仮面ライダーギーツ アナザーワールドジェネレーションズ   作:Naniro

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この回を読む前に下記の回を読んでおくことを推奨します↓
https://syosetu.org/novel/327315/8.html

やっぱりシーカーニキの回を書くのは楽しい。


39スレ目

「篠ノ之束…ISの生みの親、それぐらいは知っている。ISが世に広まるきっかけとなった例の白騎士事件もな」

 

(大角……)

 

快斗が白騎士事件の事を口に出すと、千冬は少し顔を顰める。その瞬間、快斗が千冬を一瞬睨みつけた。

 

(ブリュンヒルデ…こいつ何か知ってるな…)

 

すると束が快斗のデザイアドライバーを指をさしながら聞いてきた。

 

「お前のそのベルト、誰が作った?」

 

「…知らん」

 

「は?知らない?そんなわけないだろ。お前が持っているんだから作った人物くらい知ってる筈だろ」

 

束は不機嫌そうに快斗に問い詰めるが、快斗はそもそも誰がデザイアドライバーを作ったのか気にもしなかったし、誰が作ったのかもわからなかった。思い当たる人物はいるが。

 

「束、そこまでにしろ。これに関しては大角も本当に知らない。ある日それは突然現れて、偶然大角の手に渡ったということまでしか分かっていない」

 

「ちーちゃん、それ本当?嘘ついてるかもしれないよ?そもそもなんでこいつがIS学園なんかにいるの?こんな奴、適当に研究施設に入れとけばいいじゃん」

 

「…っ!」

 

束の快斗を物としてしか見ていないような発言に簪は束に対して不信感を覚える。すると千冬は束を鋭い目つきで睨みつける。

 

「こいつは私の生徒だ。生徒に何かしようものならお前でも許さんぞ」

 

「…まあいいや。それよりも見せたいものがあるんだ」

 

「?」

 

 

「束さんが箒ちゃんの為に開発した専用機、その名も"赤椿"!」

 

束は箒の専用機を用意してここにやって来たようだ。他の専用機持ちも目を丸くしている。

 

(なるほど、あいつは身内にはとことん甘いやつだな。そんでそれ以外は小物としか見ないタイプか。こりゃいずれ身を滅ぼすな)

 

快斗は束に気付かれないように静かに鼻で笑った。そして箒の方を見る。彼女は専用機を貰えてご満悦の様子だった。

 

「……」

 

快斗はそんな箒の様子を見て、今まで相手をしてきたISテロリスト達の見下すような笑みが脳裏に浮かび、鋭い目つきになる。

 

(気に入らねえ面だ)

 

いつの間にか快斗は箒を睨みつけていた。すると、山田先生が慌ただしい様子でやってくる。

 

「織斑先生!緊急事態です!」

 

「どうした?」

 

 

山田先生の報告によるとハワイ沖で試験稼働中だったアメリカ・イスラエル共同開発の軍用IS”銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)”が暴走し、こちらに向ってきているのでそれを専用機持ち達で止めようというものだった。快斗は蚊帳の外からそれを聞いており、呆れていた。

 

(代表候補生といえど、それを止められるほどの実力はないだろうに。それにあのISのスペック、いままで戦った中で一番強敵になりそうだ…。俺でもそう簡単にはいかないか…)

 

「この機体は現在超音速飛行を続けている。アプローチは1回が限界だろう」

 

「実質的に交戦可能なのは1回が限界…高い機動力と攻撃力を持つ機体が必須ですわね。」

 

「1回だけのチャンス…ということはやはり、一撃必殺の能力を持った機体で当たるしか…」

 

その場にいる全員が一夏の方を見る。

 

「俺?」

 

「「「「当然」」」」

 

「一夏、あんたの零落白夜で落とすのよ」

 

「織斑、これは実戦だ。もし覚悟が無いなら、無理強いはしない」

 

千冬の言葉に一夏は少し考えこんだ後、

 

「やります」

 

と答えた。

 

「よし、それでは作戦の具体的な内容に入る。この中で、最高速度が出るISは?」

 

「それでしたら、わたくしのブルー・ティアーズが、ちょうど本国から強襲用高機動パッケージが──」

 

「ちょっと待ったぁ!」

 

突如、束が上から降ってきた。

 

「ここは断・然! 紅椿の出番なんだよ!」

 

「何?」

 

「ほら見てちーちゃん!紅椿なら、すぐ超高速機動ができるんだよ!」

 

(…あいつの仕業か)

 

快斗は暴走の元凶が誰なのか察してしまった。だが、敢えて言わないでおいた。

 

「快斗は作戦に参加しないのか?あいつの戦闘力も重なれば…」

 

「今回の作戦は海上だ。地面や障害物が一切ない場所である為、大角には不利だと判断した」

 

