ホグワーツ特急を降りると、ハリーとロンとネビルとハーマイオニーは、一緒に並んで歩きハグリッドの後ろを付いて行った。
ハグリッドに会ったとき、友達が出来たよ、と言えばハグリッドはとてもうれしそうに微笑んでくれた。
ハリーはホグワーツのローブに着替え、首にマフラーのようにナーガのヘラを巻き、そして傍らにはたくさんの人ごみに興奮した様子のスポイルを侍らせていた。チュパカブラのスポイルはトリッキーな外見をしているが、ハリーに忠実で、甘える姿にハーマイオニーは心を奪われていた。ロンと、ネビルからも、ハリーが常に侍らす二匹が好評だった。
ヘラに似て、クールで寡黙なヘドウィグは心苦しいが汽車の中。4人は仲良く、歩く。
小舟に乗り、そわそわしていると、目に飛び込んできたのは。
「「「「うわー!!」」」」
驚くほど透明で深い湖の先に、丘の上にそびえたつ大きな城があったのだ。
聖堂のような建築物と、中世の城を合わせたゴシック調の巨大建築で、天空を突き刺すように尖塔が幾つも伸びている。
窓からこぼれる光が星のように城を明るく照らしている。
美しくも荘厳な、魔法使いたちの学び舎。
イギリス唯一の魔法教育機関、ホグワーツ魔法魔術学校だ。
ハリーたちは、ハグリッドに代わり、マクゴナガル教授に連れられて城の中を歩く。
彼女は、厳格が服を着たような魔法使いで、エメラルド色のローブを着ている。目があった瞬間、この魔女にはお世話になりそうだとハリーは直感した。
大きな扉の前に辿り着くと、マクゴナガル教授は振り返り、静かなそれでいてよく通る声で説明を始める。
「ようこそホグワーツへ。さて、みなさんはこれからこのドアをくぐり上級生たちと合流しますが、その前にまず、皆さんがどの寮に入るか決めなければなりません」
――勇気溢れる騎士道精神の
ハリーは自分のことを勇敢だと思っていた。ここは第二候補だ。ロンはここ、それでたぶん、きっとネビルもここに入るだろう。
――努力と忠誠を重んじる、献身の
落ちこぼれと評されることのある寮。だが、ハッフルパフ出身の偉人を何人も、ハリーは知っている。この寮も悪くない。
――叡智求める、探求者の
頭でっかちされど、知恵深きレイブンクロー。ハリーに、ハリーのニワトコの杖を売ってくれたあの杖作りのオリバンダー氏は、この寮の出身だ。
――」そして、知恵と狡猾さを重んじる団結の
偉大なる4人の創始者が遺した4つの寮に組み分けされるのだとマクゴナガルは、新入生たちにそう言った。
「どれもとても素晴らしい寮で、素晴らしい魔法使いや魔女を輩出してきました。ホグワーツにいる間は寮が貴方がたの家になります、そして寮生はみなさんの家族と言えるでしょう。良い行いをすれば寮の得点になり、逆に規則を破ったりすれば減点されます。年度末に、一番得点の高い寮には優勝杯が与えられますので、皆さん是非とも頑張るように。くれぐれも、寮の名誉を損なうようなことをしないでください。それでは新入生の皆さんはここで待機していてください。儀式の準備があります。 それまでの間、身なりを整ておくことをお勧めします」
厳格が服を着たマクゴナガルが扉の奥に消えた途端。新入生たちは、騒ぎ出す。張りつめていた空気が、一気に霧散したのだ。
ハリーたちも4人で仲良く会話していたのだが、それを遮る声が一つ。
「君がハリー・ポッターだったんだね。汽車の中で話題になっていたよ」
プライドが高く、傲慢そうな声。青白いあごの尖った男の子だ。ブロンドの髪の毛。愚鈍そうな取り巻きを二人連れている。
ハリーは、彼の顔を見るなり不機嫌になる。ペチュニアとハグリッドを小馬鹿にしたのだ。
「……服屋で会ったね」
「覚えていてくれたとは光栄だ。僕はドラコ、ドラコ・マルフォイ」
ドラコは、ハリーの後ろにいるロン、ネビル、ハーマイオニーを順に見て、せせら笑うように鼻で笑った。ロンも、ドラコの名前を聞いてくすくす笑うのを、ごまかすために咳ばらいをする。
「僕の名前が変かい? 君の名前は聞くまでもないね。パパが言ってたよ。ウィズりー家はみんな赤毛で育てきれないくらいたくさん子供がいるってね」
