仮面ライダーAP アナザーメモリ   作:ダス・ライヒ

6 / 25
ドーパント名:フォートレス
本名:建城路(けんじょう・みちる)
性別:男
年齢:27
簡単な外観の特徴:金属で構成されたゴーレムのような見た目。
簡単な能力:武器や兵器を体内に補充し、蓄えることが出来る。一度でも体内に入れた武器や兵器は制御下に入り、自在に操作することが可能。弾丸等の補充は無制限に行われる。
蓄積できる武装は無限だが、代償としてドーパントとしての身体能力は致命的なレベルで低い。その為、接近戦が苦手というよりも、弱点に近い。
周囲や体内にある武装を解放し、自分の身体に纏うことで巨体の要塞(フォートレス・タンク)という形態に移行可能。この形態を解除した及びされた瞬間、自身の体内の武装が消える為、無防備になってしまう。
概要:普段は物静かで穏やかな丁寧な物腰の人物であるが、改造人間を激しく憎んでおり、邪魔するようなら何者であろうと容赦しない。
ガイアメモリの毒素で責任感と憎悪が倍増され、本人の制御も出来ない程に苛烈と化している。
人類守護戦線には、シェードのテロによる従姉妹とその遺族の報いを晴らすために入った。
キャラ提供は虚無の魔術師さん

ドーパント名:ハロウィン・ドーパント
本名:戯堂遊大(ぎどうユウダイ)
性別:男
年齢:18歳
簡単な外観の特徴:白い貴族風のコートを羽織った茶色いカボチャ頭を持ち、ジャックランタンのように青白い炎を灯している(イメージはシャドウバースのカード『トリックデュラハン』)
簡単な能力:青白い炎の操作、跳躍力を活かした身軽な格闘戦。
概要:「ハロウィン」のガイアメモリを所持する青年。
キャラ提供は名もなきA・弐さん

ドーパント名:グレイハウンド・ドーパント
本名:ジークフリート・マルコシアン
性別:男

年齢:45歳

簡単な外観の特徴:筋骨逞しい灰色の猟犬型怪人。右眼が潰れており、残った左眼は赤く血走っている。全長およそ230cm。

簡単な能力:両手両足の爪による斬撃と、牙による噛み付き攻撃が基本戦術。しかしそれら全てがへし折られても、ジークフリート自身の技である軍隊格闘術で挑んで来る。とにかくしぶとい。
概要:シェードのテロにより、多くの部下を失った過去を持つ北欧某国の元陸軍大佐。
改造人間に対する憎悪により危険視した軍を追放され、それでもめげずに先鋭化させ、人類守護戦線の創設に関わる。いわば軍事顧問。
モチーフはショッカーの狼男ことゾル大佐。今回は変身せず。
キャラ提供はオリーブドラブさん

オリキャラ

小久保左近(こくぼ・さこん)/マス・ライダー武将型
改造人間の兵器化による日本の再軍備化を果たすべく、旧シェードを陰から支援していたタカ派の国会議員。日本を憂い、祖国の為に心身を捧げる愛国者なのは間違いないのだが、プッチ神父と同じく自分が悪だと気付いていない最もドス黒い悪。
シェード壊滅後も関係が露呈することも無く、改造人間兵器化を諦めることなく、捕獲用であるマス・ライダーなどの採用を推し進め、見事に採用されたが、ノバシェードの一件でシェードとの関係が発覚し、政界を追放される。
追放された後、自身を追放した政府を恨み、自分に賛同するシンパ等と共に憂国会議を結成し、マス・ライダー数体を奪い、政権奪取の為、国会議事堂占拠計画を始めようとする。
左近が身に纏うマス・ライダー武将型は、日本仕様で武将の甲冑のようなデザイン。140センチ以上の刀身を誇る大太刀が武器。九九式二十粍二号航空機銃五型と呼ばれる機銃も使う。


人類守護戦線VS小久保一派 その1

 仮面ライダーAPとキッカーに撃破された美川を、量産型仮面ライダーであるマス・ライダーたちの追撃を受けながら回収した良太と赤慈は、人類守護戦線からの援軍を受けて追撃を振り切り、アジトへと帰還していた。

 

「美川大和、名家である美川家の長男ですね。テレビでは美川家とは無関係のように報道されたところを見ると、あの裁判で勘当されて家を追放されたようですね。世間体や家柄を気にする家ほど、引きこもりが多いと聞きますからね」

