終わり良ければ総て良しなんて間違っているだろうか 作:できてな
【ロキ・ファミリア】
「あー疲れたー お肉たくさんほおばりたーい」
「私はシャワーを浴びたいわね」
キャンプに戻って、これからの方針についてをリヴェリア、ガレスと共に話し合う最中のことであった。
急に親指がうずき始めた•••このうずきが起こるときには大抵ナニかが起こる。
これに少々不安感を抱いた時であった。
地面が大きく揺れ始め轟音がダンジョンに響いた。
何事かとテント内から飛び出す。すると、先ほど戦闘を行った新種と同形と思われる姿形であったが、問題はその大きさであった。
あのような巨大なものが暴れ、それも•••あの溶解液を含んでいる可能性を考えてしまうと、悲惨な光景が簡単に想像できてしまう。
戦闘を行えば大きな損害を出してしまうと判断した僕はすぐにキャンプを破棄しての撤退を指示した。
撤退の判断にベート、ティオナが反対するが、押し切った。
しかし、撤退を行おうにもそれまであの巨大な新種を抑えてもらう必要があった。
そして、あの凶悪なモンスターを野放しにするわけにもいかない。
撤退の時間を稼ぎ、倒すことが可能であろう人物••••
アイズにその役割を任せた。
彼女は見事なまでに役割を果たしてくれたため、損害無く撤退に成功することが出来た•••
その後、
そのような多くのイレギュラーに相対したが、団員たち全員、誰も欠けることなく地上への帰還に成功したのである•••
そして帰るは僕たちの
「おっかええええ~~~りいぃぃぃぃっ!!」
門が勢いよく開かれ帰還した彼らへと大声を出しながら走り迫ってくる女性が一人。
彼女は彼らに近づくと大きく腕を広げながら飛び上がる•••
その彼女を見て先頭にいたアイズ、アマゾネス姉妹らは冷静な様子でヒョイと体を逸らす。
飛び上がっていた彼女は勢いそのままに地面へとダイブする。
しばらく沈黙していた彼女はいきなり、がばっ!と起き上がり•••
「あれ!? いつもなら快く紫苑たんが受け止めるか、避けれないレフィーヤがおもちゃにされてくれるのに!!」
と、ぶつけて赤くなってしまった鼻を赤くしながら叫ぶ。続いて地面に座り込みながら顔を上げて「二人おらんやん、なんかあったん?」とフィンに問う。
彼女の問いに「紫苑がダンジョン内で気を失ってしまってね、ただ気絶してるだけみたいだけど。まだ意識が戻らなくてさ【ディアンケヒト・ファミリア】へレフィーヤに連れて行かせたんだ」と不備なく答える。
彼の発言に「そうかいな•••」と不安の表情をうかべる。
だが、そんな表情も一瞬で切り替わり団員(女性)に向かって、手をワキワキさせながら次々に迫っていった。
ーーー
(あぁ、また•••ここか、)
私は揺さぶられる頭とひどい倦怠感を感じながら瞼を開ける。
すると、揺れる視界の先に映るのは無機質な天井であった•••
この場所にいることを考慮するにレフィーヤと居た時に気を失ったのであろう。
その後、ここへと運ばれた。そのような流れであろうか•••
(ここ•••あまり好きじゃないんだけどな、)
この状況を察して、私はただへさえ気分が相当悪いため下がっている気持ちをより低下させてしまう。
そんな時に•••扉を数回叩く音が聞こえ、一人の女性が部屋に入ってくる。
「•••意識が回復した様ですね、おはようございます。 気分はいかがですか?」
彼女は【ディアンケヒト・ファミリア】〈アミッド・テアサナーレ〉である。
私が【ディアンケヒト・ファミリア】の病室が苦手な理由それが•••彼女なのである。
別に彼女のどこかが嫌いとかその様なものは全くない。
•••私が彼女と距離を置きたいのは、彼女が数少ない私を初対面で忌避の反応を示さなかった者だからである。
彼女との初めての出会いは5年程前だったように思う。
今の様に、体を酷使しすぎてしまい。意識が飛びそうになりながらも【ディアンケヒト・ファミリア】に治療を行って貰おうと血だらけの体で本拠へと向かったのだが•••
『鬼人』である私に治療を施して貰えるなど絶望的であった。
そう思い、本拠の前の隅で入るのを渋って立ち尽くしていたところにだ•••
彼女が現れた•••その後、治療を行うことに対して反対していた団員を無視し、私を癒した。
その魔法に、『氷』を優しく溶かすような、優しい温もりを感じた。
ーそれが初めての出会いであった。
「そういえば、先ほど【ロキ・ファミリア】の方たちが此方にいらしておりましたよ。
「そうなんですね。•••レフィーヤが私を運んで来てくれたんですか?」
