FGO二次 衛宮士郎みたいな藤丸立香   作:龍川芥/タツガワアクタ

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6.その旅路は始まった

 ──夢を、見ている。

 

 不思議な夢だ。

 記憶に無い街。見た事の無い風景に、知らない人々。

 望洋として不明瞭で、足元すら覚束なくて……ああ、そうだ。これは俺の記憶じゃない。()の記憶だ。

 

 それは、七騎と七人の争いをなぞる夢。

 数多の結末、数多の運命。目まぐるしく変わる情景の中、確かに知っている顔を見つける。

 

 黄金の剣を構える、儚く美しい少女の姿。(はな)(かんばせ)、闇を裂く金の髪と瞳、気高き心を映した凛とした立ち姿。それは様相は異なっていても、確かに俺が戦った()()で間違いなくて。

 

 手を伸ばす。と同時に、水面が揺らめくように情景は掻き消えた。

 足元が消え、暗闇の中に落下する。

 

 待ってくれ。

 叫んだ声はどこにも届かない。意識が覚醒へと浮上していく。

 

 

 

 ──藤丸立香は目を覚ました。

 白い天井がぼやけた視界を埋めている。

 

「……ぅ」

 

 ここはカルデアの一室(マイルーム)

 何の気なしに手の甲を確認すると、そこには三画に戻った令呪が刻まれていた。

 

「俺は……」

 

 夢はもう思い出せない。だから、眠る前のことを思い出す。

 泥寧から掬い上げるように記憶を辿ると──

 

 誰かの悲鳴。

 悪辣な笑い声。

 流れ落ちる、涙。

 

「──!!」

 

 体が反射的に動いた。

 毛布を払いのけ、跳ねるように起き上がる──と同時に、鋭い痛みが体を襲った。

 

「ぐ……っ!?」

 

 未知の激痛に動きが止まり、反射的に食いしばった歯の隙間から苦悶の声が漏れる。制御を失った体がベッドから転がり落ちそうになって……

 

「先輩!」

 

 誰かがそれを支えてくれた。

 振り向くと、そこには薄紫の髪と同色の瞳。

 

「……マシュ」

「先輩、大丈夫ですかっ?」

 

 マシュ・キリエライト。「助ける」と誓い、そして特異点Fで助け合った少女が、五体満足でそこに居た。

 彼女が無事であることにほっとする……が、状況が飲み込めない。

 

「俺は、いったい……」

「先輩は特異点から戻って来たきり、気を失ってしまわれたんです。二日(ふつか)も目を覚まさなかったので、心配で……」

 

 彼女の顔に憔悴と安心が浮かんでいるのを確認し、立香は罪悪感に似た感情を強く感じる。

 

「心配、かけたんだな。……看病してくれてたのか。ありがとう」

「いえ……目が覚めて、本当に良かった」

 

 胸をなでおろすマシュ。彼女の肩から飛んで来たフォウくんを受け止めながら、立香は微笑み……誰かの悲鳴を思い出す。頭がずきりと痛んだ。

 

「!」

「先輩、どうかされましたかっ?」

「……いや、大丈夫。それよりも、記憶が曖昧で……セイバーを倒したところまでは覚えてるんだけど、それ以降のことが曖昧なんだ。何があったか、分かる?」

「……! はい、分かりました。私が説明します」

 

 ばつが悪そうに笑る立香。しかしマシュの表情が暗いのを見て、すぐにその笑顔は消え失せる。

 そして、背筋に嫌な予感をじっとりと感じながら、立香はマシュから「特異点F」の顛末を聞いた。

 

 

 

 ◆◇◇◆

 

 

 

 カルデア、白い廊下にて。

 ロマニ・アーキマンは壁に背を預けて腕を組んでいた。聞き取りづらいが、背後からマシュの声が聴こえる。

 彼の立っている場所は、立香が寝かされていた部屋(マイルーム)の扉の前。そこで難しい顔をした彼は、何度目かの重い溜息を吐いた。

 

 と、そんな彼に話しかける影がひとつ。

 

