【アイドル】   作:マッキーガイア

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すいません、前回の後半の続きは別話に回します。データ消えた…消えた…本当、保存し忘れとかホントXXX!!!

ほんっと!!!本当!!!いやぁぁぁぁぁぁぁぉ!!!

変わりに放置してたネタ小説後書きに載せたんで許してつかぁさい


元祖【推しの子】後編

 

 

「アクアが……ごろーせんせ…?」

 

私の呟きを皆んなが見つめる。

 

「な、なんの冗談だろ…ははっ、笑えないね…」

 

私は力無くそう呟くとソファーに座り込む。

アクアがごろーせんせ…?そんな筈ない。だって今まで面影なんて一ミリも…いや、あったはあったけどそんなに目立つほどじゃ無かった。

産まれてからずっと一緒に居たんだよ?そんな私が気付かないなんて。

 

違う…違っ……

 

現実感がない。まるで夢の様だ。

なんで、なんで、そんな都合が良い事が……

 

 

「みんなごめん!ちょっと行ってくる。」

 

「ちょ!ルビー!?」

 

みんなが私を呼び止める声が響くが理由をつけて少しの罪悪感と引き換えに玄関へ急いだ。

 

確かめなきゃ、アクアがせんせなのか…それとも違うのか…

 

 

扉を開けた瞬間、冷たい冷気が肌を襲う。

マズった。部屋着のまま外へ出てしまった事を後悔するが、そんな事気に止める暇も無く走り出した。

 

 

 

見渡す、見渡す、見渡す。

流れる汗が瞳に入り、涙が滲み出た。鋭い痛みが走るが関係ないとばかりにまた走り出す。

靴もいつも学校で使う革靴を使っている為に走りにくい。運動用の履いてくるんだったと内心、愚痴りながらまたも走る。

 

 

「ーーーーッ…はぁ、はぁ…」

 

数十分後、ふと脚が止まった。ペースも考えず走りすぎた。額からは止めどなく汗が滲み出る。汗からは何処か血の香りがした。

肺に空気を急ぎで送り込むが、全然足りない。

 

汗によって左目からは涙が溢れて碌に目が開かない。

 

痛い、けど、気にしていられなかった。

 

 

「…はぁ、はぁ……此処…」

 

気付くと其処は小さい頃、アクアと二人でミヤコさんによく連れて来てもらっていた公園だった。

無我夢中で走った為にどうやって此処に辿り着いたか覚えていない。

 

確かアクアは今日、アカネさんとデートだと言っていた。アクアだって元は大人だ、デートでこんな近場にいる訳がない。

だけど……だけど…

 

「…此処にいる気がする。」

 

そう誰かが、私の背中を押してくれた気がした。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

悲劇とは最高のエンターテイメントである。

 

 

何故なら、様々な映画やドラマで悲劇は題材となり得るからだ。有名な物で言ったらタイタニック号沈没だろうか、処女航海で多くの人間と共に沈んだ大型観光船。その悲劇は小説にも映画にもなり、映画は歴史的大成功を収めた。

死人に口無しとはこのことか…別に非難するつもりは全く無い。実際、俺自身やろうとした事でもある。

 

復讐が終わってしまった今、俺はやる事を見つける事に奔走していた。数週間前に動画サイトに投稿された【アイドル】という曲、多分あれは俺たちの転生に深く関わっている。歌詞の中に混ぜ込まれた事実。それが事実だと知る人間はそうは多くないはずだ。

 

故に一つの可能性に気づいたのだ。

 

あれが…『異世界通信』がもし本当の異世界の物をこちらに持ってきていた場合、俺たちの人生は大衆娯楽となっている可能性があると言う事に。

 

つまりアイの死も俺の苦悩もルビーの幸せも全て誰かの娯楽でしかなくて、自分はその誰かを楽しませるだけの駒でしか無いんじゃないか。

 

この説は暗に【アイドル】が示していた。『【推しの子】ノンクレジットオープニング版』……これは【アイドル】の数日後に投稿された一分半程の動画だ。だが、そのクオリティーは凄まじく絵の美しさは半端ではできない。

しかし、問題はそこじゃない。最初のカット、あそこを知っている。殺風景な部屋にテレビの前にだけグッズが沢山飾ってある。そのグッズは全てB小町のアイのグッズだった。

ああ、あれは…そう『さりなちゃんの病室』。

ずっと昔に死んでしまった少女が死に際まで居た部屋だった。

 

つまり、奴らは俺の人生を知っている。多分未来までも…

 

俺はこの転生についての仕組みを調べる事にする。

生まれた直後にアイに抱かれながらそう決めた様に……

 

 

 

 

ーーーー違う。

 

 

 

 

何を終わった風に思っているんだ。

 

【アイドル】が"教えて"くれただろ。まだ復讐は終わってない。

もしこれが大衆娯楽であるのならば"こんな終わり方"許される筈もない。

それに……見落としている箇所に覚えはあるだろう?

