投 げ つ け る   作:この世全てのクズ

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 行く前にチョロっとだけ上げときます。
 もしかしたら書き直すかも?


 真紅の竜に 挑むものかな

 

 

 さて、塔の前にある礼拝堂で一休みして、再出発し竜に挑み掛かってみたものの結果といえば苦戦、いや、もはや戦いにすらなっていなかった。

 

 ああ、せめてもっとナニカ持ってくるべきだったかと後悔する。

 

 空を飛ばれては剣や斧は届かず、例え手が届く低空まで降りてきたとしてもその羽ばたきが近寄る事を拒み。

 幾人かが持ってきていた弓矢を放つも風に散らされ軽く燃やされてしまう。

 

 自分も槍を投げてみたがこれは駄目だ。

 降りてきた時ならばまだしも、上を行かれると勢いが足らなくなり、届いたとしても刺さらない。

 

「! 火が来るぞ!散らばれ!」

 

「下がるなら俺の後ろにさがれ!氷を貼る!」

 

 極めつけはこれだ。

 ゴウと音を立てて炎がそこかしこを舐め回す。

 なんとか氷びしで壁を作ったが丸々一袋使ってしまった。

 残り二袋、なんとかなるだろうか?

 

 この炎、3回目であるが勢いが弱まる様な事もなく。

 氷の壁がどんどん薄くなっていく。

 

 後ろに逃げ込めたのは………二人か。

 他は大丈夫だろうか?

 

 この炎が厄介なのだ。

 触れれば熱いしなんなら火が消えた後も暑い。

 お陰で汗をだらだら掻くせいでぐらりぐらりと視界が揺れる。

 燃やされれば火を消さないと焼け死ぬ事になる上にそっちに気を取られていると奴が上から狙ってくる。

 

 何より防ぐ手段が無い。

 この大きなのを吐くのには少し貯めがあるようだが攻撃もおぼつかない状態で怯ませるとか出来るわけがない。

 本で見た向い火とやらで相殺できないか試してみたものの全く効果はなく。

 自分が火を噴出し続ける事は出来ないと言うことを知ることが出来たのが唯一の戦果だろうか?

 

 因みに炎を固めて盾にして見たところ、なんと物質的な物は焼き尽して守ることは出来るがエネルギー系の攻撃は素通りするらしい。なんなら制御を失った火の盾が勢いに押されてこちらに流れてきたせいで危なかった。

 

 炎から身を隠していた護り手を爪で掴んで連れ去ろうとしたところにレヘルンを投げ込む。

 

 パァンと破裂したレヘルンの破片が触れたところに氷柱を作る。

 体のあちこちに氷柱を作られたせいか苦しむような鳴き声を上げ空へと消えていくがこれが決定打にならないことはもう既にわかっている。

 

 空の上でシュボッと火を吹きかけて氷柱を溶かしていく様を攻撃が届かない自分はただ見ていることしか出来ない。

 

 氷が溶けた先にあったのは凍っている時に無理やり動かしたせいなのか所々肉が見えているがそれだけだ。

 

 致命傷には程遠く、なんなら流石は竜の生命力というところか既に血はとまっているようだ。

 

「は、ハハッ」

 

 乾いた笑いが込み上げてくる。

 一体どうしろと?

 

 この前の様に槍でも投げろと?

 意識を集中させて力を探してみる。

 

 どうにか逃げようとしていた暖かい手を掴む事には成功したが他の手が見つからない。

 

 仕方なく目を開けてみるがそこにあった光はなんともチグハグで分離していた。

 まるでバランスが悪いかの様に赤い光だけが煌々と輝いている。

 ダメ元で手を伸ばして見るもバチンッと音を立てて火が溢れる結果となった。

 どうやらまだ無理なようだ。

 

 

 そんな事をしていたのが悪かったのだろうか?

 

 

 ヒュゴウという空気が消える音に振り向くと火球が視界を覆っていた。

 

 

 

 衝撃。

 

 何をする間もなく、ただ吹き飛ばされる。

 

 そして、またしても衝撃。

 

 ぐらりと世界が回り、真っ暗になった。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「クソっ、すまんアガーテさん。ライザ!一旦引くぞ!」

「ライザ!これ以上は無茶だよ!」

 

 

 甲高い叫びに目を覚ます。

 

 アガーテさんが小さな影を、レント君がライザを引っ張って下がっていく。そして、最後まで笛を吹いて竜を引き付けていた少女も下がっていった。

 ………笛?なんで笛?