「おやおや。いいのかな? ()()()()()()()()ともあろう者が、こんなところで油を売っていても」

「……レオナルド」

 

 ロマニに悪戯っぽく声をかけたのは、まるで絵画から飛び出てきたかのような美しい女性。その正体は"カルデアの英霊(サーヴァント)"、万能の天才レオナルド・ダヴィンチ──彼女にロマニは力なく返す。

 

「緊急時の階級繰り上げで生まれたかりそめの肩書だよ。医療部門のトップをやったことはあっても、世界を救う機関のトップなんて……ボクには大それてる」

「でも、投げ出しちゃうほど無責任でもないだろう? キミは」

「……それができない臆病者ってだけだよ」

 

 歯切れの悪いロマニに、ダヴィンチはやれやれと肩を揺らし……その視線を扉の奥へと向ける。

 

「気になるのかい? 藤丸立香──我らが最後の希望、人類最後のマスターが」

 

 図星だった。押し黙ったロマニに嘆息し、ダヴィンチは言葉を続ける。

 

「先の特異点で彼に起こった、急激な能力(ステータス)の変化。常識をやすやすと超える魔術行使と、跳ね上がった身体能力……特に魔術の方は異常だね。存在しなかったハズの魔術回路が、何の前触れもなく刻まれた。アレは間違いなく──」

「──英霊化。マシュの身に起きたのと、同じ現象」

「だろうね。ただ、カルデア(ここ)での最先端の実験を受けたわけでもないレイシフト適性が高いだけの一般人がどうして、という疑問はあるけれど」

 

 ロマニは額に手を当て、渋面のまま重い口を動かす。

 

「……彼の強化は、明らかに常識を外れている。そして常識を外れているということは」

「何か大きな反動(リスク)がある」

「ああ。その可能性は、高いだろうね」

 

 血を吐くようなその言葉に、ダヴィンチは嘆息した。

 彼の曇った表情を指さし、問う。

 

「一応訊いておこうか。それは()()()()顔だい? 理解不能(ブラックボックス)の爆弾を抱えた彼に人理修復を依頼する、カルデアのトップとしての不安か……それとも、一般人に引き返せないほどの代償を強いたことを悔いる、優しい医者の苦悩か」

 

 返答は無かった。

 

「いや、やっぱりやめておくよ。キミを追い詰めるのは私の仕事じゃないしね」

 

 ダヴィンチがすぐに問いを撤回したからだ。けれど廊下に満ちる沈黙で、それがなくとも答えが返ってこなかっただろうとなんとなく察せられた。

 自嘲するような笑顔を作り、ロマニは言う。

 

「……ボクは優しくないんてないよ、レオナルド。ただ臆病なだけさ」

 

 その声が掠れていたのは、扉の向こうまで届くのを恐れたからか。そのことを、今度こそダヴィンチは訊かなかった。

 

「(所長。貴女ならこんな苦悩も知らず言えたでしょう、『世界を救うために全てを擲ってでも戦え』と……。はぁ、やっぱりボクには荷が重いよ、この役目は)」

 

 廊下には沈黙が下り、扉の向こうから微かに聴こえる話し声が、ロマニとダヴィンチの間を通り抜けていた。

 

 

 

 ◆◇◇◆

 

 

 

 所長が、死んだ。

 

 その言葉は、俺の耳にやけに重く響いて。

 

「……所長、が」

 

 視界がぐらぐらと揺れる。

 万力で圧迫されたように頭が痛む。

 

 そうだ、思い出した。

 

 誰かの悲鳴と涙。あれはオルガマリー所長のものだ。彼女はこちらに助けを求めるように手を伸ばして……その手を立香は掴めなかった。

 

「助けられなかった……ッ」

 

 記憶がより鮮明になる。

 あのとき。魔力の切れた体は泥が纏わりついているように動かなくて。立ち上がることすらままならないまま必死に伸ばした手は、カルデアスへと吸い込まれていく所長に届く気配も無くて。

