「星野アイ。私の好きなアイドルです」   作:ネオマフティー

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今回は短編2話分にしました。
理由としては、あかねちゃんの話しを書こうとしたところ、今も生きている『アイ』をあかねちゃんがトレースして演じているうちに、『アイ』を再現し過ぎて何故かアクアへの恋心と一緒に母性まで獲得してしまうというカオスな謎の怪文書が爆誕してしまったためです(アカン)
封印すべきか公開すべきか……
なにより、好感度一段階ずつ位上昇させてる光のアクアが強過ぎる……



「生存IF√。私の好きな言葉です」 短編集③

 

 

 

その3 『星を継ぐもの』

 

 

 

“一番星の生まれ変わり”とも称された伝説のアイドル『アイ』。彼女の所属するアイドルグループB小町は、かつてはドームに立つ程の爆発的な人気を誇っていた。

 

しかし、『アイ』がグループを卒業したことによって人気の落ち込んだB小町は、ついにグループを解散してしまった。

 

やがて、人々の間では、アイドルとしての『アイ』ではなく、女優としての『アイ』の名の方が知られるようになっていった。

 

そんな中、誰よりも『アイ』の近くでその輝きを見てきた、一人の『アイ』に憧れる少女が再びB小町を復活させようとしていた。

 

 

 

 

 

 

sideルビー

 

私の名前は星野ルビー。

私には友達にも言えない秘密が二つある。

一つは、私の母親が世界で一番の伝説の元アイドルであり、今は人気No.1の女優のアイであること。

そしてもう一つ。私には前世の記憶がある事。

生まれた時から身体が弱く、人生の殆どを病院で過ごした前世の記憶。

楽しみと言えばドルオタの活動くらいで、特にアイドルのアイにのめりこんだ。

私の命の灯火が消えるその時も、頭の中ではアイの歌声が響いていた。

 

「私はママみたいになる!」

 

「なら、早くメンバーを集めないとな」

 

「お兄ちゃん!」

 

お兄ちゃんは、一時期思い悩んでいたようだったけど、今ではすっかり晴れたように元気になった。

元気になりすぎて、最近ではぴえヨンさんと筋トレ始めたり、武術を習い始めた時は少しびっくりしちゃったけど……

 

『アイやルビーを守るためだ。もう同じ轍を踏みはしない』

 

そう言ったお兄ちゃんはちょっとカッコよかった。

役者としても順調に出演作を増やしながら、医者になるための勉強も欠かさない私の自慢のお兄ちゃん。

私が困っていた時も、最後にはいつもお兄ちゃんが助けてくれていた。

 

 

でも、何故だろう。

最近は、そんなお兄ちゃんの姿を見ていると、どうしてもゴロー先生の姿が重なって見えてしまう。

 

「早く会いたいな。ゴロー先生……」

 

思い出すのは前世の記憶。

私がずーっと一人だった(天童寺さりなだった)時に側に居てくれて、いつも励ましてくれた人。私に生きる意味をくれた、私の大好きな先生。

生まれ変わって星野ルビーになった今でも、その思いは変わらない。

 

まあ、ゴロー先生はもっとかっこいいし優しいから見間違いだよね。

 

まずは、一刻も早くアイドルにならないと!

 

だけど、ママが卒業してからB小町はまさかのグループが解散。

やっと私がアイドルになって復活したと思ったら、まさかのメンバー0人だった。

 

「ミヤえもーん!早く私をステージに立たせてよ!」

 

とりあえず、ミヤコさんに頼むことにした。

 

「事務所では副社長って呼ぶ約束でしょ…」

 

ミヤコさんは今では苺プロの副社長だ。

ママのおかげで苺プロはトントン拍子で大きくなり、そこに壱護さんもぴえヨンさんを始めとする新たな有力タレントを迎え、育てることでママの力だけに頼らない体制を構築していくことでどんどんビジネスを拡げていった。

その結果ミヤコさんは仕事でとても大忙しだけど、最近のミヤコさんはとても楽しそうに仕事をしているように見える。

 

「アイドルグループ作ります…はいオーディションってわけにもいかないの。ちゃんとしたグループ作るにはちゃんとしたスカウト雇ったり手続きがいるのよ」

 

特にうちの事務所は、昔アイの件で色々あったから審査は厳しくするつもりよ。

 

そうミヤコさんが私に説明してくれた。

ずっとママを側で見て来てわかったことだけど、アイドルは決して光に満ちた明るいだけの仕事じゃない。

それでも、私はママみたいに輝くアイドルになりたい。

 

あと、このままじゃ……このままじゃ仕事なさすぎて芸能科のクラスでいじめられる!

