【完結】後藤ひとりは改造人間である   作:鹿狼

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わぁぁぁぁい赤バーだーっ!
具体的には4年6か月振りの赤バーだ!
感謝感激でございます。誠ありがとうございます。

でも、なんか思ったり難産になって投稿遅れました。
しかも文字数が多くなり、前後編での分割です。
挙句ライダー要素ほとんどないです。
ライダーファンの皆様ごめんなさい。
今回はぼ喜多成分全開で参ります。
お詫びと言ってはなんですが、不穏要素をこれでもかと詰め込んでおります!
ご賞味ください。


すでに昨日

 どうしてこんなことに。

 そんなつもりじゃなかった。こんなの予想もしていなかった。

 どれだけ悔やんでももう遅い。

 

「うぅ……」

 

 初めてだ。学校に行くのがこんなに辛いのは。()()の重圧に潰されそう。しかも眠い。満員電車を避けなきゃって強迫観念から、もの凄い早起きしてしまったからだ。

 

「……つ、疲れた」

 

 やっと学校へ到着。最後まで気は抜けない。

 息を切らしながら階段を昇る。

 その途中、彼女の背中が見えた。

 

 ──ダメ、もう我慢できない。

 驚かれると分かっていて、彼女の肩へ掴み掛かる。

 

「後藤さん!」

「うびゃ!? あっ、き、喜多さん……?」

「お願い、このギター、返させて!」

「えっ、ど、どうして。まだ、一週間しか経ってないのに」

「そうじゃないの……もう限界なの……ッ」

 

 とても悲しそうな声。わたしがギターを諦めるって思ったのかしら。大丈夫そんな生半可な理由じゃない。もっと深刻極まる理由なの。それは! 

 

レスポール(50万円)背負って毎日登下校するの辛い! 傷つくの恐くて一歩も動けなくなりそうだわーっ!」

「あっ、大丈夫です、遠慮しなくて……」

「遠慮じゃないのよーっ!」

 

 これずっと担いでたとか、さては後藤さん結構図太いわね? 

 

 

 *

 

 

 一週間前。二人が出会ったその日の放課後。

 謎スペースで横たわり、瘴気を噴出する影が一人。勿論そんな怪生物は我らが後藤ひとり只一人──

 

「わたしが下北沢の狼少女キタキタです……」

 

 ではなく、ギターと間違えてベースを購入した系JK喜多郁代であった。

 

「あ、あの……元気出してください。よ、よくあることで」

「ないでしょ」

 

 悶絶する彼女に、ひとりはオロオロするばかり。

 こんな渾身の買い間違いどうフォローしろと? 

 余程慌てていたのだろう。店員の話も聞かず、レシートも見返さなかった結果がコレだ。

 

「いや、ホントどうしましょう……言いだしたのわたしなのに」

 

 ギターが上手くならなければ『先輩たち』に顔見せできない。しかし肝心のギターがない。練習以前の段階でチェックメイト寸前。

 

「いっそベースに転向しようかしら」

「あっ……そのベースを売って、ギターを買うって手も」

「うーん、それも考えたけど、ちゃんと持ってたいって気持ちもあるのよね……不要だからってポンポン売るのどうなのかしら」

「よ、良くはないですね……というかクズでは」

 

 

 

「ベックショイッ!!」

「うわ! 急にどうしたのリョウ!?」

「誰かがわたしを噂してる。熱烈なファンに違いない」

「なにいってんだこいつ」

 

 

 

 いったいどうしたものか。

 また買うのが一番良いのだがそんな資金はない。

 

「お、親御さんにお願いしてみては」

「……このベースね、お小遣いとお年玉二年間分前借して買ったの」

 

 失言であった。

 

「す、すみません! わたしの肝臓売って新しいギター買ってください!」

「肝臓売ったら死ぬわよ!? それの定番は腎臓よ!」

「じゃあそっちを」

「どっちにしても嫌よそんな血塗られた楽器!」

「で、でも……そういうのがロックって聞きますけど……」

「そんなに奥深い世界なの……?」

 

 奥深いが、それ以上はきらら時空で踏み入っていい世界ではないので、ひとりの案はあえなく却下。策は出ず、気まずい空気が充満。

 

 本当にどうしよう……

 そこでひとりは、あることに気がついた。

 これは──()()()()()()なんじゃないか? 

