投 げ つ け る   作:この世全てのクズ

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 すみません。
 かーなーり遅れました。

 一応結構前にライザ2はクリアしました。
 3でクーケン島の地形が明かされたのでとても助かりましたね。

 今回独自解釈と設定がかなり入ります。

 アンペルさんってこんな感じの口調だったっけな?後で違和感があったら直しときます。
 違うくね?ってあったら教えてください(露骨なコメ稼ぎ)


 焼け爆ぜる 自然が産んだ 黒い粉

 

 

「で?なんで朝から家の前にいるの?」

 

 

 ビクンと体が跳ねる。

 その顔を見ることは出来ないが突きつけられる声は恐ろしいほどに冷え切っていた。

 

 

 だが、男ジョーダンここで引くわけには行かないのである。

 

 

「えっと、あの、そのですね?」

 

 

 うまく声が出ない。

 朝から畑仕事に行くシュタウト夫妻に頭を下げ、謝罪ということでどうにか会話の許可を取り付けたのに、いざ目の前にすると声が出ないのである。

 

 

「あの、そのー、この前は、すみま、せんでした」

 

 

 なんとか絞り出した。

 

 しかし、

 

 

「?なにかいった?」

 

 

 無情、相手には届いていないのである。

 

 ヒュッという音が喉の奥から漏れ出る。

 

 早くも後悔し始めていた。

 もう少し、会話デッキを組むべきだったのだ。

 

 

「ふーん、まあいいけどさ。

 レントから聞いたよ、謝りたいんだって?」

 

 

 おお!何という奇跡だろうか?

 レント少年の根回しが話を一歩進めたのである。

 この機を逃せばまた話が進まなくなるだろう。

 

 

「あの、それであやま「今、私が話してるんだけど?」ッ!スッ」

 

 

 違った。

 何と間の悪い男だろうか?

 

 首に突き付けられた杖がひんやりとした冷たさを放っている。

 

 恐らく日頃の行いが悪いせいなのだろう、コレばかりは己の敬愛する大いなる存在も目をそらすレベルである。

 

 

「なんですぐ謝りに来なかったの?

 謝ろうとはしてたんだよね?」

 

 

 言えない。

 話す勇気が無かったとか、何を言えばいいのか分からなかったとか言えるはずも無いのである。

 

 

「そ、それは「なんで顔を上げようとしているの?」ウッス」

 

 

 学習しない男である。

 

 その存在を思い出させるかのように首筋にトンと金属があたる。

 

 

「それは、そのー、合わせる顔が無くてですね。

 その、日を改めた方がいいかなーと思いましてですね?」

 

 

 ペラペラと口から薄っすい保身の言葉が出てくる。

 何故こちらは出てくるのに素直な謝罪は出てこないのであろうか。

 

 

「でもさ、それって2、3日の場合だよね?もう10日ぐらい立ってるんだけど」

 

 

 一刀両断であった。

 流石紙のように薄い言い訳である。

 出るのが早い分、破られるのも即効であった。

 

 

 トントンと首への衝撃の間隔が狭くなる。

 これは、まずい。

 

 ジョーダンの背中は冷や汗でビショビショであった。

 夏であるのに腕には鳥肌がでている。

 

 

 

「すぅ〜、その、ほんっとぅにすみませんでした!!

 これからはその、セクハラとかも控えるんで、どうか、どうか赦してください」

 

 

 でた、やっと出た。

 

 長い、長い戦いであった。

 それは、赦しを得るには遠い一歩であったがジョーダンにとっては大きな一歩だった。

 

 

「……、はぁ〜、なんでそれが最初に出てこないかな。

 ………もう、いいけどさ。落ちついて考えたらアレはわざとじゃ無いんだろうし」

 

 

 赦された、のだろうか?

 だが、まだ頭は上げない。

 流石に3度目は命がなくなってしまうだろう。

 

 それからも暫く何でもない(自称)少女と、どうしようもない男の謝罪は続いたのだった。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 それから幾つもの雲が流れて行った時、ライザが聞いてきた。

 

「で?レントを介さずにわざわざ会いに来たってことはなにかあるんでしょう?」

 

 

 ?!!

 

 馬鹿な、見透かされている、だと?

 不味い、まさか心が読めるのか?

 

 

 そこまで読めているなら言うしか無い。

 ………言って、良いのだろうか?

 

 

「あの〜、そのですね?この前やらしてしまいましてね?

