少女と花嫁   作:吉月和玖

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132.本性

~道場~

 

ヘルメットやグローブなどの装備が終わったことりと綾那は、それぞれの位置について準備運動をしながら和彦の指示を待っていた。

 

(あはは!やっぱあの腕立て伏せやらされるんだねぇ…前に飛鳥や結愛ちゃんに乗ってもらったけど、私は結愛ちゃんで限界だったかなぁ…本多君可哀想…)

 

四葉と忠義の人を背中に乗せて腕立て伏せを行う様子を見て、ことりはクスクスと笑ってしまった。

 

「ことり先輩」

「ん?どうしたの?」

 

そんなことりに綾那が真剣な表情で声をかけた。

 

「本当に高校に入ってから空手をやっていないのですか?」

「うん。()()()今日が三年振りくらいかな…どうして?」

「いえ。その…和彦様と違って雰囲気が三年前とあまり変わっていなかったので…」

 

(へぇ~…()()()()()()())

 

綾那の指摘にことりは笑みを浮かべた。

するとそこに、風太郎と一花と五月が道場に入ってきた。

 

(風太郎君!?それにお義姉ちゃんに一花も。ふふっ…これは無様な試合は出来ないかなぁ…)

 

「ま、実際に試合をしてみればわかるよ。後、ごめんね。風太郎君が来ちゃったから、好きな人の前で無様な姿を見せられないんだ…本気でいくね♪」

「!」

 

笑顔のことりではあるが、綾那はすぐにことりの雰囲気が変わった事に気づいた。

 

(しかし、まだ()()()()ではない。そうなる前に終わらせなければ…)

 

「私も同じです。主である憂様とお慕いしている和彦様の前で無様な試合はできません!」

 

綾那はことりの雰囲気に飲まれる事なく闘志を燃やした。

 

「良いねぇ…楽しくなりそう♪」

 

ことりのそんな言葉が口から出たところで、和彦が少し近づいてきた。

 

「ちょっと遠いけど僕がここから審判をする。二人とも準備は良いかい?」

「「いつでも良いです」」

 

和彦が二人に声をかけると、ことりと綾那は答えた。

そして──

 

「はじめ!」

 

和彦の合図と共に試合が始まった。

始まると同時に動いたのはほぼ同時。お互いがお互いの攻撃を受けながら攻撃をしていた。

 

(はえ)ぇ……」

 

そんな二人の行動を見て風太郎は呟いていた。

 

「本当ですね」

「ことり凄っ…!」

 

そんな風太郎の呟きに五月と一花も感想を口にした。

 

「ことり先輩と綾那の二人は、どちらも速攻派。俊敏さを生かして、早い攻撃で相手を圧倒するタイプなのです」

 

風太郎と一花と五月に対して、扇子を開き口元を隠しながら観戦をしている憂が説明を始めた。

 

「力で相手を圧倒する本多さんや、相手の攻撃をいなしつつカウンターを狙う和彦様。人には色々な闘い方のタイプがあるのです」

「へぇ~…」

 

憂の説明に一花は関心しながらも二人の闘いを観ていた。

 

「今のところは互角ですね、先生」

「ああ。ことりもブランクがあるだろうによくやるよ」

 

結愛の感想に和彦が答える。

 

「てか、全然早すぎてポイントが決まったかどうかわかんないんだけど…」

「いえ……二人とも……ギリギリのところで受けているので……まだどちらもポイントは入っていないですね……」

 

二乃の言葉に、腕立て伏せをしながらも観戦をしている忠義が答えた。

 

「あんた、よくそんな状況で観れるわね」

「へへへ……こんな……面白い試合……観過ごせませんよ……」

「ふ~ん…」

 

忠義の答えに少し関心した二乃はまた二人の試合に目が行った。

 

「四葉」

「二十四……はい!……二十五……」

 

そこに和彦から四葉に声がかかったので、四葉は数を数えながら答えた。

 

「難しいかもだけど、この試合……特にことりの動きを観といて」

「二十七……わかりました!」

 

(それにしても凄いな四葉さん。私が上にいるのにすごい安定してる。しかも和彦さんから言われる前からずっと試合観てるもん)

 

和彦の言葉に元気に答えた四葉は数を数えながら腕立て伏せを続け、試合を観戦していた。

そんな四葉の上にいる結愛は、四葉の凄さにただ驚いていた。

 

そして試合が動いた。

ことりの突きが反らされて、ことりの体勢が崩されたのだ。

 

「嘘ッ…!やばっ…!」

 

それにはことりも驚き、体勢を立て直そうとしたところに綾那の蹴りが肩に当たったのだ。

 

「技あり!」

『おーーー』

 

和彦の判定の後、部員から驚きの声が上がった。

 