それからハリーに再び向き合う。
「ポッターくん。魔法族にもいい家柄とそうでないのがいる」
ロンとハーマイオニーをドラコはちらりと見る。好意的でない視線に、ハーマイオニーはむっとした。
「間違った人間とは付き合わないことだ。その辺、僕が教えてあげよう」
ドラコは、ハリーに手を出して握手を求めたのだが、ハリーはそれに応じない。
「僕は誰からの指図も受けないんだ。悪いけど、付き合う人間は僕が決める、マルフォイ」
できる限り冷たい声でハリーは言う。
ドラコの顔は真っ赤にこそならなかったが、ピンク色に染まる。
「後悔するぞポッター。僕ならもう少し口の利き方に気を付けるがね。礼儀を心得ないと君も両親と同じ道を辿ることになるぞ」
「お生憎様。僕、生まれてこの方一度も後悔したことなくて。実際に痛い目を見たら気を付けるけど……今君に言えることがあるとしたらマルフォイ、君は黙るべきだ。じゃないと君が後悔する羽目になる」
火花が散っている。
新入生たちはそう思った。
「ぐがるるるるる!」
スポイルも、ハリーの不機嫌を感じ取り、牙を剥き唸る。
ハリーが良しといえば、直ぐ様飛び掛かるだろう。
「へえ、やりあうつもりかい。まさか3人に1人と1匹で?」
体格の良い、ドラコの取り巻きが握り拳をぽきぽき鳴らす。
だが、それを見てもハリーはちっとも怖くなかった。ハリーはダドリーとボクシングを習っている。ボクシングではハリーより体格の良い子供なんてザラにいる。だから怖くない。
それにここは魔法学校。魔法込みでも、ドラコたち3人に負けるビジョンがハリーには浮かばなかった。
ドラコは杖を抜き、ハリーも杖を抜く。
まさに、一発触発の空気。
「別にやってもいいけど? 痛い目を見るのは――」
「貴方たち一体何を騒いでいるのです?」
それを打ち破るのはやはりマクゴナガル教授だった。
ハリーとドラコはそれぞれ慌てて杖を仕舞う。
組みわけのため、マクゴナガル教授は大広間の扉を開け放つ。
そこには、ハリーが今までに見たことがないような素晴らしい光景が広がっていた。何千という蠟燭が宙に浮かび、4つのテーブルを照らす光景。
テーブルには上級生たちが着席し、キラキラ輝く金色の皿とゴブレットが置いてあった。
先生方が座る上座の前のくると、マクゴナガル教授は新入生を横一列に並ばせた。教授たちに背を向け、上級生たちに顔を見せる形だ。所在なさげに上を見れば、天井があるべき場所にこれはもう見事な夜空があった。
満点の星々がきらきら光る。
「ほんとうの空に見えるように天井に魔法が掛けられているの。『ホグワーツの歴史』にそう書いてあったわ」
ハリーも読んだし知っていたが、そうと思えないくらいに見事なものだった。
四本足のスツールに置かれたとんがり帽子をハリーはじっと見つめる。ペチュニア叔母さんが見れば、血相を変えてぴかぴかに洗うだろう。ボロボロでとても汚い帽子を見て、ハリーは遠く離れた家を思い出していた。
ほかの皆も、帽子に注目している。
帽子がぴくぴく動き出すと、つばのへりの破れ目が口となり、帽子は大きな声で歌いだした。
「私はきれいじゃないけれど
人は見かけによらぬもの
私をしのぐ賢い帽子
あるなら私は身を引こう
山高帽子は真っ黒だ
シルクハットはすらりと高い
私はホグワーツ組み分け帽子
私は彼らの上をいく
君の頭に隠れたものを
組み分け帽子はお見通し
かぶれば君に教えよう
君が行くべき寮の名を
グリフィンドールに行くならば
勇気ある者住まう寮
勇猛果敢な騎士道で
他とは違うグリフィンドール
ハッフルパフに行くならば
君は正しく忠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労と思わない
古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう
スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目的遂げる狡猾さ
かぶってごらん!恐れずに!
