貞操逆転世界の野球で『二刀流』に俺はなる!〜ガチムチ爆乳亜人メスvs一般転生ヒトオス〜   作:鎌原 や裕

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第五話 なんだかんだ言ってもチート転生楽しすぎるんですわ

 虚空を切り裂く鋭い風切り音。

 一挙手一投足の後に輝き舞い散る汗。

 切れる息に、脈打つ鼓動。

 膝をつきそうになる疲労感、それすらも振り切って今日も俺は──

 

「ふんッッ‼︎」

「ぷーくすくす。よわよわへっぽこスイング」

「笑うなぁ!」

 

 ──幼児用のプラスチックバットで、素振りに励んでいた。

 

 糞爺《かみさま》からタイムリミットを宣告されたあの日から4年。

 5歳になり、両親に頼み込んでバット(プラスチック)を振れるようになってからは1年経ったくらいか。

 

 今では練習仲間であるお隣さん、熊掌(くまで)茶子(ちゃこ)をお供に我が家の庭で日々をSHOHEI化計画に費やしている。

 

 眠そうな目でニヤニヤと俺のスイングを見つめてくるコイツは、のんびりした口調で人を小馬鹿にする畜生だ。

 赤ん坊の頃からニヤニヤとした面で人の頬っぺたをつねってくるド畜生。何回泣かされたか。

 だが流石はプロ野球選手を親に持つ獣人。しかも話を聞けば獣人の中でも稀少らしい熊人(ベアード)

 

 強く、大きく、そして素早い。その恵まれた身体を利用しない手はない。

 赤ん坊の頃から乗り気にならないコイツを一緒に野球しようよ〜!と根気よく誘い続け、なんとか俺のキャッチャーとして育て上げることに成功。

 

 やたらベタベタしてくるようになったけど、まぁ子供の頃から自分の球を受けてくれる奴が隣の家にいるアドバンテージはデカいから好きにさせている。

 

 しっかし流石は獣人というか、同じ歳なのに既に身長は130を超えて、ジュニア用の金属バットを握って得意げに振るった。

 小学校の上級学生顔負けのフルスイングに顔が青褪める思いだ。

 本当に5歳かコイツ。変に賢いし。

 

 誘っておきながらなんだが、自分のへっぽこスイングの隣でブンブン振るわれると心が折れそうになるので気をつかってくれんか。

 

「298…299…300…! ふぅ、とりあえずこんなもんかな。茶子ちゃん、お昼から家族で出掛けるんでしょ? ありがとね、付き合ってくれて」

「ん〜ん。私、(しょう)ちゃんの女房役(にょうぼうやく)だから。呼んでくれたら、いつでも付き合うよ」

 

 汗ひとつかくことなく帰っていく茶子ちゃんに生物としての壁を感じつつ、俺は服に張り付く汗を流す為に風呂場へ直行した。

 

 

 ──◇◆◇◆◇◆ ──

 

 

 風呂を上がりさっぱりとした気分のままコーラをあおる。

 

「くぅ〜! これを生き甲斐に生きてんだよ俺はぁ!」

 

 運動した後のシャワーにコーラ、これを超える組み合わせを俺は知らない。

 父さんと母さんが見れば卒倒するだろうが、母さんは仕事で父さんは買い物に出ている。

 

 束の間のリラックスタイム。

 適当に付けたチャンネルからはお昼のニュースが流れていた。

 

『男子出生率の低下と共に施行された男子保護法ですが、近年問題となっている男性の高圧化。この問題を解決すべく──』

 

 ま〜た男性問題についてのニュースか。

 男女逆転世界に付いてくる問題のひとつだな。

 この世界も例に漏れず、どうやら年々男子の出生率が下がり国民の男性比率が右肩下がりなんだとか。

 

 確か今、男女比率1:10だったか? この国の人口が1億3000万人くらいだったから、そのうち男は1300万人しかいないことになる。

 

 男に生まれた時点で国からの手厚い補助があったり、要請すれば外出時のボディガードすらあるとか。

 この世界で自意識が芽生えた時、中々広い家に住む両親に勝ち組キタコレ! って思ったけど、そもそも男に生まれてる時点である種の勝ち組だった。

 

 まだ5歳なのに父さん達と出かけた時に感じる視線はそれなりにあるからな。

 タイムリミットがなければモテモテの人生だったかもしれない。

 

「文句言ったところで、ろくに確認せず即答した俺も悪いんだけどねぇ」

 

 中空に手をかざし、タブレット端末を呼び出しながら一人ごちる。

 慣れた動作でタブレットを起動させ、何かステータスは上がっていないかと眺めた。

 

 ◆名前/王谷(おうたに)勝平(しょうへい)

 ・身長109cm

 ・体重18kg

 ・努力値P=500《努力値P交換》

 【身体能力】

 ・ミート/ G3

 ・パワー/ G4

 ・スピード/G4

 ・スタミナ/G3

 ・コントロール/G6

 ・守備/G1

 ・頑丈/G8

 ・魔力/G3

 

 【打者能力】

 右適性・A(C)

 左適性・D(G)

 【特殊技能】

 ・『魔力の発芽』…魔力値+2

 ・『怪我知らず』…怪我をしにくくなる。怪我をしても治る速度が多少早くなる。頑丈値+5

 ・『バッティング入門』…ミート値+2。パワー+1。

 ・『左の覚醒』…打者能力の左適性を3段階上昇。

 

 【投手能力】

 右適性・オーバーA

 左適性・オーバーF

 【特殊技能】

 ・『右腕の目覚め』…投手能力の右適性値をワンランク上昇。

 ・『投手の才器』…投手能力ワンランク上昇

 ・『器用な指先』…コントロール値+3

 ・『回転数アップ(極微小)』…球の回転数アップ

 

 う〜む、流石は一年かけて5000Pくらい使ったステータス……びっくりするほど変わり映えなくて草生えるわ。

 左打者の適性上げるのに2000Pくらい注ぎ込んだうえに、プラスチックバットじゃ努力値に下降補正かかるからしゃーないんだけどさ。

 

 なに? そこまでして貯めた努力値Pを注ぎ込んで適性Dなら取らなくて良かった? 馬鹿抜かすな、SHOHEIは左打者だろうが。

 

 ただこのまま左の適性ばかり上げていても(らち)があかない。

 そもそも適性やステータスは練習さえしてれば時間はかかっても少しづつ上がりはする。

 

 最低限の形になるDまではゴリ押しで上げたし、ここは前々から取ろうと思っていた特殊能力を取ろう。

 

 【体質・身体強化】

 ▶︎R『身体成長促進(微)』=500P

 ・肉体の成長をほんのり促進させる

 

 これだよ、これ。

 SHOHEIと言えば日本人離れしたその体格。その身長。

 俺はチートの能力を与えられただけでSHOHEIの身体を授かったわけじゃない。

 

 やはりSHOHEIを目指すなら身長193cm以上はマスト。あわよくば195より上を目指したい。

 茶子が俺を見下ろして笑うのがどうしても許せんのだ。

 

 獣みたいな眼をして見下ろしてくるアイツに恐怖心を抱くのは、俺がアイツよりチビだからだ。

 デカくなれば俺に対する態度を改めるだろ。

 自分よりデカいやつとは喧嘩しない、舐めたりしない、野生動物の本能みたいなので。

 

「次はスタミナを上げて一日に出来る素振りの回数を増やすか。でも体が小さいのに無理したら負担デカ過ぎるし……あぁ〜、こういう悩んでる時が一番楽しいわ。マジでチート有り転生楽し過ぎる〜」

 

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