初投稿失礼します、少しホラー要素のあるお話かもしれません
ほとんどその場の勢いなので悪しからず…

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死者と話した向日葵畑(初投げ投稿)

たまに夢を見る

 

夢と言っても人は色々な夢を見る 

 

もちろん俺、平山誠も…

 

ただ俺にはよく見る夢がある

 

それが今一面に広がっているこの向日葵畑だ

空は青々としているが、夏の代名詞らしく遠くには入道雲が見える

遠くの方には山が見える 違う方にも山…

山に囲まれて向日葵畑はある ただその大きさは一周するだけでも大変そうだ

…ただ、それだけの夢だ

 

自分がヒーローになる、好きな人と一緒にいる

お化けや化け物は襲いにくる

そんな大層なものもいない平凡な夢である

高校生の今、そんなものを見せられても驚きやしないし夢だと実感できる

もうすぐ大学か就職をして社会人になる奴だから、そんなものを見せられてももう冷めてしまう

 

…社会がうるさい、人がうるさい

色々なやつが自分に対して突っかかってくる

これをしなさい、あれをしなさい こうしろよ ああしろよ

俺の周りはこういうやつばっかりだ

 

嫌になる…だが、こう言ったことを社会に出る時には受け入れなくてはならない 覚悟しなければならない 頑張って行かなけばならない

 

こう言った雑踏から逃げたいからこのなんでもない平凡な夢を見るのだろうか

一応、俺は夏が好きではある

夏になったら田舎のじいちゃんばあちゃん家に帰省する

田舎は俺にとっては少なくとも今の場所よりかはマシだ

 

ただ、虫は多い、動物は出る 田舎のじいちゃん、ばあちゃんも少しおせっかいなところもある

昔は快く受け止めてたものも、今となったらちょっとこそばゆい

田舎も田舎で必ずしも理想のユートピアというわけではない

 

多分、俺は1人が好きなのだ

高校生になってからだろうか、いや小学時代から友達はいたが必ずしも良い仲間とはならなかった フラストレーションもあった

ただ、付き合いだから付き合う ノリがないといけないから調子乗る

 

そういえば、田舎の話題に戻ると俺がこの向日葵の夢を見るようになったのは、畑の一角に向日葵畑があったからだ 

今のような規模では決してないが、ただ空に向かって立派に育っているのが魅力的に思える

何もかもがイヤイヤ期の俺にはそれだけが美しいと思えた

 

まあ…こんな感じでいつもこの向日葵畑の真ん中あたりに腰を据え、ボヤーっと考え事をしていたら普段は、アラームの音が聞こえて、うわもう終わりかよって憂鬱になる

 

だが、今日は一味違った

 

途中まではいつものような感じはあったのだ

明日も学校と部活、朝食での親とのたわいのない会話さえも頭の片隅に置きつつ、ここで現実逃避をしていた

 

ただ、最近ちょっとマンネリ化してきた

 

やっぱり人間飽きが来ると、新しいものとか求めたくなるものだ

刺激がないといけないのだ

 

俺のお気に入りのこの夢ももう見られなくなるのかもしれない

 

そう思ってた

 

「あのー…」

 

後ろから微かに声がしたような気がした

…いやいや、これいつも見る俺の夢

ついに幻聴が聞こえるようになったのか

それともついに俺もこの世界でヒーローになったりするのか

 

いやこの何もない世界でヒーローとかになっても意味ねえ

 

なんてつまらないことを思ってたら

 

「あの、すみません」

と今度ははっきりとした声が聞こえた

この世界にはおそらく俺のことしかいないし俺のことだろう

俺は座りながら後ろを振り向いた

 

女の人が立っていた

多分年は俺より上っぽい、背も俺よりちょっと高いんじゃないか

顔が整っていて、濃紺の長い髪が特徴的で、白のノースリーブのキャミソールを着ていた

そして裸足だ まあ、俺もこの世界じゃ裸足

靴という文明品を履いたら現実世界に戻されるという謎の固定概念がうっすら頭にあってからかもしれない

 

いやいや、靴のことはどうでも良い

問題はなんで人がいるってことだ

まさか夢のマンネリを防ぐためか、そしてこれは俺が想像した女なのか…

 

「どちら様でしょうか」

本当にどちらから来た人?