「ふーん…今のって兄さんの技だよね?何?木下さんも使えるんだ…」

「はぁ……はぁ……はぁ……どうでしょうね…はぁ……」

 

ポイントを取ったのは綾那ではあるのだが、綾那の方が疲れが出ているように見受けられた。

 

(明鏡止水…あれ、嫌いなんだよねぇ…お兄ちゃんに何度挑戦しても全部流されちゃうんだもん…でも、なんか違和感あるんだよねぇ…)

 

次の試合の準備に入るところで、ことりは冷静に状況の判断をしていた。

 

「ちょっ…!あれって先生のじゃないの!?」

「確かに……あれは師匠の……明鏡止水っすね……」

 

二乃の驚きに忠義が腕立て伏せを続けながら答えた。

 

(うーん……でもなんか違和感あるだよねぇ…先生とは違うような…)

 

その隣で腕立て伏せをしながらも観戦をしている四葉ににはことり同様違和感を感じていた。

 

(さて、ことり先輩に気づかれるかどうか。和彦様は……やはり気づかれてますか…)

 

「………」

 

和彦の横で綾那を見守っている憂であるが、綾那の使っている明鏡止水には()()がある事をことりに気づかれないか心配して観ていた。そして、隣の和彦に目線を向けると、和彦の表情に変化がなく少し心配そうに観ている事で、和彦には気づかれていると憂は悟った。

 

「はじめ!」

 

和彦の号令のもと続きが開始された。

次の試合も先程と同じで、ことりと綾那はお互いに攻めと防御の攻防を続けていた。

 

「うーん……なんか気になるんだよねぇ…」

「ん?どうしたのよ、結愛ちゃん」

 

ことりと綾那の試合を観ていた結愛が気になると言うと、二乃が確認した。

 

「だって…先生の明鏡止水が使えるならなんですぐに使わないのかなって…」

「どういうこと、結愛ちゃん?」

 

結愛の疑問に一花が質問した。

 

「だって、ことりさんみたいなタイプには明鏡止水ってかなり有効なんだよねぇ…昔二人が模擬戦してた時もことりさん全然歯が立たなくって、すごい悔しがってたもん」

「確かに……不自然ではありますね」

 

結愛の言葉に五月は顎に手を持っていき、考えながら口にした。

 

「あれじゃないっすか……体力温存みたいな……あれってかなり集中力……使うっすからね……」

 

五月の疑問に忠義が自分の考えを伝えた。

 

「………使わないじゃなくて、使()()()()んだよ…」

 

そこに和彦が静かに答えた。

 

『え?』

 

その言葉に和彦の周りの人間は驚いた表情で和彦を見たが、次の瞬間ことりの突きがまた流され、今度は綾那の突きが決まった。

 

「有効!」

 

和彦の号令を受け、ことりと綾那は元の位置に戻っていった。

 

「今の使えてるんじゃないの?」

 

そこに一花から疑問が出た。

 

「そう…ですね…」

「俺には、そもそも何が何だかサッパリわからん!」

「ちょっと、先生説明してよ!」

「えっとだな──」

 

一花の疑問に五月は同調し、風太郎はそもそも何が起きているのかも分からなかった。

先程の和彦の言葉の意味が分からず、二乃が和彦に問いかけたので、和彦が説明をしようとしたその時──

 

「あはっ……♪」

「!まずい!和彦様!」

 

(やばっ…!)

 

ことりの様子が変わった事にいち早く気づいた憂が和彦に声をかけた。それに和彦が危機感を露にした。

ことりが笑みを浮かべると道場中の空気が一変した。

 

ズンッ!

 

「何々!?怖いんだけど…!フータロー君!」

 

一花は恐怖から風太郎の腕にしがみついた。

 

「ちょっと!これって…!」

「ぐぅーー…!やべぇーー…!」

「これはっ…!先生のっ…!ううん!それ以上に寒いッ…!」

 

一度和彦の闘気を浴びた事がある二乃と忠義と四葉はなんとか耐えていた。

 

(…っ!この感じは、和彦さんとの関係をことりさんに伝えた時の...っ!)

 

以前、ことりに和彦と五月の関係を報告した時に感じたものと同じだと五月は思い、身震いするように耐えていた。

 

バタッ…!バタッ…!

