~今井家別邸・大浴場~
「はあぁぁ~~……良いお湯うぅ~♪」
「本当よねえぇ~……」
「はああぁぁ……」
「極楽♪極楽♪」
「ふふふ…気に入っていただけて何よりですわ」
今は女性メンバーで今井家別邸のお風呂……と言うよりも旅館にあるような大浴場に入っていた。
あまりの気持ち良さに、五月以外の五つ子達はリラックスモードで足を伸ばして肩まで浸かって四人並んでいた。
「ここは天然の温泉を利用しておりますので、毎日の疲れも取れるかと思いますよ」
「温泉なの!?凄いわねぇ…」
憂の温泉の話に芹菜が驚きの声を上げた。
「ただ……別に使用人用のお風呂もありますが、ここは男湯と女湯の概念が無いので、和彦様とばったりという事もあるかと…」
「別に問題ないわ。むしろ一緒に入る口実にもなるし♡」
「うん…♡」
「そうだね。私たちは気にしませんよ」
「私もです」
「私もおぉぉ…」
既に和彦と体を交えている女性陣にはとくに問題ないと返ってきた。
「いやいや!私は問題あるんだけど!」
「良いじゃない。どうせ似たような体でしょ?」
「いや、精神的に!」
ただ一人和彦を兄として思っている一花だけが問題があると発言した。それに二乃は、自分達と体つきは変わらないだろと言うも、一花は精神的に問題ありと反発した。
「この際一花も、カズヒコさんでフータローとそういう時になるのを備えて練習したら?四葉もしてるし…」
「いやあぁ……それはどうかなあぁぁ……」
三玖の発言に一花は乗り気にはなれず口までお湯に浸かった。
「むううぅぅ…」
そこに先程までリラックスしていた結愛が綾那の方を見ながら何やら唸っていた。
「?立花さん。どうかされました?」
「私のことは結愛で良いよ。これからはお姉ちゃんとも交流あるだろうし、私たちの仲だしね。それより……綾那ちゃんって……胸そんなに大きかったんだ…」
「えぇ!?」
結愛の発言に綾那は驚き両腕で自身の胸を隠した。
「はぁぁ…立花先生も大きいし…やっぱり和彦さんも大きい方が好きなのかなぁ…」
結愛は自身の胸を揉みながら自信損失のような声を出していた。
「大丈夫でしょう。和彦様はそんなところで優劣はお付けにならない方かと思いますわよ」
そこに結愛より少し大きいサイズの胸である憂から励ましの言葉があった。
「そ、そうですよ!和彦様は胸の大きさで判断されないと申しておりました!私はこの胸の大きさにコンプレックスがあったのですが、そのお言葉に助けられたものです」
「ふーん…大きい人には大きい人なりの悩みがあるんだね。でもそうだよね…♡和彦さんはあんなに私の胸を愛してくれたもんね♡えへへ…♡」
「あら、羨ましいですわ」
綾那の励ましの言葉に結愛は和彦との行為を思い出し、一人浸っていた。
「それにしても、私たちより大きいわよね。今までどこに隠してたのよ」
「さらしを普段から巻いておりますので。そうしないと動きづらいですから」
「なるほど…」
二乃の普段はどうしているのかという質問に綾那は真面目な顔で答えた。それに三玖は納得した。
「むしろ、私は四葉さんが何故あのように動けるのかが疑問に思います。邪魔に感じたりしないのですか?」
「ええ!?うーん……あまり気にしたことないですからねぇ…」
綾那が急に四葉に話を振ったので、それに四葉は驚くも腕を組んで考えはしたが、気にしたことがないと答えた。
「昔から走り回ったりしてたからじゃない?」
「そうだね。四葉は毎日ジョギングしてるもんね。私も最近始めたけど、やっぱり邪魔だと感じるもんねぇ…」
考える四葉に三玖が昔から走り回ったりしていたから気にしないようになったのではないかと意見を伝えた。それに一花も同意して、自分もジョギングの時に胸が邪魔に感じる時があると伝えた。
「立花先生はどうなの?二乃さんたちと同じくらい大きいよね?」
「え!?私!?」
