投 げ つ け る   作:この世全てのクズ

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 半額だったから衝動買いした。

 後悔はしてない。

 好きなキャラは風の大精霊です。


 茶色で トゲトゲがある 食えるやつ

 

 それは木になっていた。

 

 茶色くて、棘がついてて、食える。

 

 広い場所で見つけることができて色んなことに使える便利なやつ。

 

 

 それを、配達中に、

 

 

 踏んだ。さくりと。

 

 唐突に足が引っかかり、ぐらりと前に体が倒れた。

 

 意地で姿勢を変え配達品のヤギのミルクを庇い、背中から落ちる。

 

 

 12歳から続けているこの家業、その洗練された動きにより、荷物への衝撃を完全に殺す。

 

 

(ああ、キマった)

 

 ナニがキマったのか、むしろキメているのはお前なんじゃないかと言いたくなるかのようなドヤ顔でジョーダンは倒れていく。

 

 

 ザクリ

 

 

 体が跳ねた。

 

 

 うにを踏んだのだ。

 

 もちろん、一個だけ道の真ん中に落ちていたわけではない。

 

 厚い靴底によって仕事道具の足は守られた。

 

 

 が、その代わりとでも言わんばかりに体中に棘が突き刺さった。

 

 

「〜〜ーーーー!!!!!」

 

 

 声もなく絶叫する。

 

 

 なんでもない昼下りに道の真ん中で悶え続ける男の姿がここにあった。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 夕方、ミルクを届け終えた男、ジョーダンはエドワード先生に棘を抜いてもらっていた。

 

 

 なんとも言えない空気の中、土まみれの背中を向けて黙りこくっていた。

 

 

 慎重にピンセットで針を抜いていく。

 

 

「………それで、一体何をしたんだい?またライザにセクハラでもしたのかい?」

 

 

 空気が死んだ。

 

 

 何故かセクハラしたことがここまで広まっている。

 

 ライザにうにを顔面に投げつけられ、アガーテさんに怒られて、反省したからと5度目の許しを頂いて無かった事になった筈だった。

 

 あの時はこけたと伝えた筈なのに。

 

 

「いやね?何回目だい?懲りないね君もいい年なのにそんな事してるから恋人も出来ないんだよ?」

 

 

 おかしい。

 まだ何も言っていないのに説教が始まってしまった。

 

 しかも、怒鳴ったりするのではなく、優しく諭してくるから言い訳もできない。

 

 その声は優しく、うつらうつらと眠気を誘う。

 

 

 プチッ

 

 

 髪の毛が抜かれた。

 

 

 ビクンと体が跳ねる。

 

 

「おや?ごめんね髪の毛も挟んでしまったようだ。

 それで何処まで話したか。

 ああ、そうだ君ぐらいの歳ならね、いい子ぐらい見つけられるだろう?なのになんでそんな………」

 

 

 ………話が戻っている。

 

 

 しかし、そこまで言われると言い返したくなってくる。

 

「いやいッツゥ!、ごほん、待ってくださいよ!」

 

 ガタリと立ち上がって説得する。

 髪の毛がまた抜けた気がするが気にしない。

 エドワードさんもわかってくれるはずだ。

 

 

「そんなってなんですか!

 ライザリン、そう!皆さんご存知ライザですよ!

 あの綺麗な声!整った顔!むっちりとした太もも!

 それにあんな誘ってる「エドワードさんいますかー?」ような服着て元気に遊んでるんですよ!セクハラしないと失礼じゃ無い……ですか……」

 

 

 空気が死んだ。

 

 

 扉を開けて入って来た自称何でもない少女と目が合う。

 

 いつもニコニコ元気な笑顔がこちらを見つけた途端に陰り蔑むような目がこちらを射貫く。

 

(あっ、これあかんやつや)

 

 そう思い謝罪しようと口を開くも対面するとなかなか声が出ない。

 

 あたふたしているうちに静かに診療所を出ていった。

 

 通算6回目のセクハラである。

 

 誤解を入れたら7回目である。

 

(すまねぇ親父、また仕事減ったわ)

 

 草葉の陰で一緒に太ももを眺めていたであろう親父にn回目のごめんなさいをする。

 

