アルティメットサディスティッククリーチャーな僕が幻想の庭で花を愛でる話 作:やんや
ゆらゆらと風に揺れる向日葵を眺める。
雲一つない空に輝く太陽から容赦なく紫外線が降り注いでいる中、僕は大して暑さを感じることもお肌の心配もすることなく屋外でその身を晒していた。
元より肌のシミや傷みを気にする性分ではなかったが、決して短いと言えない時間を生きているうちに気にする必要がないと気付かされた。
「ふぅ……」
疲れたというわけでもないのだけれど、畑仕事が一段落ついたとあり、詰めていた息を吐き出した。
もう長い事ライフワークとしている向日葵畑の手入れとは違い畑仕事というは存外難しいものだった。同じ土をいじくる行為と言っても、わりと放置していても元気に育ってくれる
根気よく続けて来たこともあり、畑仕事も大分慣れて来たと思う。最初は必要に迫られたために始めたものだったけど、やり続けているうちにすっかりライフワークになってしまった。
別に商売用に育てているわけではない。ただ単純に趣味の園芸の範疇でしかない。少なくとも今はそうだ。
誰に食されるわけでもないのに、それでも虫や強風で野菜が傷まないように小まめに面倒を見る必要がある。収穫後も畑を休ませたり、別の物を植えたりするので一年を通して休む暇が無くなってしまった。
だがそんな苦労も愛おしく感じる。
花を育てることしかしてこなかった僕が、今こうして野菜を育てているのだから、人外といえど成長というものはするらしい。
「──で、いつまでそこで覗いているつもりなのかしら?」
精一杯威厳のある──気がする──態度と口調を意識しながら先ほどからこちらを盗み見ていた無粋な相手へと問いを投げ掛ける。
僕が畑仕事をしている途中からずっとこちらに向く視線には気付いていた。しかし、気付いていると相手に悟られたら相手をしないといけなくなるためあえて無視をしていたのだ。
「酷いわね、気付いていたのに無視をしていたの?」
視線を感じた方向に目を向けると、何もない空間から声が聞こえ、次の瞬間その空間に裂け目が生じると同時に、そこから一匹の妖怪が上半身だけをにょきりと飛び出して来る。上半身だけを表に出し、下半身は黒い裂け目の中に残した状態だ。裂け目の奥には無数の目玉らしき模様が見えるのだが、ぶっちゃけあの模様が気色悪い事この上ない。思わず顔をしかめそうになるのを自制心でもって我慢する。ここで顔色を変えるのは三下のすることだ。一流を目指す者としてこの相手に隙を見せるわけにはいかない。
いや、だってこいつに格下だと思われたら何されるかわからないし……。
見た目こそ金髪の美人なお姉さんな姿をしているが、その本性は齢千年を超える大妖怪であり、曲者揃いの妖怪を相手に八面六臂の活躍を見せる老獪な知恵者だ。
そして、僕達妖怪が住まう、ここ幻想郷の管理者でもある。
つまり、この土地は全て彼女の管理下にあるようなもので、僕が格下と思われたらこれまでなあなあで踏み倒して来た土地代を請求されるかもしれない。これまでの滞納分を考えたら、とてもじゃないが今の僕には逆立ちしたって払える額ではないだろう。そうなれば他の物で払うことになるわけで、どう転んでもろくなことにならないのは明白だ。
「相手をするのが億劫だから放置していただけよ」
ここで重要なのは精一杯威厳を保ちつつも「私不機嫌ですよ」という雰囲気を混ぜることだ。こうすることで相手に必要以上の要求をさせない効果がある。こういう腹芸めいたものを覚えたのもこいつと関わるようになってからだ。
妖怪ってもっと自由な生き物じゃなかったけ?
「友人に対して冷た過ぎるんじゃないかしら?」
……友人だって?
相手の口から出た言葉に我が耳を疑う。この女から友人などという単語が出て来ることが意外だった。
やめて欲しい。貴女と友人認定されたら、ただでさえ少ない交友関係が絶滅しちゃうから。
「友人? 貴女とそんな関係になった覚えは無いのだけれど」
胡散臭い奴筆頭を百年単位で首位独走している相手の友人ポジって、絶対貧乏くじ引くやつじゃん。何か大変な時間が起きたら僕にやらせればいいや的な空気ができあがったらどうしてくれるのか。
「あら、残念。私は貴女のこと、それなりに気に入っているのよ? ……本気でね」
「……」
最後の方は聞かなかったことにしよう。こういう奴がボソりと呟いたセリフって、だいたい厄いネタってのはお約束なんだよね。
だから聞かなかったことにするのが正解なんだ。
僕は難聴系主人公(自己紹介)。
「貴女に気に入られても面倒なだけよ。覗き見が趣味の友人が居るなんて思われたら、私の評判が下がるわ」
「私がこれほど特別に見ているのは貴女だけよ。あと、貴女に下がる程の評判が?」
「……何? 私をイラ付かせるために来たの?」
イラ付くと言うか、胃がシクシクするって言うか、君に特別扱していると面と向かって言われると今後の面倒を想像してお腹が痛くなっちゃうのよ。だから要件だけ言ってさっさと帰ってくれないかなぁ。
「本当に、貴女と敵対するつもりなんて私にはこれっぽっちも無いわ。これは本心よ」
「……言い訳は結構。早く要件を言いなさい」
これで要件がからかいに来ましただったら、僕は超サイヤ人をワンパンできる威力で目の前の女を殴り飛ばすだろう。それくらい、この女と関わることは面倒なのだ。
妖怪の山、月、魔界、天人の根城、吸血鬼の住む館……。
そんな厄介事しか生まれないような場所に僕を単身で送り込んだ事を忘れたわけじゃないからね?
