ありふれた職業で世界最強〜付与魔術師、七界の覇王になる〜   作:つばめ勘九郎

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毎度と事ながら、長いです。

う〜ん、思っていた方向から段々ズレて行ってますけど、まぁ、うん、修正可能範囲ですね。



醜悪なる魔物

 

side:ロクサーヌ

 

 

 

 シン達捜索チームが山に入ってからすでに数時間が経ち、すっかり日が落ちていた。

 

 一応アレックスから数本剣を借り、武装を整えた状態で、ランタンに火を灯し、葡萄畑を巡回していたロクサーヌ。

 

 しかし先程から妙を視線を感じていた。

 

 暗闇の中、まるで全身を舐め回すようないやらしい視線。

 

 そんな不快極まる視線に耐え続けたロクサーヌは、歩みを止め、その視線の元に睨みを利かせた。

 

 周りには誰も居ない。しかしロクサーヌの[気配感知]は確かにその人物を捉えていた。

 

 

「いい加減、私に対してその様な視線を向けるのはやめていただけませんか? 正直吐き気すら感じます.............隠れていても無駄ですよ? シン様程ではありませんが、私も直感には自信があるんです」

 

 

 ロクサーヌがそう言うと、葡萄畑の奥からひとつの人影が動き、葡萄の木を掻き分け、歩み寄ってきた。

 

 そしてロクサーヌから五メートル離れた場所でその人影が止まり、その顔がロクサーヌが手に持つランタンの灯りによって照らされた。

 

 

「やはり貴方でしたかーーーー()()()()

 

「..................................くひっ」

 

 

 シンのクラスメイトである清水幸利がそこに居た。清水の口から漏れた短い笑い声はまるで狂喜的だった。

 

 

「何故私をつけていたのですか?」

 

「........................」

 

「答える気は..............無いようですね。 残念ですが貴方の事は後ほどシン様に報告させていただきます。ここで貴方の口を強引に割ることも可能ですが、シン様の同胞を傷つけるのは忍びないので辞めておきます」

 

「ーーーーーッ!!」

 

 

 先程まで細い笑みを浮かべていた清水が、シンの名前を聞いた途端その顔を明確な怒りで歪ませた。

 

 

「シン、様..............? ああぁ〜もおッ!うるせぇんだよッ! シン、シン、シン、シン、シン、シン、シン、シン、シン、シン、シン、シン、シン、シィンッて!! 人が見てないと思ってず〜っと! イチャつきやがってッ! アイツの何処が良いんだよッ!」

 

 

 激情のままに喚き声を出す清水。ロクサーヌがここ数日見てきた彼の印象は大きく覆った。

 

 清水は尚も口を動かす。

 

 

「なぁ、 知ってるかぁ? 要の奴、元の世界で酷い女誑しの不良だったんだぜ? そんなクズとお前じゃ不釣り合いだろ? あんなクズより俺の方がよっぽどお前を大切にしてやれる。 一目見た時から俺はお前に惚れて..........」

 

「お断りします」

 

「....................へっ?」

 

 

 ロクサーヌが清水がそれ以上口を開かない様に、話の途中でキッパリと返事を返した。それを聞いた清水は素っ頓狂な声を漏らす。

 

 

「聞こえませんでしたか? 〝お断りします〟と言ったんです。“シンさん”のことを何も知らない貴方が、よくもまあそれだけ語れましたね?..............この際ハッキリ言ってあげます。他人を貶めて、自身の評価を上げようとする貴方の言動はとても不愉快です! 私に気があるのは結構ですが、貴方の様な方に心を開く気などさらさらありません。それに、すでに私の身も心も全て、“シンさん”の物。ですから私が剣を抜く前に、どうかお引き取りを」

 

 

 その言葉に確かな怒りを滲ませて、ロクサーヌはキッパリと返事した。“様付け”から“さん付け”に戻っているあたり、相当頭にキているらしい。

 

 そんなロクサーヌの言葉を聞いた清水は下を俯き、ワナワナと肩を震えさせた。

 

 

「ふ、ふざけやがって..........! お前も俺を馬鹿にするのかよッ!! 少し胸がデカくて性格も良いからって亜人如きが調子に乗りやがってッ!..............もういいッ! 無理矢理にでも俺の物にしてやるッ!」

 

 

 そう言って清水が何やらブツブツと小言を呟き、掌をロクサーヌに向かって掲げた。

 

 

「俺の物になれッ!ロクサーヌッ!!」

 

「ッ!?」

 

 

 途端、ロクサーヌの意識がグラついた。

 

 頭の中に流れ込んでくる何かによって意識が塗り替えられていく様な感覚を覚えた。

 

 だがそれは一瞬だけの事。

 

 ロクサーヌは咄嗟に[魔力放射]で流れ込んで来るソレを内側から弾き飛ばした。

 

 

「なっ!?俺の魔法が弾かれたッ!?」

 

(魔法..........なるほど、確か彼の天職は闇術師。私を洗脳しようとしたのですね)