 

こうなったら……奥の手だよ!

 

プライドを捨てたルビーは、双子の兄であるアクアの部屋へと向かった。

 

「お願いお兄ーちゃん!フリーで可愛くてアイドルになってくれそうな子連れて来て!」

 

その言葉を聞いて、アクアはルビーの方をじっと見つめた。

 

「……アイドルほどコストとリターンが見合ってない仕事も中々ない。それでも覚悟はあるんだな」

 

「あるよ!」

 

「例えアイドルになってもアイのようになれるとは限らない。それでもか?」

 

「絶対になるから!それに、ママが言ってくれたもん!私ならママより凄いアイドルになれるって。だから、私はどんな事があってもママみたいに輝くアイドルになってみせるよ!」

 

そう言い切ったルビーをアクアはどこか眩しそうに見つめた。

 

「………わかった。幸い一人あてがある」

 

ルビーの双子の兄、星野愛久愛海(アクアマリン)

彼は、正真正銘の立派なシスコンに成長していた。

 

「やっぱりお兄ちゃんは世界で一番頼りになる!」

 

そう言って、元気に走り去って行くルビーを見送ったアクアは、その真っ直ぐで純粋にアイドルを目指す妹の姿に、前世で出会った1人の女の子の姿を重ねた。

 

「さりなちゃん。もしも君が生きていたら、きっとルビーのようになっていたのかもな……」

 

雨宮吾郎と天童寺さりな。最も近く、最も遠い所にいる前世で出会った二人は未だ出会えずにいた。

しかし、二人の運命の距離は、次第に近付きつつあった。

 

 

 

後日……

 

しばらくして、お兄ちゃんがメンバーになってくれそうな子を呼んで来てくれた。

 

「お待たせ、アクア………!!」

 

お兄ちゃんが連れて来たのはまさかの重曹の人だった。

 

「10秒で泣ける天才子役よ!!それに、悪いけどアイドルはちょっと……」

 

「頼む有馬かな。妹とアイドルやってくれ」

 

最初は嫌がっていたけど、そう言ってお兄ちゃんが説得すると、すぐにオッケーしてくれた。

この人、私の時とお兄ちゃんの時の態度が違いすぎるよ。絶対お兄ちゃんの事好きだよねこれ。

でも、アイドルになってくれるのはとっても嬉しい。よろしくね!ロリ先輩!

 

「私の名前は有馬かなよ!!」

 

こうして、新生B小町に新たなメンバーが加わった。

その後、インフルエンサーのMEMチョが加わったことで3人になった新生B小町は、ついに復活ライブを開催することになる。

 

「”復活ライブ”……私の好きな言葉です」

 

そして、かつてのアイのファン達が、再び会場へと集結した。

彼等は目撃する事になる。『アイ』の輝きを継ぐ新たな(スター)の誕生の瞬間を。

 

 

 

 

 

 

 

 

その4 『嘘と愛』

 

 

「ねえ、ママ!今のダンスどうだった?」

 

「バッチリだったよ!」

 

幼い頃からアイドルを目指すルビーは、アイによくダンスの練習を見守ってもらっていた。

そんなルビーの姿を、「まるで昔の自分を見ているみたいだな〜」と思いながら、アイは娘の成長を嬉しそうに見ていた。

 

「ねえ、私も舞台でママみたいに輝けるかな…?」

 

すると、珍しくルビーが少し浮かない顔でアイに聞いた。

 

「ルビーならきっと大丈夫だよ!」

 