 

更には、この空気に耐えられず倒れる部員も出てきた。

 

「まずいですよ!和彦さん!」

「分かってる!ふぅ……!」

 

最悪な状況であることを結愛が、思わずいつもの呼び方で和彦に伝えると和彦は返事をして意識を集中させた。

 

「……?収まった…?」

 

急に元の空気に戻った事に、一花は風太郎の腕にしがみつきながら感じた。

 

「いいえ。収まってはいません…」

 

緊張気味にことりをじっと見ていた憂が一花の疑問に答えた。

 

「あはっ…♪あはははは♪」

「ことり…?」

 

憂の見つめる先のことりは高らかに笑っており、いつもと違うその姿に風太郎は声が漏れてしまった。

 

「今は先生の闘気でこっちにことりさんの闘気が来ないように抑えているだけなの」

 

そこに結愛が今の状況を伝えた。

 

「なるほどね。これを危惧して先生は私たちの前に…」

「それにしても、なんて人だ!下手したら師匠以上ですよ!」

「いいえ、そうじゃないと思います」

 

結愛の言葉で先程の和彦の指示の意味を二乃は理解した。

そんな中、忠義がことりの闘気が和彦以上ではないかと叫ぶと、それを冷静に四葉は反論した。

 

「うん。四葉先輩の言う通りだよ。闘気の強さだけで言えば、先生の方が断然強いの。ただ……」

 

四葉の言葉に肯定した結愛であったが、何か言いにくそうにしている。

 

「はぁ……あの阿保は闘気と一緒に殺気まで混ぜてるから厄介なんだよ…」

 

ため息混じりに和彦が話したのに対して、全員が息を飲んだ。

 

「せ…先生……」

「とっ…大丈夫?五月」

「は…はい…なんとか…」

 

そこに無意識なのか、五月が和彦の傍までヨロヨロと近づいてきてそれを和彦は支えた。

 

大丈夫ですか?()()()

「え…ええ…大丈夫ですよ。ありがとうございます。あのぉ…その五月様ってなんとかなりませんか?

いいえ。これは(わたくし)のけじめでもあるのです。それに、和彦様の伴侶なのですから。大丈夫ですよ。皆さんの前では()()いつも通り呼びますから

 

支えられている五月に近づいた憂は扇子で口元を隠しながら五月に心配の言葉をかけた。そんな憂は五月の事を様呼びしている。それに五月はむず痒く慣れないでいた。そんな五月に憂は微笑みながら自分の意思を伝えた。

 

「本多。四葉。今日の特別メニューは終わりで良いから、倒れてる部員を介抱してあげてくれ」

「オッス!」「わっかりましたぁー!」

「二乃と立花、それに今井も頼む」

「わかったわ」「はい!」「御心(みこころ)のままに」

 

そんな二人の会話を聞きつつ和彦は倒れてしまった部員達の介抱するよう指示を出した。それに、全員が返事をしてすぐに行動を開始した。

 

「その……このまま試合を続けてて良いのでしょうか?」

「うーん…今のところは大丈夫だよ。それに、いざとなったら僕が止めるから。よし、次はじめ!」

 

和彦の支えから離れた五月が、心配そうに和彦に試合続行は大丈夫か聞くと、安心させるように優しく和彦は答え、試合開始の合図を出した。

 

「はっ…!」

 

(速いっ…!)

 

その合図と共にことりによる猛攻が始まった。それに綾那はなんとか食らいつくも、防戦一方であった。

 

「なんだよ、あの速さ!?」

「あれがことり先輩の技の一つ()()です。孫子の兵法の一つ、『(おか)(かす)めること火の如く』から取ったと言われています。まるで烈火の如く攻撃の手を緩めないのです」

 

ことりの攻撃の速さに忠義が驚きの声をあげると、憂が説明を始めた。

 

「なるほどな。武田信玄の兵法にもなったあれか。まさに侵し掠めること火の如くって感じだな」

 

憂の説明に納得したように風太郎が答えた。

 

「ええ。あの攻撃を止められた方は中学時代にはいませんでした。もっとも、あれを出したのはほんの数回ですが」

「ふぅ……あいつは気が短いからなぁ…前に一度そんな事じゃあ防御が疎かになるだろって聞いたら、『攻撃は最大の防御だよ』、て笑いながら話してたよ」

 

憂の説明に続くように和彦が呆れながら昔の事を話した。

 

「でも、あながち間違ってはいないわね。木下なんてことりの攻撃を防ぐので手一杯で、全然反撃できてないもの」

 

(ま、あんなの続けてたら体力が消耗されるだけなんだけどな…だが、それを補うようにことりの体力は相当なものだ。これを四葉が使えたら…)

 

そんな考えをしながら和彦はチラッと四葉を見た。

四葉は介抱の手を止めてじっと真剣にことりの動きを見ていたので、それに満足し和彦はまた試合に目を戻した。

 

「どうしたの?あれ、使わないの?」

「くっ…!」

 

ことりは攻撃をしながら誘うも綾那は受けるだけだった。しかし、その受けもそう長く続くものでもなく、ことりの右蹴りが綾那の肩を捉えた。

 

「技あり!」

 

それを見て和彦が声をあげた。

 

「これで三対二…」

「でも、なんで木下は明鏡止水使わないの?あれ使えば攻撃なんて防げるでしょ?」

 