 それで錬金術とやらを使えるライザ様にお力添えをいただけないかと思いましてね?どうか!この愚かな男に手を差し伸べてはくれないでしょうかァ!」

 

 

 いっそここまで来ると楽しくなってきたのだ。

 興奮の余り立ち上がろうとして、

 

 

     ゴンッ

 

 

 杖に頭をぶつけた。

 

 

「………いいけどさ、正座」

 

 

 また、やってしまったようだった。

 

 ようやく上げられた視点を向け、その顔を伺う。

 

 

 ………あれ?思ったより怒こってない?

 

 

「で、それで何を頼みたいの?」

 

 

 おっとまずい、話の途中なのだった。

 

 未だ杖は首から離れていないのだ。

 だんだん首輪でもしている気分になって来て興奮すらしてきた。

 

 

 あっ、やべ。

 

 そんな考えが顔に出たのだろうか。

 視線が蔑む様にこちらを嬲りすっと事務的な笑顔に変わった。

 

 

「で?何をしてほしいの?」

 

 

 2回目である。

 

 大事でもないが2回目、なのである。

 

「それがですね。火山の方に行った時にですね。動く岩人形をですね。ボロボロにしちゃいましてね。悪い事しちゃったなーって思って直してやりたいんです」

 

 

 やった!やったぞ!

 怒られる前に理由を紡いだ口に手放しで褒めたい気分だった。

 

 

 ………あれぇ?怒ってない、よね?

 

 事務的な笑顔は消えたが何やら俯いてブツブツと言っている。

 もしかして、やっちゃった?

 

 

「ねぇ、「ヒャい!」うるさいな……ちょっと私じゃわからないから分かりそうな人を紹介してあげる。」

 

 どうやらセーフだったようだ。

 

 おっと、聞き漏らさないようにしなければ。

 ここで聞き返しなどでもしたらそれこそどうなるかわからないのだ。

 

 

「旧市街地にいるアンペルって人なんだけど」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 ここが、ライザの言っていた場所か。

 

 旧市街地に入ってすぐにある家を見つめながらすこし、緊張する。

 

 それは得体のしれない気配がするだとか風邪引いたかな?とかではなく似たような家が多い旧市街地にて、場所を間違えていないか不安なのである。

 

 余り住んでいる人は多いとは言えないがそれでも長い目で見たら出入りの多い場所だ。

 

 雨宿りに空き家に飛び込んだと思ったら行商人が家で寛いでいた、なんてこともあるのだ。

 

 

 もし、間違えて無人の空き家だったら、それとも地図を読み間違えて隣の家だったらどうしよう。

 なんて不安が襲ってくるのだ。

 

 慣れ親しんだ街のはずなのに少し違うとまるで得体の知れないナニカのようにさえ思えてくる。

 

 それでも、開けてみなければ話は進まない。

 

 男は度胸なのだ。

 

 

「す、すみませーん、誰かいますか〜?」

 

 

 だから、声が小さいのは気にしてはいけないのである。

 初対面の人間は怖いものであるのだ。

 

 

 

 …………?

 

 返事がない。

 声が小さかったからだろうか?

 

 

「えーっと、誰かいませんかー?」

 

 

 

 …………………もしかして間違えた?

 

 

 

「あのー、ライザに紹介されたんですけどいらっしゃいませんかー?」

 

 

「アンペル、これは私達に言っているのではないか?」

「なに?そうなのか」

 

 

 

 何やら聞こえてくる。

 誰かはいるようだ。

 

 

「あのー?アンペッ!?」 ゴンッ

 

 

 教えて貰っていた名前を呼びながら扉を叩こうとして、扉が開いた。

 

 

 額に扉が激突する。

 

 倒れ込んで転げ回り、悶えたいのを気合で抑える。

 すこし震えているのは誤差だ。そういうことにしておくことにした。

 

 

「ん?すまない。

 大丈夫だろうか?」

 

 

 痛みに震える目線の先、開いた扉から不思議な格好の男女が現れた。

 

 

 ………夫婦か?

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

「さっきはすまなかったね。

 アンペル・フォルマーだ。この島には遺跡調査に来ているんだ」

「…………リラ・ディザイアスだ」

 

 

 ……えっーとフォルマーさんと?ディザイアスさん?

 ………言いにくそうな名前だな。

 

 

「それで、なにか用かい?」

 

 

 おおっと、それどころではない。

 早速助力を仰がねば。

 

 

 ?、あれ?なにか忘れてるような?

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「ふぅむ、動く岩人形か、ゴーレムかな。

 それを直したいと?」

「え、えぇ。

 その悪い事しちゃったなと思いまして。どうにかしてやれないかなーと」

 

 

「……………」

 

 

 ………これは、駄目か?

