この場をお借りして御礼申し上げます。
何だかんだと迷走しているような作品となってしまいましたが、これからも僕の妄想にお付き合いいただければと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
夕食後。
約束していたように五月が僕の部屋で勉強をしている。ただちょっと話していた内容と違うところがある。それは部屋の床に敷かれた布団である。
少し遅くなったこともあり、五月が泊まりがけで勉強を教えてほしいとお願いしてきたのだ。
結愛は不服そうだったが、ことりの一つ返事で五月の要望は通った。
「えっと……これはっと……ん?先生は何されてるんですか?」
先程まで分からないところを教えていたのだが、今は自習ということで僕はベッドに座りある作業をしていたのだ。
「ん?これは今日行った空手部の子達の自主練を纏めてるんだよ」
「本格的に指導されるんですね?」
「あの子達の強い要望もあってね。まあ、高校の時も部員仲間の自主練の内容を考えてたりしたし、なんて事はないんだけどね」
五月は勉強の手を止めて僕のノートを覗き込んでいる。
五月がなぜいつも通り敬語で話しているのかというと、今僕の部屋のドアは開いたままであるからだ。
結愛からの要望でドアは開けたままにするようにと言われてそんなことになっている。という訳で、いつことりや結愛が来るか分からないこともあり、五月は敬語で話しているのだ。
「ほら、僕の事は良いから自分の勉強進めな。分からないところがあれば遠慮なく質問して良いから」
「はい。あ、じゃあ早速良いですか?」
「良いよ」
ノートとシャープペンをベッドの上に置き、立ち上がった僕は五月の傍まで行ってノートを覗き込んだ。
「ここなんですが、どうしても答えを導けなくて…」
「ああ、これはちょっとしたコツがいるんだよ。前の問題でも使った公式を使うんだけど──」
そんな感じで、五月との二人の勉強会は何事もなく有意義な時間を過ごせていた。
~ことり・結愛side~
「………」
そんな和彦と五月の勉強している姿を扉の陰から結愛はじっと見て、そのままリビングに戻っていった。
リビングでは、ことりがソファーに座り、テレビを観ながらスマホを弄っていた。
「どう結愛ちゃん?二人は真剣に勉強してた?」
「うん。すごい集中してたよ」
「ほらね。結愛ちゃんが気にすることはないって言ったでしょ?」
ニッコリと話すことりの横に結愛は座るとまだ不服そうな顔をしていた。
「それはそうかもだけど…やっぱり心配だよ。この間だって二乃さんと夜遅くまでデートしてたし、今朝はことりさんが和彦さんにキスしてるんだもん」
「あれは兄妹のスキンシップだって言ったじゃん」
(まあ、さっきまでキス以上の事をしてたんだけどねぇ…)
結愛を納得させるようにことりは笑いながら話した。
「そうなんだけど…私だってまだ和彦さんとキス出来てないし…今日の夜にもお願いしようと思ってたの」
「ありゃりゃ、そんなこと考えてたんだ。それは予定が崩れたね」
結愛の予定を聞いたことりは残念そうに伝えた。
「ねえ?ことりさん。キスってどんな感じ?」
「え?うーん…そうだなぁ…」
結愛の質問に右手の人差し指を顎に当てながらことりは考えた。そして、フッと笑みを浮かべて答えた。
「とっても気持ち良いよぉ。結愛ちゃんがもししたら嵌まっちゃうかもね」
「そ、そんなに!?」
「うん!だってあの飛鳥が何度もしてるくらいなんだから。相当だよ♪」
「うわぁ~♪ますますしてみたくなっちゃった!」
「ふふふ…きっとまだ機会はあると思うし、せっかくのファーストキスなんだから、心に残るようなキスをすると良いよ」
「うん!」
ことりの言葉にどうしようとワクワクしながら考えている結愛をことりは微笑みながら見ていた。
するとそこにことりのスマホに着信が入った。
「どうしたの二乃?」
『どうなのよ、そっちの様子は?』
「あはは…ここにも気になる人がいたか…」
ことりに電話をしてきたのは二乃。五月が和彦に勉強を教えてもらうために泊まることになって心配してきたようだ。
「二乃が心配してるようなことはないよ。今も集中して勉強してるみたいだし。部屋もドア開けてるしね」
『むうぅぅ…今は良いかもだけどことりと結愛ちゃんが寝た後が心配よ』
「もう心配性だなぁ二乃は……二乃と違って五月が兄さんをエッチなこと誘う訳ないじゃん」
『!』
結愛には聞かせられないと思ったことりは、ソファーから立ち上がり自分の部屋に向かいながら話した。
すると二乃は息を飲み込んだ。
『なんで…』