憂の言葉に二乃が疑問を投げかけた。

 

「いや……あんな闘気と殺気の空気の中じゃあ、集中しようにもできないっすよ…」

「そっか!私たちは今先生のおかげで平気でいるけど…」

「先生から向こう側はことりさんの闘気と殺気でとんでもない事になってるから…そんな中動けてる綾那ちゃんが凄いと思うよ」

 

二乃の疑問に忠義が明鏡止水をするには集中しようがないと答えた。その答えに一花は気づき、結愛は動けているだけでも凄い事だと称賛した。

 

「………それだけじゃないと思います」

『え?』

 

そこに真剣な表情で試合を観ていた四葉が答えたので、周りの皆が疑問を持つように四葉に注目した。

 

(この方は相当な目を持っていますね…まさか、和彦様以外に気づく人がいるとは…)

 

四葉の言葉に憂はただ称賛するしかなかった。

 

「多分、木下さんが使ってるのは先生の明鏡止水じゃないと思んです。あれは木下さんが先生のを真似てるだけの、木下さんオリジナルのものです」

「どういう事だ、四葉?」

 

四葉の説明に風太郎が疑問を投げかけた。

 

「うーん…なんて言えば良いのか説明しにくいのですが…先生が使ってる明鏡止水は相手の動きのほんの僅かな重心のずれに手を当てて流れを変えてるんですよ。言ってしまえば、その重心のずれを間違えて手を当てると自分にダメージが来ます。諸刃の剣みたいな感じですね」

「お前の口から諸刃の剣って言葉が出てくるとはな…」

 

風太郎は四葉の別のところに関心してしまった。

 

「でも、木下さんは違う。木下さんはあくまでも弱まった相手の攻撃を無理やり流してるんです。だから、今のことりさんには使えないんだと思います。何せ、スピードだけではなく、恐らくパワーも上がってると思いますから」

『!』

 

四葉の説明に(みな)は驚愕な顔でいた。

 

「まさかそこまで見抜かれていたとは…あっぱれです」

「たしかに…四葉凄いよ」

「え?えっへへへ♪」

 

憂と和彦の賛辞にいつもの笑顔で四葉は笑っていた。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

「私が言うのもなんだけど…あれはちょっと危ないよ?」

 

すでに疲労困憊の綾那と違い、ことりはいつも通りの調子で綾那の技は危ないと注意した。

 

「はぁ……はぁ……それは私も分かってます…しかし、貴女に対抗するにはこれしかありませんから…はぁ……はぁ……そう言う貴女も…トレーニングだけは続けてたみたいですね…パワーもスピードも三年前以上です…」

「ありゃ…バレちゃったかぁ……あはは…まあ、私にはどうしても勝ちたい相手がいるからねぇ」

 

ことりの忠告に対して綾那は自分でも分かっていると答えた後、ことりがトレーニングを続けていたのではないかと聞いた。すると、ことりは笑いながら答えて、自分には勝ちたい相手がいると笑みを浮かべた。

 

「ふふっ…それは大きな壁ですね…」

「本当だよぉ…でも、私って負けず嫌いだから♪」

「ふっ…私もです!」

「はじめ!」

 

お互いに笑みを浮かべた時、和彦の開始の合図があがった。

それを合図にまたことりの猛攻が始まった。

 

(くっ…!まだ、これだけの差があるなんて!なんて凄い兄妹なのでしょう…でも、近くにこんな凄い方が()()もいると、私もまだまだ強くなれそうですね!)

 

そんな考えが頭を過った時、ことりの右蹴りが放たれた。それを防ごうとした綾那だが、防ごうとした腕は弾かれそのまま脇腹に蹴りが入った。

 

「かはっ…!」

 

蹴りを受けた綾那はそのままその場に倒れこんでしまった。

 

「技あり!これ以上の試合続行は不可と判断し、勝者は吉浦とする!」

 

そう宣言した和彦はすぐに綾那に駆け寄りそのまま抱えた。

 

「榊原!ごめんけど、ちょっと女子更衣室借りるよ!後、救急箱持ってきて!」

「は、はい!」

 

指示された榊原は急いで行動を開始した。

指示を出した和彦はそのまま綾那を抱えて女子更衣室に姿を消した。それに憂も続いていった。

 

「ふぅ……」

 

そんな和彦を見ながら、ことりはヘルメットを外し一息入れた。すでにことりからは闘気や殺気は放たれていないが、全員が固まったようにことりに注目をしていた。

 

「あー……あははは…ごめんね、みんな。その…怖がらせちゃって…ふ…風太郎君もこんな私見たら嫌いになるよね…」

 

そんな光景を見たことりは笑いながらも謝り、そしてきっと風太郎に嫌われたのだと落ち込んでしまった。

そんなことりに風太郎は近づき頭を撫でた。

 