 

「あっ」

「え、どうしたの? なにかいいアイデアが?」

「こ、これをどうぞ」

 

 ひとりは自らのギター、レスポール・カスタム(ブラックビューティー)を差し出した。

 

「つ、使ってください」

「え?」

「ギ、ギター貸します。これなら問題解決です」

「でも、後藤さん練習できなくなるじゃない」

「わ、わたしは、経験があるので……暫く弾かなくても平気です。か、感覚は残ってるので、その内新しいギター手に入れて、練習します」

 

 喜多は素直に喜べなかった。

 それは本当のことなのかしら? わたしを気遣っての嘘じゃ? 

 けど、病気はデリケートな問題だから聞く事も出来ない。

 

「上手くなったら、謝りに行くんですよね」

「ええ、そうよ」

「なら尚更です。き、喜多さんの方を優先します。家に持ち帰っていいので、頑張りましょう」

「そう……うん、分かったわ!」

 

 考えても、分からないならしょうがない。

 喜多はポジティブに受け取ることにした。

 気遣ってくれてるのは確か。ギターまで貸してくれるんだもの。絶対に上手くならなくちゃ! 

 

 ──で、帰宅後。

 『カッコイイギターね!』と調べ、お値段を知った結果が冒頭のアレ。

 せめて事前に教えてよ! 

 心臓に悪いわ! 

 

 あとベースは、一旦ひとりが預かることになりました。

 

 

 *

 

 

 そして一週間経過。

 ひとりが『できるかぎり急ぎましょう』と言ったのもあり、空いた時間の殆どは練習に充てていた。早朝、昼休み、放課後、帰宅後──喜多は今までにないほど、ギター漬けの生活を送っていた。

 

「じゃ、じゃあ始めますね……」

 

 電子メトロノームを起動。

 ひとりが見守る中、喜多はギターを弾き始める。

 

「…………」

「…………」

 

 普段の奇行はどこへ行ったのか。

 この瞬間の彼女は、真剣そのもの。

 

 ……本当に後藤さんよね? 

 

 そう思うぐらい別物だ。

 今朝方、『喜多さんとお友達一週間記念日』と称し、謎スペースに陽キャグッズを置いて、拒否反応で瘴気を噴出した挙句、腐海を創造した人間(?)と同一人物だなんて、誰が信じるだろうか。

 

 しかも、わたしに喜んで欲しかったって理由だから、怒るに怒れないのよね……あと蟲が一匹逃げた気がしたけど、気のせいね、うん。

 

「喜多さん?」

「あ、ごめんなさい、ちょっとだけ考え事をしてたの」

「む、無理はしないでくださいね」

 

 いけない、練習に集中しないと──とは言え、ずっと弾いていれば集中力が落ちてくる。

 けど後藤さんは、適度なタイミングで休憩を入れてくれる。どうして分かるのかしら。習熟度の違い? 

 

「そ、そろそろ、水分補給しましょう」

「じゃあ、後藤さんが()()()()()で、飲んでるわね」

「い、いつもすみません」

「気にしないで。教えて貰ってる立場なんだから」

 

 水分補給が必要なのはひとりも同じ。しかし、ヘルメットをとらないと水は飲めない。けど外したら『素顔』が見えてしまう。だから喜多は見てしまわない為に、反対側へ移動した。

 

「……デリケートな問題ですもの」

 

 恐らく皮膚病の類。

 弾いてる間も手袋を外さないし、ヘルメットまで被ってるぐらいだ。余程見られたくない状態に違いない。

 それでも彼女はギターを続けてる。

 今はわたしにギター貸してるから、弾けてないけど。だから気になった。

 

「後藤さんって、どうしてギターを始めたの?」

 

 

 *

 

 

「わっ、わたしの理由……ですか?」

「そう、後藤さんの理由!」

「あっ、ちょっと待ってください。水飲みますので」

 

 水を飲み終わったひとりは、すぐにヘルメットを被り直す。他の人に見られるかも……と思うと外している時間が恐い。

 

「いいかしら?」

「あっ、どうぞ」

 

 彼女がこっちのスペースに戻ってきて、それから、質問の答えを考え始める。

 すぐには答えられない。

 何故なら、ひとりが始めた理由は御覧の通り。

 

 ①:インドア趣味だから。

 ②:カッコイイから。

 ③:チヤホヤされるから。

 以上。

 

 こ れ は 酷 い 。

 言ったが最後。『まぁ後藤さんったら悍ましい承認欲求モンスターね! 今すぐイソスタに晒してあげなくちゃ! わたしの機会費用(1時間約420万円)を奪った報いよ!』

 背負わされた約7億の借金。1050年の強制労働──さようならわたしの青春……

 

「外出させて……一日でいいから……」

「どうして理由聞いただけでそうなるの!?」

「あっ、すみません」

 

 心配させてしまった。申し訳ない。

 理由を絞り出さないと。万国共通で使える良さげな理由──そうだ世界平和だ(ド安直)! 

