刀を持つ騎士(鬼神)   作:カンナム

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第12話 鬼神 対 巨人

パジャの国・王都ヴィクトリアに向かって。

 

アドム・ヴィンテージとタハト、リアは平野や森の中に通った街道を真っ直ぐに進んでいた。

 

無造作に跳ねた茶髪を手で抑えながら、タハトが自分の隣を歩くアドムに話しかける。

 

「やっとヴィンテージ領を抜けれたね。日が昇るまえに出発したはずなのに、もう日が沈んでるよ」

 

「徒歩ならそんなものだろう。むしろ速いぐらいだ。王都ヴィクトリアまではあと二日といったところか」

 

「そ、それにしてもさ」

 

淡々と返すアドムに頷き返しながらタハトは自分達の後ろを歩くリアに振り返る。

 

「ほとんど休みなしで歩いてるのにすごいね。リアさん」

 

「なにがでしょう……?」

 

「いや、全然平気そうだなって……」

 

「あら。アドム様もタハトさんもお元気そうですよ」

 

小首を傾げ微笑みながら平然としているリアにタハトは乾いた笑みを浮かべていた。

 

「僕たちは慣れてるしさ。そろそろ本当に貴族の令嬢か怪しくなってきたよ僕ぁ……」

 

「失礼な。これでも、ちゃんとした貴族の令嬢でしたよ?」

 

二人の会話にアドムがリアを振り返りながら言った。

 

「貴族の令嬢ってのは鍛え抜かれたヴィンテージの速足にも簡単についてこれるものなのか?」

 

「あら、王都に急いでいるのですから速足なのは当然ですわ」

 

「なあアドム。このヒト、隙がなくないか?」

 

「まあーーいずれボロが出るさ。……たぶん」

 

「そうかぁ? なんかもう付き合いが長くなれば長くなるほど、僕の中でリアさんが上位種になっていくんだけど……」

 

「それは……仕方がないな。俺もこんな簡単に自分の脚に付いて来れるヒトが居るとは知らなかった。それも一般的にはこんな長距離を歩くようなヒトじゃないっていうな」

 

「僕たち、相当人間の枠からは外れたと思ったんだけどな?」

 

「上には上がいるもんだ……」

 

しみじみとした感じで話し合う二人に向かってリアが声を上げた。

 

「お二人とも」

 

「「はい」」

 

「あそこに簡単な小屋のようなものがありますが、アレはいったい?」

 

街道の脇にある小さな木製の小屋を指差しながら告げるリアにタハトはニコリと応えた。

 

「ああ、アレは茶屋だよ。リアさん」

 

「ーー茶屋?」

 

「休憩所みたいなものさ。簡単な軽食と靴の替えや傘、カッパとか研ぎ石とか買えたりするんだ」

 

「……旅人御用達の憩いの場ってやつだ」

 

アドムも茶屋を見ながら脚を止めてリアを見る。

 

タハトが明るく笑いながらリアに言った。

 

「なんなら入ってみる。リアさん?」

 

「よろしいのですか?」

 

「もちろん! な?」

 

「ああ……」

 

こうして三人は茶屋の中へと入っていった。

 

「こ、これはおいしい……」

 

リアが歳相応に目を見開いて頬を赤く染めながら団子を口いっぱいに頬張る。

 

隣でタハトも同じものを口に運んでモグモグと咀嚼しながら告げる。

 

「そうだねぇ……。僕もこのーーみたらし団子がおいしくっておいしくって。甘じょっぱくて好きなんだぁ……」

 

すると向かいに座っているアドムが「ふぅ」と息を一つ吐きながら湯飲みを両手で持って卓に置く。

 

「俺は、この渋い緑茶がなにより美味い……」

 

「お前、まだ若いのにそんなこと言ってると。将来アブラさまぐらいの歳になったら完全に隠居だぞ」

 

「結構なことだ……。その時は暇つぶしに、お前の孫の顔でも見せに来いよ」

 

などと軽口を叩き合っていると、声がかけられた。

 

「あのう……」

 

「ん? どうしたんだい、店員さん?」

 

タハトが顔を向けると10半ばのそばかすが浮いた女性店員は、アドムの顔をチラチラと見ながら言った。

 

「もしかしてーーこの先に進まれるのですか?」

 

「そのつもりだよ。僕ら、王都に行くつもりなんだ」

 

「この先に橋がかかっているのはご存じですか?」

 

「うん。その橋を越えていくつもりなんだけど」

 

「だったらーーやめたほうがいいです。回り道をすることをおすすめします」

 

「なんだい? 橋に何かあったの?」

 

「それがここ最近、武芸者が狙われることが多くなりまして。橋にさしかかった者に決闘を申し込んでくるそうなんです」

 

「決闘ーー!?」

 