 

「お前ッ! いっ、一体何をしたァッ!」

 

「貴方に答える義理はありません。 ですがこれでハッキリしましたね。貴方如きの魔法では私を御し得ないと言うことが」

 

「ぐっ............!!」

 

「自分の思い通りにならないと判れば、人の心を捻じ曲げようと魔法で操ろうとするーーーー私達が一番忌み嫌う相手と同じ、最低な人です」

 

 

 そう口にしたロクサーヌの視線には、清水を軽蔑する意思が確かに宿っていた。そしてロクサーヌは清水に対して[威圧]を発動させる。

 

 途端、清水の体がブルブルと震え出し、目の前に居るロクサーヌに対して明確な恐怖を覚えた。

 

 ガクガクと震える膝に力が入らなくなり、清水はその場で尻餅をついた。

 

 

「これ以上の対話は無意味。()()見逃してあげますから、引きなさい。さもなければ..............」

 

 

 ロクサーヌが腰に携えた剣を抜くフリを見せると、清水はみっともなく叫び声を上げ、暗闇の中走り去って行った。

 

 

「ふぅ..........(彼の魔法..........かなり危険ですね。 一応洗脳に対抗するためにと()()()()協力してもらっていたのが幸いしました)」

 

 

 一息つくロクサーヌ。

 

 思いの外、清水の洗脳魔法は極まっていた。それを弾く事が出来たのは、事前にシンの金属器〝ゼパル〟の力を受け、どう対処するかを特訓していたからだ。ゼパルの能力に比べたら清水の魔法はまだまだ隙だらけ。容易に[魔力放射]で弾けるほど脆い物だった。

 

 

「余計な魔力を使ってしまいましたね..........」

 

 

 なんてボヤいていると、突然遠くの方から爆発音の様な物が聞こえた。

 

 その方向にロクサーヌが視線を向けると、巨大な影が僅かに見えた。暗くて良く見えないが、何かが唸り動いている。

 

 するとその方角から誰かが走ってきた。

 

 玉井淳史である。

 

 彼は真っ直ぐにロクサーヌに向かってくると、彼女の目の前で止まり、息も絶え絶えといった様子で両膝に掌を乗せ、中腰で息を整えていた。

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ..............ろ、ロクサーヌさんッ!」

 

「玉井さん。まさか人面の魔物が出たのですか?」

 

 

 ロクサーヌの質問に玉井は大袈裟気味に首を横に振った。

 

 

「俺には分かりません..........けど、みんなが言うのに、“サンドワーム”だって..........!」

 

「ッ!? 砂漠の魔物がどうして..........」

 

 

 “サンドワーム”、それはグリューエン大火山がある大砂漠に生息する巨大なミミズの魔物である。

 

 それが一体何故、砂漠からずっと離れたこの村に..........

 

 

「わかりません! でも今は村長とデビッドさん達が必死で食い止めてますけど、いつまで持つか..........!」

 

「分かりました、すぐに向かいます! 玉井さんはどうされますか?」

 

「お、俺も行きます!」

 

「では私の手をしっかり握っていてください」

 

「え?あ、はいっ!」

 

「行きます」

 

「はーーーー」

 

 

 〝はい〟と、玉井が答える前にロクサーヌは玉井の手を掴み、全力で駆け出した。

 

 まるで猛風で靡くタオルが如く全身が激しく揺さぶられ、ロクサーヌに引っ張られ続ける玉井。ロクサーヌほどの超絶美女に、手を握られているという幸福感、それを満喫する暇など与えない強烈なGが玉井を襲った。もはや玉井は走ってすらいなかった。というよりも走ることすら敵わなかった。

 

 玉井が手を離しても、ロクサーヌの手は離れない。

 

 

「HA☆NA☆SI☆TEッーーーー!!」

 

 

 玉井による魂の叫びは風切り音によって掻き消された。

 

 現場に着くまでずっとこのまま。

 

 天国と地獄?とはまさにこの事だろうと玉井は後に思い返すのだった。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ー

 

 

 

 カルロー村にサンドワームが出現する前の夕暮れ時。

 

 カルロー村を出発したシン達探索チームは行方不明となったパーカーの仲間を捜索していた。

 

 しかし討伐対象である人面の魔物“マンティコア”も発見できず、行方不明者の手掛かりも見つからない。

 

 時間ばかりが過ぎた結果、今の時刻になっている。

 

 そして現在、シン達一行は山道を歩いていた。

 

 途中までは赤獅子姿のレオニスに乗っていたシン達だったが、レオニスが崖を飛び越えたり、または飛び降りたり、果ては重力を無視した垂直走行など、めちゃくちゃな動きをした事で愛子や園部達が音をあげた。園部曰く、休むことなくジェットコースターに乗せられている気分、だったらしい。

 

 てなわけで愛子や園部達を落ち着いて進める様にと、レオニスの背から降り、徒歩になったのだ。レオニスも[人化]を発動させ、今は人間の姿をしており、水や食料が入ったリュックを背負っている。その際、「ほんとにレオニスさんなんですね..........」と愛子が呟いていたが、園部達も同様な気持ちだったらしく「ほぇ〜」と目の前の光景に(ほう)けていた。