「え……?」

「馬鹿か…こんなことで嫌いになるかよ……その…まぁ…ちょっとは怖かったが…空手やってることりは輝いてたんじゃないか…?」

「風太郎君……」

 

ポリポリと頬をかきながら風太郎はことりを褒めていると、ことりは涙が出てきた。そして──

 

「ごめん…!もう我慢できない…!」

「へ?んむっ…」

「ちゅっ…♡」

 

ことりは風太郎の首に腕を回すとそのまま唇を奪ったのだ。

 

『きゃあああぁぁぁ♪』

『ぬあああぁぁぁ!』

 

その光景に女子は歓声を男子はこの世の終わりの如く嘆いていた。

 

「おまっ…!」

「えへへ…♡しちゃった♡」

 

唇が離れた瞬間風太郎は驚きの表情でことりを見ていたが、ことりはテヘッと舌を出しながらウィンクをしている。

 

「あの…馬鹿…」

「あはは…」

「ふわぁぁ…ことりさん大胆…」

 

その光景に二乃は呆れ、四葉は乾いた笑顔でおり、結愛は顔を赤くしながら見ていた。

これに許せない者が一人いた。そう一花だ。

 

「ちょっ…!ちょっとちょっと!いくらなんでもみんなの前でやることないでしょ!」

「えー…だってあんな事言われたら我慢できないよぉ」

 

一花は文句を言いながら、風太郎とことりに近づき二人を離した。それにことりは両手を頬に当ててうっとりとしている。

 

「………っ!フータロー君!」

「な、なんだ!?んむっ…!」

「ん……ちゅっ…♡」

 

そして次の瞬間には一花までもが風太郎の首に腕を回して唇を奪っていた。

 

「ふふっ…♡私のファーストキスはどうだった?大好き♡」

「おまっ…!」

 

一花のキスにまた風太郎は赤面で驚いた顔となったのだが……

 

『はあああぁぁぁっ!』

 

その光景に事情を知らない者全員が絶叫した。

 

「ちょっとぉ!彼女の前で何キスしながら告白してるの、一花!」

「別に良いでしょ!彼女がいる人を好きになっちゃいけないってことはないんだしさ!それに、先に人前でキスしたのはそっちでしょっ!」

「「むーーーー…!」」

 

風太郎の前でことりと一花は言い争い睨み合っていた。

もちろん若干ではあるが、先程のような殺気を一花にことりは放っているが、一花にはそんなのお構い無しの状態である。

こんな状況を止められるであろう和彦は今はおらず、(みな)どうすればとオロオロしている。

 

「あーあ…私、しーらない…!」

「むぅー…一花もやるなぁ…やっぱりあの時キスしてれば良かったのかなぁ…」

「はわわわ…和彦さーん、早く帰ってきてぇ!」

「はぁぁ……」

 

事情を知る四人に至っては二乃は知らぬ存じぬの態度で、四葉は今後の風太郎攻略に向けて考え、結愛は和彦が帰ってくるのを叫び、五月は呆れるようにため息をついていた。

 

・・・・・

 

少し時は遡り。

綾那を抱えた僕は女子更衣室に入り、床に綾那を寝かせた。

 

「ごめん、木下。ちょっと肌を見せてもらうね?」

「くっ……私は全然構いません…つっ…!」

 

話しかけた綾那は脇腹を痛みのためか押さえながら、悲痛の声をあげていた。

僕は道着の上着を脱がせ、下に着ていたシャツを下から捲り、ことりの蹴りが当たった場所を診た。

ん?これはさらしか?

 

「悪いけどこのさらし外してもらえる?」

「え………あの……お見苦しい物をお見せしますが…」

「?」

 

何か大きな傷でもあるのだろうか?

そんな風に考えていると、木下は恥ずかしそうにさらしを外した。

 

ボンッ…!

 

「へ?」

 

木下がさらしを外すと勢いよく胸が飛び出してきた。一応大事な部分はシャツで隠れてはいるが…

え!?木下ってこんな胸がでかいのか!?てか、二乃達より大きくないか?

 

「うーー……やはりみっともないですよね…こんな脂肪の塊など…」

「え?いやぁ~…誇って良いんじゃないのかなぁ……」

「しかし!つっ…!これでは…ただ邪魔なだけですし…」

「ま…まあ…空手をするには邪魔かもしれないけど……ほら!男は大きな胸が好きだって言うしさ」

 

何言ってるんだ僕は……なんか後ろからひしひしと殺気のようなものを感じるんだけど…

 

「で…では…そのぉ……和彦様は大きな胸はお好きなのでしょうか…?」

「えっ!?」

 

潤んだ目で木下からそんな言葉を投げかけられた。

ここは何て答えるのが正解なんだ?