「あぁ、そうか…」

 

「では、本作戦を伝える。篠ノ之が織斑を目標地点まで運搬。その後、零落白夜によって対象を撃墜する。作戦開始は30分後。各員、ただちに準備にかかれ」

 

千冬の指示でその場にいる人物全員が部屋から出ていく。そして箒が出てきた瞬間…。

 

「…お前、いつからそんな腹立つ面するようになった?」

 

「何?」

 

箒は快斗の方を見る。快斗は鋭い目つきで箒を睨みつけていた。

 

「専用機を貰って満足か?まるで新しい玩具を買ってもらったガキだな」

 

「な、なんだと!?」

 

「快斗!いきなりなんだよ!?」

 

突然箒にきつく当たりだした快斗に箒は怒り、一夏は動揺した。

 

「何が言いたい!?」

 

「今のお前、テロリストと同じようなムカつく笑みをしてる。本当に…腹立つ面だ…!」

 

「快斗!やめろ!」

 

一触即発しそうになったところを一夏が止める。箒は快斗の言ったことが理解できてないようだった。

 

 

作戦実行の時間になり、箒と一夏は出発の準備をしていると、簪が小声で快斗に話しかける。

 

「快斗、どうしてあんなことを言ったの?」

 

「あいつは、力に溺れている」

 

「え?」

 

快斗は顔をクイっと動かして見てみろというジェスチャーをする。そこにはやけに自身に満ち溢れた表情をした箒がいた。簪は少し納得してしまう。

 

 

結果、作戦は失敗に終わった。銀の福音の近くに密漁船が来ており、それに一夏が気を取られ、箒がそれよりも福音を優先し、一夏に諭された箒が動揺、さらに一夏が箒を庇ったことで撃墜されてしまったのだ。一夏は意識不明となり、箒は戦意喪失してしまった。

 

「作戦は失敗だ。以降、状況に変化があれば招集する。それまで各自現状待機しろ」

 

福音はその場から動かず、待機状態になっており、その状態が夕方になっても続いていた。快斗は一夏の様子を見に行くと、そこには箒がいた。

 

「大角…、お前の言う通りだった…」

 

「……」

 

「私が…私が馬鹿だった。力を手にしたあまり、周りが見えなくなっていた…。大角、お前に今の私はテロリストのように見えているのだろう?」

 

「……」

 

快斗は黙ったままだった。すると山田先生がやってきて、箒に休むよう言った。箒は最初は渋ったものの、最終的にその場を去っていった。

 

「大角君も休んでください。織斑君ならきっと大丈夫ですから」

 

「…そう…かもな…」

 

快斗はそう呟き、その場を後にした。部屋を去った快斗は外に出て、ぼんやりと夕日を眺めていると、簪がやってくる。

 

「福音…、今のところ動きはないみたい…」

 

「…知ってる。…ん?」

 

快斗は浜辺で立ち尽くしている箒を見つける。そこへ鈴もやってきていた。そして、セシリア、シャルロット、ラウラも合流する。快斗と簪は隠れながら様子を見ている。

 

「篠ノ之さん達、一体何を…?」

 

「まさか、あいつら…」

 

すると、箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラはISを展開し、飛び去ってしまった。

 

「え…!?」

 

「やっぱりか。あのISの迎撃に向ったんだろうな。馬鹿なことを…」

 

「そんな…!織斑先生に伝えないと…!」

 

簪はこの事を千冬に報告するために旅館に戻っていった。

 

 

「本当か、更識妹」

 

「はい、快斗も見ました」

 

「命令違反か…。そんな気はしていた」

 

簪は先ほど見たことを千冬に報告していた。一方快斗は簪より少し遅れて旅館に戻り、一夏の様子を見に行こうとした時だった。

 

「…ん?」

 

暗闇の中、誰かが立っていた。するとその人物はISを展開し、飛び去っていった。

 

「…まさか!」

 

快斗は急いで一夏が寝ている部屋に行く。

 

「…!!あの野郎…!」

 

部屋の戸を開けるとそこには一夏の姿はなかった。

 

 

「ところで大角はどうした?」

 

「確か、まだ外にいると思います」

 

「…大角を連れ戻し、部屋に待機させろ」

 

「はい」

 

簪は快斗を迎えに行こうとした瞬間、戸が開けられる。そこには快斗がいた。

 

「快斗…!?」

 

「ブリュンヒルデ」

 

「織斑先生だ。今は作戦中で手が離せない。後にしてくれ」

 

「一夏が…いない…」

 

「…何!?」

 

 

一夏は第二形態移行(セカンド・シフト)した白式を纏い箒達の援護に向かっていた。新しい技を身に付けて。

 