そこに結愛が芹菜に質問をした。芹菜はまさか自分に話を振られるとは思っていなかったので驚いている。
「私は……特に運動をしてる訳ではないから…まあ、肩こりは酷いかな…」
あはは、と笑いながら芹菜は答えた。
「そ、そういえば、五月さんはまだしもことりさんと飛鳥さんもいないわね」
この話から離れたいのか、芹菜は話題転換をした。
「多分、和彦さんと五月さんのところに行ってると思うよ」
「あのお二人が
芹菜の質問に結愛が答え、憂も同意する形で自分達の事で悩んでいるのではないかとも話した。
「ま、そうよねぇ。いきなり、未来の奥さんに他の女との子どもを作って良いなんて言われれば混乱するわよ」
「カズヒコさん、後悔してるのかな…」
「うん……」
憂の言葉に二乃が同意すると、三玖と四葉は心配そうな顔で下を向いてしまった。
「大丈夫だよ。五月さんもいるし、きっとことりさんとお姉ちゃんも傍にいるから。それに、和彦さんはきっと後悔してないと思うよ♪」
和彦との付き合いが長い結愛が笑顔で話すので、そこにいるメンバーも
皆がお風呂に行っている間、僕は五月と二人で僕に割り当てられた部屋から中庭を眺めながら静かに過ごしていた。
特に何か話している訳でもなく、五月は僕の肩に頭を乗せ、その頭に僕の顔を寄りかけてただ静かに過ごしていた。
「静かだね」
「まあ、周りは何もないからね」
そんな時間も良いなと思うのも五月と一緒にいるからかもしれない。
車や電車、人の賑わう声なども聞こえず、時折風でなびく草花の音が聞こえるくらい静かだ。
「……ごめんね。何も相談しないで勝手に決めて」
そんな中、五月は動くことなく静かに話しかけてきた。
「ああぁぁ……まあ、何となく想像はしてたんだけど、まさか子どもまでとは思わなかったよ」
そんな五月の言葉に僕は笑いながら答えた。
「ふふふ…きっとここもその内賑やかになるんだろうなぁ…何せ和彦さんは多くて十人の相手をしないとなんだから♪」
「ご機嫌な声で言われてもねぇ……ふぅ……何度も聞くけど、本当に良かったの?これって、僕の優柔不断な態度が招いた事なんだし、五月が我慢する事ないんだよ?」
「良いの。あ、でもたまに嫉妬して機嫌悪くなっても怒らないでよ?」
「まさか……」
五月の言葉に笑いながらそんなことはないと伝えた。
そして、五月の顎に手を添えて上を向かせてからキスをした。
「んッ…ちゅっ…ちゅっ…♡」
「たしかに皆の事を好きだけど、一番はやっぱり五月だから」
「えへへ…♡」
僕の言葉に上機嫌になった五月は僕の左腕に自分の右腕を絡めて寄り添ってきた。
「あらあら、お熱いことで」
「ホントね」
そんなところに笑いながらことりと飛鳥が近づいてきた。
「なんだ、皆とお風呂行ったのかと思ってたよ」
「ふふふ…誰かさんが悩んでるんだろうなって思ったのよ」
そんな風に笑みを浮かべながら、五月とは反対の僕の右腕に自身の左腕を絡めて飛鳥が寄り添ってきた。
「お前なぁ…」
「あら、良いじゃない。私たちの事も好きなんでしょ?」
「はいはい…」
「ふふふ…♪」
飛鳥の態度にツッコミを入れるとご機嫌な声で飛鳥は返してきた。それを言われたら終わりなので諦めた僕であったが、そんな僕達の態度に五月は笑っていた。
「じゃあ、私はお義姉ちゃんにひっついちゃおっと♪うーん…♪お義姉ちゃん好きいぃ…♡」
「もおぉぉ…♪くすぐったいですよ、ことりさん」
五月に頬擦りをすることりに対してくすぐったいと五月は文句を言っているが、声は弾んでいるようである。
「ことり、だよ」
「え?」
「私は
「あ……そうですね、ことり」
「うん♪」
呼称はいらないと言うことりに嬉しそうに五月はことりを呼び捨てで呼んだ。それにことりも嬉しそうである。
「あら。じゃあ、私も飛鳥で良いわ。私も五月って呼ぶから」
「はい…飛鳥」
僕を挟んで笑顔で五月と飛鳥が笑顔で話している。
「あの……ことり、飛鳥…」