答えに悩んでいると後ろの憂から声をかけられた。

 

「あら…和彦様の率直な意見が聞きたいですわぁ…」

 

顔は笑顔だが、ゴゴゴと言わんばかりの圧を感じる…

 

「えっと……ま…まあ…大きくても小さくても女性の胸は魅力的だよ。うん。胸の大きさで判断はしないさ。僕は木下の大きな胸も好きだよ」

 

何言ってるんだろう…本当に…

 

「本当ですかっ!?いててて……えへへ…」

 

僕の言葉に痛がりながらも木下は嬉しそうな顔でいる。

 

「はぁぁ…そろそろ診察されては?」

 

そんな僕に後ろからため息混じりな声で憂が声をかけてきた。

はっ!?いかんいかん!

頭を振って邪念を出して、改めて診察した。

 

「痛いかもだけど、ちょっと触るよ?」

「はい…っ!つっ…!」

 

うん、骨には異常はないな。痣は出てるがこれもすぐに引くだろう。

そう判断した僕は木下の頭を撫でながら伝えた。

 

「悪いな、うちの妹が無茶して」

「い…いえ…っ!これは、私の実力不足によるものなので...っ!」

「そんなことないさ…君はこれからもっと強くなる。木下…いや、綾那。これより君の師範として君を鍛える。覚悟はあるかな?」

「~~っ…!はいっ!きっと貴方様の期待に応えてみせます!あ…つぅ…!」

 

涙を流して喜びの表情で返事をした綾那だったが、脇腹の痛みに顔をしかめた。

 

「ははっ…まずはその怪我の治療からだね。大丈夫。(あと)は残らないと思うから。ことりの奴、当てる瞬間に力を抜いたんだろうね」

「これで…ですか……さすがと言うべきですね…ことり先輩は言っていました。和彦様を越えるために今もトレーニングは欠かさずやってきていた、と」

「はぁぁ……まったく、あの負けず嫌いが…」

「ふふっ…そう言いつつも嬉しそうなお顔ですよ、和彦様」

「……まあね…」

 

お腹の前で手を繋ぐように寝ている綾那から、ことりがトレーニングを続けていた事に喜びを感じていた。

すると道場の方から何やら騒がしい声が聞こえてきた。

 

「なんだ?」

「さあ……」

 

何事かと思っていると、救急箱を持った榊原が女子更衣室に入ってきた。

 

「お待たせしまた!」

「ああ、助かるよ。多分湿布貼ってれば痛みも引くだろうし後頼めるかな?」

「はい!任せてください」

 

治療を榊原に任せるついでに道場の様子も聞いてみた。

 

「なあ、榊原。騒がしいみたいだけど、何があったんだ?」

「え…えっとぉ…吉浦さんがいきなり上杉君にキスをして…」

「は?」

「あらあら…」

 

榊原に事情を聞くととんでもない答えが返ってきた。

 

「さらに……一花さんも上杉君にキスをして、後告白も……」

「はあぁ!?」

「まあまあ……」

 

何やってんだあいつらはぁ…!

 

「それで…そのぉ……二人が上杉君の目の前で睨み合ってて……さっきの事もあるので、みんな近づこうにも近づけずといった次第です…」

「はぁぁ……あの馬鹿二人は!」

「ふふふ…上杉先輩はおモテになるのですね」

 

ため息をついている僕とは反対に、憂はどこか面白そうな顔をしていた。

救急箱から湿布を出しながら状況説明をしてくれた榊原に感謝して、僕は急いで現場に行き一花とことりをこってりと説教をするのだった。

 

・・・・・

 

「ふふっ…ホント空手部は何があるか分からなくて飽きないわよね」

「もう…私はヒヤヒヤしてるよぉ…」

「いやー、あまりの感動につい衝動が抑えられず…」

「そこは抑えとけ!」

 

あの後は、勉強会をしていた風太郎と一花と五月は図書室に戻っていった。

そして道場では続きの試合形式を行い、時間となったので解散となった。

その時に、本多に今後は名前で呼ぶと伝えると、『ありがとうございます!』と叫び走って帰っていった。

四葉はこの後の事で準備があるとかで、先に帰っている。

 

「あーあ…この後はカズヒコは三玖と四葉とお泊まりデートかぁ…」

「ねぇー…ずるいよねぇー」

 

二乃と結愛はニヤリと笑いながらこちらを振り返った。

今は二乃と結愛が前を歩き、その後ろから僕とことりが並んで歩いているのだ。

ちなみに立川先生のことは五月とことりにしか伝えていない。

 

「何?その顔?」

「べっつにー!私たちも今度してくれるのかなぁって思っただけよぉ」

「それ良いね!」

「結愛ちゃんは一緒に住んでるんだから、必要性ないでしょ?」

「えぇー、だってホテルとか興味あるんだもん!」

 