 

 連れて来られた美川を見て、信楽慎藤はその身元を名家であると特定する。テレビでは美川家とは無関係のように報道されていたが、余りにも問題を起こし過ぎ、家に恥をかかせた罰として、あるいは追放する機会として縁を切ったと見抜いた。

 美川の身元が分かったところで、良太は彼が何処でガイアメモリを手に入れたのか効きだすのかと、慎藤に問う。

 

「こいつも俺らと同様に、訳アリってことか。それで、こいつが何処でガイアメモリを手に入れたか、聞きだしますか?」

 

「それは後にしておきましょう。今は、暴走した小久保左近(こくぼ・さこん)率いる愛国者を名乗るテロリストたちを始末するのが先です」

 

 その問いに後回しにすると答え、小久保左近率いる極右勢力の暴走を止めるのが先だと告げる。

 

「小久保左近って言えば、シェードとズブズブの関係だった右翼の元国会議員じゃねぇか! そいつ、地元で隠居してるんじゃ無かったのか?」

 

 小久保左近と聞き、赤慈はその件の人物がシェードと深い関係であることが暴露され、引退に追い込まれたことを思い出す。だが、今は隠居しているので、殺す理由が無いのではと問えば、慎藤はシンパ等を集めてクーデターを起こそうとしていると答える。

 

「私にはまだ公安にコネがありましてね、小久保氏は自分のシンパ等に軍用マス・ライダーをニ十着ほど調達させ、クーデターを企んでいると言う情報が入ってきました。それにノバ・シェードも含める改造人間数百体以上も加えているそうです」

 

「あいつめ、改造人間の兵器化をまだ諦めていなかったのか…! これで殺すに値する存在となったな!」

 

 どうやら慎藤は公安にコネがあったらしく、小久保一派の戦力に横流しされた軍用マス・ライダーに十着と百体以上の改造人間が居ることを同志等に明かした。

 これに灰色の野戦服に身を包む筋骨逞しい茶髪の大男である右眼に黒の眼帯をした元北欧某国の元陸軍大佐であるジークフリート・マルコシアンは、小久保のクーデター計画を聞いて大きな右拳を強く握り、彼に対して憎しみの言葉を吐く。

 

 小久保は日本を憂う愛国者とも言える政治家であるが、タカ派で手段は選ばない人物であったらしく、現役時代から問題のある国会議員であった。そればかりか、日本の再軍備化の為、シェードの創設に深く携わっており、改造人間を自国の兵器にしようと暗躍していた。

 シェード壊滅後も改造人間の兵器化を諦めず、ノバ・シェードとの関係も続ける傍ら、不採用に備えての予備計画であるマス・ライダーの採用するべく活動していたが、外国との共同開発には強く反対し、時には妨害まで行う始末であった。それを良く思わない勢力より、シェードとの関係性を暴露されて失脚し、シェードの数々のテロ行為の件もあって政界より追放された。

 表向きでは地元で隠居しているとの事だが、実際はシンパ等を使い、クーデター計画を進めていたのだ。

 

 ジークフリートが小久保を憎む理由は、シェードの裏から操っていた人物の一人であり、陸軍時代にシェードが起こしたテロで多くの部下を失った辛い過去を持つからだ。同時に今も暴れ続ける改造人間に対し、強い憎悪を抱いていた。それを危険視した軍部からは追放され、それからは人類守護戦線の創設に関わり、軍事顧問として今に至る。

 

「彼らはこの国の為だと言っていますが、彼らは差別志向の強い集団です。健常者以外を認めない彼らは、小久保氏の思想上、それ以外の者たちを改造人間にし、兵器にすることは明白。もしもクーデターが成功し、左近氏がこの国の国家元首となれば、戦前の旧大日本帝国どころか、地球上で最も残忍で邪悪な国家が誕生することは確実でしょう。改造人間抹殺の為にも、我々はこの恐るべきクーデター計画を、全力を持って阻止しなくてはなりません」

 

 自分ら人類守護戦線が、改造人間の兵器化を企む小久保のクーデターを阻止するのは当然の理由であると、慎藤はこの場に集まる幹部らと他の同志たちに力説した。これにジークフリートを含める同志等はそれに賛同し、士気を上げる。

 

「そうだ! 改造人間を兵器化しようだなんて言う政治屋なんてぶっ殺しちまえ!」

 

