【完結】後藤ひとりは改造人間である   作:鹿狼

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ぼざろアニメ一周年ですね。
とりあえず、11月の劇場ライブは見に行く予定。映画館の音響で聞くのはさぞ気持ちがいいでしょう……二期の情報、出てくれないかなぁ。
はい、遂にこの回まで到達しました。もうタイトルでオチ見えてるけど、どうぞ!


仮面・ざ・ろっく

 かんぱーい! 

 と、居酒屋に響く賑やかな声。

 ライブは無事成功。その記念の打ち上げである。

 参加者は結束バンドの4人と、店長&PAさんの2人。

 

「今日はよく頑張ったな、わたしの奢りだから飲め」

「ありがとうお姉ちゃん! あたしたち飲めないけど」

「先輩大好き~!」

「お前は自腹だ」

「……この人誰なんですか?」

 

 そして不審者1人。

 

「誰よりもベースを愛する天才ベーシスト、廣井きくりで~す! ベースは飲み屋に忘れました、どこの飲み屋かも分かりませーん」

「一瞬で矛盾したんですが?」

 

 喜多ちゃんの脳裏で1テラケルビンの火球が弾けた。

 そこへ、目をキラキラさせた山田が近づく。

 

「わたし、よくライブ行ってました」

「えー本当に? 君センスあるじゃーん!」

「観客に酒吹きかけたり、泥酔しながらのライブ最高でした。顔踏んで貰ったのも良い思い出です!」

「???」

 

 喜多ちゃんの意識がプランクブレーンに吸われた。

 

「わたし、ロックのこと全然理解できてなかったみたいです」

「理解しなくていいからね」

 

 そういう方向性は目指してない。ただでさえ誰かのせいで怪奇系バンドに括られかけてるのだ、これ以上のイロモノ認定は許されない。虹夏は強く決意した。

 

「でも~、今日は大盛り上がりで良かったですねー!」

「お客さん10人ぐらいでしたけどね……」

「でもその人達はみんな満足してたじゃん!」

「……けど、一文字さん何も言ってくれてない」

「いつの間にか消えてましたね……」

 

 楽しみだって言ってくれた。

 なのに一言もないのは、少し心が辛くなる。

 もしかして、つまらなかったのかな。

 

「あ」

「……あ?」

「こ、心大満足だって言ってたよ! 隼人さん!」

「……なぜ、それを、お前が?」

「『急用ができたから、伝えてほしい』ってお願いされてたの、忘れてた!」

 

 きくりはバツが悪そうに笑った。

 

「おい」

「ごめんねー! お酒上げるから許し」

「犯罪行為すんなぁ!」

「ンアー!?」

 

 店長の迅速なるシメ・ワザによりクズベは撃沈。

 犯罪行為は未然に防がれた。ワザマエ! 

 

 なお一文字だが、打ち上げに参加する気は元よりない。

 あくまで部外者だからだ。

 おかしいのはそこの酔っ払いだ。

 

「あはは、一文字さんも喜んでくれて良かった!」

「ライブ続けてれば、新しいファンも増えてくよ。次のライブも頑張れ」「い、息が、その……」

「お姉ちゃん……!」

「ノルマ代も払ってな」

「お姉ちゃん……」「あっ、サンズ・リバーが……」

 

 広がる微笑ましい光景。

 そして、店長には褒めたい子がもう一人。

 そう、ぼっちちゃんだ。

 

「ぼっちちゃんも、本当に頑張っ……泡になって消えかけてる!?」

「あー、色々限界だったんだねー」

 

 文字通りプラーナが尽き果てた。

 しかし、オーグの身体はプラーナで維持されている。

 それが尽きれば、泡になって融解するのみ! 

 ハビタット世界からフレンズ殺到。マイク男、9人のぼっち、更にギタ男。みんな祝福モードでお迎えだ。

 

『幸せってなにか、わたしにも分かった気がする……』

『おめでとう!』『おめでとう!』『これをトリガーに更なる進化を……』

「ギャー!? ギタ男だー!?」

「ぼっちちゃん起きてー!」

「美味しい居酒屋ご飯だよ、一緒にメニュー見よ!?」

「は!?」

 

 今日も下北沢の平和は護られた。

 ありがとう結束バンド! 

 万一ギタ男の野望が成就した場合、キンピカ外星人がスクランブルしてくるぞ! 

 

 

 

 

 ぼっちは虹夏と一緒にメニューを確認。

 言うまでもなく人生初居酒屋、なにを頼むべきか皆目見当もつかない。

 

「ぼっちちゃんなにするー?」

「えっと、その」

「わたしはー、唐揚げにしよっかなー」

(わたしの好物だ……虹夏ちゃん、優しい……!)