二乃の提案に結愛が嬉しそうに乗っかった。それに対して冷静にことりが返すも、結愛がホテルに興味あると言い出した。

 

「はぁぁ……あのさ、二人に聞きたいことあるんだけど」

「「ん?」」

 

ため息ついた後に二乃と結愛に聞きたい事があると伝えると、二人は振り返った。

 

「あー……もし二人のうちどっちかが僕と付き合ったとして、それでも三玖や四葉が僕にキスやそれ以上の関係を求めてきたらどうする?」

「は?そりゃあ、許すわけないでしょ」

「だよねぇ。和彦さんは私の旦那様になってるんだし」

 

二乃と結愛の答えに少しホッとした自分がいた。

 

「て、最近までは思ってたんだけどねぇ…」

「え?」

 

しかし、次の瞬間には二乃が意外な言葉を口にした。

 

「今の関係も悪くないかなって思ってる私がいるのよねぇ…」

「あ、二乃さんもなんだ!実は私もなんだぁ…なんだろう…和彦さんなら良いかなって…」

「いや!それじゃあ──」

「良いじゃない。二人がそう思ってるんだから」

 

二乃と結愛も他の人達と同じ事を言ってきたので、反論しようとしたところで、ことりが止めてきた。

二乃と結愛は、何やら話が盛り上がっているようで、僕の声は届いていなかったようだ。

 

「ことり。五月の言ってる計画ってさぁ…」

「多分、お兄ちゃんが思ってるものだと思うよ。ふふっ…後はお兄ちゃんの想い次第だね」

 

僕の言葉に微笑みながらことりは語った。

後は僕の……

 

「悪い。ちょっと電話しなきゃだから、先に帰ってくれ」

 

そこである人物に電話をすることにしたので、三人に先に帰るように伝えた。

 

「わかったわ。さっきの話本気だからね。今度私にもお泊まりデートお願いよ」

「私も私も!あ、お姉ちゃんが来るから一緒でも良いよ」

「ふふふ…お兄ちゃんも大変だ。じゃ、帰るね。直接行くんでしょ?」

「ああ。戸締まりきちんとな」

「わかってるよ。三人によろしくね」

 

ことりの言葉を最後に三人は離れていった。

 

「さてと……」

 

トゥルルル…トゥルルル…ガチャ…

 

『どうしたの?中途半端な時間ね』

 

電話の相手は飛鳥。僕は現状を伝えつつ、飛鳥の気持ちも聞いてみたかったのだ。

 

「悪い。今は大丈夫?」

『ええ。部屋でゆっくりしてたわ。あなたはまだ学校?』

「いや、その帰り道…」

『え?帰り道って…何かあったの?』

 

家への帰り道に連絡をしてくる僕に驚きの声で飛鳥は聞いてきた。

 

「その……飛鳥に伝えなきゃいけない事があってさ…」

『……何?好きな人でもできた?』

 

僕の真剣な言葉に飛鳥は力ない言葉で返してきた。

 

「いや、そのぉ………すまん」

『何が?』

「…………二乃と三玖、それに四葉と結愛とことりと体を重ねた…」

『………………そう…』

 

だいぶ間があったが、飛鳥の声からは怒りは感じられなかった。

 

『いずれそうなるとは思ってたわ。せめてゴールデンウィークまで我慢してくれたら私が初めてもらえたのにね……』

 

悲しみの声で飛鳥は語った。

 

「あー……これは言い訳にもならないんだけど……最後まではしてない」

『えっ……?』

「最後までは、本当に好きになった人とって考えてて、だからまあ、僕はまだ一応本番行為はしたことないよ…」

『そ……そうなんだ……ふぅーん…和彦、まだ童貞なんだ』

「童貞言うな!」

 

本番行為はまだという言葉に少し嬉しそうに飛鳥は話してきた。

 

『じゃあ、今度私がそっちに行ったら、気持ち良くしてもらおうかな。二乃達にはシたんだし良いでしょ?』

「ぐっ…!それよりも、飛鳥に聞きたいことがある」

『むぅー…それよりって何よ!結構大事なことよ!』

 

さすがに五月との婚約の話が出来ないので、飛鳥との行為の話は他所にしたかった。

 

「もし、僕が飛鳥と本当に付き合う事になったら、お前は二乃達がキスやそれ以上の事をしたがってくるのを許せるか?」

『何、その質問?はぁぁ…どうせ何かあったんでしょうけど……普通に許せる訳ないでしょ。今許してるのはあくまでも疑似恋愛だから許してるのであって、本当に付き合ってたらそれは浮気でしょ?』

 

真剣な声で飛鳥から返ってきたので少しホッとした。

 