その言葉にタハトは目を見開いて驚き、アドムは初めて興味を惹かれたようにジッと娘を見る。

 

ちなみにリアは真剣な表情で娘を見ながらモグモグと団子のお代わりを頼んでいた。

 

「もちろん町民とか平民は見逃してくれるみたいなんですけど、腰に刀を差していると間違いなく狙われるそうです。おまけにその刀を置いていけ、と言われるそうです」

 

「フッ、剣士に剣を置けとは。なかなか舐めたやつだな……」

 

好戦的な笑みを浮かべてアドムは目を輝かせている。

 

そんなアドムに向かって少し呆れたように娘は言った。

 

「そう言って何人もの武芸者が挑んでは返り討ちにあっているんです」

 

「……そんなに強いのか?」

 

ますます嬉しそうな笑みを浮かべるアドムの向かいでタハトが声を上げた。

 

「オイオイ。そんなヤバいヤツが居るなら、橋渡るべきじゃないぜ。テキトーに「いかだ」でも作って川渡るか?」

 

「……いや。あの川はたしか流れが速かったはずだ。幅はそうでもないから適当に丸太でも切り倒して橋にするか?」

 

「王都に急がなければならない理由がなければ、回り道でもいいんだけどな……」

 

真剣な表情で考えているアドムに向かいのリアが真剣な表情で手と声を上げた。

 

ただし、頬にみたらしのタレが付いており反対の手はしっかりと団子の櫛が握られている。

 

「話し合ってみる、というのはいかがでしょう?」

 

「話し合い……か。説得が通じるならいいのだが」

 

「話し合いが通じる相手なら何人も犠牲になんないよねぇ……」

 

アドムとタハトが、それでも話をするくらいはと頭をひねる中で娘が言ってきた。

 

「すでに九百人以上の武芸者が刀を奪われているそうです」

 

「王都はなにやってんだ……」

 

「何回か憲兵を派遣してくれてはいるのですが……。全員返り討ちにあっているみたいで。このあいだ10人で編成された正規軍にも勝ったと聞きました」

 

その言葉にアドムは動きを止めてジッと娘の話を反芻する。

 

タハトが向かいで半目になって娘に言った。

 

「……もはや人間じゃないんじゃないか? そいつ」

 

「モンスターと見間違えるほどに大きい身体。その背丈を越える得物を持っていると聞いてます」

 

「興味が湧いた。よし、そいつは俺が倒してやろう」

 

大胆不敵な笑みを浮かべてアドムが告げると娘は表情を輝かせて応える。

 

「本当ですか? 助かります……。普通の刀とは明らかに違う長いものをお持ちだから、腕に覚えがあると思って声をかけてよかったぁ……。いくら民間のひとを襲わないとはいえ物騒であることに変わりありませんからね」

 

ホッとした表情で告げながら娘はアドムに思い出したように振り返る。

 

「でも、ギルドが派遣した冒険者の方も王都から来た正規軍の方も返り討ちにあっているので。たった三人で挑むのは……」

 

するとアドムは立ち上がりながら代金を卓に置くと席に立てていた兼定を腰の剣帯に差して言った。

 

「俺一人で充分だ。世話になったな、代金はここに置いておく」

 

そのまま鼻歌でも歌うのではないかという軽やかな足取りで外に出て行った。

 

「お、おい待てよアドム! まだリアさん、食べてるだろ!?」

 

「ごめんなさい、コレって持ち帰りできますか?」

 

「はい、包んでおきますね! 包み代はサービスしておきます」

 

二人がアドムを追って茶屋を出ると、既にアドムは街道の奥に向かって歩いている。

 

まるで新しい玩具を見つけた子どものように待ちきれないと。

 

二人が合流したタイミングでアドムはニッと笑った。

 

「いいことを聞いたな。退屈な王都までの道のりが楽しくなってきた」

 

「僕はホントかどうか怪しいと思うよ? だってさ憲兵や正規軍が返り討ちにあうんだろ? それなら王都も面子をかけて小隊とか組んでくると思うんだ。当然、魔法部隊も編成されているはずだから、そいつが相当強力な魔法戦士じゃないと勝てっこないぜ」

 

「物騒なお話ですわね……」

 

話が怪しいというタハトに困った風に手を頬に当てるリア。

 

不敵な笑みに瞳をギラギラとさせてアドムは言った。

 

「行ってみりゃわかるさ。その話が嘘なのか本当なのか、確かめてやる」

 

日は沈み、満月が空に浮かんでいる。

 

月明かりに照らされてアドムの瞳は真紅に輝いた。

 

「……血が騒ぐぜ」

 

ーーーー

 

日が沈めば強力なモンスターが街道を歩き始める。

 

狼型や熊型、あるいは猿のような姿をしたモンスターは厄介でウサギに角が生えたポーンラビットや緑色の粘体をしたスライムとは違って強敵だ。

 

