この作品は、小説家になろう様とのマルチ投稿的なナニカです。正確に言えば、初めて描いて投稿した拙いモノだったので、加筆修正したモノです。あちら様のと内容は大きく変わりません。
久しぶりに誰とも一緒にいない、完全なるお1人様で家に帰宅した。最低ツーマンセルで行動しているようにしているから、こういう日は本当に稀だった。
「ただいま〜……まあ今日は誰もいないだろうけど」
時刻は午前10時。今日は朝食をとれていないので、かなりお腹が空いている。けど、本当に久しぶりに家に帰宅したから、多分保存食しかないだろう。それでも缶詰の1つくらいはある、と思ってたんだけど。
「パスタ麺しかない、か……」
むう、困った。何か缶詰があれば手早くソースも作れたのに。
ちなみに、缶詰があった場所にはメモ紙が置いてあり、それには、
〈缶詰食べたぞ 最愛の姉より ○年○月○日〉
ご丁寧に食べた日付まで書いてあった。最愛の姉の茶目っ気なのは分かってるけど、ちょっとだけイラっとした。お腹空いてるからね、仕方ないね。
さて。なんにしても食材がない。さすがに塩茹でパスタのみでは物足りない。そして今は1人。
つまり――誰に気兼ねすることもなく、自分が1番好きな食材を使った料理を食べられる。
で。僕が1番好きな食材は、トマト。手元には乾麺のパスタ。
「トマトのパスタにしよう」
というわけで、スーパーに手早く行って手早く買ってきた食材がこちらになります。
「トマト、フレッシュバジル、松の実、ニンニク、鷹の爪、モッツァレラチーズ、オリーブオイル。あと家にあったパスタ」
食材確認終了。さあ、調理開始! ……っと、その前に。
「数ヶ月ぶりに使うから、調理器具を洗わないと……」
ヨシッ。今度こそ、調理開始!
まず、水を張った鍋を火にかけておく。
次に即席バジルソース作り。フレッシュバジル・ニンニク・松の実・オリーブオイルをフードプロセッサに入れて、スイッチオン。
ウィンウィンウィン
「……ふふふ……よし、こんなもんかな」
出来たバジルソースを小鉢に移し、フードプロセッサを軽く洗う。まだ鍋は沸騰しない。
フライパンを火にかけて熱しオリーブオイルを引き、少し経ったらみじん切りにしたニンニクと種を取った鷹の爪を投入。弱火でじっくり熱し、いい匂いがしてくるまでしばし放置。その間にトマトを適当に刻んでおく。
刻んだトマトを小鉢に移し、まな板を洗い終えたところで鍋が沸騰。ちょうど香り立ってきていたフライパンの火を一旦止める。
鍋に塩を適当に入れ、麺投入。麺同士がくっつかないようにまぜまぜまぜ……少ししんなりしてきたところで混ぜるのを止め、フライパンの方を再点火する。
フライパンから鷹の爪を取り出し、刻んだトマトを入れて煮立つまで混ぜながら炒める。一煮立ちしたところで塩胡椒で味付けして、味見……うん、いい塩梅。バジルソースを入れて軽く混ぜてから火を止め、麺が茹で上がるのを待つ。
記載された茹で時間より少し早めに麺をあげ、フライパンに麺と茹で汁を加えてから再点火、弱火で軽く混ぜ合わせる。最後に適当にちぎったモッツァレラチーズを入れて、さっと混ぜ合わせたら数秒放置。
パスタ皿に移し、フレッシュバジルを乗せて。
「カプレーゼ風パスタ、完成!」
「あ゛〜……お腹空いた〜……」
ちょっと可愛くない声を出しつつ席に着く。ん〜見た目も香りも美味しそう……これって自画自賛になるんだろうか。まあそんなことよりトマトトマト〜!
「いただきま〜す」
ちゅるちゅる、もぐもぐ……ごくんっ
「うん、おいし〜!」
空腹も相まってか、余計に美味しく感じる。やっぱりトマト大好き。
「はふ……もぐもぐ、もぐもぐ……ふぅ」
無心で半分くらい食べて、ひと息つく。
(おいしいなあ……おいしい、けど)
物足りない。初めて作る料理でもないし失敗もしてない。でも。
「誰かと一緒に食べてる時の方が、やっぱり美味しく感じるね……」
僕は、誰かのためにご飯を作ってそれを一緒に食べる時が、1番食事を美味しく感じるらしい。
まあ今日は仕方ない。みんながみんなそれぞれの予定があるんだから、こう言う日もたまにはある。
それに、今作ったものが不味いわけじゃない、というかとっても美味しい。1人で食べる事で味に全集中も出来るしねー。トマトおいしー。
「まあ。お1人ご飯も、たまになら悪くはないかな」
たまになら、だけど。
さて。午後は何しようかなー。掃除は……テーブルに埃とか積もってなかったし、我が家のメイドさんがしていてくれたようだし。となると、他の部屋も綺麗だと思って良い……あー。
(倉庫部屋もお掃除してくれてるだろうけど、箱に入った荷物とかには流石に手を付けてないはず……ふむ。暇潰しがてら、お片付けといきますか)
ちなみに、この小説通りに調理を進めれば、多分ほぼ同じ物が出来上がります。料理の出来る方でトマト好きな方は、是非試してみて下さい。