貞操逆転世界の野球で『二刀流』に俺はなる!〜ガチムチ爆乳亜人メスvs一般転生ヒトオス〜 作:鎌原 や裕
先日の本家SHOHEIの一試合2本塁打を見て、思わず書いちゃいましたよ。
今日は2打数2安打2四球1敬遠の5出塁、盗塁1とかいう2次元でもやらないようなことやってました。彼はアニメーションです。
「あぁ〜」
風呂は心の洗濯とは良く言ったもので、中々に濃い1日ではあったが収穫ある良い1日だったと今なら思える。
エルリンデや駝空、蛇喰の一年生組と喋っていたら監督から一年生組は初日だけお客様、今日これからの時間は上級生の練習を見るも良し、寮に戻り持ってきた荷物を整理するも良し、同窓の友と仲を深めるも良しと言う自由時間が与えられた。
エルリンデ達は先輩の練習を見てから自主練をするという、流石は名門リトル出身。意識の高さに頭が下がる思いだ。
かくいう俺はキャプテンとの一打席で気力を使ったからと適当な嘘を吐き、早々に自分の部屋へ戻りメンタルを切り替える為に風呂へ直行した。
俺も茶子やエルリンデ達と自主練をしても良かったんだが、先にやるべき事が出来たからな。
近い将来解禁される、UR得能の為に取っておいた努力値を解放し現在の地力を向上させる。
今でさえ得能で上げた能力値は自分の感覚との歯車がチグハグで完全には合っていないのに、さらに能力を上げれば感覚はさらに狂うだろう。
だが、それでも良い。
人が数ヶ月〜数年かけて培う能力を一瞬で手に入れるからこそのデメリットだが、そんなもん本気で感覚を合わせようと頑張れば今までより早く俺に馴染むはず。
今までの俺は時間が解決してくれるからと、努力値を貯める方を頑張ってたからな。
「……今日から、
お湯に薄っすらと反射する自分の顔を睨むように見つめた。
勝負にビビるSHOHEIを、誰もスターだなんて思わないだろう。
俺が憧れた人は、国の誇りを胸に史上最高のシナリオと言われるWBC、その最後の一球を投げて勝った人だ。
俺はその人になる……否、超えることすら出来るはずなんだ。
俺が授かったモノはそれくらいの代物。
十数年、チートの気持ち良さに甘えて楽な算段をするようになっちまって……。
情けない男だお前は。
水面に映る自分を手で叩きつける。
甘えは一切なしだ。
努力値を貯めるなんてしない。手に入ったもん全部使って、今の自分をひたすらに高め続けてやる。
今度は、勝つ。
自分に勝つ。
いずれ戦うであろう、ライバル達にもだ。
その為には、SHOHEIに相応しい圧倒的なまでの勝利を手に入れるには。
そのうちどうにかなると放っておいた、得能による感覚のズレ。これを早急に完全な状態へ正す。
そしてもうひとつは、
「──魔法。中学生野球、ひいてはこの先の野球人生を生き抜くための
勝利を誓い湯を揺らして掲げた両腕だったが、数秒後には力無くお湯の中へと沈んでいく。
「とは言ったものの……【魔法】ってそう簡単な代物でもないんだよな〜」
【魔法】と聞けばバトル漫画のように都市一面を覆う大火炎とか、海を凍らす大氷塊とか、億を超える稲妻の雨を降らすとかそんなイメージを持つだろうが、そんな大仰なもんじゃない。
人の身に収まる程度のちょっとした力の延長線上であり、ちょっと使い勝手の悪い奇跡。
それが【魔法】という能力だ。
手で触れた物質を操作する『念力』とか、手に触れた物の材質を変化させる『材質変化』なんて王道とも言える【魔法】。
素質のある亜人なら大半は使えるし、人間の女性もちょっとは使えるって人は多いだろう。
変化球で言うカットボール、チェンジアップみたいな比較的使い易い【魔法】の部類になるのかな。
使い易い分、選手達は使い方を試行錯誤し、練度を上げていって各々独自の【魔法】に仕上げていく。
……そう。つまりはちゃんとレベ上げをしないといけない。一朝一夕で仕上がる代物じゃないわけだ。
オマケに、【魔法】ってのはその日によって同じ【魔法】なのに消費する魔素の量が異なる。
いわゆる“調子”ってやつがモロに作用する。
普通に生きてるだけでも身体が重かったり、頭が痛いとか腰が痛い、喉がイガイガして声が出づらい……一年を通して全く同じコンディションの人間なんていないだろう。
【魔法】もそれと同じだ。
やたら魔素の消費が激しかったりする日もあれば、やけにスムーズに魔素の操作が出来て低燃費で【魔法】が使える日もある。
特に野球なんて感覚のスポーツ。
気候や湿度でボールの曲がり方は変わるし、指先の感覚がしっくりこなければその日によって投げられない球すらある。
今日はスライダーが良いけど、ストレートのコントロールが出来ていないとかな。
【魔法】なんて、ただでさえ感覚が重要な投球にまた別の感覚をミックスさせるんだから歯車が僅かに狂うだけで簡単に破綻する。
「……今日は“ダメな日”だったんだよな」
キャプテンとの勝負で使おうか逡巡したが、今日は魔素が大暴れしていてダメだった。
もし【魔法】を使用したら魔素と体力をゴッソリ持っていかれて、一瞬でスタミナが尽きることになっていただろう。
仮に万全な状態だったなら……いや、たらればを言ってもしゃーないか。
使いこなせれば、強力な武器に。
間違えれば、自分を傷つける諸刃の剣。
「でも使いこなせれば、まず間違いなく世代のトップに駆け足で辿り着けるっ」
両掌に力を加え、湯船に貼られた半分のお湯を“持ち上げる”。
まるで見えない手に持ち上げられるように、ポタポタと雫を垂らしながら頭上に浮かぶ水の塊を見上げて……俺は苦笑を浮かべた。
「バレーボールくらいの球を作ろうとしたんだけどな……」
【魔法】により消費した過剰な程の魔素は、俺の中の体力すらゴッソリ持って行ってしまった。
数瞬後、グッタリと湯船にもたれかかる俺に大量のお湯が降りかかる事は想像に難くないだろう。
「ああ、やっぱ練習って大事だなぁ……」