狼は俊敏、熊は剛腕、猿は道具を使う知能。

 

この三組がチームを組むこともあるのだから、厄介度は跳ね上がる。

 

狼型の群れを相手に棍で叩き伏せながらタハトは思った。

 

「夜に街道を突っ切るような旅人って僕らくらいしか居ないんじゃないのか!?」

 

横で拳と蹴りでモンスターを吹き飛ばしながらアドムが応える。

 

「いい運動になるのにな?」

 

リアは後方から二人の男の戦いを見つつ錫杖を持った右手を胸の前に置いて左手を開いて前方にかざす。

 

「炎よ、燃え上がれ……」

 

瞬間、アドムとタハトの前方に居たモンスターの地面に赤い光で複雑な紋様が描かれた円が生まれると森の木の高さを倍近く上回る背丈の炎が発生して爆発した。

 

タハトが目を点にさせ、アドムが「おお」と素直に驚きを露わにする。

 

「凄いな、タハト! これが魔法か……!!」

 

「な、なんじゃぁあ、こりゃぁあああ!!?」

 

無数のモンスターの群れが消し飛び、地面に底は低いが広範囲なクレーターが生まれている。

 

(ぼ、僕は独学で属性付与魔法のみしか使えないから何とも言えないけど。今の魔法……明らかに中級クラス以上だよな? 単独でーーしかも詠唱無しで撃てるのか?)

 

魔物を数秒もあれば屠る剣の腕。

 

詠唱無しで放てる広範囲魔法。

 

どれも貴族の娘が使えてよいものではない。

 

「凄いな、リアさん。一瞬でアレだけ広範囲に広がった敵を倒せるとは……」

 

「アドム様やタハトさんこそ。刀を使えば私よりも多くの敵を一瞬で葬れるでしょうに」

 

今夜の夕食だと言わんばかりに熊の肉数体を手に入れたアドムは肩を竦める。

 

「この刀は、俺が認めた相手しか使わない。そう決めている」

 

言いながらアイテムボックスから適当な肉切り包丁を取り出すと毛皮を丁寧に剥いで肉を切り分け、狼や熊の爪と牙をそれぞれ別個に取り分ける。

 

猿型からは脂と毛皮を取り出し、可食部である肉は少しだけなので保存食にと燻製にする。

 

アドムが捌きタハトが燻製にする道具を木の枝や草の蔓で造って干していく。

 

焚火を囲いながら肉と野草を食べる。

 

「熊や狼の肉は臭みが強くて筋があるから、下処理をきちんとしないと臭みが残ってしまうんだよなぁ」

 

「適当に野草をかけて焼いてるわけじゃなかったんだな」

 

「失敬だぞ、お前!! 僕は、これでも料理にはうるさいんだ!!」

 

木の枝から串を作り出して肉と野草を貫き、焚火に並べる。

 

肉汁が地面に落ちて食欲をそそるような匂いがリアの鼻に届いた。

 

「……美味しそう」

 

「もちろん! 僕が腕によりをかけて焼いた焼肉だからね!! 是非食べてよ!!」

 

「タハトの得意なことの一つだ。中々、病みつきの味だぜ?」

 

串を一つ取って肉を食いちぎるアドム。

 

タハトは串を手に取るとリアに差し出した。

 

「はい、リアさん。熱いから気をつけてね」

 

「ありがとうございます」

 

野草と共に肉を食べ、思わずリアは目を見開いた。

 

「美味しい……」

 

「よかったぁ! 昔、アドムと一緒に修行の旅に出た時さ、倒したモンスターの肉を美味しく食べられないか研究してたんだよね! リアさんみたいな綺麗な人に食べてもらえるなんて。色んな野草やキノコや調理法を研究した甲斐があったなぁ……。さ、どんどん食べてよ!!」

 

嬉しそうに笑いながらタハトも食べる。

 

そんな二人を見てアドムは嬉しそうに微笑んでから食事を続けた。

 

「あ、あの……っ! お代わりは……!!」

 

「肉ならまだまだある。遠慮は要らない」

 

「はい、お代わりだよ!」

 

三人の中で一番食べるのはーー実はリアだった。

 

「……まさかレッドベア1頭分を丸々平らげるとは」

 

「恐るべし、リアさん……!!」

 

「モンスターの肉が、こんなに美味しいのなら次からは氷漬けにしていきましょう」

 

満足そうに笑顔を浮かべているリアをアドムとタハトは戦慄した表情で見ていた。

 

何気に氷属性魔法も使えることが判明したのだが、タハトはツッコミを入れる余裕が無かったのである。

 

翌朝、日が昇るとタハトは食事の準備を始める。

 

固いパンと燻製肉、温めた鉄板の上で卵を割って焼き、野草を炒める。

 