おかげで周囲からは僕がどこにでも喧嘩を売るヤバい奴だと勘違いされているんだから。
戦いなんて僕は嫌いだ。野蛮だし、汚れるし、疲れるしで良いことなんて何一つも無いんだから。
でもこいつは事あるごとに僕に闘争を求める。困ったもんだよ。困った程度で済んでないけど。相手側が。
「今度、この地に新しい法を敷くことにしたわ」
「なるほど」
法、ね。
悪い意味だけで自由奔放なこの土地の者達に法を敷くとは、その法と法を守られる方法によほど自信があると見える。
もしくは、それくらい緊急を要するか。
「貴女にはその法の施行に賛成して欲しいのよ。最悪反対しないだけでもいい。それだけで周りは面と向かって反対ができなくなる」
何で僕が反対しないだけで有利になるんだよ。僕の発言力はどうなっているんだ?
薄々勘付いているけど、僕って周りから何かと勘違いされているんだよね。何かする時に僕にお伺いを立てるのがルールみたいやつ。そんなものしなくても誰も怒らないのに、勝手に何かしたら僕が出張って来ると思っているのだ。そのせいで祭ひとつ満足に催せない暗黒期があったとかなかったとか。
その勘違いを広めたのも目の前の女って時点で訂正は諦めている所存。長い物には巻かれろ精神。所詮群れも作らずに一人ぼっちで土いじりしているだけの単一妖怪に民意を動かす力なんてなかったのさ。
「じゃあ、反対しないわ」
まだ法の内容も聞かないうちに消極的だが賛成の意を表明する。ヤケクソ気味に思えるけど、こいつ相手にはどうやったって言いくるめられるに決まってるのだから、下手に断ったり交渉したりせずに素直にハイハイと言っておけばいいのだ。これで少しでも態度が軟化してくれるなら御の字とでも思っておこう。
「……」
しかし、相手の反応は僕の予想とはだいぶ違っていた。
話を持って来た相手──
「……何よ?」
「い、いえ……ただ、あまりにも呆気なく了承を貰えたことに驚いただけよ」
自分がどんな顔をしているのか気付いたらしく、取り繕う様に扇子を広げ顔を隠した八雲紫は、これまた珍しく自分の予想が外れたことを正直に口にするのだった。
本当に珍しい事だ。いつも飄々とした態度で各勢力間を移り渡り、いつの間にか己が一番得をする状況を作り出すことを得意とする彼女が自らの計算違いを認めるのは珍しいを通り越してあり得ないことだった。
しかし、そのあり得ないことが目の前で実際に起きている。こうなると一周回って全て彼女の計算通りだったのじゃないかと思えるのは普段の態度が原因だろう。
「どうでもいいわ。それで用事は済んだのでしょう? だったら早く消えなさい。私は
「誰かに卸すこともなければ自分で食すわけでもないのに野菜を育てることに未だ意味が?」
「……心臓が生きる上で不要だと思っているなら話を続けなさい」
「今の発言全てを取り消すわ」
本気で言ったつもりはないが、僕が少し脅すとあっさりと八雲紫は引き下がった。こういう線引きをきちんとして来た上でこちらをからかって来るから厄介なんだよね。
「はぁ……」
こちらが触れて欲しくない箇所、特に本気で怒らないといけないラインのギリギリ手前で引かれるのは、なんとも煮え切らない感じになるのでもにょる。彼女もわかっていてやっているんだろうけどさ。
「さて、一番の懸念事項だった貴女の了承が取れたことだし、私はこれでお暇させていただくわ。ほら、私はこう見えて忙しいから」
「人の畑仕事を延々覗き見する時間はあるのに?」
「貴女の”趣味”が終わるのを待つ時間はあるのよ」
「……」
こういう気遣いを当たり前のようにして来るのってずるいよね。
好きになったらどうするんじゃい!