 

 外食は苦手だ。

 注文を決めて店員を呼んだ時料理名をド忘れし、慌ててメニューを調べ直す焦燥感は心臓が爆発しそうになる。

 けど、こういった雰囲気なら悪くない。

 むしろ高校生で居酒屋って……凄い進んでいる? わたしは一足先に大人の階段上るシンデレラ!? 優越感が湧いてきた! 

 

「あ、決まりました……」

「じゃあ、はい喜多ちゃん、メニューね」

「ありがとうございます!」

 

 しかし次の瞬間、その優越感は砕け散る! 

 

「えーっと、アボカドのクリームチーズのピンチョス。あとスパニッシュオムレツのオランデーズソース添えで!」

「なんて?」

 

 素早い注文! 

 呪文のような料理名! 

 オシャレな横文字! 

 ぼっちの自尊心は膝から崩れ落ちた。

 元から張子だが。

 

(これが真の陽キャ……きっとスタバとか平気で入れちゃうし、意味不明な注文もスラスラできちゃうんだろうな……)

 

 だが、今日のぼっちは一味違う! 

 ライブの成功体験が彼女に要らぬ自信を与えていた! 

 

(いや! わたしだってオシャレな注文をしてみせる!)

「ぼっちちゃんの注文は?」

「あ、マチュピチュ遺跡のミシシッピ川グランドキャニオンサンディエゴ盛り合わせで」

「……どこだ?」

 

 しかし根本的にバカだった。

 ところがどっこい! ここで衝撃の展開が! 

 

「メニューにない料理なんじゃないの~?」

「え」

「店員さんに聞いてみては?」

「ち、ちが、その」

「あのー、マチュピチュ遺跡のミシシッピ川グランドキャニオンサンディエゴ盛り合わせあります?」

(あんぎゃー!?)

 

 なんと大人もバカだった! 

 実在するメニューと思い込むやさぐれ三銃士! 

 居酒屋中に響くアホメニュー! 一般客からの失笑待ったなし、そうなればトラウマ必須! このまま二度と居酒屋に行けなくなるのか!? 

 振り返る、不愛想な店員。

 ──そして! 

 

「あるよ」

「……あるんだ」

(あるの!?)

 

 この後、唐揚げとポテトの盛り合わせが来た。

 普通に美味しかった。

 

 

 

 

 次々と届く料理に舌鼓を打つ。

 改造人間だが味覚は健在。

 仮面の下顎部を展開すれば、メットを被ったままご飯も可能。

 居酒屋って案外楽しいかも……

 

 ふと目に入る、カウンターのサラリーマン。

 あの人たちみたいに、お酒飲めたらもっと楽しくお話できるのかな? 

 

「仕事ばかりで、嫁にも娘にも、ほとんど無視されてさ……家庭を顧みなかった罰だよな」

「そんなことはないだろ」

「最近、列車を見ると、飛び込もうとしてる自分が」

「疲れてんだよ、ほら注文!」

 

 微塵も楽しくない! 

 ただの断末魔だった! 

 ぼっちは人生の地獄を目の当たりにする! 

 

「では、一杯奢らさせていただきます」

「だ、誰だ?」

「わたしと一緒に働きませんか? 不当な対価で搾取されている。許されないことです」

 

 悪しき想像は止まらない。

 もし在学中にデビューできなかったら、一旦は卒業して就職する羽目に。

 けど改造人間のわたしじゃ問題起こしてクビ必須! 絶対デビューしなきゃ……ん? あれ? でも、それデビューしても同じ? 

 

「なにを企んでいる」

「おや、これは……いえ、チームワークに敗れたので、わたしもチームを組もうかと。『失敗は成功のもと』、わたしの好きな言葉です」

「『同じ轍を踏む』、今のお前ではそうなるだけだ」

「……フッ、監視の仕事はよろしいので?」

 

 そう! 実はデビューしても末路は同じ! 

 いつか必ず人外と露見、世間は途端に手の平返し、イソスタに集まる非難の声! 遂には結束バンド完全崩壊! 

 なんたることか、デビューしてもしなくても、ぼっちの未来はお先真っ暗。

 正にデス(人生)ゲーム! 

 

 次回、『後藤ひとり死す』

 

「イワァァァァァァァク!!??!」

「またぼっちちゃんが死んでおられるぞ!」

「わたしの人生ハッピーファミリー……ガクッ」

「ご当地?」

 

 大丈夫じゃない、わたしの人生SHOCKER製。

 

 

 

 

「そういえば、あの連続ソロ凄かったな」

「あ゛ッ!?」

「うお!? 急にどうしたぼっちちゃん!?」

 

 しまった! 