横でアドムは左袖から小柄を一振り取り出すと適当に置いた薪の余りで皿と箸を三人分作り出した。

 

リアがきょとんとした表情で作られた箸を渡され、料理が添えられた皿を手に取る。

 

皿には切られたパンが二つ、燻製肉一つに目玉焼き、刻まれた野草と赤い実が添えられている。

 

「……ゴクリ」

 

昨日、食べたものは完全に消化されたようでリアは、ジッとタハトの合図を待っている。

 

アドムは苦笑を浮かべ、タハトはニコリと頷くと三人は手を合わせた。

 

「「「いただきます」」」

 

朝からお代わりをしたのは、リア一人だけだったーー。

 

タハトは足で焚火を消して火種に使ったキノコをアイテムボックスに放り込む。

 

アイテムボックスに入れておけば燻った状態で保存できるので直ぐに火の準備ができて非常に便利だ。

 

タハトが、このような知識を得たのは『ヴィンテージに入ってから』である。

 

ーーーー

 

一行が街道を進んでいると、大きな橋が見えて来た。

 

馬車が行き交うことができるように幅はかなり広く、橋げたは石で造られている。

 

ただし歩くものの脚が痛まないよう、橋自体は木で造られていた。

 

落下防止用の赤い柵には手すりも付けられており、旅客の利用頻度の多さが伺える。

 

「お、アドム。橋が見えてきたぞ!!」

 

遠めでもハッキリと分かる橋の大きさに感嘆しながらタハトはアドムに言う。

 

するとアドムは橋の中央に立っている大男にその青い目を見据えていた。

 

男は縦に長い黒の帽子を被り、骨太く筋骨隆々とした逞しい肉体に纏うのは白い布に赤い裾の広い袴を履いて腰には黒い革巻きの太刀を差している。

 

右手には大男の鳩尾の辺りまである長柄に刃渡り4メートルはあると思われる装飾の類は一切ない武骨な野太い剛刀が握られている。

 

舞踊家ーーそれも神に祈りを捧げ神の力を身に纏うと言われる巫女の衣装には余りにも不釣り合い。

 

白拍子の姿だった。

 

「ああ。……アイツか」

 

「ずいぶん、お体の大きい方ですのね……」

 

「たしかに! 背丈は3メートルくらいはありそうだよね! ていうかあの格好は、剣士や騎士とか冒険者とかじゃないな……!!」

 

タハトの言葉に目を細めながらアドムは応えた。

 

「ああ。アレは神に舞いを捧げるという踊り子の衣装ーー白拍子だな」

 

「僕、白拍子ってもっとたおやかな女性がやるもんだと思ってたけど、あんな筋骨隆々な男が着て踊ったりするもんなのか? 白拍子って」

 

「白拍子ーーとは?」

 

リアが聞きなれないという表情で問いかけるとアドムが間髪入れずに応えた。

 

「舞踊家さ。踊りを舞って路銀を稼いだり、貴族の屋敷に呼ばれることがあると聞いたが……?」

 

「ああ。噂には聞いたことがありますね」

 

などと会話をしながら橋の入り口まで歩いていく。

 

すると大男は声を上げた。

 

「……とまれ」

 

低く、けして居丈高ではないが強制力を伴った声にタハトが目を見開いた。

 

「あきらかに男の声だあ!! やっぱり、女の人じゃない!!?」

 

白拍子に幻想があったタハトはショックを受けて叫ぶが、大男の黒目は意に介さずにアドムだけを見つめている。

 

口許に蓄えられた八の字を描いた髭、意志の強さを現すように野太い眉、引き締められた口。

 

顔を見れば人間と分かるものの、その巨体は確かに茶屋の娘が言う様に魔物のようだった。

 

「そこの男、貴様よい刀を腰に差しているな。その刀を置いていけ。さすればここは通してやろう……」

 

「ーー嫌だと言ったら?」

 

「フッ、知れたこと……」

 

大男は右手に持った長柄の剛刀を指先で振り回し、橋の手前に居るタハト達にまで届く強風を発生させてから元の姿勢に戻る。

 

「なんだぁ、あのバカでかい槍みたいな持ち手の刀は!? 刀身だけで4メートルはあるぞ!!」

 

驚いた顔でタハトはアドムの腰に帯びた剛刀を見つめる。

 

「しかも、明らかに兼定よりも太い……!!」

 

アドムが腰に差している兼定も普通の刀よりも20センチほど長く、太さは通常の倍ほどある。

 

だが、その兼定さえも小さく見える剛刀を大男は指先で振り回している。

 

「この俺を倒していくがいい! 橋を通りたいというのならな……!」

 

不遜な大男にアドムは淡々と返した。

 

「ーー名は?」

 

「貴様のような年端も行かぬ小僧に名乗る名はない……」

 

