仮面ライダーギーツ アナザーワールドジェネレーションズ 作:Naniro
「お前、あの野郎の知り合いか!」
天龍がエースに掴みかかるが、エースはそれを引き剥がす。
「お前達の提督がジャマトを倒しに行ってるぞ。援護はしないのか?」
艦娘達は誰一人その場から動こうとしない。
「あんな奴を助けろっていうのか?俺達がどんな目に遭ってきたか…!」
「それは前の提督だろう。今の提督は違う。それは目の前で見て来たお前達が一番分かっているはずだ」
すると比叡が立ち上がり抗議する。
「そう簡単に信じろと…!」
「現に廃人だったお前の姉の金剛が話せるようになるまで回復したのは誰のおかげだ?」
「……」
進の看病が金剛をここまで回復させた事実に比叡は黙り込む。
「結局お前達はなにがしたいんだ?提督いびりをしたいだけなのか?お前達の為にこれほど尽くしてくれているというのに」
「そ…それは、前の提督のことでまだ信じられなくて──」
「それを盾に言い訳してんじゃねえ!!」
雷が口答えしようとしたところをエースが怒鳴り、黙らせる。
「確かにお前達は前任者の提督によって酷い目にあわされた。それは紛れもない事実だし、同情もする。だがな、俺が気に入らないのは純粋にお前達と向き合い、心を通わせようとしているあいつにこれまでの恨みをぶつけていることだ!!あいつがお前達に何かしたか!?お前たちの行為はガキ共がやるいじめと何ら変わらない!!」
「「「……!?」」」
「なんだとてめぇ!」
「じゃあ聞こうか天龍とやら、あいつはお前に対して何か酷いことしたか?一つでもいいから言って見ろ」
「それは……」
天龍は何か言おうとしたが、進から受けた酷い仕打ちは一つも思い浮かんでこなかった。エースは溜息をつく。
「人間は愚かだが、お前達も充分愚かだな。あの前任者と同じ…いや、それ以上に汚れている。恩を仇で返すとはまさにこのことだな。これではこの先、人間と艦娘はいがみ合う不幸の連鎖が続く。お前達がいつまでも過去を引きずっているからな。許せない気持ちはわからなくはないが、誰かを憎む前に今一度考えることだ。本当にお前達を思ってくれている人がいることをな」
「「「……」」」
「俺はあいつの援護にいく。お前達は行く気がないならそれでもいい。だが、今の状態じゃ、いずれこの地は深海棲艦とジャマトに蹂躙されるのは時間の問題だな」
そう言い残し、エースはコマンドジェットバックルを取り出し、デザイアドライバーの右側に装填する。
SET
「変身」
GREAT
READY FIGHT
RAISING SWORD
仮面ライダーギーツ レイジングフォームへ変身し、海賊ジャマトを倒しに向かった。艦娘達はその場で立ち尽くしていた。
「そういうことだったんデスネ…」
その声に艦娘達は振り向く。そこには壁に手を着いた状態で立っている金剛の姿があった。
「お姉様!?」
「金剛 !!」
「皆…提督に対してそんな態度で接してたんでデスネ…。道理で提督の顔色が悪いわけデス…」
どうやら先程の話を聞かれていたようだ。すると金剛は外へ行こうとする。
「お姉様!?どこへ!?」
「提督の…援護に行きマス…」
「無茶です。それにジャマトは彼の仕事です。私達が行っても──」
「そうやって行かない理由を作ってるだけじゃないデスカ?恩を仇で返したままにするつもりデスカ!?それじゃあ私達はあの前任者以下デス!!」
「金剛…」
「金剛さん…」
「お姉様…」
金剛は他の艦娘達の制止を振り切って出ていった。残された艦娘達は進のことを思い返した。それは前任者とは違い、彼は彼女達が傷ついたなら無理に出撃させず、治療を優先させ、失敗しても決して咎めることはなかった。そして設備を自ら整備し、彼女たちがいつでも使用できるようにしていたのだ。
「…なにをやっているんでしょうね。私達は…」
沈黙を破ったのは加賀だった。彼に当たってもどうしようもないということに今更気付いたのだ。
「ちくしょう!!大馬鹿野郎だったのは俺達かよ……!!」
天龍が壁を殴る。いつの間にか彼女達は彼に対する憎しみは消えており、後悔と罪悪感がよぎる。そして彼女達は武装の準備を始めた。
◇
ギーツはギンペンからかいくぐってきた海賊ジャマト達をレイジングソードで斬りつけ、倒していく。そしてエネルギーが満タンになる。
「よしきた」
FULL CHARGE
レイジングソードからキャノンバックルを外し、デザイアドライバーに左側に装填し、キャノンバックルのレバーを操作する。
TWIN SET
TAKE OFF COMPLETE
JET & CANNON
READY FIGHT
ギーツはコマンドフォーム、ジェットモードとなり、空を飛びながらレイジングソードで港にやってくる海賊ジャマトジャマト達を迎撃する。
(ギンペンの動きが鈍い…!これじゃあ疲労でダウンするぞ…!)