 

 現在、シンが先頭を進み、最後尾にレオニスが陣取っている。その二人の間に愛子や園部、宮崎、菅原が挟まれ歩いているが、シンが愛子や園部達に身体強化を付与している事で彼女達は大した疲労感も感じずに進めていた。

 

 シンが愛子と何やらコソコソと話している中、園部達はここまでの道中を振り返って話をしていた。

 

 

「やっぱ要っちって凄いねぇ。王都にいた頃も凄かったけど、今はなんていうか、その、頼もしい!って感じがする」

 

「実力もそうだけど、雰囲気も前より落ち着いてるもんね。そこんところ優花はどう思う?」

 

「..........なんで私に振るのよ?」

 

「いいじゃん!別に変なこと聞いてるわけじゃないんだしさっ!で? で? 優花っちはどう思うのよ?」

 

「.......................確かに、前より頼もしくなったと思うわ。村に降りてきた強そうな魔物をあっさり倒しちゃうし、空も飛べるし、今だって私達がこうして楽に進めるように色んな魔法かけてくれてる...............要はきっと、色んな事を経験してきたんだと思う」

 

 

 園部はしみじみとした様子でそう口にし、ここに来るまでの道中でシンが語ってくれた事を思い返していた。

 

 シンが口にした「別の大陸」という言葉。それは言葉通りの言葉で、赤獅子レオニスの故郷〝カタルゴ大陸〟、又の名を〝裏大陸〟を指すモノであった。

 

 曰く、ここ(表大陸)からずっと離れ、海を超えた先にあるのがカタルゴ大陸(裏大陸)とのこと。

 

 曰く、大迷宮攻略後にとある理由でカタルゴ大陸に行く事になったとのこと。

 

 曰く、その大陸で地上最強の魔物として君臨する〝赤獅子〟と出会い、友好関係を築いたとのこと。

 

 曰く、大迷宮攻略後に使えるようになった魔法で、シンがレオニスに[人化]の魔法を掛け、共に旅をしているとのこと。

 

 それを聞いた時、園部達は話のスケールが大きすぎて呆然としていた。愛子は一応シンから事前にカタルゴ大陸について簡単に説明されていたが、レオニスが赤獅子である事は省いていたので驚いていた。ちなみに、カタルゴ大陸に魔人族の里がある事は伝えていない。クラスメイト達を逃す際に説明するつもりなので、今は余計な情報を与えない事にした。最悪自分が語らなくても、カマル老がなんとかするだろうと思っての判断だ。

 

 と言ったように、次から次へと聞き慣れないワードを耳にした園部達は、改めて彼がこの数ヶ月の間でどれほど濃い体験をして来たのか理解したのだった。

 

 すると菅原と宮崎が顔を見合わせてニヤリと一つ、そして二人は園部の左右の耳元に口を近付けて、こう呟いた。

 

 

「「..........惚れ直した?」」

 

「んなッ!? 〜〜〜〜〜ッ」

 

 

 途端、園部の顔が真っ赤に染まった。菅原と宮崎の二人が呟いた耳元までバッチリと。

 

 

「なっ、なんでそういう話になるのよッ!」

 

「いやぁ、だってさ〜。 こう言うのもアレだけど、ぶっちゃけ今の要っちって、その..........かっこいいじゃん?」

 

「うんうん、天之河くんとはまた違った感じだよね。たまにこう、キュンッ!ってさせられるし、同年代の男子とは思えない貫禄がある」

 

「あっ! だからって、別に付き合いたいとか、そういうこと考えてる訳じゃないから、安心しな優花っち!」

 

「だ〜か〜らッ!なんでそういう話になるのよッ!」

 

 

 宮崎と菅原がそんな事を口にした。そして宮崎が念の為にと補足説明するが、園部はそんな事求めてないっ!という風に反発していた。

 

 そんな三人のやり取りを後方から見ていたレオニスは、ロクサーヌの意図をようやく理解し、愉快そうに鼻で笑った。

 

 

(フッ、なるほどな。トレイシーに続いて今度はこの子か..........)

 

 

 なんて事をレオニスが考えていると、シンから念話が飛んできた。

 

 

(後ろは随分と楽しそうじゃないか)

 

(聞いていたのか、シン?)

 

(まさか。こっちはこっちで先生に色々と根掘り葉掘り訊かれてたから、そっちの会話に耳を立てる余裕は無かったよーーーーそれよりレオニス、何か聞こえたか?)

 

(いや、何も聞こえないな。()()()()()くらいだ)

 

(やっぱりか..........)