「シェードを裏から操ってた奴が、日本やら愛国なんぞ語ってんじゃねぇ!」

 

「改造人間に死を!!」

 

 慎藤に賛同し、人類守護戦線の面々が口々にクーデターを企む小久保一派に対する殺意を叫ぶ中、良太はそれを冷めた目で見ていた。

 

「公安が我々にこのクーデター計画を阻止させるため、敢えて情報を流したのではないかと疑うほどですが、ここは敢えて乗ってやりますとも。上野君、君は迷っていると思いますが、小久保氏等は貴方の家族を殺した根源ですよ。彼らもまた、シェード創設に関わった者たちです。即ち、我々の敵です」

 

 公安が自分らに小久保一派の始末を刺せる為に敢えて情報を流したと疑いながらも、敢えてやると答えた。良太の視線に気付いていたようで、やる気を出させるため、小久保一派がシェードの関係者であり、自分らの敵に値すること告げる。

 

「そいつ等も、俺の家族の仇に入るってことか。なら、殺すしか無いな」

 

 それを聞いた良太も、小久保一派も家族の仇に入ると判断し、慎藤らと共に小久保一派の襲撃に向かった。

 

 

 

 慎藤がコネで公安から手に入れた情報の中に、小久保一派が根城としている廃工場の場所もあり、人類守護戦線は総員で向かっていた。

 

『まずは見張りを始末し、敵の対応を遅らせる。ご丁寧に奴ら、クーデター計画の準備中だ』

 

「そうですか。では、始めてくださいマルコシアンさん」

 

『了解』

 

 先に偵察に出ていたジークフリートは、小久保一派がクーデター計画を開始する準備に入っており、自分らの存在に気付いていないことを無線機の通信で報告すれば、慎藤は始めるように返答する。

 それに応じ、ジークフリートは自家製の消音器を付けたAk4自動小銃に着けた三倍率スコープを覗き、周囲を警戒している見張り番の頭を狙い、照準が合わさったところで安全装置を素早く外し、直ぐに引き金を引いた。消音器で耳栓が必要の無いくらいの銃声が鳴ったが、それでも小久保一派の方には聞こえておらず、見張り番は頭を撃ち抜かれてその場に倒れる。

 

「では皆さん、小久保氏に挨拶と参りましょう」

 

 続けて二発目の銃声が鳴り響き、二人目の見張りが狙撃されれば、腰に変身ベルトを付けた慎藤は、同志等を率いて小久保一派の根城である廃工場に向かう。堂々と真正面から姿を現したので、思わぬ襲撃を受けた小久保一派はやや混乱していた。

 

「な、何者だテメェら!?」

 

 見張り二人が元軍人の狙撃で射殺されている事に気付いた三人目は、堂々と真正面から大勢でやって来る慎藤らに驚き、慌てて腰に隠してあるP220自動拳銃を抜いて安全装置を外し、銃口を向けながら問う。その後、三人目も狙撃され、額に風穴を開けて前のめりに倒れ込んだ。

 三人の見張りが殺されたことに、クーデターに向けて準備中であった構成員らは気付いたのか、64式や89式自動小銃と言った小火器で武装した完全装備の迷彩服の男たちが廃工場から飛び出し、手慣れた手付きで銃口を慎藤らに向ける。銃口を向けられているにも関わらず、慎藤は堂々と名乗る。

 

「直ちに下がれ! これ以上進めば射殺するぞ!」

 

「どうも、極右テロ組織の皆さん。人類守護戦線の代表を務める信楽慎藤と申します。今日はあなた方のクーデター計画の阻止と殲滅の為に参りました。ですので、死にたくなければ直ちに武装を解除し、警察に自首してください。一時間の猶予は与えましょう」

 

 銃口を向けて追い払おうとする武装した構成員に対し、慎藤は投降勧告を行う。その投降勧告を、これからクーデター計画を行う無断で装備を持ち出し参加した陸上自衛隊員と元隊員等は嘲笑い始める。

 

「左翼は相変わらずお花畑だな。俺たちの身を案じてか? これから小久保先生が、馬鹿なお前らを殺す立派な国にするんだよ!」

 

「俺たちは正義の官軍! お前ら左翼は悪なんだよ! 人類守護戦線だなんて名乗りやがって!」

 

