問題児たちが異世界から来るようですよ?-時間神の恩恵を持つ男-   作:大禍時悪

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YES! ウサギが呼びました!
プロローグ


「ハァ……」

 

 教室の窓から青い空を見上げて軽くため息をついた。暇だ、とてつもなく暇だと。授業の終了まであと30分、ちらりと黒板を見るとアルファベットの羅列が見て取れる。もう一度ため息をついて空を見る。いろいろな形の雲が空に浮かんでいた、空を飛ぶことができたのなら、どれだけ楽しいのだろうかと夢想するのも悪くはない。

 

「黒瓜ぃ、そんなに俺の授業がつまらんか!?」

 

 机の横に体育教師と言われても遜色のない、筋骨隆々の教諭が教科書を丸めて黒瓜に振り落した。その瞬間、すべてが硬直しモノクロの世界へ移り変わった。そして振り下ろされた教科書に軽く手を添える、すべてに色が戻り動き出し、教諭の丸めた教科書は黒瓜の添えられた手によって、机を打ち付けるだけで終わった。

 

「つまんなくはないっすよ、ただ退屈なだけっす」

 

 黒瓜はけだるそうに、そしてやる気のなさそうにガリガリと頭を掻きながら答えた。

 

「なら、せめて教科書を開け、ノートを出せ、筆記具を手に持て、板書をしろ」

 

 それもうすでにちゃんと授業受けろって言ってるだけじゃないですかやだー。と心の中で思ったが決して口には出さなかった、めんどくさいし。そのまま教諭の言葉を無視してただひたすら空を眺めたり、適当なノートに思い付いた単語をでたらめに並べる遊びに興じていると授業終了のチャイムが鳴り響いた。

 

 HRも手短に終わり鞄を肩にかけて教室から出てまっすぐ昇降口に向かい、下駄箱を開けた。するとどうだろう靴の上に手紙のようなものが乗っかっていた。手紙の表にも裏にも差出人の名前はなく、ただ封のついていない方に『黒瓜黒継(くろうりくろつぐ)殿へ』と書かれていた。

 

「なんだこりゃ時代錯誤の果たし状(ラブレター)ってやつですか? どうせ悪戯だろうし、読んで面白くなかったら適当な掲示板にでも晒しておくかね」

 

 靴を履いて独り言を呟きながら封を開き文章を読んだ。

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 その才能を試すことを望むのならば、

 己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

 我らの”箱庭”に来られたし』

 

 もう一度なんだこりゃ、という前に世界の光景が劇的に変わった。今まで薄暗くほかの生徒の喧騒にまみれていた空間が、あっという間に開放感のあふれる青空へと変貌し浮遊感を感じた。落下している、しかもかなりの高度から。50分前に空を飛べたらどれだけ気持ちのいいだろうと夢想したが、こんな形で叶えられるとは思ってもみなかった。だがそれ以上に、今まで黒瓜黒継が夢に見て、待ち望んで、心の躍るものを見た。真下を見れば巨大な天幕に覆われた未知の都市が、目の前を見る視線の先の地平線には世界の果てとも思える断崖絶壁が。そしてその場の勢いに任せてこう、叫んだ。

 

「異世界だぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 と。

 

 

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