「一夏…?」

 

「あぁ、待たせたな」

 

「一夏!体は…!傷は…!?」

 

「大丈夫だ。戦える」

 

「よかった…!本当に…!」

 

「なんだよ?泣いてるのか?」

 

「な、泣いてなんかいない!」

 

箒は一夏が来てくれたことに涙を流す。一夏は箒がいつも髪を結ぶときに使っているリボンを渡すと、セシリア達と合流するために飛び去っていった。そして、箒も後を追った。

 

 

「通信はまだ回復しないんですか!?」

 

「無駄だ。恐らく連中の方で切っている」

 

旅館の一室を借りた簡易的な指令室で山田先生達は一夏達と通信を試みる。だが通信を切られているようだった。

 

「…やむを得ん。少し席を外す」

 

「織斑先生!?どこへ!?」

 

「…交渉だ」

 

 

赤椿の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)である絢爛舞踏で白式のエネルギーを回復し、一夏は零落白夜で福音に斬りかかろうとするが、そう簡単にうまくいくものではない。セシリア、鈴、シャルロット、ラウラも援護してくれるが、それでも終始圧倒して見せる程だった。

 

ドォオオオオオオン!!

 

「なんだ!?」

 

突如飛んで来た光弾が福音に当たり、怯む。すると海上から足場やレーンなどが生成されていく。

 

「これは、まさか…!」

 

一夏達は光弾が飛んで来た方向を見る。そこにはレーンの上を滑りながらこちらにやってくるギガントブラスターをもったシーカーがいた。

 

「「「快斗/大角/君/さん!!!」」」」

 

「…ふん」

 

シーカーは一夏たちと合流する。

 

「快斗!来てくれたんだな!」

 

「お前の姉貴に頭を下げられたんだよ。全く面倒なことに首突っ込みやがって…。これは高くつくからな」

 

「大角…その、私は…」

 

「目の前に集中しろ!戦闘中だぞ」

 

箒はシーカーに何か言いたげだったが、シーカーに注意され、福音に集中する。

 

「言っとくが俺は場所の関係上、いつもの動きはできねえから期待はすんなよ?」

 

「問題ない。快斗は撹乱と回避に専念してくれ!」

 

福音から弾幕が放たれ、シーカーが生成した足場が壊されていく。シーカーも足場を生成するが、海の底から海上まで建築する為、生成が間に合わない。

 

「っ!!クソ!!」

 

「大角!掴まれ!」

 

ラウラはシーカーに向ってワイヤーブレードを伸ばす。シーカーはアームを展開してワイヤーブレードを掴み、ぶら下がった状態になる。

 

「大角、撃て!」

 

「俺に命令するな!」

 

GIGANT STRIKE

 

ドォオオオオオン!!

 

ギガントブラスターの必殺技が福音にヒットし、福音は大きく怯んだ。その隙にセシリア、鈴、シャルロット、ラウラが同時攻撃したことにより、遂に動きが鈍くなる。

 

「逃がすかよ!!」

 

福音の真下に足場が出来上がり、そこにシーカーが着地し、アームで福音をガッチリと掴んで拘束した。福音はシーカーから逃れようとシーカーに向って容赦なく弾幕を浴びせる。シーカーの乗っている足場が壊されていき、シーカー自身もこれにはかなりこたえているようだ。

 

「ぐうぅ…!!」

 

「快斗!」

 

「何をしている一夏!やれーーーー!!!」

 

「っ!!うおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

一夏は零落白夜を発動させ、福音に強烈な一撃を浴びせた。福音のSEは0になり、ISが解除され、操縦者が姿を現した。

 

「「「「「やったぁぁああああああ!!」」」」

 

いつの間にか夜が明けており、朝日が一夏達を祝福してくれているようだった。

 

「やったな!快斗!」

 

「……」

 

「…快斗?」

 

一夏がシーカーに駆け寄るが、シーカーから返事はない。するとシーカーは糸が切れたかのように倒れ、そのまま海に落ちてしまった。

 

ドボォオオオオオオン!!

 

「「「大角!?」」」

 

「大角さん!?」

 

「大角君!?」

 

「快斗!?」

 

 

「大角君!?大角君!!応答してください!!大角君!!」

 

「どうした!?大角!!返事をしろ!!」

 

「快…斗…?」

 

指令室でもシーカーから応答がなく、緊迫した空気になっていた。

 

 

「あ、もしもし?仮面ライダーを見たから座標を送っとくね~」

 

束は誰かに電話をしていた。

 




つい一気に進めちゃいました。束とシーカーニキの緊迫した空気に、銀の福音戦。そしてこれまでIS相手に負け無しだったシーカーニキが初めて倒れました。(相討ち?)そして次回…。
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