貞操逆転世界の野球で『二刀流』に俺はなる!〜ガチムチ爆乳亜人メスvs一般転生ヒトオス〜   作:鎌原 や裕

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貞操逆転野球外伝〜白神球子〜

 彼をはじめて見た時、私は運命の存在を信じてしまった。

 

 十字に並んだ五つの巨大な大陸── 十字架(クリエースト)大陸群の東に位置する東楼(とうろう)大陸が首都、東京国都の治静区画のひとつ『聖森(せいりん)区』へ足を運んだ4年前。

 

 男性と籍を入れることで男を求める本能が沈静化した女と男──夫婦だけが住むことを許される区画、治静区画に強豪リトル聖森ウッドワーズはある。

 有望な少女をどこよりも早く確保しようと、練習試合の見物に訪れたあの時。

 

 河川敷にて行われる、聖森ウッドワーズの練習試合。

 その時に行われていたのは偶然にも、聖森ウッドワーズと平川リトルに所属する低学年の子達による練習試合。

 高学年の子達は試合をしていなかった。

 

 今思えば、なんと運が良かったのだろう。

 些細な偶然に過ぎないと言うのに、少女趣味な私の脳裏には今も運命の二文字が燦然と輝いている。

 

 河川敷の随所に見かける男性保護官の姿に疑問を抱き、試合をつぶさに観察した自分を褒め称えたい。

 最初は自分の眼に飛び込んできた情報を正しいと思えなかった。

 だが、やはり間違っていなかった。

 

『男の子が、野球をしている』

 

 それを正しく認識した時、雷がこの身を貫いたのだと錯覚した。

 国が男性の保護を法律としているなか、未来ある男の子供など貴重も貴重。

 

 対亜人用として強固な作りになっている治静区画の家の中で守るべき存在。

 外に出るのにも最低2名の保護官が付くのだ。

 そんな存在がすぐそこにいるという雌の本能と同時に、男の子が野球というスポーツをやってくれるのだという多幸感に股も濡れたと記憶している。

 

 しかも。しかもだ。

 ずっと見ていれば、彼は低学年とは言え亜人と対等に……いや、後に聖森のエースとなるエルリンデと対等というなら、彼は同年代の亜人のほとんどを圧倒していたのだろう。

 

 すぐさまコレは記録しておくべきだと録画機能付きのサングラスの録画モードをONにし、私は試合の見物客へ混ざった。

 

 見物客に学院関係者の証明書を見せて話を聞けば、彼──王谷くんは週末になれば近所のチームと行われる練習試合によく出場しているのだとか。

 

 興味津々、鼻息荒く王谷くんの話を聞いている時だった。

 おおっとどよめく声と、歓声を上げる平川リトルの子達。

 

 私は空を悠々と進む、高く打ち上げられた一球の行方に目を奪われた。

 

 当時8歳でありながら確かな才気を滲ませていたエルフのエルリンデから、完璧な1発。

 男の子の身で、80m超えを放ったパワー。

 一死満塁を切り抜け、9回を三者凡退に仕上げる胆力。

 終わってみれば大敗ではあったが、彼や彼女等は楽しげに練習試合の後も話していた。

 

 ああ、なんと羨ましい。

 自分もそんな環境で野球がしてみたかったと嫉妬がないかと言われれば嘘になる。

 

 ただそれ以上に感じていた──王谷勝平の可能性。

 

 自分の中の、選手として培ってきた一種の勘、本能が囁くのだ。

 男の子の、しかも人間であるあの子の身に宿る、底知れぬナニカを。

 あれは可能性だ。底すら感じさせない、深淵の如き天稟(てんぴん)

 王谷勝平(カレ)は、亜人と対等に闘える素質を持って産まれた奇跡の子だ。

 

 この感動を自分の中で押し止められなかった私は、愛用している昨今過疎気味の掲示板にスレ立てをした。

 しかしどうも世の中の女は目が節穴なのか、全くもって共感してくれない。

 

 だがまぁ、その実力を何年も見ていれば話は変わってくる。

 みんな最初は男の子という特異性にばかり目をやっていた。

 次第に、時間をかけてゆっくりと王谷勝平の可能性に気づきはじめる。

 

 投打躍動。

 4年にも及ぶ時間を彼にかけてきた。

 亜人を含めた同年代で、間違いなくトップクラス。

 身体の成長も止まることを知らず非常にエッチ……んん、逞しくなり投打共に年々凄みが増していく。

 

