火の時代を終わらせた不死人がダンジョンに居るのは間違っているだろうか   作:エドアルド

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原作までは大まかに書きながら行きマウス。


不死人外に出る

 

久ぶりに浴びる太陽の陽射しは暖かかった。……今ならソラール殿の言った太陽のようになりたい、その願いが少しだけわかる気がした。こんなにも暖かいのだから。

 

「ホントに出れた……」

 

心底ほっとしたように呟いているな。無理もない聞けばダンジョンの床が崩れ真っ逆さまに落ちたそうだからな。あそこをあの世だと思っても仕方がない。あそこは火と闇、灰しか無いのだから。

それと比べたらここは

 

「美しいな」

 

人々が賑わい活気に溢れている。晴れた青空にそよ風が吹いている。夜になれば星々が輝くのだろう。久しく見ていなかった光景だ。

 

「ここがオラリオよ」

 

……ここが世界の中心、迷宮都市オラリオか。良い場所だ。

 

「おーい!!」

 

街並みを見て感心していると大声を上げながらこちらへ走りよる人物がいた。

 

「ヘルメス様!」

 

どうやらアスフィ殿の主神とやらが来たようだ。にしてもヘルメスか……確か旅の神だったかな他にも色々あった気がするがよく覚えてないな。アスフィ殿によればここの神々は私が知っている名前もあるが関係性は違うみたいだし、中々に色んな神話の神々が混ざっていたな。

 

「良かったよ、アスフィ。今ちょうど捜索隊を送り出す所だったんだ」

「ご心配をお掛けしました」

 

無事会えたようで良かった。

さて、これからどうするか、そう思っていた時。

 

「レクスさん」

「ん?」

 

アスフィ殿に声を掛けられた

 

「君がアスフィを助けてくれたのかい?」

「あぁ、そうだ。」

「そうかい、礼を言わせて欲しい。ありがとう。僕はアスフィの主神、ヘルメス。よろしく頼むよ」

「私はレクス。ありがたく礼を受け取ろう。」

 

……ふむ。悪神の類いでは無い、しかし、よからぬ事を起こしそうな男神だ。オラリオに降りて来る神々は刺激を求めて来たと聞いた。警戒しておくのが無難か。いざとなればその首刎ねるか

 

「ッッ!?」

「どうしたんですかヘルメス様?」

「いや、悪寒がしてね」

 

殺気が漏れたか?久々の外で少々鈍っているのかもしれないな。後で体を動かすか。

 

「レクスさん、良ければ私のファミリアに来ませんか?」

「む?それはそこの男神から恩恵を受けると言う事か?」

「レクスさんが良ければ。受けなくても恩返し程度はさせて欲しいです」

「そうだね。君に恩恵を与えても良いけどそれは本人が決める事だし。アスフィの恩人なら僕らのホームでの宿泊くらいお安い御用さ」

「それはありがたい。これからの事を決めあぐねていたのでね。ファミリアについては考える時間が欲しい」

 

渡りに船だな。このまま別れても良かったがここの通貨を持っていないし、地理も分からないからな。まずは情報を探すか。

 

「うん、それで構わないよ。それじゃあ僕らのホームにご招待だ。他のみんなにもアスフィの無事を伝えなきゃね!」

 

そう言って歩き出したヘルメスの後をアスフィ殿と一緒について行く。

そうして着いたのは一つの建物。ここがヘルメス・ファミリアのホームと言う事か。

 

ヘルメス・ファミリアのホームに着いた後は宴会が開かれた。アスフィ殿の無事を祝い、恩人である私の歓迎をする為らしい。

宴会はとても楽しかった。久しく感じていなかった感情だな。正の感情など最初の火の炉では感じる事の無かった感情だ。あそこは闇霊と今思えばおそらくここの神々だったな。

 

