終わり良ければ総て良しなんて間違っているだろうか 作:できてな
私は、現在
今回の遠征の目的の一つでもある、【ディアンケヒト・ファミリア】からの
一つの泉から採取できる泉水の量は少量であり、また、クエストに割く物資も時間も最小限に抑えたいとの理由からパーティーを二組に分け、少数精鋭として二つの泉からそれぞれが採取することとなった。
私のパーティーはというと••••アイズさんに、アマゾネスである姉妹のティオネ、ティオナさんである。
私の予想としてはリヴェリア様がどちらかパーティーとして参加するのかと思っていたのだが、キャンプの護衛につとめるとのこと•••リヴェリア様の代わりとなって私が参加するとなるとだいぶ荷が重いように思ってしまう。それでも•••
(リヴェリア様の代わりとなれるように一生懸命頑張ろう!!)
•••••と思うのだが、いまいち集中力に欠けてしまっている•••
何故だろうか? それは、昨日のある出来事が頭の中から浮かび上がったまま消えてくれないのだ•••
「あぁっ!!どうして私はあんなことっ!?」
「あーあぁ•••レフィーヤまだ言ってるよーー」
私が羞恥心からなる叫びを口に出して叫んでしまう。そんな私の様子を起床してからというもの、さんざん見せつけられているアマゾネスの妹、ティオナが呆れと可笑しいものを見ているように続ける。
何が私をここまでも私を苦しめているのか••••それとは
(紫苑さんに泣き顔を盛大に晒した挙句、「とんっ」なんて頭を彼女の胸に預け抱き寄せられて撫でてもらうなんてーーーーあぁ、もうっ!!)
「つぅ~~~~ぅぅ」なんて叫びを押し殺すように湧き上がってくる羞恥心を抑え込もうとするも、押し付けた羞恥心は顔に集まり頬を真っ赤に染め上げてしまう。
その顔を見て「顔真っ赤w」とティオナが吹き出し、笑い始めてしまう。
別に良くは無いのだが、私が紫苑さんに行った行動はひとまず横に置いておこう。だが、問題は私の行動を誰か、他の団員数名に見られていたらしく、私と紫苑さんが食事を取ろうとして団員の集まっていた簡単なつくりであるキッチン周辺に向かっていた時には既に私の行動が痴態として団員達に周知されていて•••イジられた••••
イジられる前までは、泣き顔を見せてしまったことなどは恥ずかしくはあったのだが、それよりも憧れで尊敬する彼女に優しい言葉で励まして貰い、抱き寄せ、撫でて貰えたことによる嬉しさの方が大幅に上回っていた。
それなのに•••周りからのイジりにより、私の中の幸せな情景が一気に唯の私の痴態へとなり下がってしまった。
この事が今の私の頭の中を支配しており、集中力欠いてしまっている原因である。
•••それでも一つだけ私の痴態のおかげか、良いことがあったのだ。それは•••
私が団員たちのおもちゃにされている時であった。 紫苑さん•••彼女が笑ったのだ。
もちろん、普段から笑みを浮かべているところを見かけることはあるし、私の目の前でも微笑む様子を見ることはあるのだが•••
その時の彼女は「ふふっ•••」と少し声を漏らしながらの笑みだったのだ。その彼女の笑みを見たのは居ても数人だったであろう程にほんの少しのそれであった。
そんな笑みは彼女の心からの 『本物の笑み』 のように感じられた。
そう、普段の彼女の笑みは•••私の勘違いなのかもしれない••••それでも、
どこか 『歪』 な様に見えて仕方がないのだ。しかし、あの一瞬のそれを私は心の中に大切にしまい込んだ。
そんな、思わぬ副産物があったために悪いことだけではなかったと思うのだ。
ところで、私を狂わせる等の本人はというと•••リヴェリア様と一緒にキャンプの護衛を行うとのことで一緒にはなれなかった。
リヴェリア様は、魔導士であるために攻撃を仕掛けるのに少々の時間がかかってしまう。そこで近接戦闘も行える魔法剣士の紫苑さんがキャンプに残ることで万が一を防ぐ、といった理由らしい。
もし、また紫苑さんと一緒にいてしまったら。また新たに黒歴史なるものを刻んでしまいそうで、パーティーを組めなかったことを良かったと思うのか、悪かったと思うのか良く分からない•••
51階層に入ってからそう短くない時間が経過していた。予定ではもうそろそろで目的地である〈カドモスの泉〉に到着する頃合いである。