「……吐(ぬ)かしたな」

 

そのころにはアドムの青い瞳はギラギラと刃のように煌き口許には不敵な笑みが浮かんでいる。

 

左手で腰の兼定を鞘ごと引き抜くとタハトに向かって差し出す。

 

「タハト、兼定を頼む」

 

「お、おおお!? お前、刀もなしでどうするつもりだ!?」

 

「身の程をーー思い知らせてやる」

 

両手で兼定を受け止めながら問いかけるタハトに淡々と返しながら笑みを浮かべてアドムは目を見開いて大男に向き直る。

 

「小僧呼ばわりされて完全にブチ切れたー」

 

「アドム様って、子どもらしい所がありますわよね♪」

 

「リアさん。そこ、はしゃぐところじゃない」

 

二人のやり取りを置いてアドムの眼は完全に大男に向けられている。

 

木製の板間ーー橋に脚をかけてアドムは堂々と大男に近づいてくる。

 

「……貴様。まさか素手で俺に挑むというのか?」

 

「お前こそ、そんな冗談みたいな刀で俺に勝てると思うのか?」

 

それ以上は語らずに堂々と前にーー大男の間合いに踏み込むアドム。

 

瞬間、大男は動いた。

 

「ぬうぅ!!」

 

右手に持った長柄の剛刀ーー長巻を両手に持ち替えると自分の頭上から相手に向かって振り下ろす。

 

アドムは自分の両足を半歩右に移動させて体を右に見切る。

 

頭があった空間を刃が通り過ぎていった。

 

アドムは、そのまま散歩にでも行くように気軽に前に出ようとするが大男の返しの右胴が放たれている。

 

両足で地面を蹴り、刀が胴に触れる寸前でアドムは後方へ高速移動する。

 

地面に両足と右手を付きながら着地するアドムの背後に大男は長巻を振り上げた姿勢で移動している。

 

振り下ろされる両腕のうち右を狙ってアドムは着地した姿勢から振り返らずに槍のように右足を後方へ突き出し、蹴り込む。

 

大男は微動だにせずに刀を振り切るが、アドムは大男の腕を足場のようにして蹴り、後方へ高速移動して間合いから逃れた。

 

代わりに頑強な橋の手すりが紙のように切断されて丸太が転がる。

 

大男は敢えて追わずにアドムを迎えた姿勢ーー右手に長巻を持って仁王立ちする。

 

後方へ軽業師のように着地したアドムは大男を睨みつけていた。

 

「な、なんてヤツだ……! あの巨体で!!」

 

「素晴らしい身のこなしですね。あのアドム様に簡単についていけている……」

 

驚愕するタハトとは違い、リアは面白いモノが見れそうだとばかりに微笑んでいる。

 

腰を落として相手の斬撃に備えるように斜めに構えを取るアドム。

 

アドムの構えに応じるように大男も長巻を構えなおす。

 

鋭く細めて睨み合う青い瞳と黒い瞳。

 

(……巨体に似合わず大した身のこなしだ。おまけに、あの冗談みたいな剛刀を苦もなく振り回す、か)

 

(この小僧、俺の斬閃を眉ひとつしかめることなく見切っている。何という度胸よ……)

 

互いに内心で認め合いながらも口は好戦的な言葉をぶつけ合う。

 

「なるほど。大口をたたくだけのことはあるようだな、小僧……」

 

「お前こそ、伊達や酔狂でその長巻を振り回しているわけじゃないようだな」

 

軽口を返すアドムに大男はニヤリと笑った。

 

「小僧、非礼の詫びだ。名を聞いてやろう……」

 

「ーーアドム・ヴィンテージ」

 

「貴様が……?」

 

その名を予想していなかった大男は一瞬構えを解くも、やがて目の前の男の正体と名に合点が行くと顔を天に向けて高笑った。

 

「ふっふふ、はっはっはっはっは! なんという僥倖! 最強の武芸者と呼ばれる男で千振りめの名刀を手に入れられるとはな!!」

 

「ーー気の早い野郎だ」

 

目をギラギラさせながらアドムは楽しくて仕方ないと笑みを返している。

 

コイツをーーどうやって倒してやろうか。

 

今のアドムの頭にあるのは、それだけだ。

 

「アドム!!」

 

その時、アドムに向かってタハトが叫ぶ。

 

戦いに没頭していたアドムの意識が横目と共にタハトに向く。

 

「兼定使え! いくらお前でも素手じゃ無理だ!!」

 

兼定をこちらに投げ渡そうと構えるタハトを横目に見てからアドムはギラギラした青い瞳を大男の顔に向けて見上げる。

 

「たしかに。素手じゃ厄介だな」

 

そう言うとアドムは足下に転がっている橋の手すりに使われていた丸く加工された棒を拾い上げた。

 

「あら、アドム様。切られた橋の部品を拾われるなんて……」

 

