なんでこんな圧縮日程に?
ぼざろ舞台は見ましたか?チケット取れなかった方も、まだ暫くアーカイブ配信は見れるっぽいので見なさい(脅迫)。一度見た人も見なさい(恫喝)。
舞台ネタはアーカイブ期間中なのでまだ控えておきます。
アンチSHOCKER同盟。
彼等はギターヒーローが
切っ掛けはSHOCKERがレスポール・カスタムを
これとTオーグが金沢近辺に潜伏している可能性を併せた結果、事件と同時期に更新が停止したギターヒーローに行き付いたのだ。
しかし正体は分からなかった。
ネット上の情報は体内電算機により改竄。外見的特徴──上下ピンクジャージの少女を探そうにも認識改変が立ち塞がる。
質の悪いことにオーグでも能力は無効化できない。
何故ならプラーナの絶対量に差がある為。基地からサルベージした情報でそのことが判明。
彼等はTオーグもまたアルティメットオーグメントであると思い知った。
それでも、少なからず情報はある。
まずギターを複製していたこと。
下級戦闘員が
「お前の勘は当たっていたようだ」
髭の男が写真を取り出す。
そこには公園が写っている。
「交換済みで調査が遅れたが、ブランコの鎖が破壊されていた。人外の腕力で握り潰されたようだ」
「こっちの写真は」
「同じく砂に埋もれて発見が遅れた、深さ約3メートルの細い断層が確認された」
「Tオーグのレーザー痕か」
「これで、所在は金沢、活動拠点は下北沢という可能性が浮上した」
貴重な手掛かり。
しかし彼等は顔を顰める。
これは想定外のことだから。
「Tオーグは改造前同様に生活しているのかもしれない」
「自分の任務に気づいていない?」
「分からん」
「洗脳が
「それも分からん、だが状況は確実に悪化した」
彼等は最悪の事態を想像する。
想像を超えていて、具体的にイメージできないが、しかし想像しなければならない起こり得る事態。
「人類の数パーセントが死ぬかもしれない」
眼鏡の男と髭の男が立ち上がる。
「プロデビューの噂を精査する」
「役に立ちそうか?」
「どんな情報も見逃したくない。他に情報はないんだな?」
「山田のお嬢ちゃん曰くな」
彼女は同じバンドメンバーにも聞いてくれたが空振り。虹夏は山田と同じ程度しか知らず、喜多は存在すら知らず、ひとりも同じく知らなかったらしい。落胆はない。一般人で辿り着ける真相なら苦労はない。
「分かった、気をつけてくれ」
「アンタ達もな」
人混みへ消える二人。
ふと周りを見渡せば、浴衣を来た人がチラホラ。
祭りとか花火大会でもあるのだろうか。そういえば夏だったと一文字隼人は思い出す。暑さも寒さも感じないせいで季節感を忘れていた。
この喧騒。
昔は嫌いだった群れの中。今はまあまあ好きになれた。
けど、仮に全てが終わっても、俺はあそこへ戻れない。
そんなもんだ、『幸福』とは往々にして失ってから気づくもの。
スッキリしないが仕方がない。
自分で選んだ道だ。けれどもそれを羨むぐらい許して欲しい。
彼は、より騒がしい方へ顔を向ける。
あれは神社か。
屋台でも出ているのだろうか?
「マジで起きてひとりちゃん!」
「その白骨死体をどうする気なんだ」
「ち、違います〜! ヘ、ヘルメットを取ったら、身体が蒸発しちゃって!」
「そんな人間いるか!」
「本当なんだよー!」
「死体遺棄の現行犯だ!」
「あ゛ーっ! 前科だけはなかったのにー! 起きてひとりちゃーーーん!」
よし帰ろう俺は孤独が好きなんだ。
*
後藤ひとり。
山田と同じ結束バンドに属するリードギター。
上下ピンクジャージという繧ョ繧ソ繝シ繝偵?繝ュ繝シ縺ォ莨シ縺特徴的な少女。
そしてこの間殺されかけた相手でもある。
まあそれはもういい。謝ってもらったし、
ちなみに、山田との関係の説明には悩んだが、ギターヒーローを探しているとはあまり知られなくなかったので、親戚ということで誤魔化した。
問題なのはこの状況。
結局助けたが、一体全体どうなってんだ。
「アンタは誰なんだ?」
「わたし? わたひは〜、わたしで〜す!」
「帰るぞ後藤ちゃん」
「あ、はい」
「冗談だよ〜」
なんだこの酔っ払い。
後藤ちゃんはどうしてこんなんと一緒に?
