貞操逆転世界の野球で『二刀流』に俺はなる!〜ガチムチ爆乳亜人メスvs一般転生ヒトオス〜   作:鎌原 や裕

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小学生編はあと掲示板一話、外伝一話で終わります。
そこから中学生編突入です。魔法や変化球の詳しい説明はそこら辺で


貞操逆転世界外伝〜熊掌茶子〜

 私には、生まれた時からずっと一緒の幼馴染がいる。

 

 王谷勝平。私はとてもとても親しいので、(しょう)ちゃんと呼んでいる。

 私が自分を自分と認識したその日から、ずっと一緒にいる男の子。

 

 本来なら国から手厚く護られるはずの男性である勝ちゃんは、小さい頃から男の子っぽくない男の子だった。

 やたら活発だし、やたら遊びに誘ってくるし、笑顔の絶えない子供。

 

 亜人種の中でも身体が大きい『熊人(ベアード)』で威圧感もあるし、オマケに私自身マイペースで独特な間があると自分でも自覚している。

 そんな気難しい子供だった私とも、ずっと一緒にいてくれた。カッコ良過ぎる。

 

 思えばそんな私が勝ちゃんの側にいたから、自ずと勝ちゃんの元へ近づいてくる奴も減っていたのかな。

 それでも、どうしても男の子とお近づきになりたい女は小学生のガキンチョであっても存在する。

 

 主に夜魔の類や、男好きする亜人種の血族。

 アイツ等はしつこい。一度、私の名前を使って強引に勝ちゃんに近づいたことすらある。

 獣人の憤怒を舐めた女畜生にはお礼参りをしてやった。

 

『男の子の、か弱い柔肌に触れたかった』

『男の子は力が弱いから、少し強気に行けば仲良くなれると思った』

『男の子は……』

『男の子は……』

 

 などとのたまうので、人の幼馴染に手を出すクソッタレには容赦はしない。

 全員の頭に熊人の拳骨をくれてやった。軽い脳震盪は起きただろう。

 

 馬鹿め。

 勝ちゃんの隣は、私のだ。産まれた時から、そこは私の物なのだ。

 勝ちゃんには、私の匂いが染み付いてる。

 私には、勝ちゃんの匂いが染み付いてる。

 

 勝ちゃんに、お前達の匂いを付けるなんて私が許さない。

 それに、勝ちゃんはお前達が思う男とは違う。

 

 勝ちゃんは、弱くない。

 お前らよりも強い。

 

 弱いお前達に、強い勝ちゃんは相応しくない。

 勝ちゃんは人間か疑わしい速度で成長してる。

 獣人の私が置いてけぼりにされかねないほどの、凄まじい速度で。

 

 今でもずっと鮮明に覚えてる、私が勝ちゃんを男の子ではなく……負けたくない、ライバルと認識したあの日。

 可愛い男の子から、守るべき隣人から、好きな子から……勝ちたい、認められたい、心の底から番にしたいと獣の本能が吠えたあの日。

 

『茶子ちゃん! 野球やろう!』

 

 はじまりは、ただのキャッチボールだった。

 

 熊掌茶子(わたし)は、プロ野球選手の熊掌レオナを母に持つ熊人。

 自画自賛。私は才能があった。

 でも勝ちゃんは男の子だから、びっくりするほど才能がなかった。

 

 構えた所にボールがくる方が珍しく、全部暴投か2、3回のバウンド。

 聡明な父に日頃から勉強を教わっていた私は年齢のわりに賢く、才能もあった私は勝ちゃんに「付き合ってあげよう」という上からの姿勢で接していた。

 

 お母さんから「父さんから受け継いだマイペースなのんびり屋気質がなければプロも夢じゃないのに」と嘆かれることが多かった私が野球に触れることが嬉しかったのか、母さんは時間があると勝ちゃんと私に付きっきりでコーチをしてくれた。

 