 己の喉から際限なく飛び出していた、救えない無念の叫び。未だ手に残る無力感。

 それを、思い出した。

 

「……自分を責めないで下さい、先輩。レフ教授は──いえ、レフ・ライノール・フラウロスは、所長が『すでに死んでいた』と言っていました。爆発に巻き込まれ肉体は消滅、残された意識だけがレイシフトしたのだと……。ですから、その……私たちがあの状況下で所長を救う方法は、存在しなかったと推察されます」

 

 マシュの言葉に、救われそうになって……立香はすぐさまそれを恥じた。

 

 オルガマリー・アニムスフィア。カルデアの所長——だったひと。

 立香は彼女のことを多くは知らない。評判や実績は分からない。

 けれど立香は、彼女のことを尊敬していた。

 確かに戦闘力は皆無だけれど。彼女は「世界を救う」プロジェクトのトップとして、日夜活動していたのだ。それは一体どれほどの重圧だっただろう。

 そして特異点Fで。

 か弱い体で前線に飛ばされて、絶望的な状況を誰よりも理解させられて。

 それでも折れなかった彼女は、怯えながらも前に進み続けた所長とは、どれほど強い人だったのだろう。

 

 今はもう、それを本人に伝える方法も無いけれど。

 

「(……背負おう。せめて。彼女の命を、意思を。救えなかったことを後悔して、苦しんで……そして、彼女が成し遂げようとしていたことを、俺が代わりに)」

 

 ぎゅ、と立香は拳を握る。固く、堅く誓うように。

 と、その手が覆われた。見れば、マシュの手が立香の拳を包んでいる。

 

「……」

 

 2人は、しばらく何も言わなかった。それがきっと、彼らなりの弔いの方法だった。

 

 しばらくたって、マシュがゆっくりと口を開く。

 

「……ここからは、おそらく先輩が知らない情報です。先輩は所長が亡くなられた直後に気を失ってしまいましたから」

 

 ですから更に詳しく説明します、とマシュは始めた。

 

 ──レフ・ライノールの裏切り。

 ──人類史の焼却。

 ──そして、複数の特異点の存在が確認されたこと。

 

 それらを語り終えたとき、藤丸立香の心を襲ったのは──恐怖。

 

「そんな、あの特異点よりも大きいのが、何個も……いや、それより、世界はもう滅びてるって? 残ってるのは、このカルデアだけ……?」

 

 立香は少なからず動転していた。彼の想像では、特異点Fを消滅させたことで──セイバーを討ち倒したことで、全てとは言わずとも殆どの問題が解決したのだと、そう思っていた。

 だが、現実は違う。

 あの苦難が最低でもあと複数回待ち受けている。しかも援軍は期待できず、自分とマシュでやるしかない。

 絶望的。そう言っていい状況。

 ……それ、でも。

 

「──俺がやるしかない、のか」

 

 藤丸立香は折れない。その心の中で、鋼を鍛える熱が燃えていた。

 それは怯え切った心の震えを消すには頼りない火だったけど……蹲って諦めることを許してくれるほどぬるくはない。

 

「(そうだ、背負っただろ。所長の意思を──世界を救うという使命を。今更絶望するなんて、1人だけ諦めるなんて、俺に許されるはずがない。進むんだ、この身が擦り切れる、その瞬間(とき)まで)」

 

 静かに、藤丸立香は決意する。

 恐怖、苦悩、諦念……その全てを無理やり押し込めて、希望と言う炎を掲げることを。

 

 と、マシュが思い出したかのように口を開いた。

 

「……そういえば。先輩、キャスターさんから伝言です」

「伝言?」

「はい。彼が退去する際、先輩は既に気絶していたので、私が伝言を頼まれたんです」

 

 そうしてマシュは、金の魔力となって消えながら別れの言葉を告げるキャスターのことを思い出す。

 彼は言った。

 

『──あの出鱈目な魔術、アレについては何も訊かねえよ。聞いたところで意味がねえしな。だがここまで濃い旅を共にして、最後が言葉の無い別れってのは淋しいもんだ。そんな訳で一言二言、伝言を頼むぜ嬢ちゃん。