 

 

 シン達一行は今の山道に来るまで、かなり山の中を進んだ。だというのに魔物や動物と遭遇する事は無く、それどころか広範囲で索敵しても魔物や動物の気配が一切見受けられなかった。レオニスが言う通り、静かすぎるのだ。

 

 それに気づいていたシンとレオニス。園部達はまだ気づいていない。しかし田舎育ちの愛子はだんだん勘付き始めていた。

 

 

(シン、もうすぐ本格的に日が落ちる。現状何も見つかっていないが、早めに切り上げて村に帰ったほうが良いぞ?)

 

(..........そうだな。よし、一度休憩をはさーーーー)

 

 

ーーーーその時だった。

 

 不意に二人が感じ取った悍ましい魔力の波長。

 

 シンとレオニスは歩みを止めた。念話で話していた途中だったが、唐突に感じた醜悪な魔力に顔を顰める二人。

 

 そんな二人の様子を見て訝しそうにする愛子や園部達。

 

 

「要?」

 

「要くん、どうしたんですか?」

 

 

 園部と愛子がシンに声をかける。だが、シンは二人の呼び掛けに応えず、黙っていた。

 

 

「........................何か聞こえるか、レオニス?」

 

「..........(かす)かだが呻き声が聞こえる。だがこの魔力は」

 

「ああ、間違いなく()()()..........」

 

 

 緊迫する二人の空気と短いやり取り。緊張感ある二人の会話を聞いた愛子と園部達もその意味を理解し、途端に不安そうな表情を浮かべる。

 

 二人が感じ取った魔力から察するに、まず間違いなく人面の魔物“マンティコア”が居るのは明らか。

 

 シンは[天眼]と[空間掌握]を同時に発動させ、この道に先、シン達が今いる所からかなり離れた場所に視点を移した。視点の先には開けた更地がある。そしてその更地の中央に血の池に横たわる人影が一つ。パーカーの仲間の一人だ。見覚えのある顔と装備、間違いないだろう。だが、その男の両腕両足は欠損しており、まるで達磨の様に地面に横たわり、大量の血を流しながら悶えていた。よくこれで生きているなと思える程だ。そして、それを行ったであろう人面の魔物“マンティコア”の姿は何処にも見当たらない。

 

 

(誘ってるのか、俺達を..............?)

 

 

 だが捜索していたパーカーの仲間が生きているなら、それを救わないと言う選択は無い。

 

 

「この先、開けた場所にパーカーさんの仲間がいる。かなり酷い怪我だがギリギリ生きてる」

 

「ほんとですかッ!?」

 

 

 愛子がシンの言葉を聞き、行方不明者が生存している事に喜ぶような声を出した。しかし状況は逼迫している。

 

 

「ええ、急ぎましょう」

 

 

 そう言ってシンは愛子や園部達を[力魔法]で浮かせた。大丈夫、今度はちゃんとスカートが捲れないように配慮した。浮いてると言っても地面から二十センチ足が離れた程度。だからそんな必死になってスカート抑えなくていいんだぞ、園部?

 

 園部にちょっと睨まれつつも、シンとレオニスは山道を全力で駆け出した。それに付随して彼女達も物凄いスピードで低空飛行をするが、シンの[力魔法]によって風圧は一切かからない。

 

 そしてシン達はあっという間に開けた更地に到着し、パーカーの仲間の元に辿り着いたがーーーー

 

 

「..............遅かったか」

 

 

ーーーーパーカーの仲間は既に生き絶えていた。

 

 愛子や園部達は目の前の悲惨な光景と遺体を目の当たりにして、顔を真っ青にしている。シンはレオニスが背負っているリュックから遺体回収用の大きな布を取り出し、遺体をその布で包む。愛子もシンの手伝いをするが、彼女の瞳は潤み、それでも涙は流さないよう必死で堪えていた。

 

 悍ましい魔力がここら一帯に充満している。

 

 すると更地の奥、シン達が通ってきた道の反対側の山道から黒い影が現れた。

 

 

「な、なによ、あれ..........」

 

 

 怯えてながらそう呟いたのは園部だった。

 

 園部が見たモノ、それはシンとレオニスが予想していた通りの存在だった。大きさは熊以上の巨体、背中には幾本もの突き出した棘が生え、蝙蝠のような一対の翼と蠍のように鋭い尻尾を持ち、なにより不気味なのはその獣のような姿をしたソイツの頭部が人の顔とまるで同じだったことである。

 

 その醜悪な見た目に園部だけでなく、愛子や宮崎、菅原が絶句していた。

 

 さらにソレと同じ存在が、シン達が通ってきた山道からもう一体現れた。此処の更地は前後に木々が生い茂る山道と、左右に切り立った岩の壁で囲まれた場所。つまり、逃げ道を塞ぐ様に二体の醜悪な獣が現れたのだ。やはりシンの予想通り、誘い込まれたらしい。

 

 

「シン、こいつらが例の..........」

 

「ああ、間違いない。人面の魔物、〝()()()()()()〟だ。ロンさんの言ってた通り、趣味の悪い見た目をしてやがる」

 

 

 シン、ロクサーヌ、レオニスの三人が予想した通り、その魔物はかつて魔国を地獄の淵に陥れた最悪の象徴〝マンティコア〟だった。

 