「そう、それは気を遣わせたわね。待つのが面倒だと言うなら今度は貴女の式にでも頼みなさい」
「誰も面倒だなんて言ってないのに……でも、あの子に言付けを任せるわけにはいかないのよ」
「何、貴女の式ってそんなお遣い程度もできないくらいに信用が無いの?」
「信用はしているわ。ただ、貴女相手にまともな応対ができると思えないだけよ」
「それを信用が無いと言うのよ」
確か藍とかいう名前だったっけ。何度か顔見せ程度に会った時は主以上に真面目な雰囲気だったけど。お遣い程度もできないくらい実はアッパッパな性格なのかな。いきなり脱ぐとか。
僕の突っ込みに八雲紫は「意外と繊細なのよ」と言うだけで詳細を語ろうとはしなかった。結局僕へのお知らせは引き続き八雲紫がすることになったことだけは理解した。
「それじゃ、またね。今度訪ねる時は詳細な中身の説明をするわ」
置き土産に次回の訪問予告を残し、八雲紫は現れた時と同様に裂け目へと消えていった。
「……」
裂け目の気配が完全に消えたことを確認すると僕はずっと張っていた緊張を解くのだった。
あ~……疲れたぁ。
何あの胡散臭いの。何?
顔を突き合わせての会話だけで精神的に疲れるって言うのに厄介ごとのおまけ付きなんてやめてほしい。僕の強くない精神が不安定になってしまったらどうしてくれる。あ、その場合はそれをネタにからかってくる来るのか。控えめに言って厄介女じゃん。
無駄に付き合いが長いおかげか、僕の踏み込まれて欲しくないラインを理解しているのも厄介の理由である。他の奴は基本的に距離を滅茶苦茶とるかゼロ距離で来るかの両極端だから、本当に稀有な存在だ。
……まあ、友人? と言ってくれたのは嬉しいけどね。べ、別にデレてなんてないんだからね!?
うん、友人とか僕には縁の無い物だったね……。
僕に友達なんてできないなんてことは前世からわかっていたことだし。
前世。
そう、前世である。
僕には今のこの姿になる前の記憶がある。所謂前世というものだ。
前世の僕は一般人の男だったのだけど、運悪く病気で死んでしまい、気付けば何も無い白一色の世界に突っ立っていた。
そこで出会った自称神の光の玉がようやくぶっ殺せたので来世は好きな人生を送らせてくれると言って来たので、仕方なく今生とは違う健康で長生きできる来世を望んだところ今の姿になっていたってわけ。
確かに妖怪というファンタジーな生物なら長生きできるけど、性別は男であって欲しかったというのは果たして贅沢な願いだっただろうか。実際かなり長い年月を生きて来れたので概ね満足してはいる。
「さて、残りの仕事を終わらせましょうか」
誰が聞いているわけでもないのに、言葉遣いは女性のそれである。
頭の中は男の僕だけど、見た目も言葉遣いも女性なのは昔取った杵柄と言うか、怖い人からの矯正が今も生きているからと言うべきか。
死ぬまで解決しない難題は脇へと捨ておいて、畑に撒くための水を汲みに川へと向かう。
僕が住んでいるのは幻想郷と呼ばれる人間と人外が共存する隠れ里のような場所だ。先ほど散々僕の精神を削って行った女が管理している場所でもある。
管理者である八雲紫と昔馴染みということもあり、僕は幻想郷の端に小さい畑と一軒家を貰ってそこで慎ましく住んでいる。元人間のためか人食いの必要が無い僕は彼女からすれば食費のかからない少数勢の妖怪という扱いなのだろう。特に土地代等を請求されたことはないので悠々自適のスローライフを過ごさせて貰っている。
傍から見れば今の僕は彼女のヒモでしかない。しかし、これでも幻想郷のピンチには少なくない回数の助力をして来たと自負している。それが対価だと言われたらぐうの音も出ないけど。
小川まで辿り着くと川辺にしゃがみ込み持っていた水桶に水を満たす。
外の世界は前世と同じくらい科学が進んでいるのだが、幻想郷はそうした科学の進歩からは隔離された空間である。人から畏れや信仰が消えた外の世界では生きられない幻想の住人が最後に逃げ込む場所が幻想郷なのだ。
だから川の水だって凄く澄んでいて、そのまま飲んでもお腹を壊すことなんて無い。まあ、妖怪の僕が腹を下すことなんて無いんだけどさ。
汲み終わった水桶を覗き見む。そこには前世の僕基準では信じられないくらい整った顔が映っていた。
緑色の髪色をした二十歳の女性の顔。それが今は自分の容姿だということに違和感を覚えない程度には慣れた。
でもこの顔、美人ではあるだけど、目付きがちょっっっと悪すぎる気がするんだよね。声色と相まって相手に威圧感を与えるって言うか。ぶっちゃけ初見では滅茶苦茶警戒される。
あの八雲紫ですら初対面の時は警戒心バリバリで身構えたくらいだからね。本当の僕は争いなんて嫌いで、他者を傷付けるのも嫌いな優しい妖怪なんですよ。
誰も信じてくれないけどね?