興奮せずに、お任せを!
君を私の手にゆだね(私は手なんかないけれど)
だって私は考える帽子!」
組みわけされるには帽子を被れば良いんだ。
ハーマイオニーは呪文を必死に暗唱し、ネビルがそれに必死に耳を傾けていたけれど。
ロンは「フレッドのやつ。やっつけてる、トロールと取っ組み合いなって嘘を言って!」と鼻息荒く決意していたように、ただ帽子を被ればよいのだ。
だが、しかし。ハリーにはやるべきことがある。
いまだ復讐に燃えるロン・ウィーズリーを肘でつつくと、ロンははっとした顔で、ポケットの中からスキャバーズを取り出した。スキャバーズはいまだハリーの魔法で眠りこけている。
ハリーは杖を取り出すと、スキャバーズに向かって杖を構えた。
「みんな離れて!」
ハーマイオニーは手筈通り、注意を促す。
ロンは、スキャバーズが簡単に逃げれない程度に、ぎゅっとスキャバーズを握っている。
なんだなんだ、と教授陣はおろか新入生、上級生らまでもが注目する中。
スキャバーズはぱちっと目を覚ました。
自分に向けられる視線、ロンのらしからぬ強い締め付け。そして、ただならぬ気迫で杖を構える、亡き人物に瓜二つなハリー。
何かを察したスキャバーズは逃げようと、暴れるが。
「
――――
「みんな、まずは僕のパートナーを紹介するね。ナーガのヘラっていうんだ」
ハリーがそういうと、じっと身動きせず、マフラーのふりに徹していたヘラが身動きをして、気だるそうに鎌首を上げた。
ちろちろと舌を出して、じろっとハリーを見つめる目は、どこからどう見ても不快そのもの。
『……アタシはまだゆっくりしていたいのだけど?』
『ごめんね、ヘラ。みんなに説明しないと』
ハリーの言葉から、空気が抜けたような音が出る。
蛇が話す言葉、
「マーリンの髭! 君ってば、
「そうだよロン。僕のこと怖がる?」
「ま、ちょっと意外だと思うけど、全然。ハリーは良いやつだし。な、ネビル」
「え? う、うん。蛇舌は怖いけど、ハリーは友達だし、そんなに怖くないよ」
「それで。ハリーが、その。パーセルマウスだったとして。それで、ロンのペットを眠らせたことにどうつながるってわけなの?」
「まず、スポイルが。このチュパカブラのkとなんだけど、スポイルはネズミが大好物なのに、スキャバーズを見ても全然反応しないんだ。だから、スキャバーズはネズミじゃないことになる。それに、ヘラも。ナーガのことね? ヘラも、スキャバーズはネズミじゃない、人間だって。『そうだよね? ヘラ』」
ヘラは、3人にも見えるように頷く。
「ナーガの瞳は、偉大な存在を見抜くんだ。魂の本質を視るんだって。で、ヘラはスキャバーズが人間だと見抜いたの。で、ここからが本題なんだけど。このネズミが人間だとすると――」
「ちょっと待てよ、ハリー。それは君のペットが言ってるだけだろ? なのにどうして信じれるのさ」
「僕はヘラをとても信頼してる。それに、ヘラはただの蛇じゃない。ナーガなんだ。ナーガはそういう種族なんだよ。それに、証拠なら僕がさっき触って確かめた。ただのネズミとは思えない、とても複雑な魔法で覆われていた。君たちも魔法使いならわかるだろう?」
そんなこと触っただけでわかりっこない。
ロンに、ネビル。ハーマイオニーも思ったが、誰も口に出さなかった。
話の腰を折られたハリーが若干イラついてるのが分かったからだ。