「えぇ」と答える彼女に「•••早く退院してお礼をしなくてはいけないですね」と返した後、
先ほどまで、緩んでいた顔を引き締めた表情に変えた彼女を見て私は緊張を覚える。
少しの沈黙の後、閉じていた彼女の口が開く•••
「•••また、使用しましたね?」
「•••はい•••でも使っても別に•••••」
何を使用したのか•••「
【ロキ・ファミリア】の一員としてダンジョンに潜るとなると、私の魔法では足りないことが多いため普段から「それ」を使用しての魔法を多用している。
今回の症状は相手と状況が最悪であったためにいつもよりも上限を大幅に上げたことによる反動による為である。
しかし、彼女は「それ」の使用を容認できないらしく•••時折同じ症状に陥り治療を受けに運ばれる私に毎度のこと、使用を控えることを説教のように伝えてくる。
そんな彼女の優しさをいつも裏切ってしまうことに心を痛めてしまう。
診察が終わったらしく「•••では、私は他の仕事に移りますので、」と部屋から退出していった。
彼女が退出し、一人になった私はある人物を思い浮かべてしまう•••
この場所に来るのが苦手なのはアミッドさんがいるからと伝えた、確かにそれは真実であるがそれだけではない。
それは•••アミッドさんのように、私に忌避を示さなかったーーーー「彼女」を思い出してしまうからである。
「彼女」はアミッドさんとは全く違う性質であった。
逆までは行かないがそんな感じ。
それでも同じ•••優しさを持ったひとであった。
(あぁ、まただ•••毎回毎回••••慣れないんだよなーーーーー)
私はベットの中で膝を抱えるように横になりうずくまり•••••
声を押し殺しながら、
泣いた。
ーその日の夜 豊穣の女主人にてー
「よっしゃあ ダンジョン遠征みんなごくろうさん!! 今日は宴や! 飲めぇ!!」
「「「「乾っ杯ーーー!!!」」」」
【ロキ・ファミリア】の主神の言葉からその団員達は大いに盛り上がっていた。
今日の団体客である【ロキ・ファミリア】は私の職場である「豊穣の女主人」の常連の客だ。
今では店のウェイトレスとして働いてはいるが、元冒険者であった。
その頃に私の所属していた【アストレア・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】は少し、交流があったため、団員の一部の者であればお互いのことを認知している仲ではある。
しかし、やはり彼女が見当たらない•••
私は今日、【ロキ・ファミリア】の予約があることにほんの少し期待を込めながら彼らの来店を待っていた。しかし、宴が始まってもやはり彼女が来ていない。
【ロキ・ファミリア】が来た時にもはや習慣となりつつあるこのやり取り
「•••リヴェリア様、すみません•••紫苑は今日も?」
「あぁ、リオンか••••それはーーーーーーーー」
リヴェリア様の話によると体調不良により来られなかったらしい•••
遠征で何かあったのか、とも思ったがそれは分からない。
(心配ですが•••また•••会えませんか)
「また」というのも、ここ数年彼女と会ってすらいないのだ。年に何回か、今日の様に【ロキ・ファミリア】が団体で来店する。
私がここへ働き始めて最初の彼らの来店の時には彼女はいた。
私は彼らが来店することは予約に入っていたために(もしかしたら•••)と、思っていたので驚きはしなかったのだが、彼女は私が働いていることを知るはずもなく、私の存在に気づくと•••店を出てしまった。
それからは、彼女は店には一度も来ていない。そして町でも会うことはないため、根本的に避けられていると考えられる。
それでも予約が入るたびに思ってしまうのだ。
ーーー
「おぉぉ!! 紫苑たんおかえりー!!」
目が覚めたその二日後、私は
無事に退院できたことをまず、主神である〈ロキ〉に報告するため、彼女の部屋へと向かった。
部屋に入ると私の顔を見たとたんに、ロキが此方に向かって飛び込んでくる。その彼女を私は受け止める。
「そうそう!これやこれ!!」
何やらロキは嬉しそうに声を上げている。
十分に堪能できたのか抱いていた腕をはなし、私から離れる。
私がどの様な経緯で気を失ってしまったのかもすでに彼女は知っていたようで、「あまり無茶をしないように」と、くぎを刺されてしまった。いつもお茶らけているようであるが、稀に見せる彼女の真面目な表情、今の彼女はまさにそれであった。
彼女から本当に私のことを心配して言ってくれているのが強く伝わってくる。それに対し「•••すみません」と反省を示す。