ギンペンはギガントブラスターで海賊ジャマト達が乗っているボートを迎撃するが、明らかに動きが鈍く、何隻か取りこぼしていた。すると海賊船が大砲を撃ってきた。
「…!不味い!」
そのうちの一発がギンペンに飛んで来た。回避しようにも間に合わない。その時だった。
ドォオオオオオン!!
その砲弾が別の砲撃によって打ち消される。ギンペンはその砲弾が飛んで来た方向を見るとフラフラの状態で主砲を構える金剛がいた。
「金剛!?」
「提督…、加勢しに来まシタ…!」
「馬鹿者!安静にしてろと言っただろう!」
「提督もかなり疲れてるじゃないデスカ…!私はあなたに恩を返すために来たんデス…!」
「金剛…。なら命令だ。俺から絶対に離れるな」
「了解デース…!」
二人のやり取りをギーツは上空から様子を見ていた。
「金剛…何という無茶を…。ん?」
ドォオオオオオン!!
突如複数の砲撃が海賊ジャマト達のボートを沈め、海賊船にダメージを与える。そしてギンペンと金剛の元に艦娘達が駆け寄る。
「提督!お姉様!ご無事ですか!?」
「すみません、準備に時間をかけ過ぎました」
「比叡!?」
「加賀!?」
「俺達もいるぜ!」
比叡と加賀だけでなく、天龍、赤城、愛宕、雷、島風もいた。
「お前達、どうして…」
「提督、私達が間違っていたんです…!」
「雷…」
「提督の頑張りを私達はずっと目を背けていました。前任者にされた恨みをいつまでも引きずり、それをあなたにぶつけていた…。本当に申し訳ありませんでした…」
「赤城…」
「提督…許してほしいなんて言いません。今更遅いですがこれだけは言わせてください。私達の為にいつもありがとうございます」
「愛宕…」
「ごめん提督!私達が悪かった!この埋め合わせは必ずするから…!」
「島風」
「俺達に任せて休んでな!」
「天龍…」
艦娘達はギンペンと金剛を真ん中にして円陣を組んだ。
「いくぜ!二人に指一本触れさせるな!!」
「はいです!!」
「いきますよ。赤城さん」
「えぇ、少しでも報いないとね」
いくらジャマトといえど、海での機動力では艦娘が有利だった。ボートに乗ってくる海賊ジャマト達を次々と沈めていく。
「ジャー…ジュラピラ!ヘンシン!」
JYAMATO
海賊ジャマトの船長がデザイアドライバーでジャマトライダーに変身し、船全体に蔓が絡み付いていく。そしてジャマトライダーが船と融合する。
「なんなのあれ…」
「船がまるで生きているみたい…」
その姿は船の形をしたモンスターで巨大な口があった。
◇
「こんな芸当をするとは…さしずめ"ジャマトシップ"といったところか。ジャマトの進化もここまで来るとはな…。なら!」
ギーツはジャマトライダーが融合した船、ジャマトシップに突撃し、レイジングソードで斬りつける。ジャマトシップはギーツに狙いを定め、砲撃する。ギーツはジャマトシップの周りを飛び回り、気を引いているようだった。
「ギーツ、もしかして…」
ギンペンはギーツを観察し、一つの作戦を思い付いた。
「お前達、俺に考えがある」
「提督?」
◇
REVOLVE ON
ギーツはリボルブオンをし、キャノンモードになると、ジャマトシップに乗り、トロンキャノンの砲撃で攻撃する。ジャマトシップはギーツを振り払おうと暴れるが、ギーツはレイジングソードを突き刺して耐える。