とにかく、今の僕はひっそりと一人生きる無害な妖怪なのである。
ちなみに、名前は
幻想郷縁起
【風見幽香(かざみ ゆうか)】
二つ名:幻想の最果て
危険度:極高
人間友好度:最悪
能力:不明※1
住処:太陽の畑
言わずと知れた危険な妖怪の筆頭。
魑魅魍魎の跋扈するこの幻想郷において「危険な存在」と言えばまず最初に彼の妖怪の名前が挙がると言えば、その危険度が解ることだろう。
また、幻想郷における最強と呼ばれる者の一匹でもある。
危険度と強さが必ずしも比例しない人外勢力の中、風見幽香だけはその危険度と強さが比例している存在である。
妖怪の賢者※2との協定により、人里内に姿を現すことはあるが人間に危害を加えることはしない。しかし、一歩でも里の外に出たならば絶対に出くわしてはいけないと人里では周知されている。
昨今、人間を食べたという目撃証言こそ無いが、過去に里の外に出た妊婦を殺害し、その腹の中から赤子を抜き取り食らったという逸話がある※3。
基本的に長く生きた妖怪ほど強いと言われているが、風見幽香がどの時代から生きているかは不明。しかし、とある妖怪から「恐竜を絶滅させた元凶」と言われているためかなりの長い年月を生きていると思われる。
前述した恐竜を絶滅させたのような、「何かを滅ぼした」系の逸話は彼女を語る上で切っても切れない関係にある。
風見幽香により絶滅、または壊滅状態に陥った勢力は数多存在し、その中でも妖怪の山の鬼陣営が風見幽香に喧嘩を売った結果、一夜にして絶滅寸前まで追い込まれた話はあまりに有名である。
それ以降地上で鬼の姿を見た者は存在せず、一部の生き残った鬼が旧地獄でひっそりと生き延びている程度とされている。
また、十年程前に幻想郷へと侵攻を企てた紅魔館の主が自らを「吸血鬼」と名乗ったせいで風見幽香相手に何もできずに沈められたことは有力者の中では有名な話である。
この様に、風見幽香に関わった勢力は強弱大小問わず壊滅的な被害を受けていることから、幻想郷で最も関わっていはいけない相手として認知されている。
※1能力が不明なのは風見幽香本人が隠しているというわけではなく、彼女を知る者達が隠していると思われる。
過去風見幽香と敵対した中で生き残っている存在が少なく、また、能力を使わせるまでに至った者が少ないため詳細不明のまま。裏を返せば、彼女に能力を使われた場合、ほとんど生存が不可能なことを意味している。
※2八雲紫。幻想郷において唯一風見幽香と交渉が可能な存在。その事実だけで多くの有力者から信頼を得ているが、同時に風見幽香専門のもめごと処理屋扱いを受けているので苦労人という印象。
初めて八雲紫と出会った者は、例外なく彼女の独特の雰囲気にうさん臭さを覚えるそうだが、その後風見幽香と関わると掌を返して八雲紫と友好的に接するようになる。
過去に幻想郷へと侵攻して来た紅魔館の住人達が風見幽香の襲撃を受けた後、八雲家の下請け的存在に落ち着いたのは有名な話だ。
その時の当事者たちのやりとりは不明だが、八雲紫の提案に紅魔館側が飛びついたと言われている。
※3関係者から事実が否定されてないことから信憑性が高いと思われる。
噂では食べる価値があると認められた人間のみ食しているらしく、風見幽香に食べられたということはその人間はそれだけの価値があったという証拠だと言われている。
というわけで、書き方を忘れないようにネタ投稿です。
あちらのアルティメットはもう少しだけお待ちください。
本作アルティメットサディスティッククリーチャーは自分がアルティメットシリーズと名付けている物語のうちの二作目にあたります。三作目がアルティメット千早となり、本作の方が先に生まれていました。
一作目の主人公も存在しますが最も性格が破綻しているので作品が世に出ることはたぶんないです。
本作の主人公風見幽香は作中でも語られた通り中身が幽香とは別人です。千早の前任とあってぶっ飛んだ性格をしていますが、千早よりは常識があります。幻想郷に住んでいるのに常識人枠なので気苦労が絶えません。しかも、無駄に強いせいで色々と厄介ごとまで向こうからやって来るので生きているだけでストレスが溜まってしまい、定期的に爆発しては各勢力と全面戦争を単騎でやるハメになり悪名を重ねてしまっています。
そんな幽香の日常とか異変とか恋愛話がメインのお話です。
あちらの方の更新前のリハビリとしてこちらを書けたらなと思います。