それから、彼女の表情はパッと切り替わりいつもの表情となった。
すると、彼女から
「•••で? ステイタス更新、一応しとくか?」
との彼女の問いに「はい、お願いします」と答える。
「ほな、こっち座りーな」とイスに促され、それにストンと座る。
そして、白衣の重ね合わさっている部分から開く様にしてロキに背中を晒す。何やらロキが、「なんか•••やらしーな」とよくわからないことを言っていたが、気にしない。
「そんじゃ、はじめるで」
その発言の後にロキの指が背中に触れる、濡れたように感じたのは彼女の血であろう。
何度も経験しているのだが、この際のくすぐったさは余りなれることが出来ず、少し声をこぼしてしまう。
その反応に毎度のこと「ええなぁ~」なんてロキは反応するものだから、きっと面白がっている。
少しの時間が経過すると「おわったで」とステイタスの書かれた紙をロキから受け取る。
ーーーー
紫苑
『Lv5』
力:S 999→S 999
耐久:A 892→S 902
器用:S 999→S 999
俊敏:S 982→S 991
魔力:S 999→S 999
狩人:H
魔防:G
剣士:G
破砕:I
《魔法》
【氷華散乱】
・攻撃魔法
【蜃欺朧】
《スキル》
【理想贋望】
・獲得する経験値量の増加
・■■の丈によって上昇
【精神血染】
【原点回帰】
ーーーー
渡されたステイタスを見ていると、
「なぁ~、紫苑たん。まだランクアップしなくてええんか?」
「•••はい。 まだ•••もう少し待ってもらえませんか?」
私は既にランクアップが可能状態になって約半年が経過している•••
ランクアップをしない理由というのはーーー
私の『理想』を実現するためにあたり、ランクアップをしてしまうと少し障害に成ってしまう可能性があるためである。
この、ランクアップできることを知っているのは、ロキ、団長、リヴェリアさん、ガレスさんの四人のみである。
ロキは私の考えを尊重してくれて許可してくれた。
団長らも理由を話したら納得してもらえた。
しかし、保留にし始めてもう半年であるからにもうそろそろランクアップして貰いたいのが彼らの心情だと思う。
でも、まだ私の不安要素は残ったままであるため、未だする予定は無い。
ステイタスの確認が済み、ロキを見ると何やら嘗め回すように私を見ている。そこで未だ上半身裸であったことに気付き、白衣に袖を通す。
身なりを整え終わったところでロキを少しだけ睨みつけ声荒げに「ありがとう!ございました!!」といってロキの部屋を後にする。
ロキの部屋を出た後は団長とリヴェリアさんにも報告を行った。
一通りやることは終わった。
現在の時刻は10時、特にこれからの予定もないし、退院したとはいえ気分の良い状態でもなかったため仮眠をとることにした。
ーーー
目を覚ますとお昼時であるのだろう、食堂の方向が騒がしかった。
私もおなかがすいていたため、食堂へ向かった。
食堂へ着くと思っていた以上に団員達がいて何処に座ろうかと見渡していたところ、リヴェリアさんの隣が丁度空いていたため横へと座った。
先ほど退院の報告に行った時に少し話を済ませていた為これといった話すこともなかったのだが、アイズやレフィーヤ達を見かけていないことに気が付いて、彼女に聞いてみたところ、彼女たちは町へ出かけたのだそう。
食事を終え私たちはそれぞれの部屋へ戻った。
ー自室ー
(町ですか•••最近「アレ」もやれていませんでしたし、出てみましょうか)
どうでしたか楽しんでいただけましたでしょうか?
まぁ、物語についてはひとまず横に「立てて」置いておきましょう••••え?つまらない?そーゆーのは別にいらない•••そうですか、そうなんですね。うっす!!
さあさあ、気を取り直して!! 紫苑きゅんのステイタス!!
あまりチートすぎると物語の内容が薄れてしまいそうなので少しだけ経験値チート?成長チート?どれが正しいかは知りませんが、そんなものをつけさせて頂きました。
せっかくのスキルがすでに上限のため意味を成せていない•••いいですね~~ナイスですね~~~
ちなみに魔法やらスキルで効果が書いてなかったのはネタバレになってしまうためと、魔法・スキルの名前で想像してもらえたらいいなと、思ったからだZE
理解しずらかった箇所があったら感想に送ってほしいです。
読者の方に気持ちよく読んでもらいたいので!
今日来た感想の返信で設定なるものを送ったので覗いてもらえればと思います。
またいつか設定については書きたいと思います。
うっし! 寝よ。