 自分の評価は何でもいいがそれで親の評価まで下がるのは嫌いだった。

 

 

「取り敢えず、棘は抜き終わったよ?」

 

 取り敢えずの感謝とお金を残し、診療所を出る。

 

 

 急がないとアガーテさんが飛んでくる。

 

 護り手は子供に優しいのだ。

 

 

 籠と分厚い手袋だけつけてスッポンポンで湖に飛び込んだ。

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 さてはてどうしたものか。

 

 森の小屋で着替えつつ考える。

 

 勢いのまま飛び出してきたが今更島に帰ることはできない。

 

 

 ほとぼりが冷めるまで息を潜め無いといけない。

 

 しかし、今はししょーも居ない。

 牧場で眠って居たのは確認済みである。

 

 一体どうしたものか。

 

 こんな時は………何も考えず趣味に限る。

 

 

 

 

 

 カキンッ、カキンと音がなる。

 

 振り上げた手から汗が飛び、岩の罅にツルハシが食い込む。

 

 至福の時間だった。

 

 

 こうして大自然のなかたった一人で石を割る。

 

 ジョーダンは石が好きだった。

 

 自分の手で朝から時間を掛けて岩を割って、それを廃墟に持ち帰ってはなんとなく削ってみたりする時間が大好きだ。

 

 何も何かを作るわけでもなくなんとなーく丸めてみたり、寝転がって転がして遊んでみたり。

 かと思えば並べて眺めたりするのが何もかもを忘れられて好きだった。

 

 

 しかし、そんな時間も長くは続かない。

 

 草を踏む音がする。

 音に引き寄せられて何かが近づいて来たようだ。

 

 茶色い毛皮、四つん這いのその姿。

 オオイタチだ。

 

 

 何時もならここで楽しみはおしまいだ。

 

 道具を持って撒くために一日中走ることになる。

 そして、危険が無いことを確認してやっと拠点に恐る恐る帰ることになるのだ。

 

 そんな日は最悪だ。

 お楽しみは中断され、寝ることもできずいつ飛びかかってくるか分からない中一日を過ごすのだ。

 

 気分は最悪である。

 

 

 しかし、今日は違う。

 

 籠の中に手を突っ込んであるものを取り出す。

 

 そう、うにだ。

 

 

 手袋を棘が貫通しないことを確認し、投げつけた!

 

 両手にもって次々と投げつける。

 

 

 オオイタチは顔に付いたうにを外そうと暴れるがそのせいで棘が色んな所へと刺さっていく。

 

 しかし、足りない。

 

 追い返さないと群れが来るかも知れないのだ。

 

 

 両手を広げ、足を肩幅に開き、大きく息を吸う。

 

「うにーーーー!!!!」

 

 

 オオイタチは逃げ出した。

 

 

 最高だった。

 

 草原に転がって笑い続ける。

 

 息が切れる程笑い転げて、

 

 スンッと真顔に戻った。

 

 

 そして何もなかったかのようにツルハシを振るう。

 

 

 一応これでもジョーダンは正気だった。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 今日は石も採れたし面白いこともできて満足だった。

 

 そして、疲れたから今日は帰ることにした。

 

 

 楽しいことをしたら良い寝床でゆっくり寝るに限る。

 

 

 鑑賞はまた来たときにすることにしてボロ小屋に服と一緒に置いていく。

 

 

 そして、湖に飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 夜、クーケン島に上陸する影があった。

 

 港とは反対のあまり使われていない船着き場で全裸の男が歩いている。

 

 

 ジョーダンだった。

 

 そして、出たときに隠していった服を探していると何かの影があった。

 

 

「ひょ?」

 

 

 思わず声が出た。

 それがいけなかったのだろう。

 

 影がこちらへと振り向く。

 

 

 そして、いきり立つ息子と目があった。

 

 2歳年上の護り手さんが絶句する。

 

 

何を………何をしているこの馬鹿がぁ!!

 

 

 それから、全裸のまま日が昇るまで説教は続いたのだった。





 初めてみたアトリエはマリーのアトリエのRTAでした。

 今なら半額だから皆も、やろう!

誰が好き?

  • ライザリン・シュタウト
  • レント・マルスリンク
  • タオ・モルガンテン
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  • アンペル・フォルマー
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