アルコール臭が鼻に刺さる、バッタの嗅覚だから尚の事キツイ。
「ひ、ひとりちゃんに助けて貰ったんだよ〜」
「本当なのか?」
「は、はい、目の前で倒れたので」
「えへへー、飲みすぎちゃってー」
「それで? 酔い止めとかインスタント味噌汁を奢ってもらったのか? 高校生に?」
彼の目線にはレジ袋に入った空のゴミ。
「そうなんです〜、ひとりちゃんは良い子だね〜」
「代金は?」
「…………」
「帰るぞ後藤ちゃん」
「あ、はい」
「払います今直ぐ!」
一文字は良識的な大人である。知り合いの女の子に集る酔っ払いなぞ、対応がおなざりになるのは当然であった。
「てか高校生だったんだ〜」
(!?)
「まあ、ヘルメットで分かり難いのは確かだけど……」
(わたしって雰囲気さえJKじゃないの!?)
「そうなの! だからどんな子かなーって、ヘルメット取ったんだ~、そしたら蒸発して……」
「ちょ、直射日光を久々に浴びたもので……」
「なるほど、分からん」
改造されて以来、外ではずっと仮面装備。偶に外しても屋内。
そんな生活で準備運動ナシに8月の日差しを浴びる。普通の人でも辛いのだから彼女にとっては致命傷。灰塵に帰すのはごく当然の事柄である。
尚に白骨化ぼっちだが、穴という穴に栄養剤を突っ込んで再生させた。
費用は勿論一文字持ちである。
「ごめんねー、驚かせちゃってー」
「い、いえ別に」
「怒って良いと思うぞ」
「あれ、何か事情アリ?」
「え、えっと……ひ、皮膚病で隠してて」
「マ、マジで? ファッションか何かかと思ってた」
「どんなファッションだ」
「幾らでもいるよ? そーゆーバンドマン。でもごめんねー、ホ、ホントに怪我とかない?」
「だ、大丈夫です(すぐ骨になったから顔見られてないし……)」
酔っ払いは申し訳なさそうに頭を下げる。
最低限度のモラルはあるらしい。アルコールで理性がないだけで。
変身解除済みなのでメットは外してもいいのだが、この生活にすっかり慣れ切ったので付けっぱなし。ぼっち的には人と目線が合わないので楽とさえ思ってる。JKに見られないのは半ば自業自得でもある。
「全く……で、後藤ちゃん」
「は、はい」
「こんなところで何してたんだ? 地元は下北沢なんだろう?」
「あっはい、あ、いや、地元こっちです」
「ああ、そうなのか」
「それで、その……こ、これを」
出されたのは三枚のライブチケット。
それを見て一文字は、状況を概ね察した。
後藤ちゃんはこれを売ろうとしてたんだと。
「あ、あと三枚、売らなきゃいけなくて、い、一文字さんは」
「悪い、山田から買ってる」
「そ、そうですよね……」
「え〜、ひとりちゃんそういう理由だったの〜?」
「い、一応フライヤーも手作りしたんですけど……」
「なんでだ? なんでお嬢ちゃんたちが、楽器を素手で貪ってるんだ?」
「……そういう方向性のバンドなの?」
「ち、違います」
言えまい。
絵心のなさに心が折れて
まあ誰が書こうが、結局配れないから変わらない。
なにせただのチラシ、その難易度はティッシュ配りの比ではない。死亡率150%(声掛けで50%、その後スルーされて100%の意)の過酷な職場なのだ。
「最悪余っても仕方なくないか?」
「えっ」
「後藤ちゃんの性格は皆知ってるし、その為に活動資金貯めてるんだろ?」
「はー、分かってないなお兄さん!」
「なんだ酔っ払い」
「他の人が捌けてる中、自分だけ売れてないのはね〜、陰キャだと吐くほど辛いんだぞ〜!」
「……そうなのか?」
「陽キャめー!」
一文字さんの言う事は正しい。
皆優しいし、正直に話せば許してくれるだろう──
これがある以上わたしは罪から逃げられない。全ては自らの過ち。愚かさが生んだ、自業自得の惨劇。
その根源は、ロインの画面にこそあった。
それは!