 そのお礼を言っていなかった! 

 慌ててぼっちは頭を下げる。

 

「た、助けてくれて、ありがとうございました」

「お礼なら郁代に言ってあげて。一番頑張ったから」

「……郁代?」「ミ゛ッ」

 

 誰? 郁代って? 

 その時、テーブルが震え出す! 

 震源地はいつも通りぼっち──ではない。

 なんと喜多ちゃんだ! 

 

「喜多ちゃんの名前か!」

「う゛わ゛ぁぁぁ! 知られたくなかったのにィィィ!」

「なんで? 可愛いじゃん」

「星の歌で星歌(せいか)なんてステキネームの人にこの苦しみが分かりません!」

「あ、あの……一番頑張ったって言うのは」

「文字通り」

 

 撃沈した喜多の代わりに、山田が答える。

 

「ギターが壊れた時、ぼっちを助けるプランを手伝ってって頼んだ。それで今日まで猛特訓して貰った。

 具体的には各セトリ、状況毎のソロを丸暗記で叩き込んだ。人数が多ければ、その分ギター交換の時間を稼げるし……」

 

 ぼっちは言葉を失う。

 同じギタリストだから分かる。

 ギター初心者にとっては、凄いハードな特訓だ。

 彼女はそれを熟したのだ、わたしなんかの為に。

 

「き、喜多さん、ありがとうございます」

「……ねぇ、わたし、支えられたかしら」

 

 蹲ってた彼女が身体を上げる。

 

「わたしずっと、後藤さんに憧れてたの」

「え? わ、わたしに?」

「そう、自分が苦しくても、諦めず頑張れる姿に……だから嬉しいの、そんな人とバンドやれて。それで、力になりたくて、壊すことに怯えないで、思いっきり弾いてほしかったの」

 

 その気持ちは本当に嬉しい。

 リョウ先輩の行動も同じく嬉しい。

 ──だからぼっちは、俯いた。

 

「憧れかー、真っ先に気づいたのもそれが理由?」

「えっと、はい……ずーっと、後藤さん横目で見てたので」

「青春だね~、ヒック!」

 

 再び騒ぎ出す宴の舞台。

 ぼっちは、『お手洗いに行きます』と席を立つ。

 そして、一人お店の外へ出て行った。

 

 

 *

 

 

 居酒屋の前で、ぼっちは空を仰ぐ。

 都会にしては珍しく、夏の星座がよく見える。

 ……今のわたしは、ああだろうか。繋がっていられてるだろうか。

 

 

「──ここにいたんだ」

 

 

 そこへ虹夏が現れた。

 

「に、虹夏ちゃん」

「……なにか、悩んでたりする?」

「……どうして、そう思ったんですか」

「そんな顔してたから」

 

 本当に彼女は、こういった時に必ず声をかけてくれる。

 そう、まるで──

 

「み、みんなバンドのために、凄いなって」

「ぼっちちゃんは?」

「わたしは、勝手に自分に怒って暴れただけです。成功したから良かったけど……自分勝手だったんじゃないかって……」

「それで、居心地が悪くなっちゃったんだ」

「……少しだけ」

 

 結局、ただの独断専行だ。

 バンドは全員で演るものなのに。

 

「分かるな、その気持ち」

「え?」

 

 虹夏はそう呟いて、夜空を見上げる。

 

「リョウが予め助ける準備をしてくれたから。喜多ちゃんが真っ先に気づいてくれたから、ライブが成功した」

 

 その通りだ。どれか一つでも欠けてたら演奏は崩壊していた。

 

「けど、わたしは何にもできなかった。ああいった時だからこそ、みんなを引っ張らなきゃいけないのに。自信なくしちゃってさ、リーダーなのにーって」

「……そう、なんですね」

「だから、今日のぼっちちゃんカッコ良かった。幾ら怒ってるからって、あの場でギターソロできるのは……凄いことだよ」

 

 遥か空の星を見上げながら。

 虹夏は、思いの丈を告げる。

 

 

 

「今日のぼっちちゃん、ヒーローみたいだった!」

「止めてください」

 

 

 

「……へ?」

「二度と言わないでください」

「……ヒーローって?」

「そうです」

 

 言葉を失う虹夏。

 だが、ぼっち自身が一番驚いていた。

 自分でも信じ難いほど、心が冷たくなっていた。

 聞くだけで鳥肌が立つ、吐き気すら湧いてくる。

 が、しかし。

 

「ヤダ」

「や、やだ?」

「うん」

 