「そりゃあ、あんな時間に帰ってきてたし。それに兄さんってば石鹸と二乃の香水の匂い付けてたし」
『あんたは犬か!はぁぁ…まさか、妹にバレるなんてねぇ』
和彦との情事がことりにバレた事で二乃はため息混じりに頭を抱えるように話した。
「別に兄さんがエッチなことしてるなんて普通だと思ってるから大丈夫だよ。まあ、最初は二乃と付き合い始めたと思ったんだけどね。最後までしたの?」
『あんたはストレートに聞いてくるわねぇ……………してないわよ。お互いに気持ち良いことはしたけど挿れてはない……』
「へぇ~…それは二乃が恐がったから?」
『違うわよ!私は…正直…最後までしたかったわよ…』
和彦が最後までしなかった理由を、ことりは二乃が恐がったからかと聞くと、二乃はすぐに否定した。むしろ、和彦に初めてを捧げる気持ちでもいたと告白したのだ。
「そっか…ごめんね。じゃあ、兄さんの気持ちの問題なんだ」
『ええ。和彦は本当に好きになった人としか最後までしないって言ってたわ』
「本当に好きになった人、か……」
(じゃあ、さっき私にも挿れてくれなかったのはそういうことからか…)
二乃の言葉に先程のお風呂の出来事をことりは思い出していた。
和彦は初めては風太郎のために残しておくように言っていたが、実際のところはそうではなかったのかもしれない。自分の事を妹としてではなく一人の女として見てくれるようになったが、まだ和彦にとっては一番にはなれていない、ことりはそう感じたのだ。
(………てことは、もしかしてすでに心に決めてる人がいるとか…?その人のために最後まですることを抑止してるってことかなぁ…)
『ことり?』
ことりは、一人和彦の心境を考えていたら二乃に声をかけられた。
「ごめんごめん。ちょっと考えちゃって。そっかぁ…兄さんってば純情なところもあるもんだ」
二乃の声にことりは笑いながら答えた。
『そうね。そういうところも私は好きだわ』
「ふふっ…二乃ってば兄さんのエッチのテクニックに骨抜きにされたんじゃない?」
『ぶっ…!あんたって本当に恥ずかしげもなくそんなこと言えるわね。ある意味尊敬だわ』
二乃の和彦を好きだという言葉には、ことりにも本当に和彦を愛しているのだと感じられるものだった。
そんなことりではあったが、和彦のテクニックを知っているからこそ二乃に質問を投げかけた。そんな質問に二乃は、吹いてしまいちょっと引いてしまった。
「ふふん。それでそれで?どうなの?」
『普通兄のそういうこと聞きたがるものなの?』
「えー…そりゃあ気になるよ。自分の兄が女の人を満足させれないなんて知ったら申し訳ないじゃない?」
『……………凄く気持ち良かったわ…』
ことりの押しに負けた二乃はボソッと感想を答えた。
「やーん、もう♪二乃ってば可愛いぃ♪」
『もう!からかわないでよ!』
ことりはノリノリで二乃をからかっていた。
「そんなに気持ち良かったのならまたしたいって思っちゃうんじゃないの?」
『そりゃあ………したいわよ…ことりには正直に言うけど…カズヒコの姿を見たり声を聞いただけで濡れてきちゃったし…』
「わおっ!」
二乃のカミングアウトにことりは驚きの声をあげた。
「だ、大丈夫なの?今日は数学なかったけど、明日は数学あるよ?」
『そうなのよぉ…今日は帰って浴室で一人でしたけど…やっぱり物足りなさがあるのよねぇ…』
「浴室……そっか、五人での共同生活だもんね。部屋では無理か」
現状、五つ子は一つの部屋で一緒に寝ているため、そういった行為を行うには浴室かトイレくらいしかない状況である。それをことりはすぐに理解した。
「うーん…明日、兄さん貸そうか?結愛ちゃんには適当な理由を言っておくから」
『本当!?良いの?』
ことりから和彦にお願いしてみようかと提案すると二乃はすぐに飛びついた。
「原因は兄さんにもあるわけだしね。だけど、一つ条件があります」
『何よ?』
ことりが条件があると伝えると、二乃は多少なりとも警戒した。
「ふふふ…それは、二乃一人ではなく三玖と四葉も一緒に行くこと」
『!あんた、二人のことも知ってたの!?』
「まあねぇ~…これは二乃だけの秘密なんだけど、私ってお兄ちゃんが超好きなの」
『へ?』
急なことりのカミングアウトに二乃は言葉を失った。
「もうね、兄としてじゃなくて一人の男の人として好きで好きすぎてたまらないの!」
『ちょっ、ちょっと待ちなさい!』
「ん?どうかした?」
テンション高く自分の和彦への愛を語ることりに二乃は待ったをかけた。
『あんたは上杉が好きなんじゃないの?』