ワザと目を逸らして答えに遠ざかっているのは気づいている筈だ。

 

 

 

ーーーー違う。

 

 

復讐は終わった。消化不良ではあるが、俺の腹違いの兄でもある、姫川大輝の父『上原清十郎』の死を知った今、俺の復讐は復讐を成せず終わったも同義。

もうこれで終わりだ。

 

もう透明な誰かを憎まなくて良い。

 

もう自分の人生を削らなくて良い。

 

もう終わりだ。

 

もう……十分だ。

 

 

 

幸せになりたい。

 

 

 

誰かの片棒を担ぐのはもう疲れた。俺の人生に必要が無いものまで担いで何時になったら俺は幸せになれる?

前世が幸せかと問われれば充実はしていたがNOだと答えるだろう。誰かに流されて生きる日々。

 

 

もう良いだろ。

 

 

愛してくれる人は見つけた。

 

大切な家族も居る。

 

十分に幸せを享受できる環境は整っている。

 

 

 

 

 

じゃあ、何故俺はこの公園のベンチに一人で座っている?

 

 

 

 

黒川あかねはどうした?

 

 

 

「………っ…」

 

 

 

本当に…復讐……をしたくないの?

 

 

 

「……もう嫌だ…」

 

 

本当に…?

 

 

「……嫌だ。」

 

 

嘘を吐いてる。お前は自分の心にまで嘘を吐くのか?憎くて憎くて仕方ないんだろ。

"アイツ"を殺さないと終わらないって気づいてるんだろ?

 

 

「それでも……もう良い。」

 

 

奴がのうのうと生きている事が許せなく無いのか?

 

 

「…………うるさい。」

 

 

 

 

 

 

「うるさい!うるさいっ!!うるさいっっ!!」

 

 

 

 

脳を掻きむしる。

脳の裏にこびり付いている虫を掻き出そうと頭を抱えた。

 

彼女は、黒川あかねは気付いていた。俺の父親という存在が未だ生きている事に気付いていた。彼女と話してそのことを言ってくれなくても気付いた。だから俺は逃げ出したんだ。

 

事実から目を背ける為に…

 

 

涙が溢れ出てる。

 

 

星野アクアが泣き叫んでいる。

『星野愛久愛海』は親想いの可哀想な少年だ。母親が大好きなのに母親が見た事もない父親に殺されてしまった。

じゃあ、どうする?母親想いの星野愛久愛海はどうしたら良い?

 

そうだ……そんなに母親想いならば"当然"復讐するに決まっている。

 

俺は今、星野アクアだ。星野アクアは星野アイの自慢の息子だ。

だから、俺がしなくちゃならない。

俺が星野アクアを演じなくちゃならない。だってそれが星野アイの願いなんだから。

 

そこに雨宮吾郎は存在しない。

 

俺は星野アクアだ。それ以上でもそれ以下でも無い。

 

 

だから…

 

 

 

だから………っ…

 

 

 

だから…………っ!

 

 

 

 

「お兄ちゃん!!」

 

 

 

 

「……っ!?」

 

 

 

深く沈んでいた意識が覚醒する。

いつの間にか雨が降っていたらしく、服がビチャビチャになって肌に張り付いてくる。天気予報は当たらなかったらしい。少し気持ち悪い。

いや、そんな事どうでも良い。今、誰か俺の事を呼んだような。

 

「お兄ちゃん。風邪引くよ。」

 

「………ル……ビー…?」

 

見上げるとそこには俺と同じ様にずぶ濡れになった双子の妹、星野瑠美衣の姿があった。

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

震える様な寒さを越えて公園の東屋のベンチに辿り着く。特にルビーは部屋着のまま此処に来たらしくとてつもなく寒そうに見えるので鞄に入っていたタオルを頭にかぶせた。

 

 

雨に濡れた髪が俺の右目を隠している。そこには母親であるアイと同じ星があるが今はあまり触れたくなかった。

同様にルビーの左目も星が入っているが、今はその左目が腫れていて俺同様濡れた髪がその腫れを隠している。

 

今此処に星は無い。

 

