貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
魔術師テクアが【移動魔術】の術式を組み上げる数秒間に凄まじい攻防が繰り広げられていた。
勇者が一度に3体の人形を斬り伏せ、僧侶ステラが暴風の魔法で囲んでいた人形達を吹き飛ばす!!。
残った人形をピンク髪の武闘家が一瞬にして薙ぎ倒して隙を作り上げる!!。
「今だ!! テクア!!」
勇者の掛け声と共に【移動魔術】の術式が光輝く!。
「よしっ! 皆集まれ!!」
皆が術式の中に集まった瞬間!!。
トンっ...。
「えっ...?」
いきなり私の体を押し出したのは勇者パーティの武闘家だった。
「悪く思わないでね...、術式を4人以上で組む場合数秒の誤差が生まれる、ただの村娘の命と私達勇者パーティの命...、天秤にかけるまでもない」
「サーシャァァ!!!」
勇者キィアが怒りの声をあげる中、私達だけがスラナ村に取り残された。
その現状を見たマーカイルが私たちを嘲笑していた。
「やはり人間だな...、自分が生きのこる為ならば他人の命などどうでもいいと言う訳だ、まあそう悲観するな」
レベル1の村娘と少女一人でレベル125のマーカイルに勝てる訳がない。
「お姉ちゃん...」
「大丈夫...、せめてサラだけは逃してあげるから...」
気休めでもそう言うしかない状況に私は震える自分の魂を奮い立たせるのでした。
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私は一度サラから離れマーカイルの方に顔を向ける。
深く深呼吸をしてから彼に話しかけた。
「ねぇ、話をしましょう」
「ほう? この状況で話しかけてくるとは...、ただの村娘にしては肝が据わっているな」
(よしっ、まずは話し合いに持って行けた)
私はサラに合図を送るタイミングを見計らう。
人形にされてしまった村人達は恐らく彼が人力で操っているのだろうと考えた私は、彼の興味を惹く話題を長引かせる事で彼女の逃げる時間を稼ごうと考えてしました。
できるかできないかではない、やらなくてはならないのだ。
震える手を押さえながら交渉に持ちかける。
「なんでこんな事をしたの?」
「こんな事? ああ村人を人形にした事か...、まあ
彼の言葉に私はゴクリと息を呑む。
「リサイクル? 何の?」
「決まってるだろう?
その言葉を聞いた時に私は彼の事を狂っていると思った。
人間の事をゴミと嘲笑う彼の姿には人間らしさなど微塵も感じられない。
ただの悪の存在を私は全身で感じ取っていた。
しかもここまでサラの方にも視線を動かしているので隙がない。
「もう充分話しただろう? そろそろお前も人形にしてやろう」
彼が手をかざした瞬間に私は呟いた。
「待って、もしも私を人形にするんだったらサラだけは逃してちょうだい」
「サラ? そこの娘か?」
「ええ...私はどうなってもいい...、お願い」
頭を下げる私を見た彼はそんな姿を嘲笑う。
「私はどうなってもいい? その言葉が本当かどうか試してやろう!」
「ッ!! 何を!!」
彼は私ではなくサラの方に指を向ける!!。
「まずい!!」
このままではサラが人形にされてしまう!!。
そう思った私は全力で走り抜けサラを庇いマーカイルに背を向ける。
そして...。
私の背中に何かが当たる感覚がするのでした...。