皆さんはクリスマスをいかがお過ごしでしょうか?
僕は24日も25日も普通に仕事して帰ってと変わらずの日常です( ̄з ̄)
本編は季節が全然違いますが、またクリスマスのお話を書きたいですね。
今日は、五つ子が仕事やバイトが入っているため人数が少ない中で勉強会が開かれている。それもうちでだ。
メンバーとしては二乃と四葉。それにことりと上杉とマンツーマン体制で教えることが出来るメンバーでもある。
僕もたまにことりと上杉からの質問に答えてはいる。
「そろそろキリの良いところで休憩にしようか」
「和にぃにさんせーい。もう頭がパンクしそうよ」
「じゃあ私がお茶淹れるね」
「上杉さん!ことりさんのお茶が用意できるまでここ教えてくれますか?」
「お、良いぞ。やる気があって良いことだな!」
ことりがお茶の用意の為にキッチンに向かうと四葉は上杉の横に付き勉強を教えてもらっている。
しかし、もう少し近づいても良いと思うんだが…僕との練習は成果が出ていないのか?
「あ~~…疲れたわぁ…」
そんな風に考えながら四葉と上杉の二人を見ていたら、ダイニングテーブルに座っていた僕の横の椅子に腰掛けた二乃がテーブルに突っ伏してしまった。
「お疲れさん。中々の集中力だったんじゃないの?」
「まあ、今日は人が少ないってのもあるわね。余計な私語も少ないし。ねえ和にぃ~、労るのもかねて頭撫でてよ」
「ふぅ…はいはい」
二乃のお願いを承諾した僕は、テーブルに突っ伏している二乃の頭を撫でてあげた。
「あ~~、癒されるわぁ」
「こんなことで癒されるなんて」
「何言ってるのよ。今、この瞬間的だけは私が和にぃを独り占めしてるんだから当然でしょ」
ふふふ、と笑いながら話す二乃なものだからこっちまで気分が良くなってくるものだ。
「お茶できたよぉ。あら二乃、兄さんに甘えてるの?」
「ふふん。今は三玖も結愛もいないでしょ。だから今のうちによ。そうだわ。和にぃ、肩借りても良いかしら?」
「肩?まあ良いけど」
二乃のお願いに承諾すると、二乃は起き上がり僕の右腕に両腕で抱きつき肩に頭を乗せてきた。
「良いわねぇこれ。憧れてたのよぉ」
「それで肩ですか…」
「あらあら、二乃ってばみんなの前でなんて大胆ね」
「……ことり、あんたには言われたくないわね」
「左に同じ」
「えー!?なんで!?」
うっとりとした顔でいる二乃であるが、今は自由にさせておこう。そんな二乃を見て、ことりは大胆だと発言したが、ことりには言われたくないと二乃が反論した。もちろん僕もだ。
「あんた、この間の教室で何したか覚えてないの?」
「んー?ああ、風太郎君のほっぺたにキスしたっけ」
ポンと右手で拳を作って左手に打ちながら思い出したようにことりは話した。
「もう日常だと思えてるってことだな」
「はぁぁ…私も攻めについては自信あったんだけど、ことりには敵いそうにないわね」
そんなことりの様子に僕と二乃は呆れた後、笑ってしまった。
「そんなあんたが随分今は大人しいじゃない?」
「今はみんな勉強に集中してるからね。そういうところはちゃんと弁えてるよ」
僕の前の席に座ったことりは、自分で淹れてきたお茶を飲みながら二乃の問いに答えた。
「へぇ~、ホントちゃんとした人物なのか判断に迷う人間ね、あんたって」
「ふふっ…」
別に二乃は褒めたつもりでは無いのだろうが、ことりはニコッと笑顔で返した。
「そういえば、二乃が撮ってくれた結愛ちゃんの入学式の挨拶の動画。おじさんとおばさんとても喜んでたよ」
「本当?」
「ああ。まあ、飛鳥はことりの涙声入りのブレブレ動画の方が面白くて気に入ってるみたいだけどね」
「ぶぅー!ホント飛鳥って意地悪だよね」
この間の結愛の入学式での動画の話になった。
実際に二乃が撮って編集された動画は、立花のおじさんとおばさんに大変好評であったのだ。一応ってことで、ことりが撮った動画も送ったのだが、飛鳥は爆笑したそうだ。それを言われたことを思い出したのか、ことりは唇を尖らせて文句を言っている。
「て、そうだった。動画がうまく取れたら何かお願い聞くんだったよね。二乃、何かしてほしいことや欲しいものとかたある?」
「え?本当に良いの?」
僕が二乃にお願いがないか確認すると、二乃は僕の肩に乗せていた顔を上げて、こちらを見ながら驚きの表情を見せた。
「ああ。約束したしね。結愛のおじさんとおばさんもお礼言っておいてくれって言ってたくらいだし。まあ、今は模試でそれどころじゃないだろうから、模試が終わってからかな」
「じゃあ、和にぃとデートがしたいわ!」
「デート?」
二乃へのお願いを承諾すると、すぐにデートがしたいと二乃は言った。
「ええ。一日私に付き合って。それくらいなら良いでしょ?」
「まあ、それくらいだったら良いか」
「~~っ…!ありがとう和にぃ!大好きよ♡」
デートくらいなら良いか、と返事をするとすごい嬉しそうに二乃は僕に抱きついてきた。
