事件のショックからウマ娘に対して恐怖心を負ったトレーナーに対し、チームのリーダー、メジロマックイーンが行った治療とは・・・
今までpixivの方に投稿していましたが、こっちでも上げてみます。
支部のストックが無くなるまでは毎日一作づつ投稿したいと思います。
投稿する順番は気まぐれです。
ある日の帰り道、この日はちょっとした出張であまり馴染みのない町から帰っていた。それがいけなかった。
「おに~さ~ん?一人?ウチらと遊ばない?」
いかにも不良なウマ娘だ。疲れていて急ぎたいから軽くあしらうか…。
「ごめんね、今急いでるし、疲れているんだ、また後でね」
「オイオイ兄ちゃん?ウチらのお誘いを断るなんて無礼な奴だな~?」
「おっ、こいつトレセンのバッジ付けてるじゃん!?てことはトレーナーだよこいつ」
「へぇ~お兄さんトレーナーなんだ?」
「じゃあ、担当のコとはもうしっぽりやっちゃってる感じぃ?」
「走るだけしか能がないコなんかより~ウチらのほうが楽しませてあげられるよ?」
「やめろ!そんなこと言うな!お前らに何がわかるっていうんだ!」
悪く言われてしまって、カッとなってしまった。
「うわ、激アツって感じぃ?気に入ったよ兄ちゃん。ますますぶっ壊したくなった~」
「お兄さんイケメンだしやっちゃう?やっちゃおうぜ?」
「ん~、まぁいっか!」
刹那、体を抑えられた。
「何をするっ!やめろっ!」
いくら不良といえどウマ娘、簡単に抜け出せない。首を絞められる。息が苦しい。視界が黒く染まっていく。頭が働かない…。
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気が付くとそこは廃墟だった。足と腕は椅子に縛られ、全く動かすことができない。
「お兄さん起きた?今日からアンタはあたしたちのオモチャだからよろしく~!」
「なっ!おい!ふざけるな!離せ!」
「やだよ、こんな上玉離すわけないじゃん?」
そう言いながら、彼女たちは服を脱ぎ始めた。
「んじゃ、早速いただきま~す」
「お前ら!やめろ!おい!」
何とかして抜け出そう。必死になって暴れた。
「暴れんじゃねぇ!」バキッ!
「ああああああああっ!!」
痛い痛い痛いっ!脛を蹴られた!ああああああああ!
「逆らったらもっと痛い目に合うからな~?」
ち、ちくしょう、なんでこんな目に…。痛い、痛い…、痛い…。
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俺は代わる代わる犯された。抵抗すれば殴られて、蹴られた。勃たなくなれば栄養ドリンクを飲まされた。
何故こんな目に合わねばならないのだろう。辛い。苦しい。もうやめてくれ。助けてくれ。誰か。だれか…。
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「トレーナーさん、遅いですわね…一体どこをほっつき歩いているのでしょうか…?」
たずなさんに聞いてみたところ、今日はトレーナーさんは学園に来ておらず、連絡もないこのこと。
「怪しいですわね…」
スマートフォンの位置情報アプリでトレーナーさんのスマホの位置を探します。すると、数時間前の田舎のある地点が最後の記録でした。
「これは…もしや…?」
何か犯罪に巻き込まれたのではないか、そう思って動き始めました。
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どれだけ時間が経ったわからないが、警察が来て解放された。
あまりにも負傷が酷いのですぐさま病院に運ばれた。
骨折3箇所、打撲20箇所、おまけに栄養失調と脱水これが俺の症状だったらしい。ウマ娘に暴行されて生きているのが不思議だった。少なくともある程度は手加減されたのだろう。それに加えて、幸運にも比較的早い段階で発見されたのが良かった。
無断欠勤した上、スマホのGPSがおかしな場所にあったのを不審に思って、マックイーンが調べて、警察に連絡してくれたらしい。危ないところで助かったと思う。
ある程度回復してから取り調べを受けた。彼女たちは拉致、監禁、暴行、強制わいせつの罪で裁かれた。当然だとは思う。しばらくは太陽の下に出てこないだろう。
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それからリハビリも終え、職場に復帰することになった。ただ、問題は終わっていなかった。
怖い。恐ろしい。
久しぶりにウマ娘を目の当たりにしてそう感じた。彼女たちがどれだけ笑顔であろうとも。尻尾を振っていたとしても。その瞳の奥には、「おまえなぞすぐにころせる」と、「きにくわないことをしたらなぐる」、「ひとのぶんざいでえらそうに」と言っている。
