少女と花嫁   作:吉月和玖

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148.女子会

五月と結ばれた次の日の朝。

僕は先に起きて朝食の準備をしていた。本当は五月との時間をゆっくりと過ごしたかったのだが、今日は仕事がある為にそうにもいかず、後は僕よりも疲れているであろう五月を少しでも休ませたかったという気持ちもあった。

ダイニングテーブルはまだ用意出来ていないので、リビングテーブルに朝食の配膳をしていく。すると──

 

ガチャッ...バタバタッ...

 

「おはよう五月」

 

裸に毛布をかけて、寝癖でボサボサ頭の五月が慌ててリビングに来た。

 

「お...おはよう...」

「ふふっ...とりあえず着替えてきな。頭もボサボサだよ」

「え!?あっ...!すぐ準備してくる!」

 

自分の今の状態に気づいた五月は、またバタバタと着替えと手入れなどをする為に部屋に戻って行った。

そして、準備が終えた五月がまたリビングに戻って来たのだが、配膳は対面でしていたが隣同士が良いということで、僕の隣に五月は座った。

 

「後、おはようの......んッ...ちゅっ...♡ふふふ...♡」

 

その後はおはようのキスをして朝食を食べ始めた。

 

「それより五月は体の調子は大丈夫?無理そうなら休んでも大丈夫だよ」

「心配してくれてありがとう♡ちょっとだけ(だる)さはあるけど大丈夫だよ。それにその......まだ和彦さんのがお腹の中にあるみたいで......えへへ...♡ちょっと幸せ♡」

「そっか」

 

朝食を食べなから昨日の夜の事もあり、五月の体の調子を確認するも大丈夫だと返事があった。むしろ幸せを感じているようで、はにかんだ顔をしていたので、僕は満足した笑みを浮かべた。

 

「でも、無理そうだったら早退して良いから。その時は、僕か芹菜さんに相談しな」

「うん。ね、もう一回キスしていい...?」

「ああ」

「えへへ...んッ...ちゅっ...ちゅっ...♡」

 

その後も朝食を食べては五月にキスをせがまれるといった感じで幸せな朝を過ごした。

 

その後準備が出来たので五月と玄関を出ると飛鳥が弁当を二つ持って待っていた。

昨日ことり達と話したのだが、まだ五月の料理スキルも低いことから、僕と五月の弁当も今後はことりと結愛で用意してくれることになったのだ。

で、飛鳥がいる間は飛鳥が担当という訳である。

 

「おはよ、飛鳥」

「おはようございます、飛鳥」

「ふふっ、おはよう二人とも。はいこれが五月の分ね」

「ありがとうございます」

 

そんな飛鳥に二人で挨拶すると、笑みを浮かべた飛鳥から挨拶が返ってきてそのまま五月に弁当を渡した。

 

「て、僕のは...」

「あら、まだ朝の貰ってないでしょ...?」

 

しかし、僕には弁当を一向に渡してこなかったので確認すると、飛鳥はウィンクをしながら右人差し指で自分の唇をトントンと叩いた。

はぁぁ...朝の忙しい時に...

 

「んッ...ちゅっ...ちゅるッ...ちゅっ...♡和彦ぉ...ちゅるッ...れろッ...れろッ...ちゅるッ...♡」

「ちゅるッ...て、何故舌まで!?」

「あら、良いじゃない。そうしたかったのだもの」

 

左様ですか。

僕のツッコミに笑顔で弁当を渡してきた飛鳥に心の中で理解する事にした。

まあ、さっきも玄関前で五月にかなり濃厚なキスを求められたから何も言えないか...

横にいる五月も引きずった笑みを浮かべていた。

 

ガチャ...

 

「あ、お兄ちゃん!おはよー!んッ...ちゅっ...ちゅるッ...ちゅっ...♡はぁ...ちゅるッ...れろッ...れろッ...ちゅるッ...ちゅっ...♡えへへ...♡」

 

するとそこに玄関から出てきたことりが真っ先に僕に抱きついてくるや舌を絡ませるキスをしてきた。

 

「出会い頭キスしてくる奴があるか!」

「え~...どうせ、お義姉ちゃんと飛鳥とはしたんでしょ?ん~...お兄ちゃんの匂いだぁ...」

 

キスをしてきた事に文句を伝えるも、ことりは気にする事もなく僕を抱きしめたまま、僕の胸で頬擦りをしていた。

なんか前より悪化してるような気がするんだが...

