貴方がLv1から2に上がるまでに必要な経験値は【6億4873万5213】だと言われてしまい勇者パーティからは【使えない】宣言されてしまった村娘ですけど仕方がないのでレベルを上げずに最強になります!! 作:カイトGT
「はぁ...はぁ...」
お嬢様の出す声にしては大きく粗暴な声でしたが、私の心には響きました。
「言えたじゃない、自分が本当にやりたい事、だったらやる事は私を説得して教師にする事じゃないよね?」
「...あっ」
彼女は自分が本当にやりたい事を自分の口で叫んだのだ。
それはきっと偽りのない心からの叫びだと私は感じていた。
そんな彼女にならば、私から手を伸ばそう。
「今の言葉が本心ならば私から勧誘しよう、エリーゼが私達の旅についてこない? 私達はこんな所で足を止めるわけにはいかないけれど、あなたが私達に足踏みをそろえると言うのであれば反対はしない」
私の言葉に彼女は言葉を失っていた。
「ケロナ...お姉様!!」
すごく嬉しそうな表情のまま彼女は光の灯った良い目になる。
「あなたがやるべき事はわかったよね? じゃあ行ってらっしゃい!」
私は微笑みながら彼女に手を振った。
「はいっ! お父様から
満面の笑みを浮かべる彼女の背中を私は押す。
「大丈夫、エリーゼくらいはっきりとものを言える子ならきっとね」
私がそう言うと、彼女は部屋から退出して父親の元へと向かって行った。
彼女が完全に退出したその後で、レイナが私の前に出てこう呟く。
「良いんですか? あの子を連れて行くとなると物凄く面倒な事になると思いますよ? だってあの娘大好きな【シュライン】公爵を敵に回す事になるんですからね〜、まあ私はどちらにせよサラの教師を続けないといけないので、ケロナにはついていかないといけないんですけどね〜」
と、少し皮肉混じりの言葉を垂れ流す。
「大丈夫だよ、彼女ならきっと両親の歪んだ愛から脱出し、自分の意思で私達の旅に同行するから...」
別に勝算があるわけでも、作戦があるわけでもないけれど、私はあのエリーゼという娘に対し、一定以上の評価をしているのでした。
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私達が宿の部屋で彼女が帰ってくるのを待っていると...。
バタン! と勢いよく扉が開き旅用の服に着替えたエリーゼが姿を現せました。
「話はついたの?」
と私が聞くと彼女は首を横に振ってこう言いました。
「お父様には反対されたので全力で屋敷から逃げてきました」
にっこりとした笑顔でそう答える彼女から邪気は感じられません。
彼女は家督を継ぐことよりも自分の冒険心を選んだのです。
そしてその結果...。
バタバタバタと宿の階段を駆け上がってくる複数の足音が聞こえてきたので私はエリーゼの手を掴みました。
「じゃあ一緒に行こっか、ただし! これから起こる事は全部自己責任でね」
私の問いに彼女「はいっ」と答える。
バタンと宿屋の扉が開かれる前に窓から脱出する私達。
私はエリーゼをお姫様抱っこしながら屋根の上を駆け巡り、レイナとサラは余裕そうな笑みで空を浮遊している。
「お姉様がたならこの程度の包囲陣くらい簡単に突破できますわ! このまま【港町アルカイル】に向かってくださいませ!」
「そこに何かあるの?」
「はいっ、昔お父様が買ってくれた私専用の船、【エリーゼ号】が停泊してますのでそれを奪って
さらっと凄い事を笑顔で言うあたり、彼女の心の迷いは晴れたのだろう。
私達は【シュライン公爵】の送り出してくる追跡者達をいとも容易く振り切ると、彼女の言う通り【港町アルカイル】に向かうのでした。