 幼い頃からバッテリーを組んでいる熊手茶子の方がバッターとしてのクオリティは現状高いが、劣る程でもない。競っているという表現が正しいだろう。

 投球は聖森区の有望株であるエルリンデと同格。

 

 スレ民はもう王谷くんを見れないと嘆いていたが、何を馬鹿な。

 四年間、一体何を見てきたのだ……いや、その目で直に見ていないから理解出来ないか。

 

 王谷くんを、人間や男というカテゴリーで見ない方がいい。

 私はこの眼で見続けてきたから分かる。

 

 王谷くんは、聖ローゼンクロイツという名前の大きさを分かっていた。

 どれほどの場所かも分かっている、そんな表情だった。

 それでもなお出てきた言葉が、

 

『ラッキー! ぜひお願いします!』

 

 ラッキー……だぞ?

 末恐ろしさすら感じる。

 知らないはずがない、中学生から【魔法】や【変化球】が解禁されることを。

 

 それらが、今までやってきた競技を変える力を秘めているのは紛う事なき事実。

 プロの野球は【魔法】をどのように使うか、どこで使うか、どれだけ洗練したか、どれだけ試行錯誤したかで決まる。

 中学野球からは、その領域に足を踏み入れることになる。

 

 誰もが(つまずく)くその場所に、君は歴史上最もプロを多く輩出した聖ローゼンクロイツという学校で行こうという訳だ。

 

 東楼大陸各地から選りすぐられた数百という才能を、僅か18人の精鋭へと絞り込む蠱毒の場。

 聖ロゼのレギュラーを取れば安泰と言われるほどに、我が校のレギュラー争いは過酷であり苛烈。

 

 (とも)とは、味方(とも)であり、強敵(とも)である。

 亜人種であっても心を折る、(プロ)を餌に吊るされた至高の地獄。

 

 それすら面白そうだと、心の底からの笑顔でもって君は我が薔薇十字の校章を胸に掲げることを幸運だと言った。

 面白い。面白い男の子だね、君は。

 

 “あるんだね”。

 

 君の中には……別競技に変ずると言われる学生野球を、さらには聖ローゼンクロイツの部内で繰り広げられるレギュラー争いを勝ち抜くナニカが。

 

 その途方もない自信を慢心だと嘲笑うか?

 否。私の羽根が、疼くのだ。

 告げるのだ。

 

 彼には“奇跡”が宿っていると。

 

 君の持つ何かが、私の亜人生をより彩ってくれるであろうという確信という予感を。

 私の知らない、私の考えすら及ぼない未来を君が描いてくれると。

 

「待ち遠しいね、君が聖ロゼの門をくぐるその時が………………男の子と同じ学舎、か……い、いい、今考えてみると、緊張するなっ。男の子に監督と呼ばれる夢が、まさか叶う日が来ようとはッッ! こうしてはいられない、新しいスーツを買いに行こうッッ!」

 




掲示板の処女神を転生させた神様だと思ってる方がいたんですけど、残念でした! 白“神”の方でした!

↓以下、白神球子のステータス

◆名前/白神(しらかみ)球子(たまこ)(29歳)
 ・身長201.2cm
 ・体重102kg
 【身体能力】
 ・ミート/ SS102
 ・パワー/ A +98
 ・スピード/SS105
 ・スタミナ/A+91
 ・コントロール/A89
 ・守備/SS105
 ・頑丈/D48
 ・魔力/A+96

 【打者能力】
 右適性・A
 左適性・G
 【特殊技能】
 ・『天翔比翼(スターゲイザー)』……飛行能力超向上。飛びはじめた瞬間に最高速に到達する。
 ・『硝子の天才』……あらゆる能力が伸びやすくなるが、かなり怪我をしやすくなる。
 ※先に言っておきますが、羽根があっても無制限に飛べる訳じゃありません!当然ですが!

※この世界線の一般プロは平均Bくらいが目安
 どれかしらAがあると良いね〜レベル
一流レベルになるとAのステータスが2、3個ある

 実際に存在する人で例えると

・全盛期ギータ(27)
パワーS
ミートS
スピードA+

・某たまらん
パワーC
ミートB
守備S

パッと思いついた人でやったら超一流所出しちゃったんですけど、こんな感じ
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