昼休み、昼食を取ろうと席についたものの、落ち着かない。恐ろしい。また、誰かの機嫌を損ねるのではないか。自分がここにいるのは、何かの罰なのではないか。またすぐに殴られ、蹴られるのではないか。
息苦しい。動悸が激しい。食事は喉を通らない。気持ちが悪い。生きた心地がしない。
気が付くと、トイレに駆け込んで胃の中の物を全て吐き出していた。サイテーな気分だった。気持ちが落ち着くまでしばらくトイレに籠っていたが、出れたのは練習前の時間だった。
少なくとも、自分の仕事はどうにかしようとプレッシャーに耐えながらチームを指導した。
今までいない間の練習は同僚に時々見てもらうようにしていたが、基本は自主練をしてもらっていた。だから、今日の練習は実力の確認という形で、タイムを測ることを中心とした。
皆しっかり自主練はしていたようで、タイムは以前とほとんど変わらなかった。
チームのウマ娘を指導していて、皆いい子だと思う。それなりに一緒にやってきたから、恐怖感も少ない。でもやっぱり、ウマ娘は怖いと感じる。いつ、その力を振るわれてもおかしくない。ウマ娘ばかりの環境で自分がやっていけるとは思えなかった。
時間がきっと解決してくれるだろう。そう思って、帰ってすぐに布団にくるまって寝た。現実から逃れるように。
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そうして数日が過ぎた。
食事はほとんど喉を通らず、ゼリー飲料がやっとだ。
ウマ娘たちと一緒にいると恐怖と緊張を感じるから、基本はチーム室の小部屋に引きこもっている。
練習はかなり精神を使っている。恐怖と緊張に押しつぶされないように、機嫌を損ねないように。
そして、毎日悪夢を見る。あの日の夢、ウマ娘たちが牙を剥く。あのウマ娘たちだけじゃない。町の、学園の、チームのウマ娘が俺を虐めるのだ。
更には、ふとした瞬間にフラッシュバックして、何も手につかなくなる。重症だ。
何かを考えると思い出してしまうから何も考えないように。寝ると夢を見るからできるだけ寝ないように、睡魔に耐えられなくなって、気絶するように眠る。
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彼があの事件の後でウマ娘に抵抗を持つようになったのは、すぐにチームの皆さんの話題になりましたわ。
そこで、私たちではどうしようもないこと、彼が自力で立ち直るまではなるべく怖がらせないようと決めましたの。
とはいえ、彼は日に日にやつれています…。私に何かできることは無いでしょうか…?
そんな中、練習を始めようとした時
「今日のトレーニングは予て…い…」ドサッ
「「「「「トレーナーさん?!」」」」」
「と、トレーナーさんが倒れてしまいましたわ!ここは救急車…よりもまずは保健室ですわ!」
~~~~~⏱~~~~~
保健医の方にトレーナーさんが倒れたこと、彼が最近元気が無かったことを伝えてベッドにトレーナーさんを寝かせて様子を見ることにしましたの。
「ん……ここは…」
「目を覚ましたのですね、気分はいかがですの?」
「だ、大丈夫、大丈夫。えっと、なんでここにいるのか教えてもらえるかな…?」
「貴方、突然倒れたのですわよ?だから、保健室に運びましたのよ」
「そうか、ありがとうマックイーン。そうだ、練習、遮ってごめんな。もう大丈夫だからマックイーンも先に戻って練習してくるといいよ。」
「問題ありませんわ?トレーナーさんに何かあれば私たちが力になりますのよ?もっと頼ってもいいんですわ?トレーナーさん」
「はは、ありがとう。でも、大丈夫だから」
「はぁ、強情ですのね。では、練習に戻ることにしますわ」
これで少しは頼ってもらえるといいのですけれど…。
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いつの間にか倒れてしまったらしい。チームに、特にリーダーのマックイーンに迷惑をかけてしまった。マックイーンはチームの中で一番絆が深い…といったら過言かもしれないけど、苦楽を共にしたのはそうだ。だから、信頼関係はある…ハズなんだが、やはり、彼女も実は腹の内は…なんて考えてしまう。
とにかく、保健医さんに今の心境や状況を話した。保健医さんは俺がPTSDの可能性が高いことを教えてくれて、今は栄養が必要だろうからすぐに点滴をしてもらった。
点滴を受けながら、LINEで練習の様子を見ながら、今日は点滴が終わったら帰ることを伝えた。
帰ってから、少し考えてみた。もっと頼ってもいい。マックイーンの言葉を反芻する。今のこの気持ちをマックイーンだけでも伝えるべきなのかどうかを。きっと、マックイーンなら受け止めてくれると思いたい。
~~~~~⏱~~~~~
次の日、昼にチーム室にマックイーンが来た。話があるらしいが…?
