「そうか……」
カムラスは深く息をついてクッションに身を沈めた。
「出城は大混乱のようですね。次々と捜索隊が飛び出して行ってるようです」
まるで見聞きしたかのようにエイルが告げる。
しかし彼はずっとこの王宮にいたのだ。国境付近の出城の状況を知る筈がない。
だが、カムラスはそれを真実として受け止めていた。
「ふむ、やはり便利なものだな、その『心話』とは」
感心したようにエイルとピクトを見る。
今彼が話したことは、肩に乗る金茶色の鳥からもたらされた情報だった。
カムラスがこの光景を見たのは今回が初めてではなかった。初めて見たのは元近衞の長のオルフォートが面白い技を使う奴がいるとエイルを連れて来た時だった。
動物と心を通い合わせ、意思の疎通ができると——
最初カムラスは流石に驚き疑いもしたが、今では最速で各地の情報を得られるので色々と重宝していた。
同時に動物と心で会話するという、このソルティアでは馴染みのない能力なだけに、他の者には伏せておいた方がいいだろうとカムラスは判断し、誰にも知られない様に配慮していた。さっき部屋の者全て退出させたのもその為だ。
「エラドラ殿も『心話』を得意としていると聞いておるが、《
「いいえ、エルティアでもできる者は
少し呆れ気味に、エイルは興味深げに訊いてきた王を見返した。
「なに、この大地を
当然のようにカムラスは言い返した。
「
「ええ、私があの
エイルは懐かしむ様に一瞬遠い目をしたが、すぐに気持ちを切り替えて話題を変えた。
「まあ、それはともかくとして、
と、横目で肩のピクトを見やると、その視線に何か感じてかピクトはピクリと身を震わせた。
「しかし、其方が予想した通り、出城に着いた早々本当に姿を
「本当に行かせて良かったものか……」
未だフォルドの
黙って行かせるのではなく、もっと他にやりようがあったのではと、今更ながらにカムラスは憂えるように呟いた。
【アーサス豆知識③】
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最初は王が司祭長を兼任していたが、その後は自分の担い手をエルーラに選ばせてその者を司祭長とした。これにより力の
エラドラはエルーラが最後に自分の担い手として選んだ巫女。
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