主人公キャラに敗北した俺、別世界にて結婚します   作:蓮太郎

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 カクヨムにも投げてるものをこちらでもと思い投げます。


第1話

 

ーーーーこれで、終わりにする

 

 

ーーーーー待て!そんなことをしたらお前が

 

 

ーーーーー『極悪人』の最後としては悪くないだろう

 

 

ーーーーーそんなこと、そんなこと望んじゃいない!

 

 

ーーーーーそれはお前だけだ。最高の善性を持つお前なら気づいてるだろう

 

 

ーーーーーだから、だからって!

 

 

ーーーーーだから道連れにする、

 

 

ーーーーーでも、お前が死ぬことはないじゃないか!

 

 

ーーーーー分かっているだろう。俺はもう許されない、それだけのことをした

 

 

ーーーーーありがとう、お前が唯一の証人だ

 

 

ーーーーーよせーーー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この日、『極悪人』に分類される男が死んだ。

 

 男の悪行は決して許されるものではなかった。

 

 そのため、世界中の人間は男の死を喜んだ。

 

 嗚呼、もう命を脅かされずに済むんだと。

 

 男はなぜ死んだのか、最後の自分の計画が失敗に終わり残っていた爆弾で自爆したのだ。

 

 確実に爆発に巻き込まれてしばらく『最高の善性』の持ち主がその場に留まり逃走の痕跡が無かったため木端微塵に吹き飛んだと断定された。

 

 誰もかれもが『死』を喜んだ、たった一人を除いては。

 

 罪を背負い続けた、背負わされ続けた男の生涯は幕を下ろし、『死』をもってして世界から解放された。

 

 だから、たった一人は彼に祈るのだ。

 

 もう苦しまないで、次は幸せになって

 

 それが世界にとって最高の復讐になるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………………………………………音がする

 

 

 ………………………………………機械の規則正しい音だ

 

 

 ……………………………………これは、心電図の音だ

 

 

 …………………………………つまり、ここは病院もしくは研究室

 

 

 ………………………………じゃあ、俺は生きている?

 

 

 ……………………………体は動かないが、目は開けられそうだ

 

 

 …………………………目を開けた

 

 

 ………………………清潔そうな天井が見える

 

 

 ……………………首はほんの少し動かせた

 

 

 …………………天幕に備え付けのテーブルがある

 

 

 ………………やはり、ここは病院だった

 

 

 ……………つまり、生き残ってしまった

 

 

 …………けれども体が動かない以上、代償は安くはなかっただろう

 

 

 ………誰かが来た、定期的に俺の様子を見に来たのだろう

 

 

 ……この時、やっと目が覚めたばかりで視界がぼやけているが、男が来たとだけはなんとなく分かった。

 

 

 …どれだけ昏睡状態だったのかは分からないが、目を開けている俺に驚き飛び出ていった。

 

 

 無理もないだろう、危険人物が目覚めたのだ。応援を呼ぶのは当たり前だ。

 

 

 始まるのは尋問、もはや簡単には死ぬことはできないだろう。

 

 

 やっと終わると思ったのにこのざまとは。

 

 

 ざわざわと外が騒がしくなってきた。人がたくさん集まってきた証拠だろう。

 

 

「…………失礼する。聞こえていたらの話だけどね」

 

 ドアのノックが聞こえた。意外にも耳の機能は衰えていないようだ。

 

「ふむ、どうやら視界は万全ではないが完全に覚醒しているみたいだ。聴力はどうかね。聞こえるなら三連続で瞬きをしてくれると助かるよ。瞬きは急がなくていいからね」

 

 顔まではよく見えないが、医師であるということは理解できた。足音から医師と二人の人間が入ってきていることも知ったが顔は見えなかった。そして言葉は聞こえたため三連続で瞬きをした。

 

「驚いた、声はまだ出せないようだが上手くいけば自立も早くなるだろう。もちろん、君に意欲があるならね」

 

 意欲……………今の俺に生きる価値があるかどうか。いや、奴らにとっては俺は大罪人、無理にでも生かして晒上げるくらいはしなければいけないはず。

 

 待てよ、なぜこの医師は自立と言った?

 

 顔は既に全国で知られているはずだ。電気どころか電波すら届いていないド田舎くらいでないと知らないはずがない。

 

「緊張しないで。ここに君を害する()はいない」

 

 しまった、考えていることが顔に現れていた。

 

「色々聞きたいことはあるけど、今はまだしゃべれないね?回復する必要もあるし、しばらく様子見で声を出せるまで待ってみよう」

 

 また後で来るよ、と医師は言ってほかの二人と部屋から出ていった。

 

 出ていったのはいいが、うすぼんやりと部屋の外あたりに気配を感じた。

 

 どれだけ眠っていたかは分からないが、全体的に衰弱しているのは確かだった。

 

 動けない限り逃げることもできない、ただただ寝たきりでじっとするしかなかった。

 

 ただ監視付きとはいえ、不思議と一人で静かにいられることに安堵していた。

 

 何を今更なのだろうか。

 

 今まで殺してきたの声(・・・・・・・・・)は、何故かいつもより小さく聞こえていた。

 





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