別にそれに意味もないが、何処か新鮮だった。

 

 

「どうしたんだ。ルビー…?こんな時間に外になんか出て。」

 

「アクアを探してた。」

 

拗ねる様にルビーはそう呟く。

その返答に俺は少し困った様に返した。

 

「俺を探していた?」

 

「うん、アクア…。アクアってさ。今幸せ?」

 

その問いかけに俺は少し驚くが、次の瞬間にはするりと答えを言っていた。

 

「幸せになるチャンスはあった。いくらでも」

 

「じゃあ、幸せじゃ無いんだ。」

 

「なんなんだこの会話。」

 

「必要だからしてるんだよ。」

 

ルビーはそう言うと

 

「私好きな人が居たんだ。」

 

と急に告白してきた。

 

「……転生前の話だよ。今だと炎上しちゃうから。」

 

「そりゃ、そうだな。」

 

今やルビーは新生B小町…アイドルだ。今から伸びるって時に炎上なんて洒落にならない。

 

「好きだったんだ。アクアが今思ってる100倍くらい。」

 

「なんで俺を出汁に使ったんだ。」

 

そう突っ込むとルビーがダメなやつを見る目で俺を見た。

 

「だってさ、アクアはそれくらい言わないとわかんないでしょ。頭は良いのに人の気持ちには鈍感なんだからさ。」

 

「…鈍感では無いだろ。」

 

「ううん、鈍感だよ。細かい所には気付くのに大事な所に気付いてない。

でも、1番鈍感なのは自分に対してかな…」

 

そう俺に言うとルビーは服の裾を絞り出した。

 

「私、病気で死んだんだ。」

 

「前世の話はしないんじゃなかったのか?」

 

「たまには良いじゃん。」

 

語り出したのは前世の記憶、ルビーがあまり話したがらなかった記憶だ。

言いたく無かった理由に俺はあまり深い意味が無かった事を知っている。

 

「私、生まれた時から身体が弱くてさ。いっつもベッドの上で過ごしてたんだ。あの時は本当にいつ死んでも良いって思ってた。

良くお医者さんに生きる意味を探しなさいって言われたけど。生きる理由を探すって言ったって私の手元に残ってるのはママのキーホルダーくらいで他は何にも無い。ホント、死んだ方がマシだったんだよね。」

 

「ある時、私は地方の病院に移された。

最初は死ぬ場所が変わるんだくらいに思ってたんだ。今思えば都会の排気ガスを吸いながら死ぬより自然の空気を吸って死んでくれればってお母さんの最後の願いだったのかな……。」

 

「その時に出会ったんだよね。その初恋の人に。」

 

ルビーはそう呟くとポケットからキーホルダーを一つ取り出した。

 

 

 

 

嗚呼……そんな馬鹿な……

 

 

 

 

それは俺が死ぬあの日まで持っていたさりなちゃんの形見のアイのキーホルダーだった。

 

「あの人は私に色んなものをくれた。

前世のお母さんがくれなかった愛だってくれた。大好きなんだ。本当に、本当に。私の現世での生きがいだった。」

 

そこまで呟くと俺の驚く顔を見て少し笑ったのち呟いた。

 

 

「………やっぱりそうだ。こんなに近くに居たんだね。せんせ。」

 

 

瞬間、瞳には涙が滲み出し、思わず彼女の身体を抱きしめた。

思わず強く抱きしめ過ぎて身体が折れてしまうんじゃないかと思うくらいの勢いだったと思う。

 

涙が止めどなく溢れ出て声にもならない様な声が辺りを響く。

 

多分、生まれて初めて俺は泣き喚いた。

 

「大丈夫、大丈夫だよ。せんせ。」

 

耳元でそう宥める様な声が聞こえるが、その声もだんだん歪んでいき、最終的には声が消えて、涙だけが俺の肩を伝った。

 

「大好きだよ、せんせ。」

 

雨宮吾郎は確かに此処に居た。

 




海外ネタMADを小説に。

 
『ピンポーン』
 
と気が抜ける様な音が玄関から漏れる。
星野アイはその音になんの疑問も無しに「社長かな?」
と呟いた。
今日はB小町の念願のドームライブ開催日である。1番楽しみにしていたのは他でも無い斉藤社長だとアイは思っていためか、何気無しに張り切ってるなぁなんて思いながらアイは玄関に向かう。
 
