なんちゃって魔法少女の死に様。

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おっぱいのついたイケメン好きなんですよね。


人生2回目TS魔法少女の最終話〜或いは第二幕のプロローグ〜

 

「さて、これで心置きなく逝ける、か……ふぁ〜」

 

荒れた大地、見えぬ黒空、割れる空間にて辞世の句を詠んだ。自分の心臓を抉り取って。

 

まさか魔法少女になるなんて思わなかった。中身今年で30後半だぜ俺?

 

俺なんて言ってる通り俗に言うTS娘だ。前世大卒社会人2年目のときに死んで気付いたら、今のこの世界に相棒無くして産まれた。

 

んで、中学2年のときに魔法少女になった。

 

どのタイプの魔法少女世界観か?

りりかる?きゅあきゅあ?育てる?交通事故?月に代わる?そっちを向く?原典?まどまど?終わる?

 

正解は──きゅきゅあしてるけどまどまどしてるタイプが近いかな?

 

まあここら話すと長くなるから割愛するか。

血を流しすぎて頭のボーッと具合がやばいっす。

あ、戦線も追加だなこれ。

 

というのもラスボスっぽいやつをなんとか倒した後なんですよ。

 

いや〜大変だった、戦いもだけど一緒に今まで戦ってた子達を抑えるの。あ、魔法少女ね皆。

 

幼馴染、クラスメイト、実妹、転校生、元敵幹部……ハーレムですよハーレム!!……悲しいかな女なんだよね俺。

 

ま、俺は鈍感系じゃなくて前世にて女性経験はあったので……彼女達が俺を恋慕してくれてたのは気付いてたけど。

 

おうおう曇らせか? と思う諸兄方、ちょっと落ち着いてくださいよ。

 

彼女達はまだ人生1回目、こんなところで死ぬこた〜ないでしょ。好きな人だって生きていれば幾らでも増える。俺じゃなくていいでしょ?

 

じゃあ何で俺何だよって? そう、正しく人生経験。人生の経験。

 

俺は2回目の人生だ。前世で十分……とは言わないけど、まあ生きた。欲をかいて2回目も、必死に今を生きている奴を押し退けて生きたいとは思わん。皆の成長具合が見れないのは心残りだけどね。

 

なら、俺が行けば、戦えばいいだろってね。

じゃあどのようにして彼女達を抑えつつラスボスを倒したか。

 

 

彼女たちを抑えつつラスボスを倒しました!!

 

 

ちょ〜〜〜疲れたわ……。もうしないわ。いやできねーわ。今から死ぬわ。

 

俺の魔法は「自分をもう1人増やせる」っていう便利なものだ。しかも性別可変可能。

 

俺は女だけど、増やした方──デコイは俺と瓜二つな今の俺の容姿か、少し中性的な男の俺になれる。ま、男の俺は今回出番なかったんだけどね。

 

意思というか思考は俺と一緒。ほんとに自分が同一時空に2人いる感じ。

 

少し不便なのが俺とデコイの感覚は共有される。痛みとかね。

 

増やした俺を彼女達の前で暴れさせ追いつけなくさせて、本体の俺はラスボスとタイマンって寸法よ。

 

俺も腕には自信あるけど、彼女達も強いからちょっと大変だった。だから、卑怯だけど彼女達の気持ちにつけ込んだ。

 

わざと彼女達の魔法や攻撃をくらったり、甘い声で名前を呼んだり、彼女達が聞いた事のない切なげな俺の声で助けを呼んだり。

 

ん? じゅうぶん曇らせてるって?

 

それぐらいで彼女達が死なないなら安いだろ。

 

実際彼女達もあの場で気付いてるよ。

 

俺が彼女達の気持ちを知ってる上で弄んだこと。

 

付き合いは短いやつもいるけど、深い付き合いではあったから。

 

ま、これで愛想尽かすだろ。お前らが惚れた相手は他人の思いを利用するクソ野郎だってことが。

 

ちゃんと彼女達の踏ん切りつかせるために一芝居打ったのさ〜〜〜。つら。

 

んで次はラスボスくん。

 

どんなのだと思う?

社長?闇?宇宙?魔女?友人?別次元?前任者?負の感情?概念?