 

「要くん、レオニスさん..........」

 

「心配しないでください先生」

 

「ああ。俺達の力を信じろ」

 

 

 不安に二人の名を呼んだ愛子。そんな彼女に対しシンとレオニスは何も臆すること無く、力強く言い切った。

 

 そしてもう一人、園部がシンに不安そうな視線を向けていた。そんな彼女の視線に気づいたシンは、彼女の肩にポンッと手を置き、すれ違い様に一言「任せろ」と告げる。

 

 シンとレオニスは園部達の前に背を向け、目の前に居るマンティコアと相対する。

 

 そしてシンが[鑑識]を発動させ、目の前のマンティコアに刻まれた情報を読み解こうとした時、それが()()()()

 

 

(アリエルの時と同じか。やっぱり、魔耐が高い相手に[鑑識]は通用しないみたいだな..............)

 

 

 自身の[鑑識]が弾かれたのはこれで三度目。一度目はアリエル、二度目はレグルス、そして三度目が目の前のマンティコア(コイツ)だ。マンティコア如きに弾かれたのは少し癪だが、[鑑識]で情報を抜けないなら実際に戦って調べればいいだけのこと。

 

 

「レオニス、すぐには殺すな。ある程度コイツらの力を分析しておきたい。やれるか?」

 

「余裕だ。なんだったら俺が二体同時に相手をしてやっても構わないぞ?」

 

「そうかよ。なら二体分の労力で、そっちの奴を調べてくれ」

 

「フッ、仰せのままに、王よ」

 

 

 そしてレオニスが正面側に、シンが背面側のマンティコアに前に立ち塞がった。

 

 途端、二体のマンティコアがタイミングを見計らったかの様に尻尾の先をシン達に向け、そこから無数の針を射出した。  

 

 レオニスは向かってくる全ての針を力任せに放った拳圧で吹き飛ばした。

 

 一方のシンは向かってくる全ての針を、腕組みをした自然体で[力魔法]を発動、針はシンに当たる直前ですか停止させられた。そして腕を組んだまま指先を指揮棒の様に一振り。すると空中で停止していた針の先が百八十度転回し、元の持ち主の方へと向いた。

 

 

「お返しだ」

 

 

 シンの言葉と共に指先が対面にいるマンティコアに向けられると、停止していた全ての針が一斉に射出された。しかし、それを躱わすマンティコア。

 

ーーー(反応速度は悪くない)

 

 するとそのマンティコアは翼手を地面に着け、まるで翼を脚に見立てたようにして六足走行でシンに迫ってきた。その突進力は目を見張るものがある。

 

ーーー(翼脚なのか。スピードもなかなか..........) 

 

 だが、止めてしまえばそれも意味は無い。

 

 シンの[力魔法]がマンティコアの動きを封じた。(もが)くマンティコア。

 

ーーー(大した膂力だ、硬さもある。カタルゴの魔物と同等クラスかもしれないな..........)

 

 力魔法越しに伝わるマンティコアの桁外れな膂力と硬度。それを確かめたシンは、[力魔法]の出力を徐々に弱めた。するとマンティコアがシンの[力魔法]を強引に振り払い、再度突進を仕掛けてきた。と同時にマンティコアは火球を吐いた。

 

ーーー(ロンさんから聞いてた通り、魔法も使える様だな)

 

 向かってきた火球を掻き消すシン。それと同時にマンティコアはシンに肉薄し、太く鋭い爪が生えた片腕を振り抜いた。背後から、シンの名を呼ぶ園部、宮崎、菅原。

 

ーーー(この程度、レオニスの拳に比べればまだまだぬるい..........!)

 

 振り抜かれた巨腕をシンは屈んで躱し、続け様にもう片方の巨腕が屈んだシンに迫る。しかし、シンはそれを跳躍で躱し、マンティコアの頭上を通り背面側に着地。するとマンティコアの背中に生えた幾本もの鋭い棘が、ミサイルのようにシンに発射された。

 

ーーー(そういう使い方なのね、それ..........)

 

 冷静にマンティコアの戦力分析をするシン。勿論向かってきた棘ミサイルは全弾、[力魔法]で撃ち落とした。

 

ーーー(もういいだろう..........)

 

 漸くシンは組んだ腕を解き、再び[力魔法]でマンティコアを拘束した。今度は全力だ、一分の隙も無い。

 

 そして、シンは余裕の表情を浮かべながら、自身の反対側で戦っているであろうレオニスに念話で声をかけた。

 

 

(レオニス、戦力分析は順調か?)