 

 

 頭を振りながら立ち上がる。

 赤く染まる視界の中では撤退していく少女達に竜が追撃をしようとしていた。

 

 それは……許され無いことだ。

 なにか無いかと手を伸ばしたが空を切る。ぼんやりした視界では手が上がり切っていなかった。

 

 だか、その伸ばした手を何処か優しい『手』が掴んだ。

 初めて掴んだその力に戸惑っていると横合いから伸びて来た手がその力を纏めていく。

 

 ここで、こんなところで子供達を殺させはしない。

 例え、無理だとしても一人でも生きて返す。

 普段、他人などどうでもいい自分が綺麗に出てきた思いだった。

 

 決意のままに握った物を向ける。

 握った()()は姿は見えず、されど握ると柔らかく押し返してくる。

 

 ああ、使い方はワカラナイ。

『ああ、それでいい。後はそこを引くだけだ』

『…………』

 いつの間にか伸びて来ていた透き通る様な『手』が小さな弾を置いていく。

『さあ、準備は出来た。撃て』

 

 今、竜は?

『大丈夫だ。まだ間に合う。さあ!貴様の寸劇を見せてくれ!』

 ちょうど火を吐こうと仰け反った。

 

『今だ』

 

 引き金を……引いた。

 

 まず、音が消えた。

 辺りに風を蒔き散らしながら目標までの道を作った。

 

 次に音が来た。

 整えられた道を手から発生した爆発が走っていった。

 

 そして、その()を止めた。

 氷で作られた茨が竜の体を縛りつけていく。

『ふぅ、間に合ったか』

 そして、遅れてきた『手』が音を叩きつけた。

 天へと伸びた茨に叩きつけるようにそれが落とされる。

 

 その稲光は竜を焦がし、地面へと叩き付ける。

 

 

 だが、足りない。

 まだ、竜は起き上がる。

 

 脆い茨を割り、脆弱な痺れを払う。

 弾ける豪炎を気にせず、風を我が物とする。

 

 ああ、倒すには足りなかった。

 

 

 

 だが、()()()()()足りた。

 だから前に出る。

 

 倒れ伏す子供を巻き込まない為に。

 

 ああ、人は嫌いだ。

 何を考えているかわからないから。

 

 だが、子供は好きだ。

 純粋に想えるから。

 

 レヘルンを取り出す。

 まだ、半分程残っている。

 斧は無くしたが何、無い方が身軽になる。

 

 

「さあ、第二ラウンドだ」

 

 

 ゴング代わりの爆弾を投げつけた。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 あー、うん。

 無理だな。

 

 

 既にレヘルンはその背に無く。

 腰から下げていた氷びしの袋は焼け落ちていた。

 

 目の前でこちらを見下ろす竜に笑い返してやる。

 ああ、走る音が聞こえてくる。

 

 リベンジまでの時間は稼げたのだ。

 

 だから、この大口を開ける竜は仕方が無いのだろう。

 もうちょいうまく立ち回ればカッコよく離脱出来たかもしれないが、自分なら、まあこんなところだろう。

 

 

 ぐちゃぐちゃになった右手を抑えながら、少しでも距離を取ってみる。

 だが、そんなの少し首を伸ばせば届く距離だ。

 

 涎がボトリと足元に落ちて来る。

 出来ればナニカが咀嚼されてるところなんて見せたくは無かったが、もう無理かな?

 

 

 そう諦めて、瞼をおろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………?

 遅くね?

 

 

 ドンッという衝撃と共に何かが自分を攫っていく。

 恐る恐る目を開けると、

 

 

「リソス!?」

 

 そこには宝石の姫がいた。

 

 唖然とする自分を置いてけぼりにドンドン城から離脱していく。

 

「ちょっ、ちょっとまっ、とま、とまれぇ!」

 

 

 制止も聞かず、こうして、城の竜退治から自分は離脱してしまったのであった。





 ライザ達が離脱したのでジョーダン君が代わりに半分まで削ってくれました。拍手。

 因みに、リソスを修復していないとここで退場でしたね。
 だから、直しておく必要性があったんですね。
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