しかし、違和感がひとつ•••
「•••おかしい 静かすぎる」
「アイズ!?」「ちょっと!!」
〈カドモスの泉〉のある壁、床、天井を土や石などで造形された大きな部屋のような空間を前にして、その場所に居座っているだろう、モンスター「
アイズが無防備にも歩くように部屋へと歩みを進めていってしまう。
そんな彼女の行動に焦りと驚きを込めて言葉を発するアマゾネス姉妹。
しかしながら、アイズの言った通りに巨大なモンスターである「カドモス」が居るにしては明らかに静かすぎていた。
先に行ってしまったアイズを追いかけるように彼女等は部屋に向かって走っていく。
そして、視界に映るものは•••
「これって•••カドモスの死骸!?」
視界に広がっていたのは山の様に積もっているモンスターの灰。これほどの大量な灰となると、考えらえれるのは「カドモス」でしかない。
しかも何故だか周囲から香るのは肉を溶かしたような不快感を与えてくる匂い。そんな異臭に彼女等は顔を顰めてしまう。
「カドモス」を彼女等のファミリア以外で討伐することの出来る冒険者となると、それなりに限られてくるのだが•••不可解な点があったのだ。
「ドロップアイテムが回収されてない•••」
ティオネが高額で取引されるほどの「レアアイテム」である「カドモスの被膜」をつまみ取りながら他の三人に伝える。
冒険者の収入源としてはモンスターの体内から得られる魔石を換金することで得るのが主である。
また、得られる確率は低いのだが、稀にモンスターの体の一部が灰へと変化せずに残る、ドロップアイテムが発生することがある。それは種類にもよるが、魔石よりも大幅に換金率が高いものがほとんどである。
その中でも「レアアイテム」となると入手できる確率は著しく低い分、その換金率は破格なのだ。だからこそ「カドモスの被膜」が放置されていることが明らかに異常なことであるのだ。
そこで考えるのは、なんらかの〈イレギュラー〉それはきっと、モンスターによるものではないか、そう考えるのが妥当なのであろう。
彼女らがそれに気づき、確信し始めた頃であった•••
「ああぁぁぁぁ!!!」
ダンジョンに響く若い男の叫び声。
「いまのは!?」
「ラウルの声!!」
「こっち!」
その叫び声に反応した彼女等は、走り出す•••目的の方向へと近づくにつれて巨大なものが速い速度で這いずり進むような音が大きくなっているように感じる。
通路を駆け抜け、向かいにかかる通路に行き着くと右方向から巨大な芋虫のような姿をしたモンスターに追われ走り向かってくる、フィンを先頭としたもう一組のパーティーが見える。
レフィーヤは巨大な異形なモンスターを見て「いっ芋虫!?」と驚愕な表情を浮かべながら悲鳴が含まれたように叫ぶ。
そんなレフィーヤの横からモンスターへ向かって飛び込む者がいた。その者を見てフィンが叫ぶ。
「止せ ティオナ!!」
モンスターに向かって飛び込んだ速度のままに彼女の
「
またもフィンの声であった。その声にティオナは従い、反応してそれを浴びないようにと避ける。身体には何も異常はない。しかし右に持っていた〈ウルガ〉が一瞬いして溶けていく様子に慌てて〈ウルガ〉を投げ捨てる。
この状況を見て、フィン達のパーティーに先ほど合流したばかりの彼女等も、芋虫の形状をしたモンスターの危険性、特異性は十分に理解ができたであろう。
後から大量の同形のモンスターが迫るのを目で撮れえ、全力で逃走をはじめる。
逃走を続けながらも、フィンがこの状況を脱するための作戦を説明し始める。
このような窮地だとしても冷静に状況を判断し、常に最善手を導き出す経験力。複雑な迷路を把握する記憶力。躊躇なく行動に踏み切る判断力。
そんな彼の作戦に従わない者などいるはずもなく、それぞれが彼の指示に従い行動に移す。
ーーー
迫りくるモンスターをアイズ、フィンを中心にして進行を何とか食い止める。
モンスターの突進をいなしながらフィンがある者の名を叫ぶ、
「レフィーヤ!!」
ー数分前ー
走りながら団長の作戦の説明を受けている•••
「武器を使用しての効果は薄いし、こちらの被害の方が大きいものとなるだろう。ただし、魔法なら別だ。詠唱をするだけの時間を稼いで群れを殲滅できるほどの強力な魔法を打ち込めたなら•••」
・・・えっ? えっ??
