【書籍化】物語に一切関係ないタイプの強キャラに転生しました   作:音々

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第一章 ネオンシティ
【はじまり】 主人公とヒロイン


  0

 

 

『イッチ生きろ』でワイ、生存確定

 

1:1

ワイの自○を踏み留まらせてくれ

 

2:1

せーのっ

 

3:1

 

4:1

 

5:1

 

6:1

 

7:1

 

8:1

 

9:1

おい

 

10:1

なんでだよ

 

11:1

反応クレメンス

 

12:1

誰か

 

13:1

……

 

14:1

我は闇より出でし光の王、極光を以て悪を裁くものなり

 

15:名無しさん

自殺はダメだよ!!!!

 

16:名無しさん

くさ

 

 

 

  ◆

 

 

 ━━結論から言うのならば、彼は道を誤った。

 大切な人の手が届かない場所に、彼はいた。

 だから、そう。

 

 手遅れ、なのだろう。

 

 ケビン・ナイト。

 黒髪に小柄な身体、子供らしくまだ中性的な顔立ち。

 そんな彼の表情は今、少しだけ━━子供の彼にもあるプライドの事を考慮するのならば、ほんのちょっとだけ━━不安に揺れていた。

 その理由はただ一つ。

 

 ……いつも、そばにいたはずの愛しい家族。

 

 母、フラーがいなくなってしまったから。

 それゆえに彼は道を誤り、道を踏み外し、今ではどこに進めばいいのかも分からなくなってしまっている。

 一歩も前に進めず、ただ立ち尽くす事しか出来ない。

 前進しなくてはいけない、その事は分かっている。

 だけど、でも。

 

 ━━こんなところまで来てしまった自分の事を、果たして母は許してくれるだろうか?

 

 それでも、嗚呼。

 涙を流してしまいそうな感覚。

 それを我慢し、歯を食いしばり。

 やっとの思いで『その場所』へと辿り着く。

 そして、いずれ流れ出す『それ』は自らの身体を引き裂きそうなほどであり。

 それでも、彼にとっては福音でもあった━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フラー様。息子のケビン君が、迷子センターでお待ちです』

 

 

「……」

 

 休日、母と一緒にショッピングモールへとやってきたケビン。

 母に連れられ服とか日用品などの購入に付き合わされるのはとても苦痛だった。

 しかし、それさえ耐え切れればこのあと待っているのはボーナスタイム。

 オモチャショップに行ける。

 その事だけを心の支えにして母のウインドウショッピングに付き合い、しかし退屈が彼の心を蝕み、足は疲れで震え、そしてそんな状況で彼は見てしまったのだ。

 

 お菓子の詰め放題を。

 

 グミ、キャンディなど色とりどりのお菓子が山のように並ぶスペース。

 ふらふらと吸い寄せられるようにその場所へと向かい、棚を見上げる。

 

 そして、気づけば母と逸れていた。

 

 で、今に至る。

 スタッフ曰く「すぐに迎えに来てくれる」らしいが、しかし先に帰っていないとも限らない訳だし━━

 

「その歳で迷子なんて、全く子供ね〜」

 

 と、そこで。

 

「ま、ヒボンな私に比べれば、大抵の子供は『子供らしく』なっちゃうわよね!」

 

 ソファの上で立ち上がり、ふんぞり返る子供がいた。

 なんだか面倒臭い上に関わったら最後な雰囲気を醸し出していたが、しかしそれでもケビンは突っ込まざるを得なかった。

 

「……いや、お前も迷子じゃん」

「ママが迷子になったのよ!」

「……」

 

 ちなみに。

 彼女はケビンの後にやってきた『ヒボンなクレー』という女の子。

 めっちゃ自信たっぷりで、ひとりぼっちなのに全く不安を感じてないその姿は少しだけ羨ましかった。

 まあ、ここまで自信満々だと鬱陶しいだけなのだが。

 正直、関わりたくない。

 とはいえ退屈はしなさそうだし、彼女と話していると不安を感じないで済むのはありがたかった。

 

「ほら、『ケーオウ』ちゃんもなんか言いなさい!」

 

 と、クレーが迷子センターの備品であるおもちゃのひとつ、犬型ロボット(ケーオウとクレーは呼んでいるが、実際はKO ーm2と頭に書かれているシリアルナンバーを名前と勘違いしているだけである)を振り回す。

 顔部分にある液晶が輝き、スピーカーから声が響く。

 

『2人とも、仲よくね!』

「もちろんよ、だって私達は親友だもの!!」

「いや、知り合ったばかりだろ俺達」

「なによ、ヒボンな私のヒボンな親友になりたくないっての!?」

「お前みたいな奴と付き合うの疲れるよ」

「な、なにおう!」

 

 そして思ったよりダメージを受けていた。

 

「う、ぅう。ぐすっ」

 

 な、泣いてるっ!

 

「い、いやその」

「う」

「と、友達だから! そ、その、泣き止めよ!!」

「よねっ」

 

 そして当たり前のように嘘泣きだった。

 

「こ、こいつ……!」

「ま、あなたがそこまで言うのならば、貴方を私の『ドレー』にしてあげても良いわよ!」

「……」

「いた! な、何すんのよ頭叩かなくても良いじゃない!!」

 

 ギャーギャーと喚くクレー。

 

 ……結局、やってきた2人の母親が仲介に入る時には、2人はお互いの髪を掴み片手でガシガシ殴り合っていた。

 なんか、最終的にダメージを受けていたのはケビンばかりだった。

 

「女の子には優しくしなきゃダメよ?」

 

 そして母親に怒られるのもなんだか理不尽に感じるケビンなのだった。

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