 虹夏の返しで更に驚いた。

 分からない、今のにそんな拘る理由があるのか。

 

 ぼっちは気づいていない。

 あるからこそ、譲らないのだと。

 

「この思いは誤魔化したくない。わたしの夢に繋がることだから。覚えてる? わたしには夢があるって言ったの」

「は、はい」

「──わたしね、母親を亡くしてるんだ」

 

 

 

 

 虹夏が9歳の時だった。

 母親は事故でいなくなった。

 玉突き事故の巻き添えだった。

 親の死を、一人で受け止めきれる年ではない。寂しさで苦しい日々が、ずっと続くと思った。

 

 けど、そうはならなかった。

 姉の星歌が、ライブハウスへ連れて行ってくれたから。

 虹夏にはそこがキラキラ輝いて見えた。色んな夢が溢れていて、幸せな空間に思えた。

 

 それを見ていたからなのか。

 星歌はライブハウスを作ったのだ。妹の『幸福』の為。自身のバンドを辞めてまで。

 だから夢を抱いた。お姉ちゃんの分まで、有名なバンドになりたい。そしてSTARRYをもっと有名なライブハウスにしたい……と。

 

 

 

 

「けど、実際バンド始めてみたら、上手く行かないことばかりで。わたしの夢って無謀なんじゃないかって……」

「…………」

「だけど、もうダメだって時、絶対にぼっちちゃんが来てくれた」

 

 彼女の夢は『絶望』から始まっていた。

 なのにその顔は希望で溢れていた。

 

「だから、ヒーローなんだよ!」

「……ち、違います」

 

 頑なに否定する。

 だって前提から間違っている。

 

「……わ、わたしは、一人じゃダメダメです」

 

 それでも、わたしがヒーローだとするのなら。

 それは君が望んでくれるから。

 

「けど、わたしを、引っ張り出してくれたから、苦しい時傍にいてくれるから、わたしも頑張れる……虹夏ちゃんこそ、わたしのヒーローです」

 

 わたしがヒーローなんじゃない。

 君がいるからヒーローなんだ。

 

「じゃあ、同じだね」

「……お、同じ?」

「わたしも、ぼっちちゃんがいるから、夢を信じられる……二人だから、ヒーローになれる!」

「二人、だから……?」

「そう!」

 

 虹夏ちゃんは笑っていた。

 今日見た中で一番の笑顔だった。

 

 

 

「二人でダブルヒーローだ!」

 

 

 

 わたしと虹夏ちゃん。

 二人で一人のヒーロー。

 

「ってことなら、どう?」

「……そ、それなら、はい」

「良かった! やっと認めてくれた!」

 

 今度は拒絶感は出なかった。

 心の中に自然と入ってきて、胸が温かくなるような。

 そんな言葉だった。

 

「あ、で、でも……これ、喜多さんとリョウ先輩仲間外れに」

「……二人だけの内緒にしよう!」

「ふ、二人だけ……うぇへ、へへ」

「そういえば、ぼっちちゃんの夢って聞いてなかったね」

「わ、わたしのですか?」

「うん、前は言い辛そうだったけど、どうかな?」

「……わたしは」

 

 改めて思っても。

 わたしに夢はない。そもそも将来が全然分からない。

 改造人間って隠し続けるのか、そんな状態でバンド続けるのか、全てを話す時が来るのか、成功するのか、しないのか。

 

 このまま平穏が続くのか。

 

「……ゆ、夢は、現状、ありません」

「ありゃ、そっかー」

「で、でも!」

 

 ぼっちはその手を伸ばす。

 そして、自らの仮面を脱ぎ去った。

 

「──ぼっちちゃん」

 

 月光が素顔を照らす。青い瞳が煌めく。

 仮面越しではない。素顔の言葉を届けたい。

 

「こ、今後、結束バンドがどうなっても……い、良い思い出に、みんなの記憶に残るような、そんなバンドをしていきたいです!」

 

 今断言できるのは、これが精一杯

 ──けど、虹夏ちゃんは、大事な夢を話してくれた。

 だから、またうやむやにするのは嫌だった。

 

「ゆ、夢とは言い難いですけど……」

「ううん、聞けて良かった。じゃあもっと聞かせてね。ぼっちちゃんだけのロック……

 

 仮面ざろっくを!」

 

「──はい!」

 

 

 

 

「……あ、あの、なぜ仮面?」

「え? いや、ヒーローって仮面が定番だし」

「は、はぁ」

「じゃあ、そろそろ戻ろっか、みんな心配するしね」

「そ、そうで──

 

 

──ッ!!? 