 マスター、おまえさんは良い英雄に成れるぜ。アルスターの大英雄、クーフーリンが保証する。ただ英雄の先達として忠告だ。アンタの勇気と覚悟は素晴らしいが、そいつに頼りすぎるなよ。勇気は蛮勇に、覚悟は妄執や狂気にアッサリと転じる。それだけ肝に銘じて、あとは世界でもなんでも救っちまいな。

 あと、次は(ランサー)の俺を呼んでくれ。おまえさんと肩を並べて戦うのは楽しそうだ』

 

 語り終えたマシュの横で、立香はその伝言を深く受け止めた。

 

「……ありがとう、キャスター」

 

 応よ、と声が聴こえた気がするのは、流石に立香の気のせいだろう。それでも、彼は少し嬉しくなって微笑んだ。

 心の炎がふたつになった。そんな気がした。

 

「ありがとうマシュ。伝えてくれて」

 

 マシュにそう礼を言うと、彼女は少し目を丸くした。

 

「え、いえ。伝言を頼まれたのが私だっただけで。私はそれを完遂しただけ、先輩に礼を言われるほどのことはしていません」

「……そっか」

 

 立香は言葉を切って……そして手を伸ばした。

 マシュに握手を求めるために。

 

「なら、よろしくねマシュ。これからもきっと、大変なことが沢山待ってると思う。俺じゃ頼りないかもしれないし、迷惑かけるかもしれないけど……約束、守ってみせるから」

「! はい先輩、私もです。力不足かもしれませんが、私も先輩をお守りします!」

 

 手を取りあった2人は笑う。

 眼前にあるは暗く見通せぬ闇色の未来。そこに希望があるのかどうかはまだ分からない。

 それでも。彼/彼女と共に往くならば。

 この旅路が、航海が、希望と共にあるのだと信じられるから。

 

 そうして、解けた手で、立香は照れたように頬を掻いた。

 

「……お互いにお互いを守るって、ちょっとヘンだね俺たち」

「そうでしょうか。ツーマンセルとしては理想的だと思いますが」

「確かに、そう言われるとそうかも。でも、ちょっと安心だな」

「安心、ですか?」

「いや、マシュが守ってくれるなら、何があっても大丈夫そうだと思って」

 

 その笑顔は、きっと。

 燃える街から生還した者に与えられる、最も尊い報酬だった。

 

 

 

──────────────────

 

定礎復元(Order Complete)

 

特異点F

A.D.2004 炎上汚染都市・冬木

 

 

──────────────────

 

 

 

 ◆◇◇◆

 

 

 

 ──気付けば、全ての準備は整っていた。

 

 黒く染まったカルデアスの前で、立香はマシュと共に並び立つ。彼らの前に居るのは……ロマニ・アーキマン。彼は言う。

 

「まずは君に感謝を、立香くん。特異点Fの攻略——君が居なければ成し遂げられなかっただろう。緊急事態に臆さず動いてくれた君の勇気と行動力に、ボクは惜しむことなく感謝と尊敬を送るよ」

 

 それは謝辞だったが、ロマニの表情は固い。

 彼は真剣な表情で、瞳で、立香のことを見据えた。

 

「その上で、改めて。現カルデアのトップとして、ボクは君に頼まなければならない。新たに出現したいくつもの特異点、それらをマシュと共に攻略して貰いたいということを」

 

 本来ならオルガマリー所長が言うべきだったそれを、彼は代わりに言う。真剣に、誠意をもって。

 

「既に()()()()()()()()という状況において、これはほとんど強制だ。カルデアは、世界は、もう君に頼るしかない。それを理解してもらったうえで、ボクは問う」

 

 ロマニには分かっていた。

 これから自分が言うのは、酷い言葉だと。

 殆ど事前説明も無しに巻き込んで、頼り切って。その上命がけで戦ってもらった相手に、「この先も命を懸けろ」と言わなければならないなんて。

 けれど。どれだけ悩んでも、変わってあげたくても、これしか方法は残されていないのだ。

 だからこそ、せめて本気で向き合う。カルデアのトップとして、非情に見定める。

 