「「ん?」」
「妻となる私は、まだまだ和彦さんの事を分かってあげられていないかもしれません。そんな時はお二人の事頼りにしてますね」
申し訳なさそうに五月はそんな事を口にした。
「何言ってるのお義姉ちゃんは…」
「ふふふ…そうね。五月なら十分に和彦さんの事を理解してあげられてるわよ。でも、悩みがあったらいつでも言って」
「──っ!ありがとうございます」
五月の言葉に呆れながらも笑みを浮かべて、ことりと飛鳥は答えた。そんな二人の答えに嬉しそうに五月は笑みを浮かべた。
「うーん……この際だから二人には話しておこうかしら…」
そんな時、飛鳥が何か伝えることがあるような素振りを見せた。
「ええぇ…何々?飛鳥の秘密話?」
「ええ。私、さっきまで
そう言った飛鳥は五月とことりに右手を見せた。その手の薬指には先日買ってあげた指輪がはまっていた。
「「え?」」
飛鳥の言葉に五月とことりは流石に固まってしまったようである。
「えええぇぇぇっ!いつから!?」
「うーん……和彦が大学四回生の夏の終わり辺りの時だから…もうすぐ四年ってところだったわね」
「か、和彦さん!?」
あまりのカミングアウトだったので、ことりは驚きの声を上げ、いつからなのか飛鳥に問いかけた。
そんなことりの驚きにも動じず、飛鳥は右人差し指を顎に当てながら平常運転で答えた。
そんな飛鳥の言葉に、五月は目を見開いて僕を見てきた。
「いや!疑似だから!本当に付き合ってた訳じゃないからね!」
「そうねえぇ…♡キスしかしてくれなかったものね♪あ、でも一度だけ襲われそうになったわ♡それも、クリスマスイブに…♡」
五月に必死に弁明すると、上機嫌な声色で飛鳥が話を盛り上げようと続けて話しながら更に僕に寄り添ってきた。
「襲う…?」
そんな飛鳥の言葉に、五月はどこか目が病んでいるような目で僕を見てきた。
「いやいや!あれもこいつが調子に乗って、夜中に布団の中で男を誘うようなキスをしてきたから、そんな事するとこうなるぞって、軽く首すじにキスして説いただけだから!」
「あの時の和彦…男って感じで、キュンッとしたわあぁ…♡」
嘘言うなよ。必死になって謝ってきただろお前は!
右頬に手を添えて、うっとりした顔で飛鳥は話すので心の中でツッコミを入れた。
「なんで言ってくれなかったの飛鳥!」
「だって、あなたに教えたら自分もって言ってくるじゃない」
「むううぅぅ…じゃあ、あの頃あんまり私と遊んでくれなかったのは…勉強じゃなくて…」
「ええ。和彦とデートしてたわ♡」
「ズルいっ!」
ことりと飛鳥の問答が僕と五月を挟んで行われていた。
「いや、お前もたまに二人で買い物行ってただろ」
「でもキスしてくれなかった!」
「普通なのでは?」
「そうよね」
僕がことりとも買い物とかに付き合っていた事を話すも、ことりはキスしてくれなかったと駄々をこねていた。
しかし、それに対して五月と飛鳥は冷静にツッコミを入れた。
「しかし、なぜ疑似恋愛など?」
「……当時から私は和彦が好きだったの。でも、和彦は私の事は多分妹としてしか見てくれてなかったと思ってたの。それで、恋を知りたいって相談する形で和彦に色々とお願いしてたのよ。すぐに和彦は実家を出て行っちゃったから、その後はなあなあになってしまったけど、五月達五つ子の話を聞いて想いがまた溢れてきちゃったって訳」
五月の質問に飛鳥は目を細めながら笑みを浮かべて答えた。
「和彦に私の本当の想いを伝えたのもつい最近よ」
「そうだったのですね………しかし!」
飛鳥の言葉に哀しみを帯びた目で五月は顔を伏せた。だが、次の瞬間には顔を上げて頬を膨らませていた。
「指輪はやり過ぎです!私だって貰ってないんですよ!」
「私だってそうだよ!」
どうやら指輪について少々ご立腹のようだった。五月に乗っかって、ことりまで文句を言ってくる始末だ。