 

 

 

 瞬間、ぼっちは仮面を被り直す。

 振り返る、顔を上げる。居酒屋裏手のディスカウントショップの屋上。

 ……誰もいなかった。

 

「どうしたのぼっちちゃん?」

「い、いえ、勘違いです、多分」

「?」

 

 まさか、そんなことはないだろう。

 ケイさんが言ってた、Tオーグには認識改変がある。

 

 だから気のせいだ。

 

 オーグメントの視線を感じただなんて。

 

 

 

 *

 

 

 同時刻、STARRYのビルの屋上。

 一文字隼人は下北沢の街を見下ろしていた。

 

 そんな彼に近づく影。

 

「お久しぶりです、一文字様」

「ケイか」

 

 攻撃はしない。

 こいつにしても無駄だから。

 

「後藤様のLiveは、如何でしたか」

「いい演奏だった」

「それはなにより」

 

 その発言は、答えを言ってるようなものだった。

 

「良いのか、それで」

「気づいていらっしゃるのでしょう? ただ、ここにいてよろしいので?」

「居酒屋にいるんだろ、既に監視はついている」

「なるほど、ところでいつ気づいたのでしょうか」

「……ライブ直前だ」

 

 あの電話は呼び出しの電話。

 政府の男と直接話し、一文字は知った。

 ギターヒーローがプロデビューしたという噂、そこから辿ることができた。あの情報は『正体』に関わるものだったのだ。

 

「確証を得たのはライブの最中だ」

「……つまり?」

「プラーナの圧出・吸収、あの子はなぜか『変身』しようとしていた」

「流石です」

 

 ケイは拍手を送る。

 

「お前はどっちの味方なんだ」

「わたしのTaskは観察、敵も味方もありません」

 

 一文字は振り返る。

 そして、ケイへ一つの疑問を問う。

 

「お前はあの子の家にいるのか?」

「その通りです」

「……家族は」

「ご察しの通りです、

 

 

 死亡しております」

 

 

 以前、山田から聞いた。

 この間、喜多ちゃんと虹夏ちゃんが自宅へ行った。

 その時家族と会ったことを。

 つまり──

 

「……なら、まだ望みはある」

 

 一文字の行動理念はシンプルだ。

 心がスッキリする生き方をすること。

 

 例え、選択肢が限られていても。

 

 

 

「間違いない、後藤ひとりが、ギターヒーロー(ツチノコオーグ)だ」

 

 

 

 ぼっちは言った。

 みんなにとって、良い思い出として記憶に残りたいと。

 彼女は近い未来、心の底から願うことになる──みんなにとって、忌むべきバケモノとして、

 記憶に残りたいと。




タイトル元:ぼっち・ざ・ろっく!#08『ぼっち・ざ・ろっく』より

『シン・ぼっち・ざ・ろっく カード』
政府の男 & 情報機関の男
 チョウオーグの戦いの後、仮面ライダー第2号/一文字隼人と、新たに協力を結んだアンチSHOCKER同盟の二人。
 一文字たちと共にSHOCKERと戦い、遂に組織壊滅に成功。
 完全なトドメを刺すべく、クリプトキューブを持つツチノコオーグを追い続けている。
 一文字では困難な、国家の力による人海戦術・情報網で彼をサポート。ギターヒーロープロデビューの噂から、認識改変を回避して正体を突き止められたのも、彼らのお陰だ!

 ただ、情報機関の男だが、公安の出向から帰って来てから、奇行が激増、政府の男と一文字は頭を抱えてる。頭を落石で打ったらしいが、それが原因かもしれない。




許して下さい!
だって、シン・シリーズ×居酒屋ってきたら、やるしかないじゃないですか! あ、でも居酒屋の彼は、本当に情報機関の男です。ぼっちちゃんの監視役でいただけです。

ちなみにギタ男ですが。
ギタ男は一種のアナグラムです。
正式名称の頭文字、G・Aをとって、()()と名乗っています。潜在的脅威はもはや光の星緊急案件です。


アホな話は、以上です。
そろそろ、真相へ話が進みだす予定です。
次回は、江の島回。
今暫く、お待ちください。

それでは、高評価を頂いた方です!

☆10:地方山さん Einoさん
☆9:bizAirさん しゅーマ゜ッハさん ワカメカメさん
☆8:LG21さん

あとちょっとで総合評価が3000に!
お願いします高評価ください(直球)!
お気に入り、ここすき、感想もお待ちしております!
あと、多分江の島回今月間に合わないと思うので、先に謝罪しておきますー……ギャグ難しいヨー











下北沢に行った人は、分かると思いますが。

STARRYと打ち上げした居酒屋の元ネタのお店。

位置、結構離れています。
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