ー直近ー
前方でアイズさんや皆さんがモンスターを抑えてくれている。
長引けばみんな危ない•••
私の
みんな私を信じてくれているんだ 怖い•••けど!
私は全身全霊で 私にできる事を!!
フィンさんの声が聞こえた、 その声に答える。
「撃ちます!! 【ヒュゼレイド・ファラーリカ】!!」
(これがーーーーー私の全力です!!)
その光は強い輝きを放ちながら前方のモンスターに向けて高速で伸びていく。無数のその光たちはそれらを一体も残さずに消滅させる。
その衝撃に砂埃が大きく立ち、視界を閉ざしてしまう。 砂埃が落ち着き、視界が晴れたため、辺りに撃ち漏らしたモンスターがいないかと確認するため周辺を見回す・・・モンスターは居ないようだ。
それに安堵の気持ちで力が抜けてしまい膝を折ってしまう。この時の私の思考の中には、役割をこなせた安心。それと、
(紫苑さん褒めてくれるかな•••)
私の魔法で皆の窮地を救うことができた。などと説明したときにはきっと、彼女は私をこれほどまでもか、と思うほどに褒め回してくれるに違いない。
(•••もしかしたら『笑って』くれるかもしれない•••だと、いいな••)
窮地を脱せたことにより暖かい空気が流れている中ー
「全員、全速力でキャンプに戻る」
フィンの命令に従いキャンプへと引き返す。迷宮から脱し地上へと着き、キャンプの方向へと視線を向けるとキャンプのある場所には先ほど彼ら、彼女らが戦闘を行ったモンスターと同一のものであろうモンスターで埋め尽くされていた。
それを目撃した彼ら、彼女たちは驚愕の表情でいる。
その中の一人、アイズ・ヴァレンシュタインが彼女唯一の魔法である【エアリエル】を発動させ風のようなそれを身体に纏わせキャンプ目掛けて駆け飛ぶ、【エアリエル】により大幅に向上されたスピードによりあっという間に見えなくなってしまう。
フィンは彼女が魔法を発動させたときに彼女を冷静にさせようと声をかけようとしたが、その前にはもう既に飛んでいてしまっていた。
もう止められないことを察して、残された戦いに参加出来そうな者達にアイズに続くよう指示を送る。
「ティオネ ティオナ ベート!! 来い!!
奴らを 駆逐する!!」
いかがでしたが?
本当はですね、今回で遠征の終了まで書いときたかったんですが思った以上に長くなってしまいそうだったので次回に持ち越しでございます。
後ですね•••今回の作品は少し納得がいかない部分がありまして、時系列が分かりずらかったかなーって。どうでしたか?もっと良くできる展開の仕方が思いついたら修正するかもです。うっす。
そだそだ、今日ですねーーー初めて感想を送ってもらえました。それにテンション上がちゃって、返信急いじゃって•••返信した後に気づいたんですね••••この人評価10付けてくれてるやん!?
はい、本当にありがとうございます。あなたが今日の私のモチベの提供会社さんでした。
うっし!寝よ。