 

「えっと、詳しくは分からないのですが気がついたらここに迷い込んでしまってて…少し彷徨っていたらあなたが見えて思わず声をかけてしまったんです、今はお取り込み中でしたかね、そうだったらすみません」

 

「あ、えっと大丈夫ですよ」

どうも、ただここにボーーっとしているぷー太郎です

…なんて事実は言えないけど

 

迷い込んだということは、現実の人なのか

いやだからといって、そのようなことがあり得るのだろうか

 

「ここはどういった所なんでしょうか」

続いて、女の人が聞いてくる

 

正直、どう答えればいいか分からないが、

「ただのだだっ広い向日葵畑です 本当にそれだけです」

いや、本当にその通りだからだ

「あとは…自分の夢ですねこれ」

夢の住人(仮)に夢というのはいささか奇妙だ…

 

「そうなんですね、これあなたの夢なんでっすか

それにしてもこの向日葵畑、すごく綺麗」

 

「そ、そうですかね…ただだだっ広いだけだと思いますよ」

まあそれがお気に入りだったという事実はある

ただ自虐からかそう答える

 

名前聞いておこう

「お名前なんとおっしゃるんですか」

夢の住人に果たして名前はあるのだろうか

いや、白のキャミソールなんて薄い服を着ている時点で何かの妖精の可能性もある

 

「真白…佐江 真白(さえ ましろ)と申します

年はその20前半とだけ…」

 

「もしかして社会人の方ですかね」

「ですね、一応会社員の方をさせていただいてました」

 

この人、現実の人なのかもしれない

つまり、なんかの因果で俺の夢に迷い込んだってことか…

夢共有…果たしてそういったことがあるのだろうか

 

「自分は、平山誠といいます」

 

「平山さんですね、分かりました」

 

それにしても、お互いぎこちない会話になってしまっている

慣れない場所で、見知らぬ2人がいる時点でそうなるのは無理もない話だが…もうちょっと俺が積極的に話すべきなのかもしれない

などど考えていると

 

「平山さんは…今学生なのでしょうか」

「そうですね、今は学生です」

 

「学生さんでしたか…学生さんでこのような夢を見るということは何か困ったことや悩み事とかがあるのですかね」

 

割と図星でビックリした

「色々と悩むことはあります」

 

そのあと、俺は少しだけその悩みを佐江さんに共有した

佐江さんは静かに聞いてくれた

 

「なるほど、お気持ちはよく分かりました

実は…聞いていてなんですが私も学生時代は平山さんのような悩みを抱えてました」

 

「そうだったんですね、何かから逃げ出したいという思いはもしかしたら誰しも思うのかもしれないですね 佐江さんは、こういった思いはどう乗り切られたのですか」

 

「受け入れました、ありのままを…ありのまま受け入れて諦めてそのまま社会に出ました」

 

「…やっぱり受け入れるしかないと」

 

「私のような者からはアドバイスできることはないですね

お力になれなくてごめんなさい」

 

「い、いえ…謝るほどのことではないですよ

むしろ参考になりました」

このまま、ありのままを受け入れる それしかないんだな…

 

「けど、一方でそんな思いを誰かが変えてくれる

私はそう信じたりしていました 他力本願ではありますが私自身そう思い続けていました」

なるほど、人といっても色々な人がいる 俺たちがこの何もない向日葵畑で出会い、会話をするように待っていれば誰か良い人は見かるのかもしれない

 

「それで今その誰かはいたりしましたか」

 

「…私は運が良いのか、悪いのか出会いました」

いたというのは事実だが、悪いというのはどういうことなのか

 

「悪いというのはそれはどうい…」

 

俺が言いきる前に…俺には佐江さんが薄く消えそうになるのが見えた

 

「さ、佐江さん!体が消えかかって…」

人生相談どころではなかった 俺は目の前で起こっていることに目を疑った

 

佐江さん自身は少し驚きつつも、すぐに冷静になっていた

「体が…もう時間なのですね まさかついでに他の人の夢に迷い込むことになってしまうとは思いませんでした」

 

「ついでにってどういう…」

 

「とにかく短い間でしたがお話出来て良かったです

最後になりましたが、強く生きてください」

 

そして彼女は消えた…

 

そのまましばらくして目が覚めた

 

あれから後日、人伝に情報が流れて来た

どうやら自分の住んでいる市で死人が出たらしい

詳しいことは不明だが、若い女の人でアパートで自殺したのだと聞いた

まさかな…とは思った

 

向日葵畑の夢はあれからあまり見なくなった

マンネリ化したこととあとは、後日起こった出来事がトリガーなのかもしれない

そして、ごく稀にその夢を見ると佐江さんの事を思い出すようになる

短い間だったが、もし仮に例の自殺者が佐江さんだとしたらもっと自分に出来る事はなかったのかと思ってしまう

そして、夢の中で出会った時には彼女はもう…

 

 




本書を見ていただき誠にありがとうございます
ずっと小説を書きたいなと思っていたのですが、挫折、挫折の連続で…
かといって諦めきれず、この度思い切って投稿という形で書かせて頂きました
大変荒削りかと思いますが初めて投稿出来て良かった これで自分という人間がいなくなってしまってもこういった形で自分の書いたものが残るというのは、良いものですね 私としても遺書といった形で清々しくあの世に行けそうです(あの世というのは嘘でございます 笑)
今回のこの珍妙ない話はこういった思いがあってこそ出来てしまったのだと思います
私自身、今回の挑戦は大変勉強になった部分もありました
欲を言えば次は何か楽しいものを連載したいなと思います

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