 

「世界平い……」

「へい?」

「間違えました。何でもないです」

 

 ひとりは即座に取り下げた。

 

「わたしの理由、ですね」

 

 ロクでもない理由ばかりだけど、一つぐらいはまともなの……これかなぁ。

 

「と、友達が欲しかったんです」

「友達?」

「わたし、ずっと友達一人もいなくて……ギターが弾ければ、誰かと仲良くなれるんじゃないかって……」

 

 ……アレ? おかしいな? 

 なんか変な方向へ向かってない? 

 いけない空気が暗くなる、軌道修正を試みろ! 

 

「だから今、凄い楽しいんです。友達ってこんな感じなんだなって。でも申し訳ないなって……こんな外見ですし、教える立場なのに下手ですし。なんで一緒にいてくれるんだろうって……」

 

 なんで!? 更に重くなった!? 

 確かに本心だけど言ったらダメじゃん! とんでもなく面倒くさい&クソ重い女じゃん! これは絶対ドン引きされた! 嫌われたらショックで死にかねない! 

 

「ごっ、ごめんなさい、初めての友達で調子に乗って、気持ち悪いですね! 今から首を自主的に捥ぐのでご容赦を!」

「うん、重いわね!」

「ギャウ!」

「でも、後藤さんと友達で、嬉しいって思ってるわ」

「え……な、なんでですか」

 

 疑問しかない。

 わたしみたいな不審者と一緒で、楽しいことなんてあるの? 

 

「ギターがカッコイイからよ」

「……レスポールが?」

「演奏が」

「は? え? いや下手なんですけど……」 

「確かに下手よ……でもそれは、病気だからでしょ?」

 

 彼女はそう言って、わたしの手を握りしめた──この時指先に気づいた。

 

「それでも諦めない所が凄い。凄い努力をしてきたのも伝わってくるの。それが理由よ。今は一緒にいると、個性的で楽しいってのもあるけどね」

「そ、そうでしょうか……?」

「知らないの? 頑張る人はね、カッコいいのよ!」

 

 ひとりは震えていた。

 こんな真正面から認めてくれたのは初めてで、嬉し過ぎて、泣き出してしまいそうだったから。

 

 だからこそ泣けない。

 積み重ねた努力を、()()()()()()()()()わたしに泣く資格はない。

 

 ましてや、ギターを持ってなかったのを──()()()()()()()()()()()()()……と思ったわたしは泣いちゃいけない。

 だから、ひとりは慌てて話題を変える。

 

「き、喜多さんは、どうしてバンドに……?」

「え? 娘になりたいからよ?」

「あっ、なるほど、娘…………ムスメ?」

 

 何かが台無しになった音がした。

 

「バンドって特別と思わない? 友達より、恋人より深く繋がって……一緒に楽器を弾きながら、同じ夢を追う不思議な関係。わたし今まで部活とかしてなかったから、そういうのに憧れてたの」

「はい」

「第二の家族みたいな」

「はい」

「つまり先輩の娘になれるってことなの!」

 

 言ってる意味が分からない。わたしの理解力不足? 

 だが安心して欲しい。誰も分からないから。

 

「だからこそ、バンドはしないけどね」

「……え?」

 

 突然、彼女の表情が曇った。

 

「後藤さんと違ってわたしは逃げた人間。だからこそ余計後藤さんに憧れたんだけどね……とにかく、わたしみたいな人は、もうバンドやっちゃダメなのよ」

 

 そんな話聞いてない。

 てっきり謝って、またバンドするんだって思ってた。

 そうじゃないの? 諦めちゃうの? 

 あんなに、指先の皮が固くなるぐらい、頑張ったのに? 

