レベルアッープ!』
レバーを右に開けば、電子音声が流れ、ゆるキャラ状態の暢子の全身が輝く。
『キックオフ! キッカーズ!』
ベルトから鳴り響く電子音声が鳴り止めば、暢子の目前にゲートが現れる。それを暢子が通過すれば、ゆるキャラは消え、頭身が戦闘に適し、サッカー日本代表のユニフォームのようなデザインをした仮面の戦士が姿を現す。
「あ、あれは…仮面ライダー!? マス・ライダーじゃないのか!?」
「な、なんで仮面ライダーになるんだァ!?」
その姿は暢子がなろうとしていた仮面ライダーであった。アルターエゴを追うAPは、自分やマス・ライダーとは違う新しいタイプの仮面ライダーに驚きの声を上げる。アルターエゴも新たに現れた仮面ライダーに驚いていた。
「仮面ライダーキッカー! そこの怪人さん! あんた、女子トイレ侵入に人質で、レッドカードね!」
暢子は自らを仮面ライダーキッカーと名乗り、何処からともなく現れたサッカーボールの上に右足を乗せ、何処からともなくレッドカードを出し、アルターエゴにそれを突き付け、踏んでいたサッカーボールを逃亡しようとするドーパントに向けて蹴る。そのシュートは放物線を描きながらアルターエゴの足に命中し、見事に転倒させる。
「う、うわぁっ!? い、行け! 行くんだ!!」
転倒したアルターエゴは、再び分身四体を二人の仮面ライダーにぶつける。だが、APに向かった二体は他愛もなく斃される。キッカーの方に向かった方も、一体目が蹴りを腹に入れ込まれて倒され、残り一体もスライディングを受けて倒される。
「ウワァァァッ!? い、嫌ダァァァッ!!」
「逃がさんね!」
「お前は逃がさないと言っただろ!」
分身をわずかな時間で倒されたことで、アルターエゴは戦意を喪失して全力疾走での逃走を図った。無論、それを逃がす仮面ライダーではない。直ぐにキッカーが代表し、サッカーボールをドリブルしながら追撃を行う。APも同様に追撃を始める。
「ワァァァッ!? アァァァッ!!」
追って来る二人の仮面ライダーは、アルターエゴから見ればさぞかし恐ろしく見えるだろう。喚き声を上げながら逃げるアルターエゴを追撃する中、キッカーはドリブルしていたサッカーボールを、何故かAPに向けてパスを行う。
「はっ!?」
「こっちにパス! パスね!」
「あっ、あぁ、はい!」
突然のパスに動揺するAPであるが、人の頃のサダトとして何度かサッカー経験はある。足を止めてからAPは全力で走るキッカーにパスを出せば、転がるボールを見事に保持し、アルターエゴの追跡を続行する。無論、APも追跡を続行した。
「これでゴールね!」
『ガシャット! ゴールシュートォ!!』
サッカーボールが届くであろう距離まで来れば、仮面ライダーキッカーはキメワザスロットホルダーと呼ばれる必殺技を出せるガシェットをセットして発動した。右足にエネルギーを収束し、サッカーボールを逃走するアルターエゴに向け、シュートを打ち込んだ。エネルギーを込めて打ち込まれたサッカーボールは、星のような速さでアルターエゴに向かって、ホーミングミサイルのように追尾しながら飛んでいき、標的にしたそのドーパントの胴体に減り込んだ。
「ギャァァァッ!?」
命中したサッカーボールは爆発し、アルターエゴは吹き飛ぶ。メモリを排出できるほどのダメージは与えられず、アルターエゴはまだドーパントの形態を保っていた。
そこへ追撃を仕掛けるのは、仮面ライダーAPである。ワインボトルを押し込み、真紅のエネルギーラインを右足に集中させ、その右足で地面を強く踏み込み、空中高く飛翔する。
『FINISHER! EVIL AND JUSTICE OF MARRIAGE!』
「スワリング、ライダーキック!!」
空中高く飛翔した仮面ライダーAPは、遠心力を乗せるように身体を回転させながらの強烈な蹴り、ライダーキックを立ち上がろうとするアルターエゴに叩き込んだ。
「バワァァァッ!!」
仮面ライダーAPのライダーキックを受けたアルターエゴは爆発し、身体に挿入されていたメモリは強制排出され、元の美川の姿に戻る。当然、強制的にドーパント化を解除された美川の全身を激痛が襲い、硬い道路の上に倒れた彼は悶え苦しむ。
アルターエゴのメモリをライダーキックで強制排出した仮面ライダーAPは立ち上がり、美川の方へと振り向き、改造人間でないことに驚く。
「改造人間じゃない? それにあれは…?」
美川が改造人間でないことに、倒してから気付いた仮面ライダーAPは、その近くに落ちているガイアメモリに視線を向けた。
それが、改造人間や怪人に次ぐ新たな敵、ガイアメモリであることを、南雲サダトこと仮面ライダーAPは、後から駆け付けて来る仮面ライダーキッカーの口から知る事となる。
今回も前回と似たような奴の登場です。
APにひき逃げアタックやライダーキックをさせてしまった…。大丈夫かな…?
それと仮面ライダーキッカーのベルトの電子音声のイメージCVは、サッカーの実況でお馴染みのジョン・カビラさん。
次回から皆様が応募してくれた読者応募キャラの何名かが登場します。お楽しみに。