 

(ああ、もう十分だ。この程度の魔物なら警戒すら必要も無い。一撃で屠れる)

 

 

 そう答えたレオニスは、片手でマンティコアの首を掴み、その巨体を持ち上げていた。メキメキとレオニスの手が掴んだ首にめり込み、マンティコアがレオニスの手から逃れようとジタバタと踠いている。だがその程度の抵抗ではレオニスの腕は絶対に振り解けない。レオニスが相手したマンティコアの尻尾は、彼の手で引き千切られていた。さらに片翼も捥ぎ取られ、体中のあちこちがボコボコに凹んでいた。どうやらレオニスは、マンティコアの耐久力重視で戦力分析をしたらしい。

 

 

(じゃあそろそろ終わりにするぞ? これ以上時間を掛けて、先生達に何があっても困るからな)

 

(了解だ。ではーーーー!)

 

 

 最低限のやり取りをしたシンとレオニスは同時に動いた。

 

 レオニスは拳を握り、弓を番える様に拳を後方へと引き絞る。シンは[力魔法]でマンティコアを自分達から離れた場所に移動させ、上空へと打ち上げた。

 

 

「「永眠(ねむ)れ」」

 

 

 レオニスが放った拳が掴み上げていたマンティコアの胸部に直撃し大きな風穴を空けた。そしてシンが浮かせたマンティコアは遥か上空で弾け飛んだ。血肉が雨の様に降って来るが、シンの配慮のお陰でその血肉を浴びる者は一人もいない。

 

 そんな二人が成した光景を目の当たりにした愛子や園部達は、シンとレオニスの戦いぶりを見て愕然としていた。

 

 ハッキリ言って格が違う。二人はそれほど隔絶した強さを持っていた。愛子や園部達が一番強いと思っていた天之河達勇者パーティの実力が霞むほど、おそらく天之河達が束になって襲い掛かろうと全く相手にならないだろう。それほどシンとレオニスには余裕があった。

 

 そしてシンとレオニスは愛子や園部達の元に戻って来ようとその場に背を向け、歩き出した時だった。

 

 

「要ッ!後ろッ!」

 

「レオニスさんッ!」

 

「「ッ!」」

 

 

 園部と愛子の声が同時に聞こえ、シンとレオニスは振り返った。

 

 レオニスが倒したはずのマンティコアは、胸に空いていた風穴をブクブクと肉が泡立つように再生させながら、仰向けに倒れた状態から上体を反りながら立ち上がっていた。一方、シンが爆散させたマンティコアの血肉は、肉片一つ一つが意思を持つ様に集結し、元の姿へと戻ろうとしている。

 

 

(シン、これは一体..........!?)

 

(わからない。だが、確かに()()()()()()()()()()()()は消える様子が無い。俺の鑑識を弾き、気配感知に引っかからない上、この再生能力....................待て、俺は今なんと言った..........?)

 

(再生能力云々と言っていたぞ?)

 

(違う、そこじゃ無い....................俺は今、()()()()()と言ったのか?)

 

 

 シンとレオニスが念話で会話をし、シンは自分が発した言葉に疑問を抱いた。

 

 シンの言った通り、今シン達が居る場所にはマンティコアの悍ましい魔力が充満している。しかしシン達の前に現れた二体のマンティコアは、少なくともさっきまではこの場に居なかった。それに二体のマンティコアが現れた事で此処ら一帯の魔力はより一層濃くなった。その上、うち一体はおそらくシン達の跡をつけていた。それも気配や魔力を察知されないように。つまりシンとレオニスが最初に感じた悍ましい魔力は、今二人が相手しているマンティコアから放たれた物では無い。

 

 じゃあ最初に感知したあの魔力は何奴(どいつ)が..............?

 

 そんなのは決まっている。シンとレオニスの目の前にいる二体以外の存在、つまり()()()のマンティコアだ。

 

 じゃあその三体目のマンティコアは今どこにいる?

 

 

「「「「キャーーーーッ!!」」」」

 

「「ッ!?」」

 

 

 シンが思考を巡らせていた時、シンとレオニスの背後から愛子や園部達の悲鳴が聞こえた。すぐさまシンとレオニスは振り返り、彼女達が居る所に目を向ける。そこには信じられない物があった。

 

 布に包まれた遺体から肉が盛り上がり、巨大で歪な肉塊へと変貌していた。

 

 そして次の瞬間、肉塊は()()()()()()()()()()へと成った。 

 

 

「レオニスッ!!」

 

「わかっているッ!!」

 

 

 シンとレオニスの行動は早かった。

 

 すぐさま彼女達の元へと飛び込もうとしたが、二人は横から強い衝撃を受け、吹き飛ばされた。

 

 再生した二体のマンティコアが二人を攻撃したのだ。しかも先程より格段に威力やスピードが跳ね上がっている。二人にダメージは無い。だがその攻撃を喰らったタイミングが最悪だった。

 

 愛子や園部達の前に現れた三体目のマンティコアが、その蠍の尾のような尻尾を愛子に向けて突き立てようとしていた。

 

 

「先生ッ!!」

 

 

 咄嗟に園部が愛子を突き飛ばした。そのお陰で愛子はマンティコアの攻撃から救われた。

 

 そう、身代わりになった園部のお陰で。

 

 園部の胸から背中にかけてマンティコアの尾が突き刺さった。

 

 

「園部ェェェェーーーーッッ!!!!」

 