 

「か、和彦さん!」

 

するとそこにことりの後に玄関から出てきた結愛が物申すような表情でこちらを見ていた。

 

「あ~...はいはい。こっちおいで。おはよう、結愛」

「はい♡おはようございます、和彦さん♡んッ...ちゅっ...ちゅっ...ちゅっ...ちゅるッ...♡れろれろッ...れろえろッ...ちゅるッ...れろッ...れろッ...ちゅっ...はぁ...♡もっとぉ…♡」

「これ以上は駄目!」

「はうっ...!」

 

ことりに抱きしめられたままの僕に近づいてきた結愛にもおはようのキスをしてあげたのだが、この子も舌を絡めてきて、更に求めてきたので結愛の額を左手で押すようにして止めた。

 

「全く朝から...じゃあ、飛鳥いってくるね。ほらことりそろそろ離れて!」

「飛鳥。いってきます」

 

そろそろ時間も危ないと思って出発する為に飛鳥に挨拶しながらことりを引き剥がしてエレベーターに向かった。

それに五月が頭を下げて挨拶して続いた。

 

「ぶうぅぅ~...もうちょっと補給たかったのにぃ...じゃね!飛鳥、いってきまーす!」

「じゃあ、いってくるね。お姉ちゃん!」

 

そして、文句を言いつつも離れたことりとそれを笑いながら見ていた結愛も続いて飛鳥に挨拶をして僕についてきた。

 

「いってらっしゃい、みんな。気をつけて」

 

そんな飛鳥の言葉を後ろ手で挙げて返しながらエレベーターに乗り込むのだった。

 


 

~昼休み・ある空き教室~

 

「......ゴクッ...!ふぅ~...ありがとうございます、憂さん」

「いえ。お役に立てて何よりですわ」

 

昼休みの時間。

一つの空き教室に和彦を想う女性達と一花が集まって昼食を食べていた。

この教室は理事長により用意されたようであり、薫やマルオ、健介などが理事長に話を通したようである。

これからこのメンバーで集まって話すことがあるだろうが、話の内容が内容の為、こうやって用意されたのである。

 

「しっかしあれね。あんたもヤることはヤッてんのね」

「二乃言い方...」

 

憂が用意したアフターピルを飲んだ五月を見ながら、ニヤリと笑みを浮かべながら発言する二乃に、一花が呆れるようにツッコミを入れた。

 

「まあ二乃が言いたい事もわかるかも...」

「そうだね。昨日の五月のメッセージ見た時もビックリしたもん。五月が?って」

 

一花の言葉に三玖と四葉は笑いながら二乃の気持ちが分かると伝えた。

 

「あっははは!あのメッセージの始まりは面白かったよねぇ♪」

「五月さんには悪いって思うけど、私もつい笑っちゃった」

「うぅぅ~...」

 

昨日のグループチャットの始まり方をことりが笑いながら話すと、結愛も申し訳なさそうな顔をしながらもことりに同意した。

すると、その時の事を思い出したのか五月は顔を赤くして顔を伏せてしまった。

 

「まあまあ。皆、五月さんをからかうのもその辺で。皆も最初に和彦さんに愛された時は緊張したでしょ?」

「それは勿論ですわ。まあ、(わたくし)よりも綾那の緊張振りの方が凄かったですけど」

「ゆ、憂様!皆さんの前で言わないでくださいよ!」

 

芹菜の言葉に憂は肯定するも、自分より綾那の緊張振りの方が凄かったと笑いながら話すと、綾那が恥ずかしそうに答えたので、それを皆で笑って見ていた。

 

「そ...それで、五月......その......ど...どうだったのよ?」

 

そんな中、やはり皆が気になっていた事を二乃が先頭を切って話題を振った。

 

「やっぱり、あんな大きいのでも()いるの...?」

「痛くなかった?」

 

それに三玖と芹菜が続いた。

芹菜の質問の後は、全員が五月の返答を固唾を飲んで待っていた。

 

「えっと......その......ちゃ...ちゃんと()いりましたよ......私も......()れられるまで、本当にあんなものが自分に、と思っていましたし」

 

そこへ五月は、体をモゾモゾさせながら恥ずかしそうに答えた。

 

「やっぱり()いるんだぁ~...あんなに大きいのにね」

「だよねぇ。想像出来ないなぁ...」

 

五月の言葉に、結愛とことりが関心するように言葉にした。

 

「その......痛くなかったのですか?憂様から、葵様より最初はやはり痛いものだと仰っていたと聞いておりましたので」

「そうだよ!五月、体調とか大丈夫なの?」

 

そこに綾那と四葉から心配する声があがった。

 