 

 ダメだ。

 

 これは、上手くなるのを待ってる場合じゃない。

 

 待ってたら最悪の事態になる。

 

 分からないけど、そんな『確信』がある。

 

 ()()()()()()()()()わたしとは違う。この人はそうじゃない。

 

「喜多さん」

 

 ひとりは焦っていた。

 力加減を間違えたのは、そのせいなのだ。

 

 

 *

 

 

 黙り込んでしまったひとり。喜多は『当然だ』と思った。

 彼女にも失望されたかな──その時、異音が響く。

 顔を上げる。

 その光景に絶句する。

 

 

 

 

「喜多さん」

 

 

 

 

 後藤ひとりは水筒を握り潰していた。

 

 

 

 

「……え」

 

 呆然としている間に、ひとりが口を開く。

 

「謝って、バンドに加入してください」

「え……で、でもわたしなんか」

「本当はバンドしたいんですよね」

「で、でも、資格が」

「したいんですよね」

 

 ──後藤さんなの? 

 別人にしか見えない剣幕。

 息が詰まりそうな気迫に押され、喜多は本音を告げる。

 

「したい、わよ……先輩たちと一緒に……バンドしてみたい、でも上手くなってからじゃないと」

「ダメです」

 

 更に圧が強まり、その一言が放たれる。

 

()()()()()()()()

 

 言葉が出なかった──のは一瞬。

 気づけばいつも通り。

 おどおどした、後藤ひとりに戻っていた。

 

「そ、それに、喜多さんの努力は分かります。だって指先の皮厚くなってますから」

「指の皮? それがどうかしたの……?」

「一杯練習しないとそうはならないんです……喜多さんが、わたしの努力を分かったのと同じです。先輩って人達も、その頑張りを認めてくれます。だから大丈夫です!」

 

 どうして、そこまで言ってくれるの? 

 その理由は、喜多にはやはり分からない。 

 ……でも今度は逃げたくない。

 こんな憶病な子が、ここまで勇気づけてくれたんだ。その信頼に応えたいと彼女は心から思った。

 

「……す、すみません。勝手な言い分です」

「ううん、ありがとう後藤さん。今日明日の内に、謝りに行ってくるわ……でも」

「でも?」

「……もしダメだったら、一緒に謝って欲しいわ」

「え゛!?」

「だって後藤さんが大丈夫って言ったのよ。そこの責任は取って欲しいわ!」

 

 流石に嘘吐いた挙句逃げ出したバンドに『やっぱり入れて下さい』って言うのは凄い勇気が必要。断られたら更なる後押しが必要なのだ。

 

「は、はい……」

 

 でも多分大丈夫。

 これ以上負担かけたくないもの。

 待ってて後藤さん! 先輩たち! 

 

 

 *

 

 

 翌日の放課後。その約束は一瞬で吹っ飛びました。

 

「後藤さん!」

「え、き、喜多さ」

「やっぱり一緒に来てちょうだい!」

「え!? がっ!!?!」

 

 彼女は突如、ひとりのクラスへ出現。

 パニック中なのをいいことに強制連行。気がつけばもう学校外。正気に戻ったひとりは叫ぶ。

 

「こ、断られちゃったんですか!?」

「違うの、一人で行くの恐いの! 一緒に謝ってちょうだい! わたしの頑張りを証言して!」

 

 僅か一日で約束変更!

 これが陽キャの行動力。なんて恐ろしい……じゃない! 

 

「こここ恐いです!」

「先生なら生徒の面倒最後まで見なきゃダメ! 行くわよー!」

 

 引き摺られ、布みたいにはためきながら、ひとりは頭を抱えた。先生だから連帯責任の可能性は200パーセント! ハラキリ・ショーの準備をしておかなきゃ……あ、切腹用の楽器喜多さんに貸してた。

 

「あ、あの、何処へ」

「先輩たちのバンドが拠点にしてるライブハウスよ」

「そ、そうですか」

 

 恐ろしい。今にも溶けてしまいそう。

 迫るライブハウスも恐いが、下北沢のファッショナブルオーラが恐い。

 なんか、街を歩くのは久しぶりだ。足跡を追跡してた時以来かな……ん? 

