火の時代を終わらせた不死人がダンジョンに居るのは間違っているだろうか 作:エドアルド
朝日が私とアスフィ殿の顔に差し込んでくる。昨日の夜アスフィ殿と話していた時、彼女はそのまま寝てしまったからな。動かして起こしてしまっても悪い為そのままにしておいた、流石に布を掛けたがな。まともな布団がなくて幾つかの装備を重ねて置く事になったが。まぁ無いよりは良いだろう。
「アスフィーー!何処だい!!」
登った朝日を見つめていると声が聞こえてきた。
この声はヘルメスか。
私はアスフィ殿をその場に置いてヘルメスの前に降り立った。
「良い朝だな。ヘルメス」
「うわっ!?驚いたな。おはようレクス君。ところでアスフィを見なかったかい?部屋にいなくてね」
「それなら……」
屋根にいると言おうとした瞬間。私の上に影が指した。そしてアスフィ殿が落ちて来た。私はすかさずアスフィ殿を受け止めた
「……ふぇ」
屋根の上で寝返りでもうって落ちて来たか。その衝撃で起きたようで驚いているようだ。
「屋根にいたのだがな。落ちてきたようだ」
「あはは、そうみたいだね。とりあえず、怪我が無いようで何よりだ」
未だにアスフィ殿は惚けている。まぁ、寝起きがあれでは仕方がない。
「アスフィも見つかったし僕は中に戻るよ。二人も朝食食べなよ」
そう言ってヘルメスはホームの中に入って行った。
「ふむ、立てるか?」
「え、ええ」
私は、アスフィ殿を地面に立たせた。
「えっと、いまいち状況が……」
「昨夜屋根に乗ったままアスフィ殿が寝てしまってな。そのまま寝かせて置いたのだが、私が目を離した隙に落ちてきたという訳だ。昨夜起こしてでも部屋に返した方が良かったかもしれないな。」
そう言うとアスフィ殿は顔を赤くして伏せてしまった。……まぁ、自分の失態を見られればこうもなるだろう。悪いことをしてしまったかな
「……忘れてください」
「承った」
努力はしよう忘れる事ができるかは分からないが。
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朝食を食べた後アスフィ殿の案内でオラリオを見て回る事になった。今の時代に無知な私にはありがたかった。
しかし、ここで問題があった。文字が分からない。言葉は同じでも文字が違かったのだ。あれだ、現代文と古典みたいなものだろう。書いてある事がさっぱりだ。これは恥を忍んで教えてもらうしか無いな。
実に良い場所だ。しかし、妙にひりついている。いや、殺気立っているのか?昨日は久しぶりの外であまり雰囲気を掴んでいなかったが。
「アスフィ殿。何か空気がひりついていないか?」
「それは、
闇派閥?
「数年前、ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアが黒龍の討伐失敗の責任を負わされてオラリオを去ってから活発化し始めた邪神を名乗る主神率いる過激派ファミリア達の事よ」
そのようなものがいるのか。そういえばアノールロンドでは悪神というものはそもそもいなかったな。墓王ニトのように死の力を持っていても悪神ではなかったからな。神は神そこに善悪の区別なんて無かった。
「嫌でもそのうち鉢会うことになるかもしれないから覚えておいてね」
「了解した」
……ふむ。とりあえず出会えば斬るか。悪人に容赦は要らず、死して償わせるか。
そのままアスフィ殿とたわいない会話を続けていると天高くそびえる塔に辿り着いた。
「ここがバベル、オラリオの中心よ。冒険者組合が管理しているわ。冒険者向けの商店や治療院、換金所なんかもあるわ」
バベルか。バベルの塔、かの有名な塔の名前を冠しているのか。折れなければいいのだが。
「行ってみましょう」
「ああ」
そう言ってバベルの中に入ったのは良いのだが、まさかエレベーターがあるとは前世の世界みたいだな。
エレベーターから降りると多くの人と店が並んでいた。ショッピングモールみたいだな。さしずめ店はテナントか。
「四階〜八階はヘファイストス・ファミリアの商品が並んでいるわ」
ヘファイストス、鍛冶の神だな。なら武器や防具が売っているのか。年甲斐もなくワクワクしてきたな。ロードランの円環の中での数少ない楽しみの一つが武器や防具を集める事だったからな。
特に大剣や刀は好きだったからな。私のメインウェポンもアルトリウスの大剣(聖)だからな。
あ、しかし……
「金が無いな。アスフィ殿換金所では物品の換金はできるだろうか?」
「一応できますよ」
ならば換金所で幾つか武器かアイテムを売るか。
私はアスフィ殿に連れられるまま換金所についた。換金所では何やら宝石のようなものを出している人々が多くいた。
「アスフィ殿、あの宝石のようなものは?」
「あれはダンジョンのモンスターから取れる魔石です。冒険者はあれを換金してお金を稼ぐんです。魔石は利用価値が高いですから。」
モンスターから確定ドロップとは嬉しい限りだ。マラソン大変だったからな。
ソウルマラソン辛かったな。バグ技何て現実では使えなかったから、貪欲者の烙印と貪欲な銀の蛇の指輪にはお世話になったな。
「あそこはダンジョン関連限定ですからこっちです」
アスフィ殿が指を指す方向に向けると他とは違いカウンターに一人の女性職員がいる場所だった。にしても改めて見ると人の亜人というのは面白い。
「人がいないな」
「ここで魔石やドロップアイテム以外を換金する人はまずいないですから。他に比べて人が少ないんですよ」
なるほど。にしてもモンスターは魔石以外にもドロップアイテムを落とすのか。貪欲な金の蛇の指輪が火を噴きそうだ。
「おや、珍しい。ようこそ換金ですか?」
私がカウンターの前に近づくと職員がそう反応した。
やはり珍しいのだな。
「ああ、換金をお願いしたい」
「でしたらお品物をお出しください」
そう言われ私はソウルに変換していた金の硬貨をとりあえず500枚程出した。
「ニャッ!?」
にゃ?猫の亜人だったのか
「こ、これですか?き、金貨?」
「ああ、純金だ」
「じゅっ!?」
ロードランではソウルが貨幣だったから無用のものだったからな。まぁ、私のくせで集めて貯めていたが
「足りないか?ならもっとあるが」
「もっとぉ!?」
覚えている限りでは億いくかいかないかぐらいだったかな。
「い、いえ。十分です!てかこれ以上出されたら、ギルドの資金が弾け飛びます!!」
む?そんな価値があるのか?向こうではフラムトに砕かせてソウルにする程度しか価値がなかったが。まぁそのソウルもそこまで多く無かったから砕かなかったがな。
「しょ、少々お待ち下さいぃぃぃ!!」
そうして職員が去って数分するとかなり大きな袋を複数人で抱えて帰ってきた。
「こちら一億ヴァリスです」
ん?一億??????
多くないか!?
「あ、あっているのか?その値段は」
「えぇ、純金なのはもちろん金貨に施された装飾も技術が高いものでして、競売でもかければもっと高い値段がつくかもしれませんけど。いやぁ、足りてよかったぁ」
そんなに価値があるのか。いや、前世でも金は高価なものだったからな。
一億もあれば暫くは問題ないか。
「凄いですね」
「あぁ私も予想外だよ」
まぁ、多いに越したことは無いか。
金貨のお値段は適当になります!金の価値なんて高い事しかわからんぜよ。てか一億なんて用意するのに数日かかるなという事実から目を背けつつ