 

 シンは無意識で[限界突破]を発動させた。そして身体強化と[驀進]を掛け合わせ、硬い地面を踏み砕き、園部の元へ駆けつけてようとする。

 

 そこに先程シンが相手していたマンティコアが割って入るが、「どけ」と短く呟いたシンはマンティコアの半身を抉り飛ばし、事も無げに園部の元に辿り着いた。

 

 園部を刺したマンティコアは、尻尾に刺さったままの彼女を食おう醜悪な面で口をガパッと開いた。それを見たシンはマンティコアの頭部を[力魔法]で一切の手加減無く握り潰し、岩の壁に向けて吹き飛ばした。

 

 地面に落ちそうになった園部をシンが横抱きでキャッチした。

 

 

「園部ッ! しっかりしろッ! 園部ッ!!」

 

「か.......かな、め..........」

 

「先生、リュックから回復薬と止血剤!早くッ!」

 

「そ、園部さん..........」

 

 

 愛子は自分のせいで生徒を傷付けてしまった事にかなり動揺している。だが、今はそんな時間は無い。

 

 

「グズグズするなッ! 生徒を死なせたいのかッ!」

 

「ッ..........す、すみませんッ!!」

 

 

 我に返った愛子がレオニスが戦闘前にその場に置いて行ったリュックからありったけの回復薬と治療に使える道具を全て出していた。

 

 シンは園部を地面に寝かせ、[自然治癒能力上昇]を[重複付与]で重ね掛けする。だがこれも時間稼ぎにしかならない。園部が受けた攻撃は致命傷となるレベルの深い傷、回復薬でもどうにもならない。

 

 だがシンは必死で[自然治癒能力上昇]を付与し続けた。

 

 そんなシンと地面に横たわる園部の元に宮崎と菅原が涙を流して駆けつけた。

 

 

「「優花ッ!(優花っちッ!)」」

 

「なな..........おたえ..........ごめん..........」

 

「な、何謝ってんのよッ! お願いだから死なないでッ!」

 

「優花ァッ! 気をしっかり持ってッ! 一緒に帰るって約束したじゃんッ!!」

 

「要っちッ! お願いッ! 何でもするから優花っちを助けてッ!」

 

「お願い、要くんッ..........!」

 

 

 涙で目元を真っ赤に腫らした二人がシンに縋り付いて懇願する。それを聞きながらシンがさらに付与魔法を重ね続けていると、愛子が回復薬や応急セット、止血剤などなど必要そうな物を全て持ってきた。

 

 シンは回復薬の一本を傷にかけ、もう一本を園部に飲ませようとする。

 

 だが、上手く飲めないらしい。

 

 シンは躊躇する事なく、その一本の回復薬を自分の口に含み、口移しで園部に飲ませる。少しだけだが飲んでくれた。だが、この程度の回復薬では傷を塞ぐことは出来ない。

 

 現在、三体のマンティコアをレオニスが一人で抑えていた。すでに赤獅子の姿に戻っており、圧倒的な膂力でマンティコア達を蹴散らしているが、すぐに再生して再びシン達に襲い掛かろうとするのでキリが無い。

 

 そんな現状をシンは歯痒そうに見ながらも、園部の治療に専念していた。

 

 

「か、なめ..........」

 

「喋るなッ。少しでも体力を温存しろッ!」

 

 

 必死な様子でそう告げたシン。そんなシンを見た園部は、血の気が引いた顔で苦しそうにしながらも優しく彼に微笑んだ。まるで死期を悟った人の微笑み、一瞬シンの脳裏にロバートの最後がダブった。

 

 すると園部が血に濡れた自分の手をシンの頬に添え、口を動かし、声にならない言葉を発する。誰にも届かない声。しかし、シンはその僅かな唇の動きから園部が何を言ったのか理解し、目を見開いた。園部が口にした言葉、それはーーーー

 

 

 〝あんたが好き〟

 

 

ーーーーシンへの告白の言葉だった。その言葉を口にした後、園部が満足そうな笑顔を浮かべ、その瞳から涙を流していた。

 

 

「園部さんッ!」

 

「優花ッ!」

 

「優花っちッ!」

 

 

 愛子、菅原、宮崎が必死に呼び掛ける。

 

 

「園部ッ!勝手に一人で満足してんじゃねぇッ! 俺はまだ何も返事してないぞッ!」

 

 

 園部の目がゆっくり閉じていく。

 

 その時だったーーーー

 

 

「ーーーー癒しなさい〝()()()()〟!」

 

 

 くぐもった女の声が上空から聞こえ、園部の体が大きな水の塊に包まれた。途端、園部の胸に空いた傷からブクブクと気泡が吹き出し、みるみる癒されていく。

 

 園部の体を包んだ水の塊が霧散すると、彼女の胸に空いていた傷は綺麗に塞がっていた。その場にいた愛子や宮崎、菅原が驚きを隠せずにいた。園部自身も意識が遠のいていたところで、突然水に包まれ、気付いた時には体の痛みも消えていたので目をパチクリさせている。