宴会では沢山の食べ物に酒などが出た。まともな飯などいつぶりだろうか。少なくともロードランの地では食べた覚えは無いな。……いや、いつだったかとち狂って一部の敵を料理した事あったな。犬とかシースとか、味は忘れたがな。

とにかに久しぶりに良い体験をした。これが生を謳歌するという事か。火が消えかかり生と死が曖昧になったあの世界で不死人となってから何時ぶりだろうな。

 

 

 

 

 

 

宴会の後私はヘルメス・ファミリアの屋根で星と月を見上げていた。

久々に目にする星々は美しかった。最初の火の炉には星空なぞなく、ロードランの地でもここまで落ち着いて見る事も無かったな。

私が星々を見上げているとアスフィ殿が隣りに座った。

 

「眠れないの?」

「そういう貴殿こそ」

「私はレクスと話しがしたくて」

「私と?」

「そう」

 

話か、最初の火の炉で概ね話したと思ったがな。あれは久方ぶりすぎて色々喋りすぎたが故に私の黒歴史だな。

 

「何故貴方は旅を続けられたの?」

 

…………何故か。何故なのだろうな。あの繰り返しの中であの心折れた戦士のように怠惰を貪り他のものに使命を託す選択肢もあったのだろう。

最初こそゲームのように、と思っていたが、それもすぐに死によってかき消されてしまったがな。次は……あぁ、早く使命を終わらせて使命から逃れる為だったな。その次は闇の王になればと思ったな。その次は何回か繰り返せば、次は特定の条件さえ揃えば。そう思って色々したな鍛治を教わった時もあれば公爵の書庫で魔術の開発もした、装備を全て集めた事も。とにかく色々な事をしたな。だがそれ以降は何を支えにしたんだろうか。

 

……そうだ彼の言葉だったな。ソラール殿の。

 

「一度辛くなって数少ない友に泣き付いた事があった。辛いともう歩めそうにないと。そしたら彼は何と言ったと思う?『貴殿がどれ程苦しいのか私にはわかってやれぬ。だが貴殿を手助けする事は出来る。頼りたまえ貴殿は一人では無いのだ。それに一度歩みを止めるのも良いのだぞ。そうだ私と共に太陽を見ようでは無いか。太陽は偉大だからな!ワッハッハッハッ!!』

彼の言葉で気付いたよ休んでも良いんだと。

そして太陽を見ていて思い出したんだ何故こんなにも過酷な旅に挑んだのか。思いを背負ったからな」

「思いですか?」

「彼の地を旅していくうちに色々と背負ったのさ」

 

そう背負ったのだ。火防女のアナスタシア、名も知らぬアストラの騎士、アストラのソラール、カタリナのジークマイヤー、鍛冶屋アンドレイ、イザリスのクラーナ……多くの人から背負った

生きていて欲しい。火継ぎをなしてくれ。あんたの亡者なんて見たくない。バカ弟子が死ぬなよ……願いからちょっとした気遣いまで全部背負った。

それこそ背負う事をやめても良かったのだがな。

 

「私は背負ったものを捨てられる程利口な人間では無いのでね。それにその重荷が私を支える杖にもなっていたのさ」

 

何より、何度繰り返しても。私を覚えていなくとも。友には恩人には、幸せになって欲しかった。

 

「素敵ですね」

「……素敵?」

「ええ、だって。貴方はとっても優しい人なんだから」

「…………アッハッハッハッハッハッハッ!!」

「な!笑う事ないじゃないですか!?」

 

…………ああ、ああ。そうだったな。顔も忘れた母よ、友よ。お前達もそう言ってくれたな。そこがお前の良いところだと。

 

私が旅を続けられたのは皆がいたからなのだな。例えあの円環の中であっても忘れられていても、記憶にあなた達がいる限り私は一人では無いのだから。




主人公は元一般人。優しいだけの一般人なのです。そして、優しすぎるバカヤロウなのです。

お前が幸せになるんだよ!!
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