「あらあらお熱いわね。ねえー、風太郎君私たちも……」
「せんぞ」
「ぶぅー!まだ何も言ってないのに!」
僕に抱きつく二乃を見たことりは上杉に自分達もデートしようと提案しようとするも、即却下された。
それにはことりもご立腹のようである。
「ほら、もう休憩も良いだろ?さっさと続き始めるぞ!」
「はいはい…ま、今は気分良いからなんでも来いね」
「風太郎君はもうちょっと私に優しくあるべきだと思うなぁ」
上杉の勉強会再開の言葉に機嫌が正反対の二乃とことりが席を立ち、リビングテーブルに向かった。
「あの!上杉さん、私少し走ってきて良いですか?ちょっとリフレッシュしたくて」
「ん?まあ、今日のお前は頑張ってるようだしな。少しなら良いぞ」
「ありがとうございます!あ、先生も一緒にどうです?」
「僕?まあ、良いけど…朝も走らなかった?」
「いやー、勉強ばかりしてると運動したくなってきまして。どうせならご一緒してくれる人がいた方が良いなと思ったんです」
「分かったよ。着替えるから外で待ち合わせね」
「はい!では、私も着替えてきます!」
そう言った四葉はすぐさま隣の家に向かって行った。
「悪いわね。四葉の我が儘に付き合ってもらっちゃて」
「別に良いさ。運動不足の解消にもなるしね。上杉もたまには四葉に付き合ったら?」
「俺を殺す気ですか」
上杉にとっては四葉のジョギングに付き合うのは死を意味するものらしい。まあ、あのスピードだからな。
そんな訳でジャージに着替えて家を出た訳なんだが──
「ちゅっ……はぁ……ちゅる、れろ……ちゅっ……」
外に出ると一度家に来てほしいと四葉から連絡があったので、玄関のドアを開けるとそこにはすでにジャージに着替えていた四葉の姿があった。
僕が入ってくるや否や、玄関のドアの鍵を閉めて首に腕を巻き付けるように抱きついてきたと思えば唇を奪われていた。
「ちゅっ……はぁ……ったく、こんなことだろうと思ったよ」
「えへへ、分かってて来てくれるなんて、やっぱり先生は優しいです。それとも私とキスしたかったですか?」
「そう…だな。期待していなかったっていうのは嘘になるかもな」
「え…?」
ジョギングもキスをするための口実だと分かってはいたが、僕は断らなかった。もしかしたら沼に嵌まってしまったのは僕の方かもしれないな。
「てか、お前はさっきの勉強会の時にもう少し上杉に近づけなかったのか?あれじゃあ、この授業の意味がないだろ」
「良いんです。私には私のペースというものがあるんですから」
「そんなこと言ってると、ことりや一花に取られちゃうぞ?ほら、もう良いだろ。ジョギング行くぞ」
「もう少しだけ……ちゅっ……ちゅっ……はぁ……せんせいも…もっと激しくして良いんですよ?」
「………分かったよ」
「んーっ……ちゅる……れろれろ……ちゅっ……はぁ……きもちいい……くちゅ……んン……ちゅっ……」
結局、暫く玄関先で二人でキスで盛り上がった後にジョギングに向かうのだった。
その日の夕方。もう少し勉強をしたいという上杉に僕の部屋の机を貸してあげた。
しかし、上杉もそろそろ限界のように見えるが。
ことりもことりで自分の部屋で勉強をしており、今は結愛と並んでソファーに座りテレビを観ていた。
「上杉先輩大丈夫でしょうか?うつろうつろでしたけど」
「全国一桁。それだけ生半可なものじゃないってことさ」
「今頃お姉ちゃんも勉強してるのかなぁ…」
「かもしれないね」
ピンポーン…
そんな話をしていたところに来客のチャイムが鳴った。
玄関側のチャイムということは、五つ子の誰かだろうか。
そんな思いで玄関を開けると、やはり五つ子の一人でもある五月の姿があった。
「こんばんは先生」
「こんばんは。今帰ってきたとこ?」
「ええ。家に帰ると、上杉君はまだこちらで勉強していると聞きまして。少しお邪魔しても良いでしょうか?」
「ああ。構わないよ」
上杉に用事があるようで、五月を家の中に招いた。
「上杉に用事?」
「はい。帰って聞いてみたところ、私だけ上杉君に誕生日プレゼントを渡していなかったようでして…」
ああ。そういえば、朝に二乃と三玖と四葉が渡してたな。一花は先に渡してたっぽいし、五月は朝早かったみたいだから渡せなかったのか。
「それでわざわざ来たのか。やっぱり五月は律儀な子だよ」
「そんな…!それにプレゼントといっても、どちらかと言えば差し入れみたいな物なのですが…」
そう言って手に持っていたビニール袋を五月は掲げた。
「中には栄養ドリンクが入ってます」
「ははは、今の上杉にはベストチョイスだと思うよ。バレンタインの筆記用具セットといい、五月は今上杉が欲しいと思う物を選ぶのがうまいよね」
「そ、そんなことありません!ただ単に渡すものが思いつかないだけです!」
褒めてあげたつもりだったんだけど、なんか少し不機嫌になったか?