「ええ。心配しくれてありがとうございます。体調も問題ないですよ四葉」

 

それに対して五月は笑顔で返した。

 

「痛さは......多分あったと思います...」

「多分とは?」

 

初めての経験の時に痛みがあったかについて、五月は曖昧に答えたので、憂が聞き返した。

 

「その......和彦さんと結ばれた幸せな気持ちと......その......気持ち良さが大きかったので......覚えてないんです...」

 

憂の質問に、五月はまた体を縮こまりながら、顔を赤くして俯いてしまった。

 

「ひゅ~♪お義姉ちゃんも言うねぇ~♪」

「ホントよ。ていうか、五月にここまで言わせるってことは...」

「相当気持ちいい証拠...」

 

五月の言葉に冷やかすようにことりが笑みを浮かべると、それに二乃が続いた。そして、二乃と三玖は生真面目な性格の五月にここまで言わせたところを見ると、和彦との行為はとんでもなく気持ち良いと分かり、お互いを見て頷いた。

 

「ふふふ...♡それは楽しみですね。ああ、そうでした。綾那」

「はい!」

 

二乃と三玖の行動に楽しみな笑みを浮かべた憂であったが、何かを思い出したかのように綾那に話しかけた。すると、綾那は持ってきていた鞄から次々と小さな箱と小さな紙袋を出していった。

 

「何これ?」

 

綾那によって出された箱の一つを取って側面をクルクルと結愛は見た。しかし、その箱は真っ白で絵や文字など何もないのだ。

 

「ああ、それはスキン......所謂、コンドームですよ」

「コッ...!?」

 

平然と結愛の質問に答えた憂の言葉に、唯一キスから先を経験していない一花が驚きの声をあげた。

勿論、他のメンバーも驚いている。

 

「一応、和彦さんのサイズに合うものを選んでおりますが、もしもの為という事でこちらもご用意いたしました」

 

そんな驚きの表情をしている他のメンバーを気にしない憂であるのだが、今度は白の紙袋をひっくり返し自身の右手に錠剤を出した。

 

「えっと...これは先程私が飲んだ薬では?」

「はい。皆さんの分もご用意いたしました。もしもの時があってはいけませんからね」

「へ...へえぇ~...全員分あるのね...」

 

緊張した趣で質問する五月に対しても、憂はいつも通りの表情で答えた。それには、流石の二乃も驚きを隠せずに箱を取った。

 

「流石に学校にお店で販売している状態で持ってきてはマズイと思いまして、白の箱でご用意致しました。どうぞ皆様お手に取ってください」

 

憂の促しもあり、一花と芹菜以外のメンバーは次々に箱と紙袋を取っていった。

 

「コンドームは市販の物と同じ数量で入っております。お薬は十錠ずつですね。あら?芹菜さんはともかく、一花さんはいらないのですか」

「へ!?」

 

箱と紙袋を取ったメンバーが中身を確認している中、憂は中身の数量を説明した。

そんな中、一花が手に取っていない事に憂は不思議そうな顔をしていた。

 

「芹菜さんは和彦様との妊娠を望まれておりますので、ご用意はしておりませんでしたが。一花さんはいらないのですか?」

 

確かに憂の言う通り、一花以外のメンバーがそれぞれ一つずつ手に取っているからか、テーブルの上には箱と紙袋がそれぞれ一つずつ残っていた。

 

「いやいや!私は先生と使う機会ないし!」

 

憂の不思議そうな顔で質問をしてくるものだから、一花は慌てて両手を前にして振りながら、自分は和彦と使う事が無いと否定した。

 

「それはまあ...そうでしょうけども。上杉先輩ともしそういった仲になった時に御入り用では?」

「え!?」

 

一花の否定に憂は納得するも、一花が風太郎とそういった関係になった時にいるのではないかと不思議そうに聞いたので、一花は驚きの声をあげた。

 

「そうだよねぇ~♪お兄ちゃんに使うとは限らないもんねぇ~♪」

 

そこに不敵な笑みを浮かべながら、ことりが箱を一花に見せた。

 

「──っ!!一応、貰っておく...」

「ええ。これはエチケットでもありますからね。ああ、無くなりそうになりましたらご連絡ください。全て今井家でご用意いたしますので」

 

ことりの挑発に一花が結局箱と紙袋を取るのを確認すると、憂は微笑み、そして無くなりそうになったら今井家で用意すると(みな)に伝えた。

 

「うわあぁ~...コンドームってこんな風に入ってるんだぁ~...」

「初めて見た。憂?これにもサイズがあるの?」

 