その言葉を聞いてもルビーの顔は中々晴れない。

あまりにも凄かったアイの舞台での輝き。その輝きを目指すことに、さすがのルビーも少しプレッシャーを感じていたのだろう。

 

そんなルビーの様子を見て、ここは母親らしい事を言うチャンス!と考えたアイは少しアドバイスをする事にした。

 

「ルビーは『嘘』は嫌い?」

 

「……うん」

 

「そっかー。だけど、ママにとって嘘は、とびきりの愛なんだよ」

 

それを聞いて意外そうにしているルビーにアイは言葉を続けた。

 

「どんなに辛い事があっても、嘘に嘘を重ねてアイドルはステージの上でみんなに幸せを届けないといけない」

 

「頑張って、努力して、全力で嘘を吐いて…ママはそうやってママなりのやり方で、みんなに『愛』を伝えてた」

 

人を愛した記憶も、人に愛された記憶もなかった私は、愛するのが苦手だったから。

 

アイドルは偶像。嘘という魔法で輝く生き物。

アイドルとして頂点まで上り詰めたアイの語る言葉はとても重たかった。

 

「私にもできるかな……」

 

そう言って不安そうな顔をしたルビーを、アイは愛おしそうに見つめながらルビーの頭を優しく撫でてあげた。

 

「大丈夫だよ。いつかきっと、ルビーにもルビーなりの伝え方がきっと見つけられるから」

 

「最初はママと同じように『嘘』でもいい」

 

「その『嘘』が、いつか『本当』になる日がきっと来るから」

 

「だから、ファンのみんなには、笑顔で『愛してる』って言ってあげてね」

 

「ルビーのその『(輝き)』にファンのみんなはきっと応えてくれるよ」

 

その言葉を聞いて、ルビーは瞳の星を輝かせながら頷いた。

 

「うん、やってみる!」

 

「ママの娘のルビーならきっと大丈夫♪」

 

こうして、最後にアイにギュっと抱きしめられたルビーはすっかり自信を取り戻した。

 

「なら、さっそく練習しないとね!」

 

そう言ってアイの方へと向き直ったルビーは、満面の笑みを浮かべて言葉を紡いだ。

 

「ママ、愛してる!」

 

それは、心からの愛の言葉。まだ、ファンの人達に届けられるかわからないけれど、確かに最愛の人に幸せを届けた魔法の言葉だった。

 

「ルビー……」

 

その最愛の娘からの愛の言葉と、娘の輝きに満ちた笑顔の尊さにアイは感極まりすぎて昇天した。

 

「うちの子……きゃわ〜〜〜♡♡♡」

 

きっと、ルビーは私よりも凄いアイドルになるね。そう確信しながら、アイは愛される幸せに身を任せた。

 

「マ、ママー!!?」

 

こうして、アイドルとしての幸せ。母としての幸せ。その両方の幸せに囲まれて一度は尊死してしまったアイだったが、すぐにもっとこの幸せを満喫するために不死鳥のように蘇った。

 

「ルビー、もう一回!もう一回言ってみて!」

 

星野家は今日も幸せに溢れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





おまけ

一方、地球には遥か宇宙の彼方から、新たな外星人が訪れようとしていた。

「まもなく地球か」

その外星人の名はザラブ。
地球人類を効率的に滅ぼす事を目的とした外星人である。
ただ、ザラブは運が悪かった。
よりにもよって、ザラブが地球に到着する予定日は、より上位の外星人であるメフィラスが、とても楽しみにしていた星野アイ(推しの)主演の映画の公開日だったのだ。

「”花に嵐”……私の苦手な言葉です」

そう言って空を眺めるメフィラスの顔は全く笑っていなかった。

『シン・ザラブ』いつか公開!

選ぶのは『服従』か『瞬殺』か……
乞うご期待!

もしもアクアが恋愛相談するとしたら、誰が一番ベストだと思いますか?

  • 姫川(異母兄)
  • メルトくん(ある意味先輩)
  • 不知火フリル(妹の友達)
  • ???(頭外星人枠)
  • ???(頭日本神話枠)
  • その他
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