ウィーーーーン
突如、機械音が鳴ったかと思うと、ジャマトシップの真下からリフトのようなものが現れ、ジャマトシップを持ち上げ、海面から離した。
「ジャ!?」
「海面から離してしまえば何もできまい!!」
どうやらギンペンがパワードビルダーフォームの建築能力でリフトを作製したようだ。
「撃てー!!」
ギンペンが合図すると同時に艦娘達が一斉に砲撃を開始する。するとジャマトシップからジャマトライダーが飛び出し、船のみが破壊された。
「逃がさねえぞ」
REVOLVE ON
RAISING CHARGE
TACTICAL RAISING
ジェットモードに変形したギーツがタクティカルレイジングでジャマトライダーを海に叩き落とした。
「ジャ!?」
海に落ちたジャマトライダーが見たのはギガントブラスターを構えるギンペンの姿だった。
GIGANT STRIKE
ドォオオオオオン!!
◇
ジャマトとの戦いを終え、艦娘達は進と向き合っていた。進は顰めっ面をしながら艦娘達を見ている。彼女達はどんな罰が来ても受け入れるつもりだった。
「俺から言えることは一つ、今後、報連相しっかりすること!以上!」
「え…?」
艦娘達は思っていたのと違う言葉が出てきたことで、逆に困惑してしまう。
「俺は前任者とは違う。他人よりまず自分から。自分が変わればなにかが変わる。お前達も今から変われなんて言わない。けど、人間はクズばかりじゃないと理解して貰いたい」
「「「提督…」」」
「それと天龍、お前は設備を破壊し過ぎにつき、一週間ドックの掃除を命じる」
「りょ…了解…」
「じゃあ、俺は…おとと…」
「「「提督!」」」
進は席を立とうとした瞬間、倒れそうになり、艦娘達に支えられた。
「提督!あなたはゆっくり休んでください!後は私達にお任せを!」
「え、ちょ」
「「よいしょー!」」
進は艦娘達に担がれていった。
◇
569:ペンギン提督:好感度-100
それから艦娘達が過保護になって、俺の仕事がめっちゃ楽になった。というか楽になり過ぎて俺が太ったりしないか心配。
570:閃刀ギーツ
いいじゃないか。結果オーライな感じで。
571:狼はモナドと共に
というかコテハン変えたらどうだ?もう嫌われてないだろ?
572:ペンギン提督
とりまこれで。
573:素晴らしい世界の狸
でもまあ、ギンペンニキが艦娘達と打ち解けて本当によかったよ。
574:シンフォギアナーゴ
ほぼギーツニキの説教が効いたみたいだけどね。
575:ヒーロー科のパンクジャック
スーパー説教タイム、ギーツverってか?
576:情報屋亡
突然失礼します。緊急事態です。
577:ハクビマギカ
亡?
578:ISにフォーゼキター!
マジでヤバイことになった!!
579:ありふれバッファ
フォーゼまで一体どうしたんだよ?
580:グレア司令官
もしかして、シーカーの身に何かあったか?
581:情報屋
恐れていた事態が現実になりました。
582:閃刀ギーツ
…詳しく聞かせろ。
ギンペンの事案が済んだと思いきや慌ただしくスレにやって来たフォーゼと亡。シーカーに一体何が起きたのか。この話を読みながら次回を待つべし↓
https://syosetu.org/novel/327315/8.html