 てか、この人達って外から来た人だよな?自分が外に出てることとか言って大丈夫だったっけ?

 

 

「………ところで、その岩人形はどこにいるんだ?この島にはもういるのか?」

 

 

「あ」

 

 あ、

 

 

 

 

 やっべえええええぇぇぇえええ!!!!

 

 

 

 そうじゃん!わかんねぇじゃん俺!

 やべぇ、ど、どうしよう。

 

 そ、そうだ!道具かなにかだけ貰って自分で何とかしたら………

 

 

 

「取り敢えず見てみないことにはわからないな。

 状態を見てみたい。案内してくれるか?」

 

 

 終わったああああああ!!!

 

 やべぇよやべぇよここから一緒に探してくださいとも言えないしどうしよどうしよどうs「………もしかして、わからないのか?」ぎゃーす!

 

 

 

 スゥ~………。

 

 

 

 ハァ〜………。

 

 

 

 

 

 や、やるしかねぇ。

 

 ど、どうにか当てるしか。

 

 い、いけるだろ。そうだ!見つからないことには一家言あるんだ。ぱぱっと離脱してぱぱっと見つければいけるいけるいけ…………

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 ………いや、無理だろ。

 

 

 そびえ立つ岩壁に挟まれながら考える。

 

 気づかれないように離れて?すぐに見つけて?気づかれない内に戻る?無理だろ。誰だそんなこと考えたやつ俺だわ。

 

 

 ウッキウキで何やら砂を集めているフォルマーさんとそれをはしゃぐ夫を見るようなめで眺めているディザイアスさんを見ながら思う。

 

 無理だろ。

 

 

 やべぇよやべぇよどうしたらいいんだこれ。

 

 真面目に考えたら少し日を開けてもらえばいい話じゃねーかなんで連れてきちまってんだよ。馬鹿なの?死ぬの?

 

 

「……アンペル、構えろ。来るぞ」

 

 

 何かと周りを見回せば結構離れたところにいるロックパペットが珍しいものに興味を持ったのか近づいてきている。

 

 え?あれに気づくの?てかそれからバレずに探しに行こうとしてたの?無理じゃん。詰んでんじゃん。

 

 

 そして、さりげなく呆けている自分を庇うようにして、ディザイアスさんが前に出た。

 魔法の力を身に纏い敵を爪で削っていく。

 

 

 そして、それを一歩下がったところからフォルマーさんが魔法で囲まれすぎないように注意を引いている。

 

 

 お互いをカバーできる位置にいながら囲まれない用に分散し、それどころか二人で3体の敵を囲んでいる。

 

 常に一対一を維持し、敵を別の敵の体を使って邪魔することで集中攻撃を避けている。

 真ん中に挟まれたロックパペットがどうすることもできず混乱している。

 

 

 

 ……プロだ。戦闘のプロだった。

 遺跡の調査に来たと言っていたが遺跡とはそんなにおっかないものなのだろうか?

 

 

 そんなことを考えているといつの間にかロックパペットは破壊されていた。

 

 最後の一撃で頭が半壊している個体もいる。

 

 えっ?こわ。

 

 

 ん?遺跡?

 あっ、そうだ。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「………そろそろ山頂だがまだつかないのか?」

 

 

 こちらを睨みつけるようにしてディザイアスさんが聞いてくる。

 ……ちょっとさっきの爆発した胴体を思い出してチビリかかった。……漏らしてないよ?ホントだよ?

 

 

 それはそれとして、聞かれたならば答えねばならぬ。

 

 

「この山の上にはですね。

 大いなる御方がいらっしゃるんですよ。

 そのお方はですね。この山を見ていらっしゃいましてね。その、何処にいるのか教えて頂こうと思いまして。動いているものを無闇に探すより知っている人に聞くのが一番だと考えていたんですよ!えぇ!そうです。知らなかったとかではないのです。」

 

「それででですね。

 大いなる御方は、大変美しいお方でしてね。あの透き通るような白い肌、頭を下げたくなるような美しい声、あれこそ神と言っても「知らなかったんだな?」スゥ~」

 

 

 ぷいっと顔を逸してみる。

 誤魔化されてくれないかな。

 

 

「もう一度聞くよ。

 知らなかったんだね?」

 

「はいっ!

 すみませんでしたぁ!なんと言ったらいいかわからなくて黙ってましたぁ!」

 

 

 土下座した。

 分かりやすい降伏のポーズである。

 

 ………最近こればっかしてるな。

 

 

 はぁ、というため息が頭の上から聞こえてくる。

 あれ?これもしかしてズガンですか?騙されたってなってズガンですか?