「貴様、手すりの部分など拾ってどうするつもりだ? まさか、そんな棒切れでこの俺に勝つつもりじゃあるまいな?」

 

リアと大男が同じ疑問を口にする。

 

これに対するアドムは、どこまでもーー不敵。

 

「お前の腕を試すには、これで充分だ……」

 

「つくづく舐めた小僧だ……!!」

 

「どちらが舐めているか、その身に教えてやる。来い!!」

 

瞬間、アドムに向かって大男は裂帛の気合いと共に踏み込んだ。

 

「ぬぁあああっ!!」

 

大男の踏み込みも剣の鋭さも、先までより数段速い。

 

これにタハトが叫んだ。

 

「嘘だろ! さっきまでよりーー速い!!」

 

「先ほどまでの動きが俺の本気だと思っていたのか? だとしたら見くびっていたのは貴様だぁ!!」

 

強烈な袈裟懸けの一撃。

 

橋の床面には触れずに手すりだけを斬り捨てるーーに留まらない。

 

「斬撃の衝撃でーー川が斬れた!?」

 

「まあ! なんという剛力でしょう……」

 

流れる川を一瞬とはいえ、真っ二つに斬り裂いた。

 

その事実にタハトが仰天し、リアはどこか呑気に微笑んでいる。

 

「馬鹿アドム! あほアドム! 意地張ってないで兼定抜けよぅ!! ホントに強いじゃないか、そいつ!!」

 

「今さら遅いわ!! 従者から刀を受け取ろうとした瞬間に斬り捨ててくれる……!!」

 

タハトの言葉に吼え返し、大男はニヤリとアドムに構える。

 

対するアドムは木の棒を両手持ちにして青眼に構えて息を静かに吸い始めた。

 

「……ヴィンテージ流」

 

「きぃぇええええ!!」

 

更なる気合と共に踏み込んで長巻を振りかぶってくる大男。

 

対するアドムは棒に気を送り込み青く光らせると自身の頭上に振り上げる。

 

「ソニック・ブレイド……」

 

「喰らぇええええいっ!!」

 

甲高い音と共に互いの中央で大男の長巻とアドムの木棒がぶつかった。

 

「なにっ!」

 

目を見開いて叫んだのは大男だった。

 

切り結んだ斬撃は大男の長巻の刃の部分を避けて刀の側面に打ち込まれ、斬撃を脇に逸らされた。

 

逸らされた刀身は、アドムからほんの数センチ横の脚元の床面に切っ先が触れている。

 

(こいつ、こんな棒切れで? 俺の斬撃を、この剛刀を弾いた……!?)

 

この長巻『岩融』を手に入れて、初めてのことだった。

 

しかも、相手の得物は刀でさえない。

 

先ほど自分が壊した橋の手すりだ。

 

動揺する大男の眼を見て不敵にアドムは告げる。

 

「そんなに目の前でブンブンと何回も振り回されたら、斬撃も剣の範囲も癖も。すべて見切れるさ!!」

 

(俺の剣の間合いを見切った? それぐらいで、この剛刀の斬撃を逸らせるとは思えん。タイミング、力の方向、技量、度胸。すべてが揃わねばヤツの持っていた棒は折れていたはず……!!)

 

「こやつ、なんという男……!!」

 

大男の眼が見開かれ、思わず口にした。

 

それほどの技量、感動すら覚えるほどの力の持ち主だった。

 

「……勝負ありましたね」

 

「なななな、なんで!? なんで勝負あったの!!?」

 

「……今の立ち合いが、すべてです」

 

「い、今のがすべてって……! ごめん、僕にも分かるように言ってくれないかな?」

 

リアの言葉にタハトは動揺しながら問いかける。

 

するとリアは落ち着いた表情で微笑みながらアドムをウットリと眺める。

 

「あのとてつもない斬撃をアドム様は木の棒でーーその場からまったく動くことなく弾き返しました。つまり両者にはそれだけの差があるということです」

 

言い切るリアは、横目で大男を見る。

 

「もちろん、あの巨体の戦士が。あれほどの力の主がアドム様とのレベルの差を分からないはずがない」

 

「そこの小娘の言うとおりだ。たしかにすさまじい腕だ。申し分のない強さだ」

 

それなら、この闘いを終えて先に進めると表情を明るくするタハトを止めるように大男は叫ぶ。

 

「だが。それはそれとして……!!」

 

長巻の切っ先をアドムに向けて大男は告げた。

 

「貴様の顔色、変えてやらねば気が済まぬ……!!」

 

「奇遇だな。俺もお前のような強いヤツはーーブッ倒さなければ気が済まない!!」

 

瞬間、両者は互いに踏み込んで得物を振りかぶりながら叫んだ。

 

「まずは貴様のーーその木棒を斬り捨ててくれるわぁ!!」

 

「やれるモノならーーやってみろ」

 

数合、打ち合う。

 

両者は広い橋の上で相手の影を追うように高速移動で駆け抜けて何度も得物をぶつけ合っている。

 

あれほどの化け物刀を相手に、手すりに使われていた木の棒で打ち合っている。

 

3メートルはあろうかという身の丈に筋骨隆々な大男とアドムは打ち合っている。

 

全てを力でねじ伏せようとする剛剣を前にアドムは、剣技で受けて立っていた。

 

(すげぇ、やっぱり。やっぱりアドムは、すげぇ!!)