「いや、まあ自分でもそう思ってるけど…飛鳥だけ離れ離れになるから少しでもと思ったんだよ。五月には、明日の話し合いで結婚が決まったら、結婚指輪買いに行くよ。後、ことりはなし」
「ふふふ…楽しみです♡」
「なんで!?」
結婚指輪の話が出るとご機嫌になった五月は、飛鳥同様更に僕に寄り添ってきた。
しかし、ことりは不満のようである。
「当たり前でしょ。あなたは風太郎君の事が好きなのでしょ?なら、そんなあなたが指輪つけてたらおかしいじゃない」
「うううぅぅぅ…」
正論を飛鳥にぶつけられたことりは何も言い返せず、涙目でいるのだった。
五月とことりと飛鳥がお風呂に入り、その後に僕がお風呂に一人で入った後、先程の大広間で夕食の席となった。
しかし、あの大浴場に一人で入るとなんか変な感じがするなぁ…
そう感じた僕は、憂に頼んで使用人さんが使ってるお風呂使わせて貰おうと提案したのだが即却下された。
一人で入るのが寂しいのであれば、ことりから私たちの誰かと入れば良いと言ってきた始末だ。
「凄い豪華だよ!」
「そうだねぇ~…う~ん、美味しい♪」
テーブルに並べられた食事を前に四葉は興奮して、その向かいの一花も同調して食べ始めたが味も良いようである。
「はい、和彦さん♪」
「ああ、ありがとう」
僕の席に用意されていた清酒の入った徳利を手に持った五月が、僕のお猪口にお酒を注いでくれた。
ちなみに芹菜さんには、仲居さんのような格好をした着物姿の女性の使用人の人がビールを注いでいる。
憂と綾那は一番下座に並んで座っているので、遠いが僕の向かいにいる形だ。
この家の持ち主の娘なのに、と言ったが気にしていないようである。
「和彦さん。わたしも注いであげますから、いつでも言ってくださいね」
「はいはい」
五月の次に席が近い飛鳥の横にも、清酒の入った徳利があるのでニコニコと声をかけてきた。
「むうぅぅ…」
「ねえ、憂」
「なんです?」
そんな光景を見ていた三玖は頬を膨らませている。
そんな目で見られても困るんだが…
その横の二乃も不満気な顔で憂に声をかけた。
お風呂から上がってからは、今まで名字で呼んでいた人も名前でお互いに呼ぶようになったようで、芹菜さんの事も下の名前で呼んでいる。
そんな二乃から声をかけられた憂は、自分のペースで食事を続けていた。
「この席順って何か意味あるの?」
二乃はどうやら席順が気になるようである。
といっても二乃は前から二番目だからそこまで不満が溜まるとは思えないんだが…
「ふむ…まずはこの家の主になられる和彦様とその奥様になられる五月様は上座で当然かと」
「むうぅぅ…」
僕と五月の席については当然だと憂が説明すると、二乃も何も言い返せないでいた。
「後は……そうですね。和彦様から見て左側に座っている方々は今までのお付き合いの長さと
「え!?私も!?」
憂の説明に一花が真っ先に驚いていた。
「一花さんは五月様のお姉様であり、和彦様を兄として慕っておりますので、外から見た時の良き相談相手になられるかと」
「な…なるほど…」
一花の驚きにも特段気にしていない憂が説明すると、一花は納得した顔で食事を続けた。
「ちょっと待って憂ちゃん!」
「はい?」
そこに待ったをかける者がいた。ことりである。
「それって、私より飛鳥の方がお兄ちゃんを支えれるってこと!?私、妹だよ!?」
「ふむ……ことりさんは和彦様に甘え過ぎる節が見受けられますので、自制心の強い飛鳥さんの方が和彦様への良き理解者になられると判断いたしましたが…」
「うぐっ…」
憂の的確な言葉にことりは返す言葉もなかった。
「あら♪憂さんは分かってるのですね。はい、和彦さん…♡」
「お…おお…」
逆に憂の言葉に上機嫌となった飛鳥は、徳利を持って僕のお猪口にお酒を注いできた。
「ふふっ…♡何かあったらいつでも相談してくださいね。ことりよりは役に立てますから♪」
ピシッ…
あ、ヤバッ…!