虹夏『チケットノルマ大丈夫?』
ぼっち『あ、完売確定なので平気です』
虹夏『え!? ほ、本当に?』
ぼっち『はい! わたしのコミュ力は53万です!』
虹夏『……無理してない?』
ぼっち『あと変身は3回残ってますから!』
虹夏『変身は止めて』
「キィヨェヤアアァァァ!!!」
「急にどうした!?」
「チチハハイモウトイヌロボチチハハイモウトイヌロボチチハハイモウトイヌロボチチハハイモウトイヌロボチチハハイモウトイヌロボ……」
「あははは! やっぱりこの子ヤバい子だー!」
「どこに笑える要素があるんだ!」
本当は全部売れる予定だった。
父、母、妹、犬、そして
この事実に気づいた時、彼女はケイへ心の底から感謝し、咽び泣いて歓喜した。
で、テンションが上がり過ぎたぼっちは、父にも母にもケイにも話していないのに、勢いのまま上述のメッセを送信。
そして昨日、彼女はケイにチケットを買ってと懇願。
そこで喜劇悲劇がおきた。
『申し訳ありません』
『え?』
『現金未対応でチケット買えません』
『えっ?』
『電子マネーのみ対応なのです』
SHOCKERの技術の粋を集めたAIケイ。
彼は古今東西あらゆる電子決済に完全対応。
しかも痕跡も残さない!
なので、わざわざ証拠が残る現金を持つ理由がなかった。
結果がこの大惨事。
その後、犬は論外、妹は年齢制限に引っかかるとケイが指摘。
ぼっちは死んだのであった。
一応、何とか足掻こうと外へ繰り出したがこの始末☆
ちなみにフライヤーさえ一枚も減っていない。
一度頑張って声掛けしたが、ヘルメット+ジャージ+ギターという安心感に喧嘩売ってるヴィジュアルのせいで逃げられ、本格的に心が折れた。
「もうダメだ……お終いだ……皆に殺される……」
「後藤ちゃーん、おーい」
「うわ、完全に不審者だ」
「アンタが言うか」
完売確定なんて言ったのが本当に不味い。
チケットノルマは重要だ、それを熟せないどころか、嘘まで吐いていただなんて許されない。
今誤魔化してもライブ当日に結局バレる。
そうなれば、幾ら皆でも怒髪天!
STARRYを舞台に、後藤ひとり処刑ショーが幕を上げる!
『わたしたちを騙したのね後藤さん!』
『見損なった、許してほしくば全財産を』
『ごめんなさい、どうかお許しを……』
『わたしは許すよ』
『に、虹夏ちゃん!』
『だが
『うわぎゃ』
天使の笑顔から放たれる弾幕。
瞬く間にぼっちは蜂の巣へ。
通常オーグは死ぬと泡になる。だが最後のオーグである彼女に機密保持の必要はない。古く奥ゆかしい怪人よろしく、ぼっちは派手に爆発四散!
ざんねん!!ぼっち・ざ・ろっくはここでおわってしまった!
「……ひとりちゃん、爆発しちゃったね」
「じゃ、後は頼んだ」
「え!? ま、待ってよ!? これ一人じゃどうにもできないよ!?」
「俺の仕事じゃない!」
逃げ出す一文字。
しかし(パトカー)に回り込まれてしまった!
「なんだ今の爆発音は!」
「あ……さ、叫んだせいで、吐き気が……オロロロロロ」
「なんで俺に掛けるんだッッッ」
ハビタット世界まで響く断末魔。
一応彼を監視する人員はいるのだが、このカオス空間に行きたくなくて見て見ぬフリ。
やはり政府の連中は信用ならない。いずれ髭男共も
一文字はプラーナの底から誓うのだった。
*
同時刻、虹夏たちはスタジオで自主練習を行っていた。
「え?」
「どしたの喜多ちゃん」
「いえ、一文字さんから『タスケテ』ってメッセが」
「どういう状況?」
この間の遭遇で一文字は結束バンド全員と知り合いになっていた。
その際の会話で、リョウ先輩を誑かすクズベーシスト疑惑は解消済み。
「灰になった後藤さんを戻したいらしいです」
「ああ……可哀そうに」
「掃除機とかで集めて、フィルターに残った塵をヘルメットへ詰めてください、と……」
(人についての話題とは思えないな……)
なお喜多ちゃんに送ったのは、山田だと集ってくるからです。
「なにしてんだろ二人共」
「チケット配ろうと、外出てたんじゃないの?」
スタジオが一瞬でお通夜モードに早変わり。
ぼっち+チケットノルマという時点で、こうなることは全員薄々察していた。
「チケット売ろうと外に出て、たまたま一文字さんに会って、売れない妄想で爆散したんでしょうか」
「9割合ってる気がする」
「ヨヨヨ……可哀想なぼっち」
「裾で隠しても笑ってんのバレてんぞ」
「わたしもノルマをせっつかれて、バイトしてる暇がなくて金欠、チラリ」
「幾らででも持ってってください!」
「ありがとうございま」
バキャ、と謎の音。
おお! なんたることか! 小枝のように圧し折られたドラムスティック。
これこそドラマー筋力の理想的な魅せ方。
もしくは威嚇である。
「またいろ○すにされたい?」
「ごめんなさい」
伊〇誠みたいなヤツと紹介したせいでぼっちは暴走。
そう吹き込んだのはこのベーシスト。
どういうお仕置きをされたのか──それはコンプライアンス的に説明できない。
尚、いろ○すは縦からでも潰せるボトルが特徴だ。
他意はないよ!