「お待たせしましたわ、トレーナーさん。お話しがありま…トレーナーさんっ!」
彼女は突然大声で怒鳴り手を挙げた!っ!や、やっぱり俺を殺す気なんだ!
「危ないですわ!蜂が…「や、やめてくれっ!許して!許してください!」
やめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれやめてくれ殴らないで殴らないで殴らないで殴らないで殴らないで殴らないで許して許して許して許して許して許して許してごめんなさいなんでもしますごめんなさいなんでもしますごめんなさいなんでもしますごめんなさいなんでもします
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良くないですわ…蜂がいたので警告したら、トレーナーさんのトラウマを刺激してしまったようですわ…
ここまで心の傷が酷いだなんて思いもよりませんでしたわ…
とにかく落ち着かせることが先決ですわね。
「トレーナーさん!落ち着いてくださいまし!誰も貴方のことを傷つけたりしませんわ!」
「ごめんなさいなんでもしますごめんなさいなんでもします…」
「ほら、私は敵ではありませんわ!味方ですのよ!もう貴方を傷つける輩はいませんわ!」
気休めにしかならないかもしれませんが、ハグをして落ち着かせますわ。
「ハァハァハァハァハァハァハァハァ…」
「大丈夫ですわトレーナーさん。大丈夫…」ナデナデ
「だい…ハァハァ…じょう…ハァハァ…ぶ…」
どうやら過呼吸になっているようですわね。
「ですから、落ち着いてくださいまし…まずは深呼吸ですわ。吸って~…吐いて~…?」
「スゥ~~~ハァハァ、ハァ~~~ハァハァ」
「そうそうその調子ですわ…」
~~~~~⏱~~~~~
なんとか呼吸は元に戻りましたが…やはり心の傷は深いですわね。大の大人だというのに、顔が涙でぐしゃぐしゃですし、泣きすぎて腫れていますわ。
「怖がらせてごめんなさい、トレーナーさん。私は絶対に貴方のことを傷つけたりしませんから安心なさってください」
「ハァ…ハァ…マックイーン、ごめん…やっぱり…俺はもうトレーナーできそうにない…」
ここは…私が一肌脱ぐしかなさそうですわね…
~~~~~⏱~~~~~
それから、トレーナーさんには心の病が治るまで休職してもらうことにしましたの。そして、メジロ家の別荘でゆっくり休んでもらうことにしました。最低限の使用人だけ常駐させ、彼のことは私が面倒を見ることにしましたの。
ゆっくり、じっくりとウマ娘はトレーナーさんにとって安全な存在であると覚えさせましたわ。
「ふーふー…トレーナーさん、あーんですわ?」
「お背中を流して差し上げますわ!」
「うぅぅ…ピーちゃんと別れなければならないだなんてあんまりですわぁ……」
常に隣に居て、食事や風呂のお世話をして、一緒に映画を見たりしましたわ。
「あぁ……うぅ……」
「よしよし…大丈夫ですわ……」ナデナデ
彼が不安になった時は抱きしめて、私の匂いを嗅がせて、安心できると覚えさせましたわ。
「おやすみなさい、貴方。ほら、もっと抱きしめていいのですわよ?」
寝る際も、私を抱きしめさせ、ウマ娘は本来大人しいものだと覚えさせましたわ。
このような生活をして約一か月、彼は以前の元気を取り戻しましたの。
メジロの他のウマ娘とも会わせたところ、以前のように恐怖することも無くなりましたの。
そして、彼もトレーナー業に復帰したいと意思を表しましたわ。私はもう少し療養が必要だと反対しましたが、彼の意見なので素直に復帰の手続きを行い、トレセン学園に戻ることができましたの。
とはいっても、私が隣に居ないと不安なようですので、常に私が付いているのですわ。
これが、話の顛末ですわ。
え?私がいつも一緒に居るんだったら自立できてないじゃないかですって?
何も問題ありませんわ?私たちは元より『一心同体』になる誓いをした仲ですもの…ね?