ウマ娘『ネオユニヴァース』。彼女には
いくつもの別宇宙から、この世界に最も近い別宇宙を観測する。それは疑似的に未来予測として使うことも出来て、彼女はジュニア級ながら自分が“勝てる”ことを知ってさえいました。
だからこそ、彼女がトゥインクル・シリーズを走る理由はただ勝つことではありません。
最も近い別宇宙の
自らの難解な言葉遣いを読み解こうと努力してくれるトレーナーと出会い、
「次のレースで『わたし』は初めての敗北を喫する。しかしそれは一時的な低迷。クラシック級に入り、白梅賞の勝利で再加速。スプリングステークスを制し、クラシック路線に“エントリー”する」
今のところ、彼女の目に映る別宇宙は変化していない。彼女が観測するのは最も近い別宇宙。つまり、
「『GATE』は存在し続けている」
自身が消失する未来は変わっていないということです。
しかしそれは彼女にとって想定内の事柄でした。
そう簡単に『GATE』との衝突は無くならない。『消失』してしまった自分と同じ軌跡を歩み、『GATE』に正面から打ち勝たなければ『消失』は避けられないのです。
そうして別宇宙の観測を切り上げようとした瞬間の出来事です。
ネオユニヴァースに見える別宇宙が、揺らぎ、
それは、彼女が存在しているこの世界が変化し、『最も近い別宇宙』が切り替わったことの証左です。
「どうして……?」
別宇宙を認識する彼女の行動によって未来が変動し、観測できる別宇宙が変化することは今までもありました。
しかし今、この瞬間において、彼女は何もしていないのです。
なら、どうして、世界が変化したのか。
彼女の優れた頭脳は1分とせずに原因を導き出しました。
「ネオユニヴァースの他に、別宇宙の観測を可能とする個体が現れた」
自分以外に、別宇宙を認識し、世界を変動させることが出来る者が存在するなら、どうして今まで彼あるいは彼女による世界の変動が起こらなかったのかなど、疑問は尽きませんがそれ以外に可能性はありませんでした。
「ネオユニヴァースは『見つける』をするよ。『トレーナー』に加え、その個体の協力があれば、あるいは」
「異界のぼくは果たせたんだね、悲願を」
誰かが言いました。
「ならぼくも、彼女の隣に立つよ。異界のぼくに出来たんだ。ぼくにだって出来るはずだ」
凱旋門賞を勝って、君を迎えに行くよ。
ネオユニヴァース。