火の時代を終わらせた不死人がダンジョンに居るのは間違っているだろうか 作:エドアルド
「さて座学その3呪術だ」
そう言う私の前にはまたもやリヴェリアが座っている。ロキも一緒だ。
呪術は魔術と同じで必要なのは理力だからな。他の奴らはLvが上がれば覚えられる可能性もあるが本当に理力が上がるかわからん。
この世界ではソウルを扱える者を見かけていない。
かつては腕を動かすごとく出て来て当たり前の事だから教えるなど出来ないし。
やはりステイタスよって成長する可能性にかけるしかないない。
「さてこの呪術とは呪いでは無く火の業の事を指し示す。魔術とどう違うと言われれば魔術はソウルを扱うのに対して呪術は火そのものを使う」
呪術には火以外もあるがどれもこれもソウルを媒介とはしていない。
私は手のひらに呪術の火を灯す。
「この火は呪術に使う触媒だ。呪術師にとって、火は特別なものであり、大抵は一生を共にし、大事に育て続ける。彼らにとって、火はまさに半身であり、分かち合ったものは火の血縁となる」
呪術とは火の業故な。
「リヴェリア手を」
そう言うとリヴェリアは手をおっかなびっくり手を出してくる。その手のひらに私は呪術の火を分け与える。
「私の呪術の火を分け与える。大切にすると言い」
「……不思議だ、暖かい」
呪術の火は最初の火の模倣である混沌の火の派生みたいなものだから。おそらくこの世で最も最初の火に近いものだ。混沌の火自体は私が混沌の苗床を殺したから大元は無くなっているがな。
「ロキ、すまないがリヴェリアのステイタスを更新してくれないか?」
「ええけど。どうしたんや?」
「呪術の火を分け与えた事で恐らくだがスキルか魔法として発現している可能性がある。それともしかしたらリヴェリアの手に渡った事で変化しているかもしれない。私のいた時代とは色々と変わっているからな」
「わっかたわ。リヴェリアちょっと来てくれ」
「ああ」
リヴェリアがロキに背中を向けると同時に私は背を向ける。別にリヴェリアは裸になる訳では無いが背中をロキに捲られるのだから男である私が見ているのはあまり良くない。
「ルクスの予想的中やわ。スキルが新しく発現しとる、しかも二つ」
「やはりか」
二つというのは呪術と魔術だろうな。
「もうこっち見てもええで」
振り向くと紙を覗き込むリヴェリアとロキがいた。俺は二人の近付くとロキが持っている紙を覗き込む
そこにはソウル魔術という文字と呪術という文字が見えた。文字のの下には空欄があり、おそらく今から魔術や呪術を覚えれば埋まるだろう。
ただやはりというか変質しているな。私が魔術や呪術を使う時は回数が決まっていた。しかし、リヴェリアの場合は魔力が尽きるまで自由に使えるようだ。
やはりこれも世界新生の影響かそれとも時間がたちすぎたことによる変質か……まあ、そこまで深刻な問題という訳でも無いし問題無いな。
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「最後の座学、奇跡についてだ」
そう言う私の前にはフィン、ガレス、リヴェリア、アイズ、ロキがいる。
奇跡に必要な信仰に関しては全員が適性を持っていたため全員受ける事なった。本来なら信仰の数値は信仰心とは無関係なのだがまあ神の眷属だからか全員信仰の数値が高めだな。
「奇跡とは神々の物語を学び、その恩柄を祈り受ける業だ。その威力は術者の信仰に依存する。これが簡単に説明した奇跡というものについてだ」
奇跡は基本的に神々の物語を学び神の力を再現する業だ。一部の奇跡は誓約を結ばなければ使えないものもあるがそういうのは高い性能を誇る。
「それでこれが奇跡を使う際の触媒であるタリスマンだ」
懐から取りだした赤い布で出来たタリスマンをロキを除いた全員に渡す。
これは俺がロキの髪の毛と血を少々貰い作った物だ。性能としては中々に高くロキに関する奇跡を超強化しそれ以外を弱体化させる効果がある。中々に癖のあるものだが基本的にロキのファミリアであるアイズたちには特に関係の無い話だ。いや、誓約を結ばずに使える奇跡が弱体化するから中々に癖があるな。
「基本的にお前たちが再現するのはロキの力になる。というわけでここにロキに書かせた天界での出来事なんかを読んでもらう」
「いやぁ、ごっつはずいわぁ〜」
ロキは天界での事は黒歴史なのか顔を伏せて悶えている。まあ、元々悪神らしいからな。
ちなみにロキに作らせた奇跡は、自分もしくは他者を変身させる《悪神の遊戯》、空中や水上を走る事を可能にする《旅する者》、知能を向上させる《狡知なる者》、速度を向上させる《スレイプニル》、武器に力を与える《レーヴァテイン》他にも色々あるのだがそちらは流石にあまりにも強力すぎてロキと共に封印する事に決めた。
街一つを崩壊させかねない奇跡など渡せるわけが無い。流石悪神と言うべきか中々ににえげつない。
とりあえず私もロキと誓約を交わす事でこの奇跡を使う事が出来るようになった。便利なのが多くとても魅力的だったからな。