「うん。風太郎君も好きだよ。でもお兄ちゃんへの愛は抑えることができないんだよ!四葉だって私と同じ状況なんでしょ?」
『なんでそう思うのよ?』
「うーん…四葉が風太郎君を好きだってのはなんとなくだけど感じてたんだよねぇ…そんな時にこの間お兄ちゃんのところに相談に来たって言ったから確信に変わったって感じかな」
四葉の風太郎への想いについては前から感じてはいたとことりは語った。
『じゃあ、四葉がカズヒコを好きだって言うのは?』
「ふふふ…私ってお兄ちゃんの布団の残り香を嗅ぐのが大好きなの♡」
『は?』
「あれはヤバいよぉ。実家にいた時もやってたんだけど、残り香だけで何回もオナニーしちゃったし♡」
『マ、マジ?』
「うん。二乃も一回やってみなよ。絶対はまるから」
『………ゴクッ…』
ことりの誘いに二乃は想像して唾を飲んでしまった。
「で、例の三玖と四葉が泊まった日の次の日、ああ二乃がお兄ちゃんとデートした日だね。その日もいつも通り残り香を嗅いでたんだけど、その日は色んな匂いが混ざってたんだよねぇ」
『やっぱあんたは犬ね…』
「ぶー!失礼だなぁ。それに、ゴミ箱にはティッシュがたくさん捨ててあったしね。あ、これはしてたなって…で、週明けの登校日には四葉もメイクしてたし、そこである程度確信したかな」
そこでことりの推理は終わった。ことりの言葉に二乃はため息しか出なかった。
『はぁぁ…あんた将来探偵でもしたら?特に浮気調査とか…』
「それは無理。私の鼻はお兄ちゃんの匂い専門だから♡」
『断言したわね。とは言え、三人でかぁ…』
和彦とエッチなことはしたい。だが、するならやっぱり二人っきりの方が良いに決まっている。そこに他に二人もいるとなると、と二乃は悩んでいた。
『むぅ~…仕方ないわね。私が一番カズヒコを気持ち良くできるって証明してみせるわ!』
結局は和彦との時間を選んだ二乃。高らかに自分が一番和彦を満足させると宣言した。
「おー、言うねぇ。じゃあお兄ちゃんの方は任せといて。上手く誘導するから」
『てか、あんたは良いの?自分の好きな人が他の女の子と、しかも複数人とイチャイチャするのは』
そこで二乃は最もな事をことりに聞いた。
『私は良いの。どんなに頑張っても彼女にもなれないし、奥さんにもなれない…』
「ことり…」
『でもね。お兄ちゃんは言ってくれた。私のことを一人の女性として見てくれるって。そ、れ、に♪お兄ちゃんからの愛はもうもらったから♡』
「はあぁぁぁーーー!?」
ことりの言葉に二乃は絶叫した。
『あ、ああ、あんた。カズヒコとしたの?』
「うん♪二乃の言う通り最高だったよ~♡」
『嘘でしょ…まさか、最後まで…』
「ああ、それはないから安心して。結構頑張って誘ったんだけどなぁ。挿れてはくれなかったよ…」
残念そうに話すことりに少しだけ二乃はホッとした。
「初めては風太郎君のために取っとけだってさ」
『まあ、そうよね。もしあんたが上杉と付き合ってそういうことをした時に、初めてじゃなかったら、あいつ混乱するでしょうね』
「そういう訳だから、私はいつでもお兄ちゃんとできるってこと。だから気にしないで楽しんできてね」
明るく話すことりに対して二乃はため息が出てしまった。
『はぁぁ…まさか妹に手を出すなんてね…』
「ふふっ…妹に手を出したお兄ちゃんに幻滅した?今ならまだ間に合うよ。お兄ちゃんを諦めること」
悩んでいる二乃に対してことりは試すように話した。
『そうね…普通だったら幻滅してるんでしょうね。でも、私は諦めないわ。カズヒコときっと結ばれてみせる!』
「そっか…」
二乃の宣言にことりは満足そうに笑みを浮かべた。
「明日のことはお膳立てはするけど、後は二乃たち次第だからね?もしお兄ちゃんが断っても文句はなしだよ?」
『わかってるわよ。そこは任せときなさい』
そんな感じで、和彦のいないところで着実に和彦に関わってくることが決まっていくのだった。
今回の投稿も読んでいただきありがとうございます。
今回は和彦と五月の話をメインで書こうと思ったのですが……
いつの間にか、ことりと二乃のここで載せて良いのか分からない会話となってしまいました。
大丈夫だろうか…一応R15にはしてるので大丈夫だと信じます!
暴走機関車が二台ともなると和彦も色々と大変ですね。
まあ、主にことりの暴走のような気がしますが…
さて、次回では和彦がある決断をするお話を書かせていただきます。
次回の投稿は2月5日を予定しております。
次回の投稿も読んでいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。