目の前に、重厚な造りの扉があった。
供に付いてきたロドルバンがノックする。
暫くして扉が少し開き、中から年配の女官が顔を出した。
「フォルド様をお連れ致した」
「お待ちしておりました」
フォルドの侍従長とその
付き従ってきた護衛の騎士は中に入らず、廊下で閉じられた扉の前に立った。
女官は質素な小部屋を抜け、正面の扉を押し開く。
正面の壁一杯に大きめの窓が広がり、その脇にバルコニーに通じるガラス張りの扉がある。内部は落ち着いた色調で統一された
女官はその部屋の右端にある扉へと向かい、ノックした。
「フォルド様とその侍従長をお連れ致しました」
扉越しにそう告げると、中から音がしてカチャリと扉が開く。
老齢の侍従が晶とロドルバンの姿を見て深々と
「どうぞ、中へ。王がお待ちでございます」
と、二人を部屋の中へと
部屋の中央奥、明るい陽光が差し込む窓の脇にある天蓋付きのベッドに、一人の壮年の男がクッションにもたれ掛かるようにしていた。
現ソルティア国王カムラスである。長く
そのベッドの脇に白髪に顎髭を蓄えた宮廷薬師の長リヤルドとエイル、そして神官長のオラトリオが控えていた。更にその周囲を護衛だろうか、数人の騎士らしき者がいる。
入った途端そんな面々に注視され、思わず晶は怯んだ。
王一人に会うつもりでいたのに、思った以上に人が多い。
最初会った時に言おうと思っていた言葉が頭から吹っ飛び、何を言ったらいいか判らなくなって晶は
そんな晶の焦りなど気付かず、ベッド上のカムラスは息子の元気そうな姿に笑みを浮かべた。
「よく来たな、フォルド」
「……病床の身の父上に、長らく心配掛けさせて申し訳ありません」
話しかけられた晶は、内心の動揺を何とか抑えて言葉使いに気を付けながら応えた。
知識などは一通り
カムラスは何とも言えない複雑な
「いや、あの事故は其方の所為ではないのだからな」
と、傍に来るよう扉の前に立つ息子を促す。
それに逡巡する晶の背を、後ろに控えていたロドルバンが軽く押した。
軽くたたらを踏んで前に出た晶は、そのまま