「藤丸立香くん。君に、世界を救うという意思と覚悟があるかどうかを」

 

 その問いに、立香は。

 飲み込んで、咀嚼して、理解して。

 それからゆっくりと口を開いた。

 

「──俺は、」

 

 それは、藤丸立香という人間の掛け値なしの本音。等身大の言葉。

 

「最初は、ただ約束を守りたくて」

 

 瓦礫に呑まれた少女の前で誓った言葉。それが最初の力となった。

 

「そのうち、無力な自分を許せなくなって」

 

 無力なままでは居たくないという意地。それが決断を後押しした。

 

「力を得た今でも、戦うことは怖いけど」

 

 抑止力と契約して得た力。これがどこまで通用するかは分からない。

 

「背負った想いを、命を、誓いを、蔑ろにしてしまうことはもっと怖い」

 

 それでも──自分はもう、逃げるわけにはいかないのだ。

 守りたいなら、戦うしかない。

 投げ出したくないなら、進むしかない。

 理想に嘘をつきたくないなら……どれだけ怖くても、立ち向かうしかない。

 

「だから、俺は戦います、ドクター。この身命の全てを懸けて。それが、俺が選んだ道です」

 

 それが、藤丸立香の答えだった。

 

 マシュ・キリエライトは、彼の隣でその答えを尊敬し。

 

 ロマニ・アーキマンは、ただ。

 

「──ありがとう」

 

 そう言った。

 カルデアのトップ、人理を背負う者として。

 前線に出て戦えない、無力な医者として。

 彼に希望を繋げてもらったことに感謝し。

 

 そして、ロマニは語りだす。

 希望を掴むための未来の話を。

 

「それでは、作戦を説明する。特異点──それは、本来なら辿るハズの歴史を辿らなかった世界。人類の歩みを決定づけた歴史……戦争、開拓、発明、あるいは日常。それらが通常とは異なる道・選択肢を歩んだことで、現在の世界は崩壊した。タイムパラドックスと言い換えてもいい」

 

 つまり、特異点の修正こそが救世の必須命題である、と。

 

「マスター藤丸立香とそのサーヴァントであるマシュ・キリエライト。キミたちの任務は、この特異点にレイシフトして歴史のズレを修復すること。あるべき道・選択肢に戻し、焼却された世界を元に戻してほしい。それが、人類を救う唯一の手段だ」

 

 藤丸立香は覚悟する。心の中、燃える炎に従って。

 

 マシュ・キリエライトは奮起する。己の使命と、隣に立つひとを守るため。

 

「これよりカルデアは、前所長オルガマリー・アニムスフィアの遺志を継ぎ、人理継続という尊命を全うする。これはカルデア最後にして原初の使命──」

 

 そうして、ロマニ・アーキマンは……既に滅びた世界の救済を、声高に掲げた。

 

「作戦名、人理守護指定:グランドオーダー

 

 それは。

 壮絶なる旅路。

 未踏への航海。

 暗闇の荒野のように進む先も分からず。

 嵐の海へと飛び込むように危険だらけ。

 希望があるかも分からない。絶望しか待っていないのかもしれない。

 それでも。

 どんな暗夜にも星が輝くように、この旅路にも希望は残されているハズだ。

 ならばこそ、それを目指して進むのだ。

 

「最初はここだ。"百年戦争"の真っただ中であるこの時代に、歴史の歯車を狂わせる特異点がある。君たちの次なるレイシフト先は──」

 

 そうして。

 数多の不安、幾多の困難、そしてまだ見ぬ苦難苦闘。

 それらを確実に感じながら……それでも藤丸立香は、希望を捨てず進むと決意して。

 

「──西暦1431年、フランス・オルレアン」

 

 彼が英雄へと至り、そして()()()()()()()()()()──その旅路は、始まった。

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