「本当にどう売るんだろう、友達はいないだろうし」
「学校ではどう過ごしてるの?」
「うーん、クラスが別なので詳しくはないですが、嫌われてるとか、いじめとかそういうのはないですね。というか、その、外見がアレなので……」
「やっぱり学校でも被ってるんだね」
「はい、皮膚病って事情も伏せてるので危険物扱いです」
「危険物って……」
偏見だと思うだろうか。
否! モノボケの勢いで普通に机を両断する蛮行を忘れてはならない。能力を制御できていないTオーグは歩くデーモンコアと大差無いのだ。
だからケイが必死で特訓した訳だが。
成果?知らん。
「万が一売れなくても優しくしてあげようね」
「そうですね、落ち込んでたらライブだって盛り上がりませんし」
「うん! あたしたちも頑張らないと!」
「…………」
「リョウ?」
「ギター、随分上手くなったと思う」
「え!? きゅ、急に褒めてくれた! キャー!!」
いきなりの誉め言葉に、虹夏は首を傾げた。
確かにリョウの言う通りだ。
ぼっちちゃんは本来上手い(らしい)、病気のせいで下手になってるだけ。
その専属レッスンを受けてるからか、喜多ちゃんは弾き始めて3か月ちょっととは思えないぐらい急成長を遂げている。ただ、この幼馴染が声に出して褒めるのは珍しい。
「だから、話しておきたいことがある」
「話しておきたいこと?」
「今まで言ってなかったけど、ギター壊した時の『保険』について」
そっか、そのことか。
確かに今の喜多ちゃんなら話しても問題ない。
「壊した時が伴奏中とかならマシ。けどギターが目立つ時だとかなり不味い」
「演奏やり直せば良いんじゃないんですか?」
「それは最悪のパターン、ライブの演奏時間は決まってるし、なにより一度グダった空気は戻らない。だからわたしと虹夏で『保険』をかけてた」
「あ、だから二人っきりで練習してたんですか」
「「えっ?」」
二人は嫌な予感を覚える。
これまさか凄い恥ずかしいパターンじゃ。
「わたしも後藤さんも下手なので、そういった備えをしてるんじゃないかなって。その関係で二人っきりに時々──ってリョウ先輩?」
既に山田はノックアウト。
顔を真っ赤に手で覆っている。
「喜多ちゃんは罪な女だねぇ」
「え? え?」
「『備えてるって知られたら、信用されてないって思って、バンド辞めるんじゃ……』そう思ってたから、リョウは言わなかったんだよー」
「バカな……わたしのプランは完璧だったのに……どこでどうバレたんだ……あああこんなのわたしのイメージじゃないのにいいいい」
「落ち込んでる先輩可愛い!」パシャパシャパシャ
「気持ちは分かるけど話進まないから復旧してー」
「うう……で、内容だけど──」
あと10日後、事実上結束バンド初めてのライブ。
成功させたい。お客さんだけじゃなく、あたし達だって楽しめるライブにしたい。中でも今までずっと辛かったぼっちちゃんには特に。
これが、あたしの『夢』の第一歩。
だから絶対失敗できない。
「──分かりました」
「できる? ハードスケジュールになるよ」
「でも頑張ります、わたし、後藤さんを支えたいんです!」
きっと良いライブになる。
そんな予感がしていた。
「掃除機なんてないよー、どーするのー!」
「もうこれしかない!」
「わー、ベルトの扇風機が回り出した!」
「唸れタイフーン!(ヤケ)」
そろそろ彼は泣いていい。
タイトル元:ぼっち・ざ・ろっく!第1エンディングテーマ『Distortion!!』より
タイトルのこじつけ感が酷いですがユルシテ。
掃除機の代替品として運用されるなんて、仮面ライダー史上初なんじゃないかな、多分だけど。
全体的に、ぼっち暴走ギャグというより、一文字がひたすら酷い目にあった印象。女怪人ギターメットと第2クズベーシストに挟まれればそうもなる。
次回は路上ライブ、無難に終わらせるか、トンチキと化すかは未定。オチの付け方は決まってるけど。
では、今回高評価を入れていただいた皆様です!!
☆10:マンドラさん 蕨餅0101さん
☆9:秋春さん 謎ごし豆腐さん 柚子乃葉さん opioidoさん サーズデイさん
☆8:アパムさん マサンナナイさん
誠にありがとうございます!
評価、感想、お気に入りお待ちしています!!
あとこの間日間ランキングに乗りました、それも同じくありがとうございます!
またのりたい。