 

 

「それなら言ってくれたら良かったのに。

 ところで、岩人形は居るんだよね?」

 

 

 ゆ、赦された。

 改めて事情を説明することにしたのである。

 ……もしかしたら本当に次はズガンが来る可能性もあるからだ。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「えっと、二人はここでちょっと待っていて貰えますか?他の人を合わせていいのか聞いてきます」

「ああ、頼むよ」

 

 

 ヨシッ!

 

 事前に会いに行くと言っていた日ではないが寛大な御方だ。

それくらいなら許してくださるだろう。

 

 

 不思議なバランスで立っている岩の前に行くと、そのお方はこちらへと話しかけてきた。

 どうやらこの前渡した七色葡萄の砂糖漬けを食べていたようだ。

 

 何だかんだいって食べて頂けているらしい。

 よかった。

 

 

 

『今日は早かったな。

 それに、見慣れぬ者も居るようだな?どうした?遂に力が欲しくなったか?』

 

 

 ………?いや、違いますけど。

 

 取り敢えず少し塩分を多めに入れたドライビスクを差し出す。

 

 

『む?何だそれは。

 もう甘い物はいらんぞ』

 

 

 そう、そこである。

 そこでこれである。

 

 今日持ってきたコレに懐から取り出したる行商人から買ったチーズを乗せる。

 火山の気温が高いからだろうか?外気に晒されたチーズが少しとろりと溶けた。

 

 

 それをお渡しする。

 自分は次の準備をしなければならない。

 

『ふむ?これはなんだ?もう食べていいのか?』

 

 にっこりと笑いながらそれにその砂糖漬けの果物を乗せてみてくださいとお教えして上げる。

 

 訝しげに手に収まった物を見ていたが、どうやら意を決して食べることにしたらしい。

 不思議そうな顔が見る見るうちに笑みに変わっていく。

 

 おっと、持ってきたワインに赤い不純物が混ざるところだった。アブナイアブナイ。

 

 2つ目を渡しつつ次はこのワインを一緒に楽しんでくださいとグラスを渡す。

 

 買った物だが味は保証されているのだ。

 

 

 ……どうやらお気に召したらしい。

 持ってきたケースを組み立てつつ説明する。

 

 なんとこれは下に入れたアクア鉱の力で中に入れたものが冷やされるのだ。

 

 消費量も使える時間も短いが、アクア鉱を入れ替えればしばらくは使えるだろう。

 

 これでチーズとワインが保存出来るようになる。

 

 

 さて、本題に入ろう。

 

 ここに待たせてる二人を連れてきても良いでしょうか?

 

『ん?ああ、いいぞ。

 ああ、そうだった。これを持っていけ』

 

 

 ……?

 

 何やらアミュレットのようだ。

 何やら4色の宝石がハマっている。

 

『それを肌身離さずに付け、私達大精霊の事を人々に広めるがいい。

 ……ああ、それと、それを付けていると私と会話することが出来る。

 暇にさせてくれるなよ?』

 

 

 よくわからないが贈り物、ということだろうか?

 首から下げてみると首に少し重みが加わった。

 

 

 少し、嬉しくなった。

 

 

 ……二人を呼んでこよう。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 日が暮れ始めたとき、ようやく大精霊様に教えていただいた洞窟に着いた。

 洞窟のなかは結晶が露出し、あちこちから突き出ている。

 

 

 しかし、あの時の二人の驚きようは凄かった。

 

 あのお方はなんでも大精霊というらしい。

 なんでもかなり昔からいらっしゃる御方だそうだ。

 

 やはり素晴らしい人だったらしい。

 

 

 日が入り込まず暗い洞窟を淡く光る結晶を頼りに進んでいく。

 

 

 すると、一際大きな結晶が天井から生えた部屋に出た。

 

 そこは明るく、まるでここだけ外のようだった。

 

 

 そして、その中央、広場のようになっている場所にそれは居た。

 

 赤い体に亀裂が走り、その結晶はくすんだり罅が入ってしまっている。

 そう、この前のジェルガードだった。

 

 

 そして、ジェルガードを取り囲むようにしてロックパペットがじりじりと包囲を縮めている。

 

 

 それでもジェルガードは動かない。

 まるで、何もかもを諦めたように。

 

 

「……もしや、あれか?お前の言っていた岩人形とやらは」

 

 

 こくり、と頷く。

 

 今、声を出したら何かが手遅れになってしまいそうな気がしたから。

 

