だんだん薩摩隼人に変わっていく恐怖のチートを授かった一般男性がヒロアカの世界でチェストする。
俺は転生者だ。
こんな出だしの物語が多くなった今日この頃。
現実は小説より奇なりと言葉にある様に、そんな状況になってしまった。
つまり、俺は転生者だ。
案の定、神的な何かが現れてチートをもらって、ヒロアカという漫画の世界に送り飛ばされた。
なろうでなく。チートオリ主の方だったかと、認識を改めながら、残念ながら神が伝えてくれなかった。
その神が言った、俺に与えたチート個性とやらに胸を膨らませ、幼少期を過ごした。
結論から言うと神は嘘つきだった。
幼稚園のはさみを使った図工の時間。
誤って指切ってしまったのだ。
慣れない幼い紅葉の様な手が、血みどろに染まってしまうのを想像して、見てみるとなんとバッサリ切れているのに、血が出ていないのだ。
血が出ていないのだ。
その後、血相を変えたりす組の先生が、やって来て俺の傷跡を見て顔色を直ぐに変えて、こう言った。
「おめでとう!島津隼人くん!やっと個性が出たのね!」
「え?こぎゃんとがおいの個性なんか?」
齢五歳、少し遅めの個性誕生だった。
今世の親に連れられて、かなりの訛りを携えたその声は、興奮したりす組のみんなに掻き消された。
その後、俺は親に連れられて、個性研究の権威とか言う奴に合わされて、個性が正確に分かった。
島津隼人!
個性ミネウチ!
この個性は攻撃した時相手が死ぬ事がなくなるぞ!
頭を砕いても、真っ二つに切り裂いても、相手は死なないし血も出ない!
けれど感覚が残っているので粉々になった後、踏まれたりすると悲惨だぜ!
エッ?死んだと同じ?!
そこんとこ俺も思ったけど、戻れと意識するだけで、腕はくっつくし、爆散した頭部も巻き戻しビデオの様にくっ付くぜ!
ただし、近接攻撃のみ。
絶妙に不便だぜ!
はい。
チート要素どこ?
エ?
肉体で攻撃しないといけないの?
銃とか、ロケットランチャーとか、デグチャレフ対戦車ライフルとか、生死気にせずに使えたら強いなーって思うよ?
ヒーローがヴィラン殺しちゃいけないしさ。
……
アイツ嘘つきやがった……
浮かぶのは、テンプレート逆光キツキツシルエット尊大人型。
沸々と怒りが腹の底から込み上げて来た。
すると、不思議な事が起こったッ!
身体が勝手に動くのだ!
無駄にデカい今世の家の庭に飛び出して落ちていた木の棒を拾い上げ振りかぶり木に撃つ
撃つ
撃つ
こ、この感覚…?!
覚えがあるッ!
前世雇われの学生バイト時代!
対人関係のストレスに耐えかねて、全裸で奇声をあげながら道路を駆け回り、キチゲを解放した時の感覚だッ!
そうか、俺は知らず知らずのうちに、趣味でも無い赤ちゃんプレイに幼稚園児プレイを強制させられていた。ストレスが、神の裏切りによって解放期を迎えたのだッ!!
身体が勝手に動いたのはこの事だったのだ!!!
そんな事を考えているにも関わらず。
身体は勝手に動く、それに俺は感動を覚えた。
そうか、お前は……
身体は、そうしたいのか!!
ただこの状態では画竜点睛を欠くと言うものッ!!!
そう叫べ!
「きいいいきあきゃあかぁああええええええいあいあああああいあああいあああ!!!!!!!!!!!!!!」
そうして俺の、日課が始まった。
そうこれが!
これこそがッ!!
俺のオリジンだ……ッ!!
燦然と輝くHの字。
そんな建物に俺は来ていた。
前世でそう言うと語弊が有りそうだが、今世は違う。
Hの字の建物と言えば、みんな口を揃えてこう言う!
雄英高校ッ!
そこに俺は家の蔵から引っ張り出した、日本刀と動き易い服装を携えて、倍率300倍にもなるUAヒーロー学科受験戦争に来ていた!
長かった…ッ!
神への対抗心からここまで来てしまった。
よくやったな…俺!
頑張ったな俺!
こんな使い道が殆どない個性をよこした神に呪いを捧げる。
受験は恙無く進んだ。
前世の知識があまり役に立たない教科でさえも、高い点を取れたのではないのだろうか?
そんな事を考えていると、ヒーロー科受験の天王山。
実技試験が訪れた。
説明を書いた所いくつかの会場に別れロボットを無力化すると言う簡単なもの。
説明中に緑もじゃ少年が、吊し上げにされているのを見て、改めて300倍の恐ろしさを感じながら、会場へ向かう。
そして着いた時、俺の血は沸き肉が躍った。
待ちに待った戦いの匂いである。
無意識に口角が上がり、武者震いがしてくる。
身体が戦闘体制に入っているのだ。
「オシ、そいじゃま行くど。」
さっき吊し上げに遭いペースを崩されたのか、ここ一番に右往左往している緑もじゃ少年に、哀れを抱きながら自分が行っても逆効果だろうと思い自分の試験に向き合った。
しかしあの緑もじゃも、『ハイ、スタート!』
俺はその瞬間、駆け出した。
「きぃえいえええええあえええええあえいえええあいええあええええッ!!!!!!!」
走りながら抜刀し、敵も見えない内から叫び声を上げる。
否、見えなくて良いのだ。
敵に走って刀を振り下ろす。
そんな簡単な事に、視界は入らない。
外れた時?
そん時は、あのクソ神のツラが拝めるので、またチェストすっばよか。
ん?
自分で言ったけど、チェストってなんだ?
まあ良いか!
試験に集中だ!
「おまん!3点だろッ!なぁ!3点だろぉ!なぁッ!!首じゃ!首ば寄越せッ!!おいの手柄になれ!!!」
「ヤハリ ホモ・サピエンス ハ ヤバン デ ヒンガ ナク キケン!! キカイ ブンメイ ガ セカイ ヲ シハイ スベキ!! マッサツ マッサツ!」
背後に転がる唐竹割りにされた機械を蹴り飛ばし、声を上げて走り切り掛かる。
戦いは一瞬だ。
腕の装甲ごと頭部のセンサーにめり込み異音を立てて行動不能に陥る3点。
その姿に満足して鼻を鳴らした時。
時間は起こった。
ビルの合間から、巨大なロボットが見えたのだ。
「あいは、0点やったなぁ?手柄じゃなかど?」
奴と戦ってみたい気もするが、重要なのは手柄首。
首が欲しいのだ俺は。
しかしその考えは、直ぐに変わった。
緑もじゃ髪のニセが中空と飛び一撃で、ビル以上の背丈のロボットを倒したのだ。
「おいは…おいは恥ずかしか…!」
俺は自分の過ちに気がついた。
「あん緑はよかチェストじゃ。今のおいはチェストじゃなか!」
近づいて来たロボットを軒並みチェストしながら喋くる
柄じゃないのはわかっとるけど、言わずには終わらない。
「おいはあん緑に負けんごと、チェストすっくさ!」
言ったのなら後は行動あるのみ。
おいはチェストしまくった。
神「せや!最近なぜか薩摩流行っとるし、薩摩隼人になれるチートと授けたろ!けれど、変な個性やといじめくう世界やしな…せや!側から見て普通の個性って偽装したろ!ファ?!なんか恨まれとる!薩摩隼人コワ……」