 

しかしーー。

 

高速移動していたアドムの足場が崩れた。

 

「な!?」

 

大男の斬撃に橋の床面が持たなかったのだ。

 

「ぬうぁああああああっ!!」

 

咄嗟に脚が橋下に抜けるのを防ぐために移動した先は大男の正面。

 

「しまっ――!」

 

思わずアドムが言う前に、大男の斬撃が振り下ろされる。

 

「アホォ!! 橋の上ってこと忘れてんじゃねえかああっ!!」

 

「泣き言は聴かんぞお!!」

 

タハトの声に応えるように大男が叫びながら振り下ろして来る。

 

「ちぃっ!!」

 

舌打ちしながら棒を横にして振り下ろしを受け止める。

 

あの剛腕と剛刀から繰り出される剛剣を受け止めたのだ。

 

「この小僧、つくづく気に入らん! 俺の全力の一撃をこんな棒っきれで止めおって!!」

 

「ぐ、ぐぅ……! この、馬鹿力がぁ……!!」

 

しかし流石のアドムも剛剣を止めはしたが、返すことも流すことも出来ない。

 

それほどの大男の力だった。

 

「ぬぅぁあああっ!!」

 

鍔迫り合いの姿勢から、大男は岩融を振り切る。

 

タハトが思わず悲鳴を上げそうになる。

 

瞬間、棒が宙で真っ二つに斬られている。

 

しかし棒を持っていたアドムは既にその場に居らず、後方へ宙返りして軽業師のようにタハト達の横に着地した。

 

そのまま顔を大男に向けたままアドムは左手をタハトに差し出す。

 

「タハト。兼定を……」

 

「最初っから兼定で闘ってればいいんだよ、お前は!!」

 

ハラハラさせやがって、と言いながら渡された兼定を腰に差す。

 

「……そう言うな。この刀は抜くべき相手を選ぶんでな」

 

「なにぃ?」

 

腰に差した剛刀の鞘に手をかけ、鯉口を切って右手で抜き放った。

 

そのままアドムは右手一本で兼定を水平に伸ばして切っ先を大男の眉間に突き付けるように構える。

 

「喜べ、破戒僧。貴様は、この俺が兼定で斬ると認めた数少ない武芸者だ」

 

言いながらアドムは、ゆっくりと腰を落としながら左手を柄に添えて霞の構えを取る。

 

これに大男は心底不快げに応えた。

 

「フン! 相手の実力もきちんと量れぬ男が偉そうに!!」

 

「棒切れ一つ、まともに切れぬ男に。この刀ーー抜く必要はない」

 

「ほざけぇえええ!!」

 

頭上で回転させて遠心力を加えながら頭上から長巻を振り下ろす。

 

瞬間、アドムも兼定を袈裟懸けに放った。

 

両者の中央で刀と刀がぶつかり合い、火花が散って止まる。

 

衝撃が両者の足下から橋の床面を砕いて踏み抜く。

 

「……なにっ!?」

 

目を見開く大男。

 

対するアドムは不敵に笑って目をギラつかせている。

 

「貴様ーー、先ほどまでの剣技をなぜ使わん!!」

 

「お前はーー力でねじ伏せてみたくなってな」

 

「つくづく! 舐め腐ったガキだああああ!!」

 

大男は長巻を押し込みながら吠える。

 

(動かない、だと……! こんな小僧に、この俺が力で負けるというのか!?)

 

刀が鋼が軋む音が聞こえる。

 

このまま力比べをすれば、自分の得物が砕け散る。

 

その確信が大男にはあった。

 

だから大男は一旦、合わせた剣を弾いて振りかぶる。

 

「ぬあああああ!!」

 

「ウォオオオオオ!!」

 

声を上げる大男に応えるようにアドムも咆哮を返した。

 

その声は、普段クールなアドムからは想像も出来ないほどに猛々しく荒々しいモノ。

 

両者は真っ向から力と力で刃筋を合わせて得物をぶつけ合っている。

 

「あんな無茶な力任せの戦い方! 兼定じゃなかったら、へし折れてるぞ!!」

 

タハトが叫ぶが二人の男には聞こえていない。

 

互いが互いの声量を上回らんと声を張り上げ、少しでも相手を上回らんと力を気持ちを魂を込めて一撃、一撃を放っていく。

 

(おのれ……! この小僧、俺の。俺の土俵で俺を上回らんとするのか!!)