「そう言う事だ。我々はこの国を真面な国家に参加している。それを知ってここに来たと言う事は、生かして返す訳にはいかんな。各員、発砲用意! 目標、十二時方向の悪徳左翼団体!」

 

 投降を呼び掛ける慎藤に対し、それを嘲笑う構成員らは罵声を浴びせ、国家の為に参加していると答え、安全装置を外して非武装に見える人類守護戦線に銃口を向け、引き金に指を掛けていつでも発砲できるようにする。

 

「やれやれ、右翼は正義で左翼は悪という思想は実に野蛮で愚かだ。交渉決裂です。皆さん、人類の為にこの国家や国民の安全と財産を守る事を忘れ、己の欲望の為に戦争を起こそうとする者たちの排除をお願いします」

 

「分かったよ。だってこいつ等、シェード見たいなもんだしな」

 

『レッドオーガ!』

 

 銃口を向けられて交渉は決裂したと判断した慎藤は、引き連れた同志等に小久保一派の皆殺しを命じる。それに応じて良太はレッドオーガのガイアメモリを起動し、ベルトに差し込む。

 

「ほざけ! 平和主義など、武力の前では無意味…!?」

 

 自分らを殺しに来たと分かったところで、小久保一派に参加した男たちは引き金を引こうとしたが、良太がレッドオーガ・ドーパントに変貌したところで、驚愕な表情を浮かべる。いきなり改造人間にしかなれない怪人になったのだから、驚くの無理もない。

 

「か、改造人間か!?」

 

「ほ、本部! 改造人間だ! 改造人間が襲撃を!」

 

 レッドオーガを見て驚愕する構成員らは、慎藤らに手にしている自動小銃を発砲しつつ、本部に報告してから後退する。飛んでくる銃弾から同志等を守り、手近な距離に居る構成員を、大振りの剣で惨殺した。

 

「テメェら銃刀法違反で逮捕だ!」

 

『アダプト…!』

 

 赤慈も良太に続き、ガイアメモリを取って起動し、アダプトに変貌して銃を撃ちながら後退する構成員らを攻撃する。

 

「こんなネットで戦争賛美な書き込みをしてるような奴が、自衛隊に居ただなんて信じられませんね…! それに改造人間を兵器化し、正式化を企む輩に賛同するとは…! 信楽さんの言う通り、奴らは皆殺しです!!」

 

『フォートレス…!』

 

 一見、物静かで穏やかな青年である建城路(けんじょう・みちる)は、慎藤の言葉に深く感銘し、小久保一派に激しい憎悪を抱き、自分のガイアメモリを取り出して、それを自分の生体コネクタにある場所へと差し込んだ。建城が持つガイアメモリはフォートレスであり、金属で構成されたゴーレムのようなドーパントへと変貌する。

 普段は物静かで穏やかな青年であるはずの建城は、激しく改造人間を憎んでいる。その理由はシェードによるテロで従姉妹を喪い、遺族が後追い自殺をしたからである。それに報いるべく、自分が指示している慎藤率いる人類守護戦線に参加した。

 

「俺もやるぜ!」

 

『ハロウィン…!』

 

 建城に続き、まだ二十代にも達していない少年である戯堂遊大(きどう・ゆうだい)もガイアメモリを取り出して起動し、自分の生体コネクタに差し込んでドーパントへと変貌する。戯堂のガイアメモリはハロウィンであり、そのハロウィン・ドーパントの見た目は、白い機族風のコートを羽織った茶色いカボチャ頭を持ち、ジャックランタンの青白い炎を灯した物だ。

 戯堂は人類守護戦線に参加している理由は不明であるが、跳躍力を生かした身軽な格闘戦が出来る事から、機動戦闘要員としての役割を果たしているからだろう。

 

「さぁ、死になさい! 改造人間を生み出した悪魔どもめ!!」

 

 フォートレス・ドーパントと化した建城は、その名を現すかの如く身体の中から出した銃火器や兵器を後退する小久保一派の戦闘員らに向けて発射する。凄まじい弾幕であり、十人は居た完全武装の戦闘員は一瞬にして木端微塵となる。

 

「改造人間ども! あの化け物に突撃しろォ!」

 

 襲撃を仕掛ける人類守護戦線に対し、小久保一派も反撃に出た。クーデターの為に世界各地よりノバ・シェードを通じて拉致・徴用して来た改造人間や被験者等を雑多な火器で武装させ、ドーパントの集団に突撃させたのだ。逃走防止のためか、戦闘員と同じ小銃で武装した督戦隊が背後に居る。