飛鳥の言葉にこの部屋の空気が変わった。
ことりが飛鳥に殺気を放っているのだ。
『ひいぃっ……!』
特に色々としてくれている使用人さん達が怖がっている。
「なっ…!何々!?」
ことりの殺気を経験した事がない芹菜さんはただただ驚いていた。他のメンバーも若干引いている。五月は僕の寝間着でもある浴衣を握っているくらいだ。
そんな中でも結愛と憂は気にせず食事をしている。肝が据わってることだ。まあ、結愛にとっては日常茶飯事だからな。
「へえぇぇ……何?飛鳥ってば私に喧嘩売ってるの?良いよ♪それ買ってあげるよ♪」
ことりは笑顔ではあるが笑顔ではない。それはここにいる誰もが分かる事だった。
「あ…あの……和彦さん!止めなくても良いのですか?」
「まあ、向こうでは日常茶飯事だったから。何せ飛鳥も柔術のかなりの使い手でだしね」
「ええぇぇ!?」
ことりが僕に憧れて空手を始めたように、飛鳥も何か始めようとしたが、あえてことりに合わせず柔術を選んだ。本人曰く、『護身術にも使えますからね』、との事だ。
「それに喧嘩にはならないよ。多分すぐに収まるよ」
「え?」
僕は五月を安心させるように優しく話しながら食事を続けた。
「あらあら♪相変わらす血気盛んな事♪誰に似たのかしらね?」
「え……?」
ニコッと飛鳥が殺気立ってることりに対して、いつもの調子で話しかけると、ことりは間の抜けた言葉を漏らすと殺気も収まった。
「ああぁ…ことりのお父さんみたいね♪和彦さんは温和な方なのに、やっぱりお父さんの血はしっかりとことりに受け継がれたのね♪」
「ぐうぅぅ……そ、そんな事ないもんね!私だってお兄ちゃんみたいに心広いもんね」
飛鳥の追い討ちによる言葉にことりは何事もなかったように食事を再開した。
ぐうの音も出ないとは正にこの事である。
「ど……どゆこと?」
今のやり取りを見ていた二乃から疑問の言葉が投げかけられた。
「うちの父さんも短気で血気盛んなところがあってね。で、ことりはそんな父さんと一緒にされるのが一番嫌なんだよ」
まあ、ことりはその父さんから溺愛されてるんだけどね…可哀想な父さん…
「そ…そうなんだ…」
恐らく明日会うことになっているからか、三玖は少し緊張気味に言葉を漏らした。
「ああ、大丈夫よ三玖。おじさんって女の人には甘いから。ね、結愛?」
「うん!私とお姉ちゃんよくお世話になってるよ。ただ……なぜか和彦さんには厳しいんだよねぇ…なんでだろ?」
「「あははは……」」
理由を知っている僕と飛鳥は乾いた笑い声しか出なかった。
理由の一つとしてはことりだ。
ことりは僕には甘えてくるが、父さんにはそこまで接しない。何でも僕を優先するからそれが許せないのだ。大人気ないったらないよ。
「それで…和彦様から見て右側が、和彦様とのお付き合いの長い順ですね。二乃さん達は姉妹順です」
最後に憂が芹菜さん達の席の順番を説明した。
「なんだか私たちだけ雑なような……」
「気のせいです。お三方の和彦様への愛は同等と思っておりますから、姉妹順に並べる他なかったのです」
四葉の言葉に憂はしっかりと説明をしながら食事を続けていた。
「別にこれがこれからも固定ってわけじゃないんでしょ?」
「ええ。
「じゃあ、その辺りも今後話し合っていきましょうか」
芹菜さんの提案に全員が頷いた。
その後も夕食会は笑顔が絶えずに進んでいくのだった。
今回の投稿も読んでいただきありがとうございます。
今回は五月の計画を聞いた後の、ちょっとしたのんびりタイムを書かせていただきました。
親御さん達の許可が下りれば、こんな生活が続いていく事になるのでしょう。
次回も、そんな親御さん達との面談前のちょっとしたのんびりタイムを書ければなと思っております。
次回の投稿は4月15日を予定しております。
次回の投稿も読んでいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。