 たまに「男の子の幼馴染とキャッチボールをする娘のお前が時折本当に憎く思える」と本気の顔で言ってきたのが怖かったのをよく覚えてる。

 

 素振りもはじめて、キャッチボールだけじゃなく勝ちゃんの投げるボールを捕手として私が受けることを続けていると、勝ちゃんのボールの質が突然良くなった日があった。

 

 母さんも驚いていた。

 遊びの割に、随分と熱心に投げ込む勝ちゃんを不思議に思っていた頃に起きたこと。

 

 変化は止まらなかった。

 ある日は、球速が上がった。

 ある日は、投げる姿が様になっていた。

 ある日は、コントロールが良くなった。

 ある日は、グローブに収まるボールに重みを感じるようになった。

 

 気づけば、勝ちゃんのボールは私が構えたグローブに届くようになった。

 山なりの、ではなく。真っ直ぐ、吸い込まれるように。

 

 バットの振りも、鋭くなっていった。

 力もなにもない、腰も、重心移動もへったくれもないよわよわへっぽこスイングから、だんだんと形が整っていく。

 

 男の子が。しかも、人間のだ。

 気づけば、私は勝ちゃんに並ばれかけていた。

 

 私は途端に怖くなった。

 もしも、このまま。

 私よりも勝ちゃんが上手くなれば。私が勝ちゃんの球を捕れなくなれば。

 私のスイングが勝ちゃんを下回れば。

 

 勝ちゃんは、私と一緒に野球をしてくれなくなるかもしれない。

 一緒に、いられなくなるかも。

 勝ちゃんの隣に、別の誰かが立っているかも。

 

 それからだ。

 私が、勝ちゃんの認識を改めたのは。

 心の底から、獣の本能が、勝ちゃんを自分のモノに、自分の番にしたいと恋心を訴えたのは。

 

 それからだ。

 私が、本気で野球に取り組み始めたのは。

 母さんに、バッティングのいろはを教わった。フォームも見てもらった。

 毎日の素振りも、録画した試合の見直しも、勉強もあの日から欠かしたことは1日もない。

 

 のに。

 安心できる日は、1日もない。

 勝ちゃんはどんどん強くなる。4歳の頃なんか目じゃない。

 年齢を重ねる度に、その才能は加速しているんじゃないかと思う。

 

 ──それでこそ、勝ちゃんだ。

 

 握るバットに力がこもる。

 空気を裂く音も大きくなる。

 自分が愛する幼馴染が、これほどに強い。

 これほど強い幼馴染に、認められたい。

 

 だから、強くなる。

 

「勝ちゃんの捕手(パートナー)に、女房役に相応しいのはこの熊掌茶子だけ。誰にも勝ちゃんの球は取らせない。誰にも譲らない。勝ちゃんの隣に立つのも、後ろを打つのも、全部全部……私だッ」

 

 だから、強くなる。

 

 私の先へ行こうとするあの人を、見失わないように、ひたすらに。

 ずっとずっと勝ちゃんの側に、いたいから。

 

 ……というより、側にいないと勝ちゃんは知らない女に攫われそうだから心配でしょうがない。

 何であそこまで女に警戒心がないの? ネギを背負った鴨だよ、あれじゃ。

 

 




◆名前/熊掌(くまで)茶子(ちゃこ)(11歳)
 ・身長168.6cm
 ・体重66.9kg
 【身体能力】
 ・ミート/ D48
 ・パワー/ D+55
 ・スピード/E+39
 ・スタミナ/D49
 ・コントロール/E+38
 ・守備/D +54
 ・頑丈/D+52
 ・魔力/F30

 【打者能力】
 右適性・A
 左適性・G
 【特殊技能】
 ・『岩の身体』…怪我をしにくくなる。怪我をしても治る速度が早くなる。頑丈+15
 ・『獣の心臓』…スタミナ値+15
【魔法】
 ・『化物熊(ばけぐま)(かいな)』…パワー+30。スピード+30

※彼女は天才の部類です
 
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