 

正解は〜〜〜俺。

 

は? と思った人。俺も俺も。まじで。

 

ポカーン( ゚д゚)よ。

 

「初めまして貴方です」

「初めまして貴方です」

 

って会話したの前世今世合わせて2度目だよ。1回目は初めて魔法使ったとき。

 

あ、この驚きは何で俺がラスボスって反応ね。そこ大事。

 

いや何で? と思うじゃん。

 

どうやら俺がこの世界に入ってきて色々バグっちゃったらしくて、世界の異物として俺を核に成したのがその存在らしい。

 

まあ人生2回目なやつ、俺以外にもいるかなって探したらいるわけなくて、いたとしてもそいつは頭がイってるかどうか疑わねばならん。結局は1人もいなかったんだが。

 

でまあ戦ったわけですよ。

 

結果、何をやっても瓜二つな上、相手は腐ってもラスボス。ボコられまくった。

 

まあこっちは魔法を別件で使ってるからフィジカルオンリーなんだよね。魔法少女とは。

 

光速を超える速さで動いても捉えられるし、姿消しても捉えられるし、核に耐える身体も簡単に突破されるし、星を穿つ拳も受け止められるし……何こいつバケモン。

 

万策尽きてどうしようかと思ってたら名案が思いついてね。

 

あれこいつ俺が死ねばどうなるんだ?って。

 

俺を核にして存在してるなら、俺が死んだらこいつ死ぬんじゃねって?

 

んで聞いてみたら「自分の命を犠牲にできるのか? どんな生物も自分の命が惜しい。ましてやお前は今世で不幸ではないむしろ幸福の絶頂だ。だからお前は自分を犠牲にできない。安心しろお前は捕らえて一生私の核に据える。特等席で魔法少女達が蹂躙される姿を見ればいい」と、まあざっくりこんなこと言ってた。

 

だから俺は今、自分の心臓を貫手で抉りとった。

 

「へ」

 

さっきまで威厳溢れるご尊顔が崩れた。ウケる。

 

「ごぶぅれぁ……」

 

口と心臓部から血が流れる。

口からはゲロというか、吐く時のあの止まらない感じ。とめどなくずろずろと、一体俺の体のどこに流れていたのかわからないほど出てくる。心臓部からは勢いよく、絶え間なく循環するはずの命の源が噴出する。

 

「な、なぜ!?」

 

俺は立っておられず、後ろの瓦礫にもたれるように背を預け座る。人生初の女の子座りだ。

 

ラスボス君の体が崩れ始めた。

 

「ぬ、ぬう!!」

 

そう言うとラスボス君は俺に魔法で回復させようとした。だけど残念、効かないんだよね。

 

俺、自然治癒でしか怪我回復しないのよ。

 

魔法が効かないと見るや困惑が極まる面になる。良い顔できんじゃん。

 

「ま、待て!! どうしてだ!? なぜ死ぬ!? お前は──」

 

──生きたいのではなかったのか!!!!

 

ああ、俺をこの世界に送った糞ラスボス(転生神)様よ。確かに俺は生きたいと言ったよ。

 

前世ではまだしたいこと、たっくさんあったからな。

 

親孝行、結婚、友達との旅行、オタ活、同人活動、スポーツ、会社での仕事。

 

──だがな、この体の精神にいた娘を殺してまで生きたくなかったんだよ。

 

この娘が見るべきだった景色、聞くべきだった声、触るべきだった愛、匂うべきだった香り、味わうべきだった家族の手料理。

 

体験するだろう成長、作るだろう友人、通うだろう学校、習得するだろう技術、磨くであろう感性、覚えるだろう記憶──楽しむだろう人生。

 

それらをこの娘は感じる前に、俺のせいで死んだんだ。

 

本来魔法少女の彼女達と出会うのは俺ではなく、俺が殺してしまった精神の娘だった。

 

何でそれがわかったって?

俺の意識が5歳から始まったからだ。

 

それまで俺という存在が介入するまではいたんだ。あの娘が。

 

俺が確立した瞬間にわかったんだ、あの娘が死んだのが。

 

甘い話には罠がある。人生2周目だ? ふざけんな。

 

他人を殺してまで2周目送りたいって思えるほど、やわな人生(1回目)送ってねえよ。

 

俺はラスボス(笑)に向けて、死人も同然な面を無理やり頬を引き上げて、腕を上げ、右手の中指を立てる。少し中学生みが過ぎるか。いや中学生だわ。

 

「じゃあな、詐欺野郎……」

 

ラスボスは悲痛な表情を浮かべながら消えていった。

 

これで、俺──朝夜螺旋の今世の仕事は終わり。

 

「さて、これで、心置き、なく、逝ける、か……ふぁ〜」

 

ごめんな、螺旋ちゃん……俺のせいで。

 

ああ、やばい、死ぬ。既視感あるなこれ。てか既視感でいいのかこれ。

 

腕も上げられなくなり、勢いよく下へ。

全身の血が口と心臓部から流れ出たのか、体が下へ下へと溶ける感覚。

 

瞼も重い、眠い、寝なきゃ。寒い。温かい。

 

閉じるとき、見えたのは、見慣れた、5色の──。

 

最後に笑えたかな。

 

 

 

 

 

 

 





ハードウェア女性でソフトウェア男性が好きなんですよね。

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