『…………て、言ってほしかった?』

「え?」

『ふふふ…その声の感じだと当たりのようね』

 

僕の驚きの声を聞いた飛鳥は笑いながら話している。

 

「え……じゃあ……」

『別に誰でも良いって訳じゃないわ。中野さんたちや結愛や立川先生なら許せるかもね。あぁぁ…ことりは倫理的にヤバいんじゃない?』

 

面白可笑しく話す飛鳥に疑問をぶつけた。

 

「なんでだよ!なんで、そんなに笑いながら許せるんだ!おかしいだろ!自分の愛する男が他の女とだなんて!」

『…………私ね、和彦のこと好きよ。どんなものを投げ捨ててでもあなたと一緒にいたい…』

「じゃあ!」

『でも、それだとあなたが苦しんでしまうでしょ?』

「え……?」

 

飛鳥の言葉に固まってしまった。

 

『あなたは多分今は好きな人との時間を大切にしようと考えてるかもしれない。でもね、すぐに苦しんでしまう。だってそうでしょ?例えば、あなたが私と付き合ってくれる。じゃあ、振った人達とどんな風に接していくの?立川先生なんて、毎週のように会うのよ?優しいあなただからこそ苦しんでしまう。そんな苦しみに耐えるあなたを私は見てられないわ』

「だ、大丈夫だよ。それが恋ってものだろ?」

『うん。それが恋。人は恋して失恋して、また新しい恋を見つける。それが普通よ』

「ならっ…!」

『でも、駄目なの。この間のあなたと中野さんたちや立川先生との会話とか聞いてたら、多分きっとあなたは決断後に壊れてしまう。だから許すの』

「それじゃあ……僕のせいで……皆が……」

 

飛鳥の言葉に自分のせいで皆の考え方を変えてしまったと後悔の念が押し寄せてきた。

 

『ふふふ…大丈夫よ』

「え……?」

『あなたならきっとみんなを愛してくれるから。途中で投げ出さず最後まで……』

「!」

『まあ、贅沢を言えばみんな一緒に暮らせれば御の字なんだけどね』

 

笑いながら話す飛鳥の言葉に頭がスッキリした自分がいた。

 

「ふっ…それ四葉も同じこと言ってたよ」

『あら、やっぱり他の誰かに言われたんじゃない。初めからそう言えば良いのに…』

「悪い…」

 

飛鳥の言葉に笑みを浮かべて答えた。

 

「ついでに謝っとくと、これから三玖と四葉と芹菜さんの四人でお泊まりデートだから」

『はああぁぁ!?何よ、結局ヤルことヤッてるじゃない!…………最後まではなしよ?』

「分かってるよ……やっぱお前が近くにいないと駄目かもなぁ…」

『あら。私はいつでもウェルカムよ』

「はいはい。そういえば、明後日だっけ?こっち来るの」

『ええ。私の学校は一日と二日も休みになるから、休みが長いの』

「羨ましいねぇ~…」

 

飛鳥と話すとやっぱり落ち着くな。けど、僕は……

 

『ふふふ…ねえ、和彦』

「んー?」

『もし私じゃない人と結婚したら、私も一緒に暮らせるように交渉してね?』

「馬鹿かっ!」

『えー、だってことりは一緒にいるって言ったのでしょ?』

「……なんで知ってんの?」

『そりゃあ、ことりから聞いたに決まってるじゃない。かなりテンション上がってたわよ。ちなみにお風呂の件も』

 

あいつは馬鹿なの!?

 

『そういう訳だからあまり難しく考えない方が良いわよ。それじゃ、おやすみ和彦。愛してる♡』

 

そこで電話は切れた。

難しく考えるな、か……

飛鳥から言われた言葉を胸に、四葉との待ち合わせ場所でもあるマンションの駐車場に向かうのだった。

 

 




今回の投稿も読んでいただきありがとうございます。

今回はキリの良い所が見つからずでいつもより文章が長くなってしまいました(^^;

今回はことりと綾那の二人の試合。そして、和彦が二乃と結愛、飛鳥にも三玖や四葉、芹菜の三人と同じような考えなのか確かめるお話を書かせていただきました。
試合内容では、現実離れし過ぎてる感がありましたが、そのくらい凄い達人だと思っていただければ幸いです。

一方の風太郎争奪戦もいよいよ幕が上がりましたね。
我慢の出来なくなった一花とことりが皆の前で風太郎にキスをしてしまいました。
はてさて、こちらの展開も考えていかなければですね...

次回は、和彦から連絡をもらった飛鳥が気になりことりに連絡をするお話と、全国模試返却のお話を書かせていただきます。
姉妹で一番になれば和彦にお願いが出来ますが果たして──

次回の投稿は3月25日を予定しております。
次回の投稿も読んでいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

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