「は〜〜い。」
 
気軽な返事だ。それはもはや社長達だと確信した様な声だった。
 
ガチャッ……
 
扉を開けて外を覗き込む。すると視界には一面の白い花束が広がった。
 
「ドーム公演おめでとう。双子の子供達は元気?」
 
フードを被った男が1人花束を片手に立っている。
瞬間、白く光輝く何かがチラリとアイの視線を横切った。それが何かは直ぐに分かった。
細く…綺麗で…見惚れる程の銀色だった。
その昔、吸血鬼は銀のナイフを使い殺されたと言う。
アイは嘘の愛をばら撒き、信者を増やした。この様な危険な人まで…その出立ちはまるで吸血鬼の様だと内心自評した。
これが嘘吐きの末路か、それも良いかも
どうしようもなく嘘が大好きで、どうしようもなく嘘を吐く自分自身が嫌いで、でも嘘こそが愛だと本気で思っている。矛盾に矛盾を重ねた様にその事に疑問を持っていない。そんな人間にはロクな結末が待っているはずが無いとはっきり知っていた筈だ。
あ…でも…とドアの向こうにいる子供たちを思い出す。
 
もう少し…一緒に居たかったなぁ……
 
 
 
 
パキィッンッッ!
 
 
 
 
瞬間、銀色の花弁が空を舞い、カランカランと地面に落ちた。
 
「………え?」
 
思わずアイは細く声を上げた。
…アイに向けて突き出された筈のナイフには刃先が消えていた。断面はまるで叩き割ったかの様なヒビが入っている。
まるでアイに刃先が届く前にナイフがへし折れたかの様に…
 
 
「スタープラチナ…ザ・ワールド。」
 
 
低く唸る様な、そんな声が響いた。
その声の主は二つ隣の扉のそばに立っていた。学生服に今どき珍しい学帽を被ってこちらに右手の人差し指を向けている。少なくともここ周辺の学生では無いだろう。最近越してきたとは言えその強烈すぎる相貌にアイは見覚えがなかった。
 
「ぐっ…うぅっ…」
 
ナイフを持っていたフードの男はいきなりの衝撃だったのかナイフを持っていた方の手を唸りながら押さえ込む。
しかし、そんな事はどうでも良いと言わんばかりに学生服の男はその仕草を睨みつける。
 
「見下げ果てたもんだぜ。まさか俺との戦いの最中に女を襲うとはな…」
 
男はこちらに向けていた右手を下げて自身の学帽の鍔をなぞるとフードの男を見て少し驚いた様に目を見開く。
 
「……テメー、まさか別人か…?
またメンドーな事に頭を突っ込んだって訳だ。
やれやれだぜ。」
 
「だ、誰だよオマエ!!まままさかお前が!アイの!?」
 
ストーカー男が吠える。ただそれに対して学生服の男は慣れたとばかりに面と向かって啖呵を切った。
 
「テメーが何を言いたいか分からないしそこの女がテメーに何をしたのか知らねぇ…だが
俺のするべき事は分かる。」
 
帽子の鍔に触れていた指を再びこちらに向ける。
 
「スタープラチナ!!」
 
そう吠えるとストーカー男は学生服の男に向けて走り出した。
 
瞬間、何かが風を切る。
 
 
「オラァァ!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラッーーーーーー!!!」
 
無数の打撃音、だがその正体は見当たらない。ひたすらにフードの男に打撃痕が増えるのはわかるが、そこに殴った誰かは居なかった。
 
 
「ブッ飛びな!」
 
上空で数秒舞った後、地面へ落下するフードの男。何メートル飛んだだろうか。
次の瞬間にはドシャアアッッ!!と破壊音を立てながらひしゃげた手すりに寄り掛かるフードの男の姿があった。
額や口からは大量の血液がぶち撒けられてとても立てる状態では無い。
いわゆるリタイアだった。
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


承太郎はなんだか知らないんですけど、何からでもぶん殴って助けてくれそうって言う何かがあるんすよね。
どんな鬱展開でもオラオラで切り抜けてくれそうって言うか。MADでは仗助も出てましたがカットです。

ここからジョジョのクロスを連載してやろうと思っていた企画でしたが、なんかセリフ回しが似なかったので却下です。承太郎のセリフが長すぎ問題って感じっすね。
転生者の『空条承太郎(仮)』は戦う時だけ気弱で情けない自分を隠す為に家族構成も外見もそっくりな転生前にハマっていた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の主人公である『空条承太郎』を演じて悪さをする転生者をブチのめすって内容でした。
一応この中の設定でも別の転生者に間違いで大人にさせられてパワーアップさせられてしまった状態で戦っているって状況で本来はアクアやルビーと同い年くらいです
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