箱の中身を見た四葉は驚きの声をあげると、それに続いて三玖も箱の中身を確認すると憂に質問をした。

 

(わたくし)も詳しくはないのですが、やはり殿方にも個人差もあるようでして、サイズが分かれているそうですよ。今回ご用意したものは一番大きなサイズです。お母様が言うには、人によっては小さくて破れる事もあるようですので、お薬をご用意しておきました。後は、和彦様はないかと思いますが、付けない方が良いと言う方がいらっしゃると思いまして...」

 

三玖の質問に対して、葵から聞いた情報を伝えたうえで、目を細めて薬の用意をした理由のもう一つを伝えた。

そんな憂の視線にほぼ全員がビクッと反応したので、五月はため息をつき、芹菜は呆れながら笑い、憂は満足そうに笑みを浮かべた。

 

「ま...まあ、結局はシないと意味ない訳だしね...!」

「そうだよねぇ~...順番とかどうする?」

 

慌てたように呟く二乃の言葉に、結愛は同意しながらも今後の事を相談し始めた。

 

「流石に師匠と五月様が一緒に住まわれるようになられたばかりですので、今すぐにというのは気が引けますね」

「そうですね。そこは(わたくし)も同意見です。ただ、飛鳥さんについては、今度の休日に時間を作ってあげた方が宜しいかと。ゴールデンウィークが終われば福岡にお帰りになるのですし」

「そうですね。そこは私も問題ありません」

 

和彦と五月が一緒に住み始めてすぐに行為に及ぶのは、流石に気が引けると綾那が伝えると憂も同意した。

ただ、地元から来ている飛鳥については時間を作ってあげても良いのではないかと憂が提案すると、五月もそこは同意した。

 

「だよねぇ~...それに、私と四葉については、まだ初めてをお兄ちゃんにって訳でもないしね...」

「そ...そうですね...」

 

そこにことりも同じ意見の様であり、かつ自分の初めてを和彦にあげるか、風太郎にあげるかを結論に至っていないと言葉を漏らすと、四葉は恥ずかしそうに頷いた。

 

「芹菜さんはどうするの?和彦さんとの子ども早く欲しいんでしょ?」

「そうね。ただ、欲を言えば私の場合だと仕事の事もあるし、週末に時間を作ってくれると助かるかな...どうかしら、五月さん?」

「和彦さんが問題なければ構いません。その時は...」

「私達の家に泊まる?一人だと寂しいでしょ?」

「ありがとうございます。では、お言葉に甘えますね」

 

一方の子作りをすぐに始める者としての芹菜に対して、結愛がどうするか聞くと、芹菜は顎に右手拳を持っていき考え込むと、自分の希望を五月に伝えた。

それに対して五月は、和彦と話し合いのうえであれば問題ないと伝えた後、ことりが和彦が芹菜の所に行っている間は自分達の家に泊まるように提案して、それに五月は笑顔でお礼を伝えた。

 

「なんだか端から聞いてると、先生ってやっぱり凄いね」

「そうね。新婚なのに妻を置いて別の女の家に泊まるんだもの。他の人が聞いたら引くどころか、軽蔑の目を向けるでしょうね」

 

そんな芹菜と五月のやり取りを聞いていた一花が率直な感想を伝えると、二乃もそれには同意して、他の人が聞いたらマズイものであると言葉にした。

 

「それでこの部屋って事...」

「そうですわね。外では会話出来るものではありませんから」

 

そんな二乃の言葉に、三玖はこの部屋の存在が大きい事を考え、それに憂は微笑んで答えた。

その後も、他の話題などで五月達は有意義な昼休みを過ごすのだった。

 

 




今回の投稿も読んでいただきありがとうございます。

今回は無事に和彦と五月のお互いの初体験を終えた次の日のお話を書かせていただきました。
色々と我慢をしてきた五月は更なる甘えさが増していっているようですね(*´∀`*)

そして、サブタイトルの通りに理事長によって用意された空き教室での女子会。そこでは、五月の初体験を聞き今後の話をしていましたが、そこで五月の為に暫くは自分達は控えると纏まりました。が、果たして彼女達に我慢が出来るのでしょうか(^o^;)

さて、次回のお話なのですが、少し迷っている部分がありまして、自分の脳内がこちらでは書けない様な話ばかり出てきてまして、暫くは(裏)の方で進めて、本編は一時休業も考えてはいます。

とりあえず今のところは次回の投稿を6月10日と考えております。
送れた場合には申し訳ありません。

では、次回の投稿も読んでいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。

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