 ゆっくりと音を立てないようにカゴの中身を整理する。

 

 投げつけやすいものを上に、持って帰るものを下に。

 

 

 そして、ゼッテルで包んだ()を投げつける。

 

 

「「「!!!」」」

 

 

 バサリと黒い粉が部屋に舞った。

 

 

「いくぞアンペル」

「ああ、やろうか」

 

 どうやら意図を察してくれたらしい。

 

 

 取り敢えず目を潰した。

 これで連携は取れなくなったはずだ。

 

 確実に一体ずつ片づけていけば勝てるだろう。

 

 そう考え()()()()()を投げつけたその瞬間。

 

 

 

 ボゥン!という音と共に空気が爆ぜた。

 

 

 

 どうして??

 

 

 

 突然の爆発に腰が抜けてしまった。

 

 え?

 

 

 部屋の床に火がつき、ロックパペット達が慌てている。

 

 

 そして、隙を見せたものからディザイアスさんとフォルマーさんが破壊していき、あっという間に倒し切ってしまった。

 

 

 は?出番は?え?

 

 

 

 この時、混乱している自分は首から下げたアミュレットが赤く光っていることには気づかず、ましてやそれを通して見ていた大精霊の笑いすぎてお腹を痛めた声が薄っすらと聞こえていることにも気づいていなかったのだ。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 部屋に転がったロックパペットの破片を外に運び出しながらフォルマーさんがジェルガードを見てくれているのを待つ。

 

 ………どうにかなるといいのだが。

 

 

 

「ジョーダン君?」

 

 

 はっ!?どうやらぼうっとしていたようだ。

 

 フォルマーさんが呼んでいる。

 

 

 

「結論から言うとね、すぐに直すことは無理だ」

 

 

 膝から崩れ落ちたくなった。

 唐突に突き付けられた事に、脳が理解を拒む。

 

 

「これはゴーレム達に言えることなんだけどね、これらは食事をしないんだ。ならどうやって生きているかというと空気中に存在する力を吸っているんだ」

 

 

 ………。

 

 

「その時にちょっとした傷なら人が治癒するように埋めてしまえるんだけどね。これ程深いものとなると直るまでかなりの時間が掛かってしまう。恐らく感知するより前に崩れてしまうだろう」

 

 

 

 じゃあ、もう無理なんですか?

 

 さっきから痛みに耐えるようにピクリとも動かないジェルガードを見る。

 

 こいつは思えば子供のようなんだろう。

 

 遊んで欲しくて駆け寄ってきた近所の子供。

 それを自分はボコボコに殴りつけ、腕の骨を折ったようなものなんだろうか?

 

 もちろん、こいつは人ではない。

 

 だけど、子供の頃あちこちへ走って仕事しにいく親は遊んでくれず、こっちに師匠に掴まってきて、ぷにと遊んでいた自分から見ると、違いが分からなくなってしまっていた。

 

 

 今更と言われたら何も言えなくなる。

 

 それでも、知ってしまったら罪悪感が拭えなかった。

 どうにか直ったら今度は遊んでやろうと考える自分がいた。

 

 

 それも、全部遅かったんだろうか?

 

 

 

「そこで、外側を固めてしまおうと思う」

 

 

 ん?

 

 

「外側を魔石を混ぜた粘土で固定して、自然治癒で直してしまおう。内側から直れば外付けの粘土は時が来たら剥がれる。つまり、人で言うかさぶたを作ってしまおうというわけだ」

 

 

 へ?

 

 

「さあ、ジョーダン君、外にある結晶をここに集めてくれ、私達は粘土を取ってくる。結晶はあればあるほどいい。ここの神秘的な力が強いほど吸収できる量も増えるはずだ」

 

 

 

「直るん…ですか?」

 

「それはやってみないとわからない。

 だけど、最善は尽くさせてもらうよ」

 

 

 ポロリと、水滴が落ちた気がした。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 どうやら、最近の大精霊の娯楽はお気に入りの下僕が岩人形と仲良く踊る姿を眺めることの様だ。

 

 今日も大精霊は見守っている。





 次は…いつになるんでしょうかね?

 ちょっとまだ何も考えてないので一ヶ月くらい空いても許してください(ジョーダンが)何でもしますから。

誰が好き?

  • ライザリン・シュタウト
  • レント・マルスリンク
  • タオ・モルガンテン
  • クラウディア・バレンツ
  • アンペル・フォルマー
  • リラ・ディザイアス
  • アガーテ・ハーマン
  • 大精霊達
  • その他
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