「とにかく! スキャバーズはネズミじゃない、僕らと同じ魔法使いなんだ! 変身術を極めれば、素質ある魔法使いだけだけど、
「ピーター・ペテグリュー? ピーター・ペテグリューだって? なんでそんな人の名前が出てくるんだい? 彼は、死んだんだ。その……」
今度は、我慢できずにロンは声を上げてしまう。無理もない。
なぜなら、ハリーの告げた名前は――。
「シリウス・ブラックに殺されたっておばあちゃん言ってたよ?」
シリウス・ブラックという、一人の凶悪な魔法使いに殺された人物の名前なのだから。
だけど、ハリーはそうは思えない。ハリーが『近代魔法史』をソファで横になって読んでいた時、横から覗いていたペチュニア叔母さんが「……シリウス」と懐かしそうに名前を読んでいたからだ。
懐かしそうで、悲しそう。恨みもある。けれど、それはとても凶悪犯を見る目じゃなかった。
問い詰めると、ハリーの両親の親友で、例の悪い魔法使いに命が狙われていた時に、両親を裏切り悪い魔法使いに居場所を教えたのだと、ハリーに教えてくれた。最初ハリーは憤慨した、だがシリウスについて語るときのペチュニアの目は、妹殺しに加担した裏切り者を語る目じゃなかった。懐かしい、誰かを思う目。
だから、ハリーは信じきれないのだ。
それに魔法があれば、大抵のことは何とかなるとハリーは知っていた。ハリーもそうだった。ひどい交通事故に巻き込まれたけれど、ハリーは魔法でハリーと、バーノン家の命を救って見せた。
指二本しか残っていない、というのが怪しい。
それに、爆発如きで魔法使いが死ぬとも思えなかった。
「ねえハーマイオニー。ピーター・ペテグリューについて読んだことある?」
「あるわ。……1981年10月31日。裏切り者のシリウス・ブラックを止めようとしてマーリン勲章勲一等が授与された」
「ピーターが死んだとき現場には何が残されていた?」
「なにって。12人のマグルの死体に、阿鼻叫喚の地獄絵図。笑ってたたずむシリウス・ブラックに。ピーターの遺骸は指……2本」
言っている最中に、ハリーの言わんとしていることが分かったハーマイオニーは目を見開いて、ハリーの手によって眠ったスキャバーズの、その欠けた指を見た。
「指が2本欠けてるわ」
「おい、ハーマイオニー。指がどうしたんだよ? ハリーに馬鹿げてるって言ってよ」
「指が2本ないのよ! ピーターもスキャバーズも。けれど、ピーターと結びつけるのは、さすがに」
「ちょっと強引かもね? だから、確かめようと思うんだ。組みわけの儀式のときに。たぶん、そこにはいろんな教授たちと上級生がいて、言い逃れが出来ないはずさ。ピーターじゃないにしても、魔法使いが化けてる可能性があるんだ。本当かどうか、確かめてみるべきだと僕は思う」
「そりゃ、ほんとうにスキャバーズが誰か化けてるんなら、確かめるべきだと思うよ。本当に誰かが化けてるなら……。けど、それは大人がするべきだ。僕たちじゃない」
ロンは、嫌そうに言って、ネビルはおびえた様子で言う。
「そうだよ、ハリー。危険すぎるよ」
「そうよ、ハリー。
「大人に頼るのは素晴らしいことだよ。ロン、ネビル。ハーマイオニー」
バーノンのことを思い浮かべながら、ハリーは言う。