そんなことを考えながら僕の部屋のドアをノックした。
コンコン…
「……はい…」
声が死にそうだが大丈夫か?
「勉強中に悪い。五月が差し入れを持ってきてくれたから入って良いかな?」
「ど…どぅぞぉ…」
「じゃ、後はよろしく」
「え!?一緒に来てくれないのですか?」
「誕生日プレゼントなんだから自分で渡さないと。ほら」
「うー……失礼します」
尚も文句がありそうな五月を部屋の中へと促して扉を閉めた。五月と上杉は似た者同士だからな。五月から良いアドバイスとかしてくれるかもしれない。
そう思いながらリビングに戻った。
「お客さんは五月さん?」
「ああ。誕生日プレゼントをまだ渡してなかったから渡しに来たんだってさ」
「そうですか。律儀な方ですね」
「僕もそう思うよ。結愛も今日のバイトは初めてのオールで疲れてるだろ。先にお風呂入ってきな」
「はーい」
僕に返事をした結愛はそのままお風呂に向かった。
僕はソファーに座り、テレビを観ながらスマホを開いた。
ヴー…ヴー…
ん?着信?三玖からメッセージか。
「ぶぅー!」
開いたメッセージには、バスタオル姿の三玖が自撮りした写真が添付されていた。
『今からお風呂。ドキドキした?』
飛鳥といい、今時の女子高生はこんなことするのか?
『ドキドキはしたけど、あまりこういう事はしないように』
『考えとく』
考えないで、普通に返事してほしかったのだが。
そうしていると終わったのか、五月がリビングに入ってきた。
「あれ?もう終わったの?」
「はい。話していたらいつの間にか上杉君寝てしまって…そっとしておこうかと」
「そうだね。しばらくしたら起こして家に送るよ」
「そうしていただけると助かります。ことりさんと結愛さんは?」
「ことりは部屋で勉強中。結愛はお風呂に行ってるよ」
僕が一人でソファーに座っているからか、キョロキョロと辺りを見ながら五月は二人の所在を聞いてきた。
「そっか。なら…!」
二人がいない事が分かった五月は笑顔になって僕の隣に座り肩に頭を乗せるように寄りかかってきた。
「はぁぁ~~、久しぶりのお兄ちゃんとの二人の時間だぁ~」
「お疲れさん。どう塾は?」
「うん。勉強の方もそうだけど、教育現場も見れて充実してるよ。紹介してくれたお兄ちゃんに感謝だね」
塾での五月は良い刺激になっているようで、感謝をされると紹介した甲斐があったというものだ。
そうしてると、五月は肩に頭を乗せるだけでなく僕の腕に自分の腕を絡ませるように抱き締めてきた。
「今日の五月はえらく甘えん坊だね」
「良いでしょたまには。結愛さんまでこっちに来たからこういう時間が中々取れないんだもん」
「ま、良いけどね」
「すぅ~、はぁ~…お兄ちゃんの匂いって落ち着くなぁ。ずっとこうしてたいよ」
四葉にも言われたがそんなに僕の匂いは落ち着くものなのだろうか。特に香水とかしてないんだけど。
五月はというと、今にも寝そうなほど静かに目を瞑っている。
「そろそろ結愛もお風呂上がってくるかもだからここまでね」
「うーー…じぁあ最後に…!」
そう言った五月は僕の胸に顔を埋めるように抱きついてきた。すぅーっと音もするので本当に匂いを堪能しているようだ。
しばらくそうしてると満足したのか『よし!』という声で立ち上がり帰る準備を始めた。
そんなところにお風呂上がりの結愛がリビングに入ってきた。
「あれ?五月さん、もう帰られるんですか?」
「ええ。これから夕食も食べないといけませんし。では、先生おやすみなさい。結愛さんも」
「ああ。おやすみ」
「おやすみなさい」
いつもの五月に戻ったらそのまま家に帰っていった。
その後、しばらくしたらバタバタと部屋から出てきた上杉を家まで送るのだった。
今回の投稿も読んでいただきありがとうございます。
今回は和彦の心の葛藤を書かせていただきました。
本来であれば四葉とのキスを止めなければいけない気持ちと、男として可愛い女性とのキスを拒めない気持ちの葛藤です。
世の男なら迷わず後者を選ぶと思いますが……
そして、久しぶりの五月の甘えモードも発動しました。
今後も我慢できていけるのか見物です。
次回はそんな和彦の悩みに追い討ちをかける展開を書こうかと思っています。
次回の投稿は12月30日を予定しております。
次回の投稿も読んでいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。