火の時代を終わらせた不死人がダンジョンに居るのは間違っているだろうか 作:エドアルド
ロキ・ファミリアの応接室、そこに私は来ていた。
周りにはダンジョンで助けた金髪の少女、アイズ・ヴァレンシュタインと彼女のファミリアの主神ロキとその幹部達が集まっていた。
こうなったのには少しだけ時間を遡る。
私がアイズを助けて暫くした後フィン、ロキ・ファミリア団長のフィン・ディムナやリヴェリア・リヨス・アールヴなどが駆け付けた。
なんでも一緒にいた冒険者が助けを呼びに行っていたらしい。それで駆け付けたのだ。
その後、アイズを助けて貰った礼がしたいとロキ・ファミリアのホームに招かれた。特に断り理由もないためその誘いを受けて今に至るわけだ。
「まずは礼を言わせて欲しい。アイズを助けてくれてありがとう」
そう言ってフィンは頭をあげる。
「ウチからも礼を言うわ。あんがとな」
そして主神であるロキにも頭を下げられた。
「礼を受け取ろう」
こういう時は素直に受け取って置いた方が良い。
さて、問題はここから何だが。
「それでレクスやったけか?」
「ああ、あそうだ」
「その、アイズが何かすまんな」
ロキが謝ってきたのはアイズの事なのだ。アイズは私に助けられたあと私に鍛えて欲しいと言って来たのだ。それはここに来ても変わらず私の腕を掴んで話さない。
子供膂力とは思えない力の為変に力を込めて怪我をさせる訳にもいかずそのままにしている。
「いや、子供に付き合うのも大人の役目だ」
「かー!男前やな」
ロキが私を揶揄ように言ってくる。
「それで、どうすんや?アイズが弟子にしてくれ!なんて今まで無かったやけど。あんたは受け入れるんか」
アイズを受け入れるかどうかか。
「そうだな、アイズが望むなら弟子にしてもいいだろう。何事も経験だ」
弟子などとった事も無いがあの場所から出てきたのは自由を求めてだ。こういうのもいいだろう。
「それなんだが、一度僕と模擬戦をしてくれないかな?」
そう言ったのはフィン殿だった。
「フィン殿と?」
「僕達は君の実力を知らない。少し意地悪かもしれないけど実力を分からない人を大事な団員の師匠にはできないんだ」
なるほど、道理ではあるな。
「わかった、フィン殿との模擬戦受けよう」
私はその話を了承した。
「じゃあ、中庭に出ようか」
フィン殿の提案に従い私はロキ・ファミリアのホームである黄昏の館の中庭に向かった。
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中庭について早速、フィン殿は得物であろう槍を構えた。
それに合わせて私はオーンスタインの鎧一式と竜狩りの槍を構える。
「面白いスキルだね」
……スキル?確か神の恩恵を受けた人物にまれに現れる特殊な力の事だが。ああ、勘違いしているのか。
まあいい。今は関係ない。
私は槍を構えそして雷を纏う。
そして踏み出す。
「カハッ!?」
そして一瞬で槍の石突きをフィン殿の腹に叩き込む。
石突きを受けたフィン殿は吹き飛ばされるも何とか立っていた。
「ほう、今のを耐えるか」
かなり強めにしたのだがな。あの巨女を参考にしたのだが、フィン殿は巨女より強いという事か。
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「強い」
フィンに一瞬で肉薄しその腹に石突きを叩き込む一連の動きを見てアイズはそう言った。そう言うしか無かった。
フリュネとの戦いとは何もかもが違う。フリュネとの戦いで既に強者として見ていたがそれは見立てが甘かったとアイズは察する。
「……何だ今のは」
「見えなかったぞ」
「バケモンか?」
そしてリヴェリア、ガレス、ロキも唖然とする。
フィンはLv5、都市最強のオッタルには劣るが確かに第一級冒険者である事には違いない。そんな彼をいとも容易く、反応する事すら許さずに吹き飛ばしたのだ。
「ッゥ!?」
そして吹き飛ばされたフィンは痛みに悶えならも何とか立っていた。
だがレクスはそんなフィンなどお構い無しに次の行動に移る。
竜狩りの槍をソウルに変換しローガンの杖を取り出す。
そして魔術を発動する。発動したのはソウルの矢
しかし魔術の出も速度も威力も本来のソウルの矢を大幅に超えたものだった。
というのも彼、レクスが魔術を覚えオラリオの神々を超える年月、何十億いや何千億年の時が過ぎている。彼はたとえ使命を終えても己の研鑽を怠る事は無かった。その結果だ。
痛みに悶えていたフィンにその魔術が向かう。フィンは先程のレクスの攻撃とは違い認識出来る速度の為、槍を自分の前に構え防御の姿勢をとるがその槍をへし折りフィンの腹に突き刺さる。
「カハッ!?」
そしてフィンは再び吹き飛ばされ気を失った。
その結果を見てその場にいた全員は言葉を失うしか無かった。
「……魔法も使えるのか」
唯一声を出したリヴェリアもその程度しか言う事が出来なかった。
そしてレクスは倒れたフィンを見て。
「……弱いな」
そう呟き視線をリヴェリア達に向けた。
「まあ、これでアイズの師匠をするのに問題は無いだろう?なんなら貴殿らも一緒にどうだ?」