 

「改造人間だ! 奴ら、改造人間を投入したぞ!」

 

「やはりシェードの根源か! 殺してやる!!」

 

 完成体や失牌策も含めた改造人間の集団が突撃してくるのを見た同志が叫ぶ中、それに気付いたフォートレスは、周囲に落ちてある武器を全て回収し、武器や兵器を体内に蓄えることが出来る能力で、出来る限りの武器と兵器を解放して共に全身に纏った。その名の通りまさに要塞。この形態を巨体の要塞(フォートレス・タンク)と言う。

 

「死ねぇ! 改造人間ども!!」

 

 大分ガイアメモリの毒素が強いのか、元の物静かで穏やかな青年とは思えない口調となっている。全身に纏う武器や兵器を一斉に放てば、先の木端微塵にした十数名の敵戦闘員らと同様に、怪人形態の改造人間でさえ、バラバラに吹き飛ばす程の威力だ。フォートレスが解放した武器や兵器の数から、数々の軍事基地や工場を襲っていたと見える。それ程までに、建城は改造人間が憎いのだ。

 そんな圧倒するフォートレスに対し、完成体である改造人間が死角から攻撃しようとしていた。目前の改造人間や小久保一派の戦闘員を殺すのに夢中なフォートレスは、その接近に気付いていない。

 

「ぐっ!? あぁぁぁッ!!」

 

 改造人間が鋭利な爪をフォートレスに向けて振り下ろそうとした瞬間、青白い炎を浴びせられ、火達磨にされた。その青白い炎を放ったのは、ハロウィン・ドーパントである戯堂だ。

 

「害虫にも劣る異物共が! 死ね! 死ねぇ!!」

 

「全く、周りが見えてないのかい? 世話が焼けるね」

 

 完全に暴走状態のフォートレスにハロウィンは呆れつつ、続けざまに来る両腕が異常に肥大した腕力強化型改造人間の拳を避け、軽快な動きを駆使した蹴りの連撃をお見舞いし、大きく跳躍して頭部に強い蹴りを叩き込んで殺害した。

 

 

 

「総帥! 総帥!!」

 

 ところ変わり、廃工場内に設置された作戦会議室にて、国会議事堂を占拠して軍事クーデターを企む首謀者である小久保左近(こくぼ・さこん)に、部下が人類守護戦線の襲撃を慌てながら知らせた。

 

「外の騒ぎはなんだ?」

 

「襲撃です! 例の人類守護戦線と言うのが!」

 

「警察のマス・ライダーじゃないのか!?」

 

「いえ、化け物です! 化け物の大群が襲撃を! 現在、付近の改造人間も含める部隊が応戦しておりますが、状況は芳しくありません!」

 

 マス・ライダーの装備を身に着け、顔だけを出している小久保に変わり、迷彩服を着た副官が伝令に来た部下に問えば、人類守護戦線が襲撃して来たことを伝える。自分らとは馴染みがない人類守護戦線の襲撃に、警察のマス・ライダー部隊では無いかと言うが、伝令はそのドーパント等の襲撃であると伝え、戦況がこちらの不利であると返した。

 

「総帥、ここは予備の潜伏先に撤収し、クーデター計画は延期した方が良いのでは? こうも潜伏先を特定され、戦力を減らされては計画に支障が…」

 

 その報告を聞き、参謀を務める元陸上自衛隊の幹部はクーデターの延期と予備の転覆先への撤収を提案したが、日本の為なら手段を問わない小久保は、素直に応じる男ではない。近くの壁に立て掛けてある鞘に収まった身長の三分の二程はある大太刀と九九式二十粍二号航空機銃五型を手に取り、装備して反撃を命じる。

 

「我々は日本の為に立つのだ! この計画は日本の為でもある! マス・ライダー全てを投入してでも、成功させねばならん計画なのだ! それを邪魔する反日的な人類守護戦線なる賊共を皆殺しにし、計画を遂行する! 直ちに反撃せよ!!」

 

『はっ!』

 

 崇拝する元国会議員であり、これから思い描いた国家を作る小久保の反撃命令に、会議室内に居る一同は立ち上がってそれぞれの敬礼で応じた。

 

 かくして、人類守護戦線と軍事クーデターを企む小久保一派による激闘が開始された。




次もまた募集ドーパントが登場します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。