 

痺れている両の手は、握力を無くし始めている。

 

後、2合。

 

持って3合しか打ち合えない。

 

それを悟って大男はアドムと言う漢に戦慄しながらも、それを打ち破らんと最後にして最高の一撃を放とうと頭上で三度長巻を回転させ始める。

 

(この全身全霊の一撃で、アドム・ヴィンテージを。最強と言われた強者を、打ち倒す!!)

 

「ぬぅおおおお!!」

 

この期に及んで折れない強い心にアドムは心から笑っていた。

 

強い。

 

この強さを、この力を、振るえる相手にアドムは心から感謝していた。

 

だからーー最高の一撃を放たせてやろう。

 

大男の人生で最高の一撃を。

 

その上でーーそれを破る。

 

アドムの思考に応えるように大男は振り回していた長巻を遠心力を加えた状態で袈裟懸けに振りかぶる。

 

「勝負だぁああ!! アドム・ヴィンテージィイイイイ!!!」

 

「ヴィンテージ流ーーソニック・レイズ・ブレード。ツゥォリャァアアアアアッ!!」

 

瞬間、アドムも自分の右側に兼定を垂らして左斜め上に斬り上げながら飛び上がった。

 

その声は異形の咆哮。

 

その瞳は赤く染まって炯々と輝いた。

 

ぶつかり合った刀と刀。

 

瞬間、3メートルを越える巨体は紙のように遥か上空へと打ち上げられている。

 

天に昇る太陽のように飛び上がりながら弧を描く斬閃。

 

アドムの一撃は、大男の視点から街道全体や遠くの景色が下に見えるほどに吹き飛ばしていた。

 

「な、なんだとーーー!?」

 

天頂部から重力に従って王都側の陸地へと背中から叩きつけられ、長巻『岩融』は主の手元に戻る様に地面に突き刺さる。

 

そのあまりにも現実離れした光景に皆が声を失う。

 

「ウッソだろ、アドム……! アイツ……!!」

 

己を地面に叩きつけた漢の顔を見て、大男は目を見開いている。

 

(コイツ、俺の体ごと! この俺の全身全霊の一撃を! 吹き飛ばしやがった……!!)

 

そんなとてつもない光景を生み出した当の本人は兼定に刃毀れ一つないことに満足して頷くと鞘に納める。

 

そして大男の傍らに寄り添うように地面に突き刺さった岩融を見つめながら言った。

 

「兼定で、へし折れんとはな。なかなかいい得物じゃないか、少し冗談が過ぎるがな」

 

岩融から背中を地面に付けた姿勢のまま動けない大男の目を見る。

 

「それで踊屋よ。まだ続けるか……?」

 

アドムは瞳を真っ赤に染めて笑みを浮かべている。

 

「俺は、まだーーあと100回は振れるぞ」

 

ギラギラした瞳。

 

全身から放たれる赤い鬼気。

 

その圧に、言葉に、一切の嘘や偽りはーーない。

 

「負けた……! 俺の、完敗だ……!!」

 

そう言うと大男は白目を剥いて地面に大の字になって倒れた。

 

その言葉にアドムは満足げに頷く。

 

赤かった瞳が黒に近い青に戻り全身から立っていた赤い鬼気が納まった。

 

「久しぶりにへし折り甲斐のあるプライドを持ったヤツだった」

 

心から楽しそうに言うアドムにタハトは乾いた笑みを浮かべている。

 

「お前ってーー本当に性格悪いよな」

 

二人がそのような会話をしていると、王都側の街道から騎士の集団が現れた。

 

王都ヴィクトリアの正騎士団である。

 

「こ、これは……!! あのルーク・ケイジを完全に無力化している……!!」

 

騎士団のリーダーらしき男が叫ぶ。

 

そしてアドムを見て敬礼をした。

 

「やはりーーこの怪物を倒したのはアドム様か!! 噂にたがわぬ強さだ……!!」

 

「……俺を知っているのか?」

 

「ご冗談を。騎士ならばーーいや、刀を使う者ならば貴方の名を知らぬ者は居ません。王都へ行かれるのですね?」

 

「ああ」

 

「……ご武運を!! お連れの方々も、お気を付けて!!」

 

騎士団が剣を構えて礼を取る。

 

それにニッと笑みを返すとアドムは街道を真っ直ぐに進み始めた。

 

「さあ、先へ進みましょう。意外と王都には早く着けそうですね」

 

「だと良いんだけどね。まま、今は進もうか!!」

 

そんなアドムの背を追うようにリアとタハトはついて行く。

 

三人の王都への旅は、まだ続く。

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