 

「あ、あれ?」

「後藤さん?」

「い、いや、なんか……?」

 

 この通り、見覚えがある気が。

 いや、流石にそんなトンデモ乱数引き当ててるはずがない。気のせい気のせい……と言い続けたひとりだったが、目的地を見て理解する。

 そのトンデモ乱数を引いていたのだと。

 階段下の看板の名は。

 

「す、STARRY……!?」

「そう、ここが先輩のバンド、結束バンドの拠点よ!」

「hhhへえ……?」

 

 アカン。死ぬ。 

 具体的には楽屋への不法侵入とライブ乱入罪で死ぬ。

 

「どうしたの? ()()が悪いみたいだけど」

「kkk気のせいですyoっ」

「それじゃ入りましょう!」

 

 階段を降りていく彼女。

 ひとりはその場から動けない。

 喜多さんには悪いけど、こうなったら手段は一つだけ。

 戦略的撤退だ! 

 

「喜多さんの言う通り、()()が悪いので帰り……」

 

 背中が『ゾッ』とした。

 

「……あ、あの、喜多さん」

「どうしたの?」

「わたし、ヘルメット被ってて」

 

 待って。お願いだから違って。

 

「なんで顔色、分かったんですか?」

 

 まさに『ピシッ』と音を立てて、彼女は固まった。

 

「…………」

「き、喜多さん……?」

「後藤さんが悪いのよ」

「え?」

「人に逃げるなって言っておいて、逃げようとするんだもの、()()()

「あ、あの……何の話」

「そうでなかったら、こんな手段は使わなかったわ。確か先輩からのメモが、これだわ……」

 

 

 

 

「『騙して悪いが、これも仕事なんでな』……伊地知先輩、お願いします!」

 

 

 

 

「消えたギター! 確保ーっ!」

「ピィっ!?」

 

 突然、後ろから羽交い絞めにされた。

 こ、この声はまさか!? とにかく逃げなきゃ、でも暴れたら彼女を傷つけちゃう! 

 

「頑張れ虹夏、結束バンドのパワー担当」

「リョウは足持ってよ! ってか誰がパワー担当じゃ!」

「ムリ。わたし箸より重い物持てないし」

「ベース担当でしょ!?」

 

 チラホラと見える。黄色い髪の少女と、ベースを持ってた青髪の少女。

 覚えてる。忘れるわけがない。

 

「非力な先輩……小動物みたいでステキ!」

「ええぃ、喜多ちゃん! 後藤さんの足持ってー!」

「はい!」

 

 ここでひとりは、理解した。

 喜多さんは、すでに昨日、謝罪を済ませてた。

 そして無事バンドに再加入できたのだ。

 それは良かった──のだが、それでわたしについて、何か情報共有がされたんだ。

 

「一気にライブハウスへ運ぶよー!」

「ごめんなさい後藤さーん!」

 

 遂に、後藤ひとり審判の日が訪れる。

 四肢を担がれ、STARRYに運び込まれながら、ひとりの断末魔が響く。

 

 

 

「地下1050年だけは勘弁してくださあああぁぁぁ…………」

「なんの話!?」

「後藤さんいつもこんなんですから!」

 

 

 

To be continued(次回へ続く)…




タイトル元:ぼっち・ざ・ろっく!#02『また明日』より

『シン・ぼっち・ざ・ろっく カード』
後藤ひとり(プラーナ残留状態)
SHOCKERに属する科学者、イワンによって改造された、オーグメンテーションプロジェクトの最終傑作。
しかし、仮面ライダー第2号の襲撃を受けたせいで改造が間に合わず、色々と未調整になってしまっている。
異形化した身体を隠すため、原作の上下ジャージに加え、基地から持ち出したライダーヘルメット・首元を隠すタートルネック・ゴム手袋を装備している。

なんとなくライダーカード風に。やる気があれば続けます。
虹夏ちゃんたちがかなりの強硬手段に及びましたが、事情は後編で説明する予定です。

では今回も、高評価投票をしていただいた、
☆10:サカナさん Miurandさん
☆9:天童虫さん Futianさん リタオラさん 肉詰めさん 天下の翠さんさん まなつ5000さん Aitoyukiさん 一文字2号さん リチウムさん ワカメカメさん しやぶさん しじみじめじめさん 大入不斬さん グルッペン閣下さん 迷ゐ人さん ホームパイさん 岸温さん 高機動型匠改さん たあんさん ブレーメンさん
☆8:windさん 塩サバさん ライム酒さん CG-67さん
本当にありがとうございます!真面目に執筆のエネルギーでございます!

唸れ承認欲求モンスター……今度はぼざろカテゴリランキングでより上位を目指すのだ……!(お気に入り・感想・評価を心よりお待ちしております。)
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