ネオユニヴァースに恋した世界一の蹄跡   作:はやてだわきち

22 / 42
幕間 ウマ娘化に際してのインタビュー記事

 あるゲーム雑誌のインタビュー記事から3節抜粋。

 

緋田:アッシュブライド号を調教した元調教師

島原:アッシュブライド号の馬主で、『さざ波に誘われて』『剣の王』『猫の王国』などを手掛けた児童文学作家

中村:当雑誌の『ウマ娘』記事担当者

 

 

 

 

 

凱旋門賞“牝”馬『アッシュブライド』の馬主と調教師に独占インタビュー

 

中村:本日はよろしくお願いします。

 

島原:よろしくお願いしまーす

 

緋田:お願いします

 

中村:ではウマ娘化に際してのインタビューということで、始めさせていただきますね。

 

島原:なんだって聞いちゃってください!

 

中村:ありがとうございます。では最初に、『ウマ娘化のオファーが来た時ってどう思いましたか?』という質問からお願いします。

 

 

 

 

 

『ウマ娘化のオファーが来た時ってどう思いましたか?』

 

島原:俺からいいですか?

 

緋田:はい。

 

島原:『あっ、そりゃ来るよな』って思いましたねー! アッシュはそりゃ凱旋門勝っちゃったしすごい馬ですけど、なんというか初めての馬だったこ

ともあってウマ娘化するレベルの名馬って認識に欠けてたとこあって……。

 

中村:凱旋門賞“牝”馬なのにですか!?

 

島原:はい!

 

緋田:この人最初会った時からこんなですよ。割とノリで馬買って、実感ないまま呑気に取材だーって。真壁くん……あー、知ってますか?

 

中村:はい。緋田厩舎から独立したあの真壁一平調教師ですね。

 

緋田:そうそう。真壁くんがずっと付きっきりで島原先生の質問に答えてたんですけど、メモはとってもどこか他人事でアッシュブライド号の凄さを中々わかってくれなくて……

 

島原:あーあー聞こえませーん。……まあ俺はそんな感じで、お話が来るまでウマ娘化って考えたこともなかったですねー。

 

中村:なるほど。では続いて緋田元調教師の方にお話を……。

 

緋田:はい。私はちゃんと考えてましたよ。ゲームが公開される前の、企画段階のウマ娘をネットで目にしましてね。これはアッシュブライド号もするんだろうなと。

 

中村:なるほど。

 

緋田:で、実際島原先生からウマ娘化を打診されたと電話が来て……その時は『先生の馬なので決定権は先生にありますよ』って冷たくしちゃいましたけど、まあ嬉しくはなりました。アッシュブライド号の強さは競馬関係者にはよく知られてますけど、それ以外の層にも知ってもらえるのは実はすごいいいことなんじゃないかって、遅れてね。

 

中村:ありがとうございます。では次に、『一時ネットを騒がせた島原伸二シャイゲ突撃事件について教えてください』。

 

 

 

 

 

島原伸二シャイゲ突撃事件

 

島原:うわ来ちゃったよー。

 

中村:それは、まあ。聴きたくなるお話ですから。

 

島原:いやこれは俺が大体悪い話なんですけどね、ウマ娘化にあたってキャラ付けとかあるじゃないですか。

 

中村:ありますね。

 

島原:俺その頃『猫の王国』を書いててめっちゃ忙しくてですね。向こうの人に『変だったら文句言うんで上手い感じにお願いします』って丸投げしちゃったんです。それで完成したキャラ案が……これ向こうを貶してるわけじゃないですよ? まあ俺の好みじゃなかったんです。それでなんかもんもんとしちゃってですねー、シャイゲに一度『ごめんなさいこれ却下で。でも今俺忙しいので半年後くらいに連絡するのでその時一緒に決めましょう』ってお伝えしたんです。

 

中村:な、なるほど……。

 

緋田:言っていいんですよ。社会人としてそれはどうなんだって。

 

中村:いやいや、作家さんって作品書いてる時期めっちゃ忙しいって聞きますから……。

 

島原:それで『猫の王国』を世に放ってー、もう一度シャイゲに連絡しました。『俺はもう自由なんでいつでも打ち合わせできますよ』って。そして相談しに来てくれて、今のウマ娘のアッシュブライドが出来上がったんです。

 

中村:あれ? 突撃してなくないですか?

 

島原:突撃するのはここからなんです……いや恥ずいなー! で、キャラが定まった後こうね、俺の中に『あのキャラ、他人に書かすには惜しいな』って思いがふつふつと出てきて、それが限界を迎えて…………えー言わないとダメですか?

 

緋田:シャイゲームズさんの採用試験に申し込んだんでしたね。

 

島原:緋田さぁん! まあそうです。俺はシャイゲの社員になるぞーってとち狂ったことしちゃったんです。結局社員にはならないで、外の人として脚本書くことになったんですけどね。ほらあれ、同じシャイゲにもありましたよね。

 

中村:プリコネのなかよし部のことですか?

 

島原:そうそれです。

 

 

 

 

 

『アッシュブライド号はどんな馬でしたか?』

 

島原:はいはいはい! 俺ずっと思ってたことがあるんですよー!

 

緋田:え?

 

島原:アッシュ、転生チート競走馬説! いわゆる転生ものが流行り出してから思ってたんですよねー。

 

緋田:すいません、転生ものってどんなものなんですか?

 

中村:(説明)

 

緋田:なるほど……?

 

島原:前緋田さんこう言ってたんですよ。『アッシュブライド号はまるでもう知ってますよと言わんばかりに人を乗せたり調教受けるのに慣れてた』って。

 

中村:それで、人生、いや馬生をやり直してるってことですか?

 

島原:あと単純に強かったですし設定がもりもりですよね。今考えると。ネオユニヴァースに、好きな子に一途で、小さいのにすごい力を秘めていて、今の形の菊花賞になって初の牝馬の勝ち馬で、日本調教馬初の凱旋門賞馬で。なんだこいつ。

 

緋田:まあ先生の話は置いておいても、賢くて強い馬でしたよ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。