 

 そして園部は体を起こし、自分の胸に手を添え、傷が塞がっているのを確かめた。

 

 

「あれ.......私..........?」

 

「「「園部さんっ!(優花っ!)(優花っちっ!)」」」

 

 

 起き上がった彼女を見て、愛子、宮崎、菅原が園部の名を呼んだ。宮崎と菅原はガバッと園部に抱きつく。「痛いよ、二人とも......」と強く抱きしめられた事で戸惑う園部だが、その表情はやれやれといった様子で微笑していた。

 

 

「一体何が..............」

 

「今のは要くんが?」

 

「違う、俺じゃない」

 

 

 シンが目の前で起きた出来事に訝しんでいると、愛子が尋ねてきた。しかし、シンが答えたように彼がした事では無い。

 

 では一体誰が..............?

 

 その答えはすぐ現れた。

 

 

「危ないところでしたね」

 

「ッ!? お前は..........!」

 

 

 天から降ってきた黒いローブを纏った女。彼女は軽やかに地面に着地すると、言葉を発し、シンはその女の姿を見て目を見開いた。

 

 

「やっと会えましたね..............要 進さん」

 

「まさか、お前..........!」

 

 

 シン達の目の前に現れたのは黒いローブを羽織り、銀の軽鎧を体に纏った、()()()()()()()()の白い仮面を被った白髪の女だった。

 

 

「..............()()()()、だよな? ミレディじゃなくて」

 

「出来ればそこは断言して欲しかったです..........ええ、合ってますよ。この仮面はミレディからのお下がりなので気にしないでください」

 

「そ、そうか..........」

 

 

 園部の傷を癒したのはヴィーネだった。

 

 まさか、こんな形で彼女と出会う事になるとは。

 

 

「一先ず、アレを片付けた方が良いのでは?」

 

 

 ヴィーネはそう言いながら、レオニスが相手しているマンティコア達を指差した。

 

 

「..............ああ、そうだな。お前には聞きたいことが山程ある。話してくれるんだよな?」

 

「ええ。その為に貴方達を此処に呼んだのですから」

 

「此処に、か..............」

 

 

 まるでマンティコアがこの山に出現する事を予め知っていたかのような口振り。

 

 だがそれを問い詰めるのは後だ。

 

 今は目の前の相手に集中する。園部を傷つけた相手、それを生かしておくわけにはいかない。

 

 

「要..............」

 

 

 園部が心配そうな目をシンに向け、彼の名を呼んだ。そんな彼女にシンは真剣な表情で言葉を返した。

 

 

「さっきは守ってやれなくて悪かった園部。 お前の気が治るなら、あとでなんでもする。だから、今は少し待っててくれーーーー“すぐに終わらせてくるから”」

 

 

 そう言ってシンはマンティコア達の元に歩き出した。

 

 そしてヴィーネはマンティコア達の元へと向かっていく彼の背中を見て、仮面の内側でほくそ笑んだ。

 

 




というわけで、下衆化した清水と、園部危機一髪、ヴィーネ登場の回でした。清水は原作で承認欲求の塊みたいな奴だったので、今作ではロクサーヌという彼好みの美女に出会い、気が狂った事になってます。中途半端に洗脳魔法の才能があったが故の失態です。それに今回は一瞬なのでロクサーヌでも簡単に振り解けました。流石に丸一日洗脳は無理ですが.....



補足


『登場人物』


「ヴィーネ」
・真っ黒なローブを羽織り、銀の軽鎧を身に纏っている。白髪の女性。ミレディと同じニコちゃんマークの仮面をつけている。彼女曰く、「ニコちゃんマークなのは私も不本意なところです」とのこと。金属器の使い手。所有している精霊は〝ヴィネア〟。ヴィーネの名前はヴィネアをもじったもの。本名は不明。


「清水幸利」
・ロクサーヌを一目見て彼女に惚れた闇術師。要進のクラスメイト。後に悲惨な運命を末路が待ち受けている..........。



『登場した魔物』  


「サンドワーム」
・本来グリューエン大砂漠に生息する巨大なミミズの様な魔物。カルロー村を襲撃した特殊なサンドワームで、体表の色素が黒く、皮膚が頑丈。


「人面の魔物“マンティコア”」
・熊以上の巨体と背中に生えた幾本もの棘、蠍のような尻尾、蝙蝠のような翼、そして人の顔のような頭部を持つ魔物。神エヒトが創り出した魔物で、かつて魔国を阿鼻叫喚の地獄に変えた要因。シンの[鑑識]を弾く程の魔耐を持ち、膂力、速力共にカタルゴの魔物に匹敵する。翼脚を使って六足走行や、飛翔も可能。体が細切れになっても再生する。



『登場した金属器』


【ヴィネア】
・ヴィーネが所有している水を操るジン。
(マギに登場する練紅玉が所有する金属器とほぼ同じ能力。夏黄文の眷属器のように水の力で傷を癒す力もある)


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