「だけど、だからって最初から大人を頼りにするのは良くないと思うな。自分たちに何かできる余地があるのに、最初っから諦めて大人に頼るのは僕は嫌だ。自分たちで考える頭があって、何とかする杖と魔法と知恵があるのに。それに頼らないで、大人に頼るのは可笑しいよ。試して、失敗して、分からなくなったら調べて、それでも無理にだったら先生に聞いたり大人に頼る。 じゃないと僕たちずっと何もできない子供のままだよ。ちがう?」
バーノンに教わったことだ。わからないことは素直に聞くのは、すごく素晴らしい行為だが、最初から大人に頼るのは違う、と。ハリーには魔法という特別な力が備わっている。
特別な存在は特別であらねばならない。最初は自分でどうにかしようと、試みるべきだとバーノンは言っていたのだ。じゃないと、自分では何もできない愚図になり果ててしまう。
「だから、僕たちだけ解決しよう。手伝ってくれるかな?」
――――
「
ハリーの呪文と共に、ハリーの杖の先から閃光が飛び出して。
スキャバーズの頭に命中した。
ハリーが初めて使う呪文だったが、魔力は暴走せず、呪文はきっちり成功した。
命中したスキャバーズはどんどん大きくなり、しっぽが引っ込み。
一人の男がそこに立っていた。
頭部が禿げた中年の男性。
ピーター・ペテグリュー。
半月眼鏡をかけた、長身の老人。ふくよかな髭を持つ、ホグワーツ校長アルバス・ダンブルドアと目が合った瞬間。ピーター・ペテグリューは一目散に逃げようとした。
「きゃー!!」
湧き上がる悲鳴。
ピーターは人ごみをかき分け逃げ出そうとするが。
「とまれ!」
とっさにハリーは、杖を持っていない方の手を慌てふためき逃亡するペテグリューに向けて、その手をぐっと閉じた。
途端に、見えない何かに足を掴まれて転ぶピーター。
ハリーがぐっと手を引くと、ピーターは見えないロープに引きずられるように、ずるずるとハリーの方に引き寄せられた。
ハリーが、組み分けすら迎えていない男の子が、杖無しで魔法を使いこなす様に、大広間はざわめく。ドラコは青白い顔がさらに真っ白になった。
「お見事じゃ、ハリー」
ダンブルドアは、節くれだった杖を取り出し、大股で歩きながらピーターに近づく。あまりに早い速度で、ハリーとすれ違うが、すれ違いざまにハリーにそう囁いた。
ダンブルドアは杖をひょいっと振った。
すると、ピーターの腕と足が空中から出た鎖で何重にも厳重に拘束される。
「ち、ちがうんです、ダンブルドア先生。わ、私は――」
「黙るのじゃピーター。どうやら招かるざる客がホグワーツに紛れ込んだようじゃ。今宵の宴は新入生を歓迎し、上級生たちと新学期を迎えるためのもの。異物にはちと退場してもらおうかの」
ダンブルドアは、何度か杖を振ってピーターの姿を消す。ハリーにはそれが、どこか別の場所に飛ばしたのだと理解できた。ハリーも、ダーズリー邸でよく使うのだ。
「……ミスタ・ウィーズリー。怪我はありませんか? みなさんもです。まったく、こんなことをする新入生は初めてですよ。みな、列に戻りなさい。貴方もですよ」
マクゴナガル教授の鋭い声で、新入生たちは落ち着きを取り戻す。ざわめく在校生については、ダンブルドアが杖の先で何度か爆竹を鳴らすことで、黙らせた。
「さて。予期せぬ騒ぎが起きたのじゃが、組み分け帽子を始めるとしよう。今日の主役はあくまで新入生じゃ。事実を追求するのは、そのあとでもよい」
こうして前代未聞の組み分け儀式が始まるのだった。